◆原告第7準備書面
第8 結語

原告第7準備書面
-立地審査指針について- 目次

第8 結語

原子力規制委員会の判断は,いわば「従来のルールを守っていては原発の再稼働はできなくなるから,そのルールを廃止し,別の甘いルールを作って再稼働を可能にする」というものであるが,憲法及び法の支配の下では到底許されない本末転倒の考え方といわねばならない。またこの原子力規制委員会の態度は,福島第一原発事故を体験し,現在なお十数万人の住民が避難を余儀なくされている現実から目をそむけた,あまりにも電力業界,政権にすり寄った,卑屈で政治的かつ非科学的な態度であり,しかも住民に対しては露骨なまでに高圧的かつ背信的な態度であると言わざるを得ない。原子力規制委員会が住民の安全を守る立場に立たず,このような体たらくをさらけ出している現状にあっては,司法は,住民の生命,健康,財産という憲法によって保障されている最も根源的な基本的人権を守るため,差止めを認容するべきである。

以上