◆6/27の第3回原告団総会
…総会の訴え

◆大飯原発差止訴訟 第3回原告団総会の 訴え

大飯原発差止訴訟、第3回原告団総会参加者の総意として、次の通り主張・提言し、決意を表明します。

☆本年4月14日、私たちは、再び福井地方裁判所で、世界初の〝高浜原発運転差止仮処分決定〟という画期的判決を得ました。昨年5月の、憲法上の人格権を最優位においた、歴史的な「福井地裁判決」をも上回るような判決です。京都でも、関西電力・大飯原発全機の再稼働差止めを命じる「京都地裁判決」を勝ち取りましょう!

☆福井地裁判決による司法の度重なる「原発ゼロ宣言」は、私たちの運動及び国民多数の意思と合致しています。「本件原発の事故によって住民らは取り返しのつかない損害を被る恐れが生じることになり、本案訴訟の結論を待つ余裕がなく、また、規制委の設置変更許可がなされた現時点においては、保全の必要性も認められる。」(=福井判決)から、安倍政権は、今こそ国民の意思と司法に従い、即時原発ゼロの政治決断を行うよう求めます!

☆「各地の原発敷地外に幾たびか到来した激しい地震や各地の原発敷地に5回にわたって到来した基準地震動を超える地震が高浜原発に到来しないというのは根拠に乏しい楽観的見通しにしか過ぎない」し、「地震が人間の計画、意図とは全く無関係に起こるものである以上」“新規制基準”は合理性を欠く(=福井判決)ので、現在、運転を停止している大飯原発は、直ちに廃炉のプロセスに入るよう、強く求めます!

☆関西電力は、今なお“原子力による発電原価がいちばん安い”という宣伝を行っています。しかし、〝高浜原発差止仮処分決定〟は、原発を再稼働させれば、「使用済み核燃料は我が国に存続に関わるほどの被害を及ぼす可能性がある」(=福井判決)と明確に指摘した上で、関電は、「使用済み核燃料を閉じ込めておくための堅固な設備を設けるためには膨大な費用を要する」と主張し、「国民の安全が何よりも優先されるべきとの見識に立つのでなく」、「深刻な事故はめったに起きないだろうという見通し」に立っていると喝破しています。福島の事故の事実がなかったかのような、ご都合主義の原価計算です。“世界一厳しい安全基準”でないことは、原子力規制委員会自身が、認めています。こうした、国民を欺く策動を止めさせましょう!

☆“原発温存”に固執する勢力の向こう側に「日本核武装準備」という悪魔の思惑が見え隠れしています。被曝の危険の拡散と国際的孤立、そして、核軍拡競争激化に直結する原発輸出は、即時、中止するよう求めます!

☆東電・福島第1原発の過酷事故の原因究明及び日々の状況を公開するとともに、どこに、いつ避難したかなどの区分・差別なく、すべての原発被災者の補償と救済を、東電と国が責任をもってすすめるよう求めます。また、事故の責任を明確化し、収束作業の迅速化を図るために、一刻も早く東電の破たん処理を行うよう求めます!

☆大飯原発の過酷事故は、若狭湾、琵琶湖の水源地である福井県嶺南地域、京都府の北山山地や、「近畿の水がめ」である琵琶湖に、回復不能の放射能汚染を拡げ、近畿全域にはほぼ住み続けられなくなることは明白です。国土と「国富」を守る、最高で最大の防災対策は、直ちに全原発廃炉の作業に入ること以外にありません!

☆政府と電力会社は、廃炉作業をすすめると同時進行で、自然・再生可能エネルギーの開発・発展を、国民主権の立場で推進し、疲弊した地方及び国民経済の早期再生を実現するよう求めます!

☆原発施設は、日本と地球の未来に有害です。この立場から現在の間違った“エネルギー基本計画”の撤回を求めます。わたしたちは、原発設置を許した責任を自覚し、一人ひとりの主権者に原発の危険のない日本と地球を残すために、新たに有権者となる18・19歳の若者のエネルギーにも依拠して、どこでも、いつまでも闘い続けましょう!

☆大飯原発差止訴訟の原告団は、全国の脱原発運動と固く連帯・連携して、すべての原発廃炉を広く全国民に訴えていきます。1万人原告団を展望しつつ、2015年中に新たに1000人の原告団拡大をめざしましょう!

2015年6月27日 大飯原発差止訴訟第3回原告団総会参加者一同

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