◆原告第35準備書面[2]
第1 はじめに

原告第35準備書面
 ―被告主張の地域特性に根拠がないことについて― 目次

第1 はじめに

被告関電は、地震動の想定に地域特性の把握が重要であるとして、「地震動に影響を与える特性である、(1)震源特性、(2)伝播特性、(3)地盤の増幅特性(サイト特性)が重要な考慮要素となる。」「特定の地点における地震動を想定するには地域性の考慮が不可欠」である(関西電力準備書面(3)17~18頁)と主張している。

関西電力準備書面(3) 16頁 【図省略】

そして、大飯原発の基準地震動も地域特性を考慮して策定したとして「最新の地震動評価手法(「震源特性」と地下構造による地震波の「伝播特性」及び「地盤の増幅特性(サイト特性)」を、地域性を踏まえて詳細に考慮する地震動評価手法)を用いて、検討用地震の地震動評価を行なっている(「敷地ごとに震源を特定して策定する地震動」の評価)。さらに「震源を特定せずに策定する地震動」も評価した上で、本件発電所の基準地震動Ss-1~Ss-19を策定している。したがって、本件発電所敷地に基準地震動を越える地震動が到来することはまず考えられないところである。」(同上159頁)と主張している。

これに対して原告らは、基準地震動を超える地震の発生する危険性があると批判している。過去に各地の原発で基準地震動を越える地震が繰り返し起きており、それは基準地震動が「平均像」に基づいて策定されているからだと指摘している。被告関電は、基準地震動が「平均像」に基づいて策定されていることを認めながら、大飯原発の地域特性が十分に把握できており、その地域特性に照らせば、基準地震動を越える地震発生の可能性を否定できると主張している。このように地域特性は、被告関電の地震動に関する主張の柱に位置付けられている。

ところが、被告関電は、地域特性のうち、(1)震源特性と(2)伝播特性については、具体的な主張立証を何らしていない。(3)地盤の増幅特性(サイト特性)については、「大飯発電所の基準地震動について(平成27年1月)」(丙28)を提出し、地下構造の調査の結果、敷地浅部には硬質の岩盤が広がっていること、それ以深においても地下構造には特異な構造は認められなかったと主張をしている。しかし、基準地震動が小さくなる方向で、地盤データを曲げて整理し、隠蔽し、地盤のモデル化がなされている。以下、意見書「大飯発電所の基準地震動の策定における問題点 ―地盤の速度構造(地盤モデル)について―」(甲357、赤松純平)に拠り、被告関電の地域特性論を批判する。