◆「大飯原発 活断層でない」のニュースについて

【原告団MLに配信】

9/3付けの朝日新聞に「大飯原発 活断層でない 規制委会合で見解一致」 という記事がのりました。そして,地元の受け止めの記事の中で,竹本原告 団長のコメントが掲載されています。その部分の記事は以下の通りです。
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大飯原発運転差し止め訴訟の原告団長,竹本修三・京都大学名誉教授は「地 震は未知の活断層によっても引きおこされる。専門家会合の判断を『大飯原 発は安全』と誤解してはいけない」と指摘する。
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以下は,竹本原告団長より,世話人会MLへの投稿です(9/2付け)。
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先ほど、原子力規制委員会の専門家チームが大飯原発の敷地内にある破砕帯 は「活断層ではない」との見解を発表したそうです。
朝日新聞社から電話でコメントを求められて、「予想された結果である」と 返事をしました。

  • チームの中には、「活断層の上には重要な建造物を作ってはいけない」という国の方針を活かして「大飯原発の敷地内にある破砕帯は活断層である」と結論付けようという動きもあったのかもしれませんが、活断層であるかどうかの解釈は、専門家(と言われる人々)の間でも意見が分かれいます。それを全会一致で「活断層である」ともっていこうとするところに無理があり ました。
  • 活断層であるかどうかはともかくとして、大飯原発の敷地内にF-6という 破砕帯が走っていることは確かです。破砕帯があるということは、過去に地震か地すべりで、ここが変動したことは間違いありません。
  • 活断層が見いだれていないところでもM7クラスの直下型地震は度々起こっています。ですから、活断層が敷地内を走っているかどうかという議論を長く続けても仕方ありません。
  • 南海トラフの海溝型地震の前後には、西南日本の日本海側でもM7クラスの直下型地震が起こっています。次の南海トラフの巨大地震は早ければ2030年代と予想されていますが、若狭湾内部は地震の空白域です。私は次の南海トラフの巨大地震の前後に原発周辺の活断層が見つかっていないところにM7クラスの直下型地震が起こるのを恐れます。
  • 福島第一原発の事故は例外としてかたずけられる話ではありません。日本の全ての原発は、福島第一と同じような危険性を孕んでいます。今日の朝日新聞夕刊にドイツのメルケル首相が、「福島原発の汚染水問題がいまだにかたずかないのを見て、脱原発の決定は正しかったと改めて確信した」という記事が出ていました。これに比べて日本の首相はダメですね。
  • 今日、大飯原発3号機が停まり、15日に4号機が停まって、再び日本の稼働中の原発はゼロになります。3・11の福島第一原発の事故の直後は世論調査で8割以上の人が脱原発を望みました。それが、権力者側の巧妙な巻き返しと、「喉もと過ぎれば何とやら・・・」ということで、世論調査で脱原発を望む人は50%台に下がったそうです。
  • 日本の原発が全部停まる今月、今一度「原発は必要かどうか」という議論を盛り上げましょう。原発がなくても電力は足りてると関電も言っています。

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