◆第4回口頭弁論(2014年5月21日)の報告

5月21日、第4回口頭弁論が開かれました。

 第4回口頭弁論は、裁判官の交代に伴う更新弁論でした。第1回口頭弁論(2013年7月2日)のときに陳述した竹本修三原告団長と、福島から避難してきた福島敦子さん(原告団・世話人)とが、その後の状況の変化を踏まえつつ、前回とほぼ同様の趣旨の陳述を行いました。
 傍聴席に多くの原告がお越しいただき、弁護士会会館の模擬裁判、報告集会にご参加いただきました。開廷前の裁判所一周パレードにも、多くの原告が集まり、ありがとうございました。

 以下の報告と写真は、原告の村上敏明さんによるものです。Facebookに掲載されたものを、確認の上転載させていただきました。

(1) 竹本修三原告団長の陳述を聞いて
  (固体地球物理学、測地学 京大名誉教授)

地震国ニッポンで、原発稼働は無理!

  1. 世界地図の約0.25%という狭い範囲の日本で世界の地震の約20%が起こっている。
  2. 日本は4つのプレートがせめぎ合って歪が蓄積している。
  3. 近畿地方では東西方向に歪が蓄積されている。早くて1000年に一度同じ場所で断層型の地震が発生する。
  4. 大飯原発は南海トラフの巨大地震の影響は考えなくていいが、その前後に日本海側の地震活動は活発化する。・・ぼつぼつ日本海側の地震活動が活発化することを懸念している。
  5. 大飯原発の重要施設の下を通る「F-6破砕帯」が「活断層ではない」とのことだが、活断層の認定は、専門家の間でも議論が分かれている。鳥取西部地震(M7.3)などのように事前に見出されていなくてもM7クラスの地震は起きている。・・等の理由で破砕帯が活断層かどうかと議論してもあまり意味がない。
  6. 兵庫県南部地震の場合でも10年間の微小地震活動図をみても「次は淡路島、神戸が危ない」と言える人はいない。地震活動を詳しくモニターしていても、次はどこがいつごろ危ないと言えないのが現状だ。
  7. 関電は、大飯原発の「基準地震動」を「856ガル」と改めた(地球表面における重力加速度はおよそ981ガル)世界最大の地震による加速度は、岩手・宮城内陸地震(2008年6月14日)の際に岩手県一関市厳美町祭畤で観測した4022ガルである。しかし、1984年の 長野の地震の例では埋まっている石が跳んだ例がある。15000ガル以上の加速度が働いた。M6.8 の地震だった。「856ガル」で安心だといってもらっては困る。15000ガルに耐える設備を作ることは不可能、やはり廃炉に踏み切るべきです。

(写真は報告集会での竹本修三さん)
報告集会での竹本修三さん

(2) 福島敦子さんの陳述を聞いて
  (福島県南相馬市からの避難者)

 「水は清き故郷でした。命がけで川へ戻ってくる鮭の躍動が、こどもたちに感動を与えてくれる故郷でした。
 たらのめや栗や、まつたけが季節の移り変わりを教えてくれました。
 今は、除染が全く進まず、人間の住む世界と隔絶された世界が広がる故郷になりました。
 今まで癒しと恵みをもたらしてくれた私たちの故郷の山や海に、何百年も消えることのない毒をまかれたのです。・・・・・

 大飯原発の再稼働は、関西電力の経営努力の怠慢さも浮き彫りになり、地元の人々の不安と日本国民の原発に対する懸念の声を全く無視した人権侵害であり、日本最大級の公害問題であります。
 司法は、この日本国民の大きな民意を水俣裁判と同様、50年以上も放置するおつもりでしょうか。この民意は、一過性のものだとお考えでしょうか。いったいどれほどの人々が苦しめば、真剣に向き合ってくださるのでしょうか。
 本日、ここに私の実家の庭の土を持ってまいりました。子供のころにシヤベルで穴を掘ったり、イチゴを摘んだり、・・珍しい種のコケが生える自慢の癒しの日本庭園でした。そのコケをはぎ、むき出しになったこの土を京都・市民放射能測定所で測定したところ、放射性セシュウムウム濃度は、1㎡あたり93万ベクレルでした。チェルノブイリ被災者救済法では移住必要地域にあたるレベルです。ここが、チェルノブイリのある地域なら、母たちは移住しているはずであります。
裁判長、こどもを守ることに必死な、懸命な母親たちをどうか救ってください。こどもたちに少しでも明るい未来をどうか託してあげてください。
・・大飯原発の再稼働は、現在の日本では必要ないと断罪してください。
もう、私たち避難者のような体験をする人を万が一にも出してはいけないからです。」
・・この陳述を裁判長は汚染土の瓶をもった福島さんの顔を見つめ、真摯に聞かれる様子が印象にのこる法廷でした。
(写真は報告集会での福島敦子さん、実家の庭の土を示す。)
報告集会での福島敦子さん