◆原告第22準備書面
-綾部市避難計画の問題点について-

原告第22準備書面
-綾部市避難計画の問題点について-

原告第22準備書面 (PDFファイル 140KB)

2016年(平成28年)5月13日

 

原告第6準備書面において、避難困難性について述べたが、本準備書面では綾部市における避難計画の問題点について追加の主張を行う。

第1 綾部市地域防災計画の問題点について

 1 飲料水について

原告第6準備書面において、大野ダム、和知ダム、由良川ダムは、大飯原発から35km~40km圏内に位置し、これらのダムや由良川水系が放射性物質によって汚染されれば、京都府北部全体において、飲料水の確保が極めて困難になる旨主張した。

平成28年3月、綾部市防災会議は、綾部市地域防災計画原子力災害対策編を改定した(以下「平成28年3月綾部市原子力災害対策」という(甲277号証))。平成25年綾部市原子力災害対策(甲79号証)では、第3編緊急事態応急対策の項に、「第6章飲食物の出荷制限、摂取制限等」が定められていた。

平成28年3月綾部市原子力災害対策では、第2編原子力災害事前対策の項に新たな項目として、「飲食物の出荷制限、摂取制限等」(同第8章)が加えられた。

しかし、同章では、

「第1 飲食物の出荷制限、摂取制限に関する体制整備
市は、国、京都府及び関係機関と協議し、飲食物の出荷制限、摂取制限に関する体制をあらかじめ定めておくものとする。
第2 飲食物の出荷制限、摂取制限等を行った場合の住民への供給体制の確保
市は、飲食物の出荷制限、摂取制限等を行った場合における、住民への飲食物の供給体制をあらかじめ定めておくものとする。」

とされているだけで、何ら具体的な対策は記載されていない。
このように、改定された避難計画でさえも、飲料水の確保について具体的な記載をすることができていないのであり、由良川水系が放射性物質によって汚染されれば、京都府北部全体において、飲料水の確保が極めて困難となる。

 2 避難について

  (1)「第6要配慮者への配慮」の新設

平成28年3月綾部市原子力災害対策では、「第3編緊急事態応急対策第4章避難、屋内退避等の防護措置」の項に「第6要配慮者への配慮」という項目を新設した。

しかし、同項は、「災害時に要援護者について十分配慮する」と記載するのみで、要配慮者ごとの具体的な内容が記載されておらず、全く対策となっていない。

  (2)「第6要配慮者への配慮」の問題点

「要配慮者」とは(高齢者、障害者、外国人、乳幼児、妊産婦、傷病者、入院患者等をいう(平成28年3月綾部市原子力災害対策16頁参照)。
例えば、障害者には、視覚障害者や身体障害者もおり、障害の程度も異なる。

視覚障害の場合や重度の身体障害者の場合、車を運転することはできず、自家用車で避難することができないため、家族などの援助が必要であるが、単身者の場合その援助も得ることができず、避難することができない事態となる。

平成28年3月綾部市原子力対策では、「要配慮者等が避難に時間を要する場合においては、綾部市奥上林公民館に放射線防護対策工事を実施する」と定められている。

しかし、放射性防護対策工事の具体的中身が明らかとなっていないだけでなく、そもそも避難することのできない重度の障害をもっているものは、公民館に移動することも困難である。

第2 結論

このように、平成28年3月綾部市原子力対策は、具体的な事態や個々の避難者の個別事情を想定して作成されていないのであり、避難計画としては、全く対策となっていないのである。

以上

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