◆【書籍】竹本修三・原告団長の著作
 『日本の原発と地震・津波・火山』

  • 『日本の原発と地震・津波・火山』。大飯原発差止京都訴訟原告団長・京都大学名誉教授の竹本修三 著。発行日は2016/5/5。
  • 地震大国日本では,原発はどだい無理という第1章「地震大国ニッポン」。
  • 第2章「原発と地震」,第3章「原発と津波」,第4章「原発と火山」は,京都地裁での原告側の主張について,原告団長としての考えを示したもの。これらの章では主に大飯原発について述べているが,すべての原発再稼働にとって普遍性のある問題点を指摘している。
  • 第5章は「原発,高レベル放射性廃棄物の処分問題」,子や孫の世代に禍根を残さないように。
  • 原発稼働の是非を考える多くに人に読んでもらいたい内容です。
  • 四六判210ページ。¥1000円+税。amazonでも扱いあり。

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【本書は,大飯原発差止訴訟の原告団長としての考えを示したものです。】
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◆目 次
1.地震大国ニッポン
…長周期地震動,近畿・中部地方の地震と地殻変動,わが国の地震予知研究の現状,など。
2.原発と地震
(1)関電側の大飯原発についての地震対策。
(2)大飯原発周辺の想定地震についての原告側の疑問。
(3)基準地震動を3桁で提示する欺瞞性。
(4)若狭湾の地殻内断層地震は短周期成分が卓越するか?
(5)「新規制基準」は原発の安全性を確保するものか。
3.原発と津波
…福島第一原発の津波被害,日本海側の津波,若狭湾の津波-大飯原発の津波被害,など。
4.原発と火山
…海溝型巨大地震と火山活動,日本の巨大カルデラ噴火とその原発への影響について,など。
5.原発,高レベル放射性廃棄物の処分問題
…わが国で原子力発電が行われるようになった経緯に関して,など。
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“ 地震大国ニッポン ” に 原発は土台無理

新刊著で竹本さん(大飯原発差止京都訴訟原告団長)警告
*救援新聞 2016年4月25日号。橋本宏一(日本国民救援会京都府本部 事務局長)

4月14日から連続的に熊本,大分県などにマグニチュード7を超える大きな地震がありました。4月18日現在,42人の死亡,200人を超える方が重傷,倒壊した家屋も2千を超え,10万人近くが避難し,10人を超える行方不明者がいるとの報道で,すでに救援活動もされています。被災,被害に遭われた方々にお見舞い申し上げます。救援会は中央本部が熊本県本部と連絡をとり,会員の安否,被害状況の把握につとめ,募金などの救援を呼びかけています。被害情報,受け入れ情報に耳を傾け支援に参加しましょう。

この地震とかかわり,今唯一稼働中の鹿児島の川内(せんだい)原発の事故を危惧し停止を求める多くの声が政府に寄せられていますが,政府は「安全基準内」と主張して稼働をつづけさせています。

「『地震大国ニッポン』に原発は土台無理」と,すべての原発の稼働停止と廃炉を主張している,大飯原発差止京都訴訟原告団長の竹本修三さん(京都大学名誉教授)が,裁判で述べたことも含めた,学説(地球物理学)と思いを新刊本としてこのほどまとめました。『日本の原発と地震・津波・火山』がそれ。本体は1000円+税,全210ページです。竹本さんは,福島の原発事故があるまでは「原子力の平和利用」もあり得ると考えていたが,孫も生まれて,よりよい地球環境を残すことに危惧を覚え,そこへ福島の原発が起こり,これは原発と人類はとても共存できないと考えるようになり,孫たちの世代に辛い思いはさせられない,と訴訟の原告となり稼働反対の運動をするようになったと,「はじめに」で告白,さらに「おわりに」では,「日本の国土面積は全世界の約0.25%しかないのに,そこで世界のM6以上の地震の20%が起こっている。この日本に,世界に約400基ある原発のうちの54基が設置されていることはきわめて異常」と警告を発しています。

熊本での大地震は,日本列島のいたるところに活断層が走っている地層の上で,いつでも大地震発生の恐れがあり,本著の警告がより身辺な問題であることを裏書きしています。救援会員の購読を訴えます。ブックショップの発売は5月20日からですが,注文は受け付けます。救援会京都府本部でも取り扱います。