◆原告第71準備書面
-避難困難性の敷衍(京都府南丹市日吉町における問題点について)-

原告第71準備書面
-避難困難性の敷衍(京都府南丹市日吉町における問題点について)-

2020年2月26日

原告提出の第71準備書面

目 次

1 原告吉田邦子について
2 原発事故は、かけがえのない自然を破壊する。
3 避難の困難さ
4 南丹市原子力防災パンフレットについて
5 大飯原発は今すぐ、廃炉にすべきである


 原告第6準備書面において、避難困難性について述べたが、本準備書面で京都府南丹市日吉町に在住する原告吉田邦子の日々の暮らしをもとに、避難困難性に関する個別事情について述べる。

1 原告吉田邦子について

 原告吉田邦子は、大飯原発から45km南に位置する、京都府丹市日吉町で、50年間生活を送ってきた。

2 原発事故は、かけがえのない自然を破壊する。
 原告吉田邦子が、住んでいる南丹市日吉町は、山に囲まれた谷間に集落がある。原告吉田邦子が、住んでいる地域は静かな低山に囲まれた地域で、四季折々の山々等の色合いのうつり変わりが美しい地域である。先祖代々受け継がれてきた田畑を守りあつつ、それだけでは生活できないので多くの者は、勤めに行きながら、農業をしている。原告吉田邦子の夫も勤めながら米作りと自家菜園を営んでいる。仮に、原発事故が起きた場合、南丹市日吉町のかけがえのない自然環境、農業をしている者の田畑が奪われ、金銭に置き換えることができない、回復不可能な損害が発生し、重大な人権侵害が起こることになる。

3 避難の困難さ

 原発事故が起きて電気が止まった場合、電車を使用する事は出来ないため、自動車だけが、逃げる手段となる。原告吉田邦子が、居住している南丹市日吉町は、町外へと出て行く者が多く、高齢化が進み、人口減少が続いている。原告吉田邦子が居住している地域でも公共交通手段は日吉駅まで通学用のバスがあり、学生以外も利用することができるが、朝1往復と、夕方に2往復があるだけであり、自家用車がなければ移動手段は無いに等しい状況で日常生活にも支障をきたしてしまうことも多くある。原告吉田邦子自身は、自家用車を所有しているが、仮に、原発事故が起きた場合、自家用車を所有していない者は、避難すること事態が、不可能である。自家用車を所有している場合でも、南丹地域から、避難先として想定される京都市内に移動する場合、国道や縦貫道を利用することになるが、国道や縦貫道は避難する車で渋滞が予想される。そもそも、地震が起こった場合には、国道や縦貫道が、利用できるとは限らない。

4 南丹市原子力防災パンフレットについて

 南丹市が、2012年3月に発行した原子力防災パンフレットには、情報収集や防災無線・有線テレビによる災害情報の伝達については記載されている。しかし、緊急事態において、正確な情報が伝えることは、非常に困難である。原子力パンフレットは、20km圏域、30km圏域の住民については、「避難しなければならないとき」という項目があり、避難のための輸送計画や避難場所などについて記載されている。しかし、日吉町等30km圏外の町については、避難場所などが記載されていない。南丹地域は北からの風がよく吹くが、原発事故が起きた場合、放射性物質を含んだ風は30kmで止まるということは無い。屋内に退避してもいつまでも屋内にとどまることなど非現実的である。

5 大飯原発は今すぐ、廃炉にすべきである
 原発の本質の一つは、事故を起こしたときに、その被害が何十kmもの広範囲にわたる点にある。このような、原発は、今すぐ、廃炉にするべきである。

以 上