投稿者「meisei」のアーカイブ

[NEW]◆関西電力 闇歴史◆122◆

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◆関西電力と地震研究者の“癒着”の指摘!
 日本の地震研究のリーダー格であった東大名誉教授が
 関電副社長の “激励と協力を賜って” 組織した「古地震研究会」で
 若狭湾で巨大な地震や津波が起こったことはないとしている。

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 日本で古い記録に残る大地震といえば、福島第一原発事故でも注目された貞観[じょうがん]地震(869年、『理科年表』でM8.3±1/4)が代表的だが、さらに古い地震の記録もある。その一つが、701(大宝[たいほう]元)年の大宝地震で、『続日本紀』に記述されている。震源は判明していないが、現在の京都府を中心とした日本海側の地域に津波の伝承が残っている。なお、701(大宝元)年には、持統天皇のときに大宝律令ができている。

 『日本の地名 由来のウソと真相』(楠原[くすはら]佑介 著、河出書房新社)の中の、天橋立[京都府]◎天橋立という珍地名の謎を解く「沈島伝説」(p.124~131)という項目で、興味深い記載があった。
(以下、敬称略)

▼『日本の地名 由来のウソと真相

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◆沈島伝説と大宝地震
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  • 『日本の地名』では、若狭湾に冠島(大島とも、標高170 m)、沓島(くつじま、小島とも、標高70 m)という二つの島があり、現在は2.6 km離れている。しかし、この二つの島は、もともとトンボロ(陸繫砂州、りくけいさす)でつながった一つの島だったのでは。伝承によれば、701(大宝元)年の地震により島が沈み、二つの島になったという。
  • ただし『理科年表 2024』では以下のように記す。
    丹波:地[ち]震[ふる]うこと3日。被害が不明なのでMも不明。藤原京では感じなかったらしい。若狭湾内の汎海[おおしあま]郷が海に没したという「沈島伝説」は否定されている。
  • このように、現代の地震学では「沈島伝説」には根拠がなく、単なる伝説とされている。
  • ただ、興味をひくのは、関電との関係にある。長年、日本の地震研究のリーダー格であった萩原尊禮[たかひろ]東大名誉教授は「古地震研究会」によって冠島沈島伝説などを検証し、『古地震 歴史資料と活断層からさぐる』(1982年、萩原尊禮編著、東大出版会)を刊行している。その研究会には、“畏友”の吉田登[みのる]関電副社長の “激励と協力を賜った”として謝意を呈している(『古地震』p.312 あとがき)。

▼『古地震 歴史資料と活断層からさぐる

  • 『古地震』では、第Ⅱ部第6章「大宝元年の地震の虚像―若狭湾冠島・沓島の沈没」の中で「一 冠島沈没の資料吟味」「二 冠島の地学調査」で15ページにわたり、詳しく検証し、伝説に過ぎないとしている。
  • また、大宝地震については結論として「局発地震であり…大きくみても北丹後地震より一階級小さいM6.5程度であろうか」としている。なお、北丹後地震は1927年、M7.3。
     
  • 一方、『日本の地名』の著者は、その論理には問題点があると、以下のように指摘している。
     
  • その問題点(1)…大宝地震の震源の位置は、冠島のすぐ西側とか南南西8 km地点ではなく、島の東18 kmの若狭湾断層群ではないか。なお、『日本の地名』の著者は「若狭湾断層群」としているが、これは大飯原発に近い海底断層のFO-B[エフオービー]、FO-A[エフオーエイ]断層のことで、陸域の熊川[くまがわ]断層に連なっている。
  • その問題点(2)…天橋立をつくった大量の土砂は、いったいどこから運ばれたか、という問題。『古地震』は、一回の地震で島が60 mも沈降することはありえないというが、沈降したのではなく、若狭湾の二つの島の間のトンボロの土砂を津波が押し流したのではないか。『日本の地名』では「3.11の東北地方太平洋沖地震による大津波は、釜石湾口の水深60 mの海底に固定された津波防止用の防潮堤を根こそぎ覆していることからも、ありえないことではない。」としている
  • その問題点(3)…『日本の地名』では、以下のように記している。「『古地震』第Ⅱ部第6章の執筆者3名の一人はほかならぬ関西電力建設部の課長であった。前記した “激励と協力”の内実を、私は知らない。だが、こういう現象は、われわれの社会では、通常 “癒着”と呼ぶ。」と。
     なお、『日本の地名』の「『古地震』第Ⅱ部第6章の執筆者3名」の部分は、正確には、6章一の執筆者が1名、6章二が3名、というのが正確。後者の3名のうちの一人とは、同書の執筆者紹介から大長[だいちょう]昭雄とわかる。
     また、大長昭雄は「関西電力建設部の課長」と記述されているが、当時「課長」であったかどうかは確認が取れなかった。

【参考】吉田登[みのる](1908~1999年)→こちら
1951年に関電の建設部土木課長となり、その後、建設部長、取締役建設部長、常務取締役、取締役副社長として、黒部第四発電所、その後は揚水式発電所の建設に関わった。萩原東大名誉教授が “激励と協力を賜って”と『古地震』(1982年刊)に書いた当時は取締役副社長。

【参考】大長[だいちょう]昭雄(1929~?)
1963年度土木学会・奨励賞を受賞「アーチダムの基盤内の浸透流に関する実験的研究」。1979年に地震学会講演予稿集春季大会で「大宝元年(701)の地震について–史科学, 地形学および地震学上からの考察」との論文がある(『古地震』と同じ4名の共著)。『古地震』の執筆者紹介によれば、ダム工学、地震工学を専門とし、関電の建設部副調査役のほか、大阪市立大非常勤講師など。

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◆『日本の地名』…「天橋立」と「浦島伝説」
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  • 「天橋立」という地名は、若狭湾内にあって海に没したという「汎海[おおしあま]郷の土砂でできた橋立(水平に長く延びた地形)」のことではないか。汎海郷の「凡[おおし]」は官がつけた冠称で、「天橋立」とは「海[あま]郷の土砂でできた橋立」を意味するのでは。
  • 伊根町には浦島太郎伝説に関係すると考えられる神社があり、巨大津波に襲われた歴史を物語るのではないか。「浦島伝説」は単なる伝説とは片付けられないものがある。
  • ネットを検索すれば、Wikipedia(大宝地震)のほかにも、「丹後に伝わる津波伝承」「近畿北部に大津波“10m超”も(Yahoo!News.2024/11/7配信)」「天橋立・舞鶴大津波 史実か(京都新聞、福井原発訴訟(滋賀)支援サイト、甲第113号証)」などの記事がヒットする。

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◆若狭湾での巨大な地震や津波は否定できても、
 関電と研究者の親密な関係は否定できない

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  • 若狭湾には関電の原発が集中している。関電が、若狭湾では巨大な地震や津波が起こったことはないという主張のために、「古地震研究会」によって手を打っていることが分かる。関電建設部の土木課長、後に取締役副社長になった人物が、日本の地震研究のリーダー格であった東大名誉教授の“畏友”となり、“激励と協力”を惜しまなかった関係には、“癒着”と指摘される要素をうかがうことができる。
  • 大宝地震が歴史的事実であったかどうか、どの程度の規模であったのか、若狭湾各地を大津波が襲ったのかどうか、などは、今は分からない。ただし、過去にM7クラスの地震がおこったことがないとしても、将来にも起こらないとは言えない。地震予知はできないのだから。日本海に「海域活断層」のリスクが大きいことは、2024年の能登半島地震でも明らかになっている。
  • 若狭湾における過去の地震や津波は否定できても、関電と地震研究者の過去の親密な関係は否定できない。そして、関電は現在も、若狭湾やその周辺ではM7を超える地震はないという立場をとっている。
  • しかし、もしも若狭湾のFO-B、FO-A断層とそれに連なる陸域の熊川断層、それらと共役[きょうやく]断層となる上林川[かんばやしがわ]断層などでM7クラスの地震が起こった場合、大飯原発の揺れの強さが現行の基準地震動以内に収まる保証はない。原発は「止める、冷やす、閉じ込める」ができなかった場合、どうなるか。福島第一原発事故が多大の犠牲の上に教えてくれている。原発の運転は、人格権侵害の危険性がある。

◆121◆←←関西電力 闇歴史→→◆123◆(未)】

[NEW]◆関西電力 闇歴史◆121◆

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◆関電は、破綻した「使用済み燃料対策ロードマップ(工程表)」を見直したが
 「新ロードマップ」は、またしても老朽原発の運転を継続するための詭弁!
 六ヶ所再処理工場にも中間貯蔵施設にも「実効性」はない!
 関電は、使用済み燃料を乾式貯蔵施設に保管して原発延命を企む!
 【付 六ヶ所再処理工場–アクティブ試験と新規制基準】

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▼2023年10月、関電が「使用済み燃料対策ロードマップ」を示す
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 関電は、「使用済み核燃料の中間貯蔵候補地を福井県外に探す」と何度も福井県と約束しながら、すべてを反故にしてきた(◆012◆)。最近では、2023年10月、いかにも近々、青森県の六ヵ所再処理工場への搬出が可能であるかのように見せかけた「使用済み燃料対策ロードマップ」を福井県に示した。

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▼2024年8月、関電のロードマップは早くも破綻◆114◆
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 ところが、関電がロードマップで示した願望は、2024年8月、日本原燃が27回目の六ヵ所再処理工場の完成延期(約2年半)を表明した(◆003◆ 付(2))ことによって破綻。ロードマップは、老朽原発の運転を継続するための詭弁で、実現性が全くない「絵に描いた餅」であった。

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▼2024年9月、関電は2025年3月末までにロードマップを見直すと大見得を切る
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 それでも、関電は開き直って、またもや「ロードマップを本年度末(2025年3月31日)までに見直す。実効性のある見直しができなければ、老朽原発・高浜1、2号機、美浜3号機を運転しない」と大見得を切った。

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▼2025年2月、関電は福井県に「新ロードマップ」を提出◆119◆
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 関電は、2月13日、「実効性のある見直しができた」とする「新ロードマップ」を福井県に提出した。しかし、その内容は「使用済み核燃料のフランスへの搬出量を倍増させる(合計:ウラン使用済み燃料380トン、MOX使用済み燃料20トン)」とか、稼働延期を繰り返し稼働の見込みが極めて薄い再処理工場(青森県)への2028年度からの搬出(198トン)などであった。今回も、小手先の奇策、詭弁を弄して、誤魔化す内容であった。福井県外に、使用済み核燃料の中間貯蔵候補地を見つける、という約束は以前として無視されている。
【参考】2023年10月のロードマップ、2025年2月の新ロードマップの図解→◆119◆

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▼2025年3月24日、福井県も老朽原発の稼働継続を容認
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 使用済み核燃料の県外搬出を求めていたはずの杉本達治・福井県知事は、3月24日、関電が再提出した「新ロードマップ」を、「実効性があるものと判断する。」と容認した。老朽原発に対する不安が広がっている県民の意見は聞いていない。またもや、老朽原発の稼働継続のための「出来レース」をやってのけたわけである。何度、福井県民をないがしろにすれば気が済むのか。

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▼期限の2025年3月31日、やはり実効性のある見直しはなされず
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 関電の森望社長は、2024年9月5日、杉本福井県知事と面談し、使用済み核燃料の県外搬出に向けた「ロードマップ」を、「本年度末までに見直す。実効性のある見直しができない場合、高浜1、2号機、美浜3号機を運転しない」と述べている。しかるに、3月31日になっても、実効性ある見直しはできていない。実効性がまるでない「新ロードマップ」で誤魔化そうとしている。関電の「新ロードマップ」は、またもやその場しのぎの空約束と約束反古を繰り返すものである。

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▼2025年3月31日、約束反故の関電糾弾、老朽原発を運転するな!の集会とデモ
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 老朽原発うごかすな!実行委員会」は、ロードマップ見直し提出期限である3月31日、美浜町の関電原子力事業本部前において「3・31使用済み核燃料の行き場はないぞ 関電は約束まもれ!美浜集会」を開き、町内デモを行った。原子力事業本部に対しては、「関電は老朽原発、高浜1、2号機、美浜3号機を運転するな!」「嘘と欺瞞の関電を許さない!」の抗議と警告を表明した文書を手渡した。右翼の集会妨害は、シュプレヒコールで反撃、約200人が参加。
  
  

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▼関電の「新ロードマップ」が既に破綻している理由
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(1) 六ヶ所再処理工場にも中間貯蔵施設にも「実効性」はない。六ヵ所再処理工場の2026年度内での竣工はきわめて困難。六ヶ所再処理工場の設計工事認可審査で耐震補強工事が必要になっても、アクティブ試験に伴う「レッドセル問題◆003◆ 付(2))」(主工程が極度に汚染され立入不可)で補強できず、不合格になる可能性がある。

(2) 仮に竣工できたとしても、高々10%操業にとどまらざるをえない。「余剰プルトニウムを持たない」との国際公約から、原子力委員会の「プルサーマルに必要な量だけ再処理認可」方針があるため。したがって使用済み燃料を再処理工場にどんどん搬出することはほぼ不可能。

(3) 関電の原発で約4分の1をしめる高燃焼度使用済み燃料は、六ヶ所再処理工場での再処理も、中間貯蔵施設への搬出もできない。使用済みMOX燃料も同様。

(4) 関電は「使用済MOX燃料の再処理実証研究」として、2027年度から使用済MOX燃料を含む400トンをフランスに搬出する計画。しかし、再処理後に生まれる高レベル廃液ガラス固化体について、関電や電事連は「高レベル廃棄物は日本に返還される」ことを認め、返還先は「今後検討する」とのみ答えている。そして青森県は、六ヶ所村では受け入れない旨を表明している(3月8日東奥日報、4月1日共同通信)。青森県が受け入れないのであれば、福井県で受け入れるのか。

【参考】森重晴雄さんのFB投稿によれば、
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・青森県民の癌患者や小児がん患者は再処理試験開始以来20年間全国ワースト1位。
・再処理施設の430トン試験処理以来、青森県の癌死亡率や小児がん発病率は何れも日本ワースト第1位。
・青森県の小児がん発生率が全国平均のなんと約27倍。
・フランスで再処理し返還された残骸にはプルトニウムなどの放射性物質が残っている。その残骸を収納した保管容器は完全に閉じ込め出来ないので僅かずつ漏れる。しかも10年に1回、保管容器の蓋と本体のあいだにあるパッキンを交換しなければならない。パッキンは10年で劣化する。保管容器は開放せざるを得ない。その時にいくらフィルターを通しても環境中に放射性物質が放出される。
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 六ヶ所再処理工場の本格操業では、年間800トンの処理量が予定されている。これまでのアクティブ試験の430トンから倍増に近い。がん発病率がどうなるのか、青森県はこれ以上放射性廃棄物を受け入れた場合のリスクを考えざるを得ないのでは。

 
【付 六ヶ所再処理工場–アクティブ試験と新規制基準】

  • アクティブ試験とは…使用済み核燃料430トンを溶解、その高レベル廃液を用いたガラス固化体の製造試験、ガラス溶融炉の安定運転性能の確認および処理能力の確認のためのテスト運転。2006年3月31日に開始。
  • 2006~08年にかけて、使用済燃料を用いたせん断、溶解処理が実施され、これに伴って、環境中にトリチウム、炭素14、クリプトン85、ヨウ素129などの放射性物質が大量に放出された。
    →原子力資料情報室…六ヶ所再処理工場の放出放射能に関する情報『アクティブ試験計画書』
  • 2007年11月、2008年10月にガラス固化設備の試験が行われた。
    ・白金族元素が炉底部に堆積して流下不調
    ・東海村に設置している実規模のモックアップ試験施設で原因究明、対策の構築
    ・モックアップ試験にて白金族元素の炉底部への堆積を防ぐことができた
  • 2012年12月~2013年5月に改善したガラス固化試験を実施
    ・安定運転の確認、2013年5月にガラス固化試験を終了
    ・事業者としての検査は終了
    ・今後、新規制基準への適合が必要。事業者自らが行う使用前事業者検査としてガラス固化試
    験を実施する必要がある。(規制当局は、事業者の活動を確認する立場)
    ・ガラス固化試験(2013年度)から六ヶ所再処理工場のガラス溶融炉は、10年以上運転していない。2013年度以降の若手社員は、使用前事業者検査で、初めてガラス固化の運転操作を行うことになる。
    ・高レベル放射性廃棄物の現在量(はんげんぱつ新聞、2023年3月末現在、【付(2) 核燃料サイクルと、核のごみ】)によれば、六ヶ所再処理工場には、ガラス固化体346本のほかに、244立方m(約460本相当)の高レベル廃液が残っている。
  • 新規制基準への適合
    ・2014年に新規制基準への適合性審査を申請
    ・2020年7月に事業変更の許可を取得
    (つまり新規制基準に沿ったさまざまな対策を反映する許可を得る)
    ・2022年12月に第1回の設計及び工事計画の認可(設工認)を取得
    ・2022年内に主要な安全対策工事をおおむね終了したとされ、2022年12月に第2回設工認、すなわち竣工に必要な「安全対策工事を進めるための設計および工事計画の認可」を申請。しかし、建物などの耐震設計に必要な「地盤モデル」の全面的な見直しなどにより、この審査が想定より大幅に遅れ、長期化している
    ・2024年8月29日、日本原燃は再処理工場の完成時期を約2年半延期し、2026年度末にすると発表。延期は27回目
  • 上記は、以下の資料ほかによる
    六ヶ所再処理工場のガラス固化試験について(2022年8月23日、日本原燃株式会社)
    再処理工場のしゅん工に向けた進捗状況(2025年3月24日時点、日本原燃株式会社)

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【参考(1)】
◆003◆ MOX燃料、核燃料サイクルなど
【付(2) ◆核燃料サイクルとその破綻–六ヶ所再処理工場の完成延期】…六ヶ所再処理工場は完成延期を重ねている。レッドセル問題とは。処理できない使用済み核燃料(使用済みMOX燃料、高燃焼度燃料の使用済みウラン燃料)。
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【参考(2)】
◆082◆
核燃料サイクル5施設(青森県六ヶ所村)…日本原燃株式会社の①再処理工場、②低レベル放射性廃棄物埋設センター、③ウラン濃縮工場、④高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センター、⑤MOX燃料工場
【付(1) 電事連の核燃料サイクル、新聞広告】
【付(2) 核燃料サイクルと、核のごみ】…ガラス固化体、核のごみ、最終処分場、高レベル放射性廃棄物の現在量(はんげんぱつ新聞、2023年3月末現在)、人工バリアなどについて。
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▼乾式貯蔵施設の建設へ
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 六ヶ所再処理工場中間貯蔵施設も、もはや満杯に近い関電の使用済み核燃料の解決策にはならない。結局、関電の使用済み燃料は、乾式貯蔵施設に保管され続けることになるのでは。福井県の原発サイトに建設されようとしている乾式貯蔵施設を、今後、長期にわたる使用済み核燃料の保管場所にしようというのが、関電の狙い。乾式貯蔵施設が「円滑な搬出のために必要」という関電の説明は、虚言。乾式貯蔵施設が、原発延命のために使われることがいよいよ明らかになっている。

 2025年3月26日、高浜原発の乾式貯蔵施設について、原子力規制委員会は計画に問題はないとして、審査に事実上、合格したことを示す審査書案をとりまとめた。

 杉本福井県知事はこれまで、「新ロードマップ」の実効性が確認できなければ、老朽原発の運転は認められず、乾式貯蔵施設建設の事前了解はあり得ないと発言してきた。しかし、「新ロードマップ」を容認した現在、規制委の審査合格後には、乾式貯蔵施設建設の事前了解に踏み込む可能性が高まってきた。

◆120◆←←関西電力 闇歴史→→◆122◆

[NEW]◆関西電力 闇歴史◆120◆

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◆大飯原発3号機、人為ミスで放射性のガス漏れ(>_<)
 たまたま無人だったが、
 危険な原発を扱っているのに
 扱いがあまりにも安易すぎ(怒)

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 2025/3/6、関西電力は、稼働中の大飯原発3号機の排気筒から放射性ガスが漏えいしたと発表。原因は、工事担当者らの認識不足という。中央制御室の運転員が必要な連絡を受けていなかったため、配管の弁を開いたこととみられる。

 関電によると、2月27日午前、廃棄物処理建屋のガス分析装置室にある装置を取り換えのため外した際、工事担当者が弁による遮断が必要なことを認識しておらず、中央制御室の運転員に連絡しなかった。工事担当者の上司も確認しなかった。運転員が別の作業で午後0時49分から18分間弁を開いた結果、ガス分析装置室にあるダクトを通じて排気筒から放射性ガスが漏えいした。

 なお、関電のプレスリリースは、以下の通り。
「今回排気筒から排出された放射性気体廃棄物(以下、ガス)の放射能量は、約1.38×109 Bqと評価しており、保安規定に基づく発電所の放出管理目標値(1.0×1015 Bq/年)に比べ十分低く、周辺環境への影響はありません。また、大飯発電所周辺に設置している環境放射線モニタリングポストの指示値に有意な変化は認められず、その他のプラントパラメータや運転状況にも異常はありませんでした。」

 当時、この場所は無人だったというが、もしも作業員がいたら、どうなっていたのか。危険な原発を扱っているのに扱いがあまりにも安易すぎる。

◆119◆←←関西電力 闇歴史→→◆121◆

◆関西電力 闇歴史◆119◆

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◆関電が「使用済み核燃料の県外搬出に向けたロードマップ」の
 実効性のある見直しをできない以上、老朽原発は止めるべき!
 2024年度末までが見直しを約束した期限のはず!
 【付 福井県議会あて陳情書(老朽原発うごかすな!実行委員会)】

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▼2023年10月のロードマップ…実効性のなかったことは明白。
(関西電力が示した「使用済み核燃料の県外搬出に向けたロードマップ」、関電資料

▼破綻した上記ロードマップに代わる2025年2月の新ロードマップ…これに実効性があるのか。
(関西電力が示した「使用済み核燃料の県外搬出に向けたロードマップ」、関電資料

 関西電力は「使用済み核燃料の中間貯蔵候補地を福井県外に探す」と何度も福井県と約束しながら、全てを反故にしています。2024年8⽉に再処理工場の完成延期が発表され「工程表=ロードマップ」は完全に破綻しました。関電は「2024年度末までに実効性のある工程表の⾒直しができなければ老朽原発を止める」としています。2025年2月に再提出されたロードマップも、前回同様に実効性はありません。関電は約束どおり、冷却系配管の腐食、減肉、圧力容器の脆化が進んだ危険極まりない老朽原発を即時停止すべきです。

【参考】関電「使用済燃料対策ロードマップ」に実効性なし
 ・末田一秀さんによるyoutube解説
【参考】3/31(月)使用済み核燃料の行き場はないぞ 関電は約束まもれ!美浜集会
 ・時間…13:00~、集会後に町内デモ(~15:30)
 ・場所…関電原子力事業本部前(福井県美浜町/JR美浜駅から徒歩3分)
 ・主催…老朽原発うごかすな!実行委員会

◆114◆ 関電のロードマップが破綻!
◆012◆ 関電の中間貯蔵施設をめぐる動き
(16) 関電は福井県内に使用済み核燃料の中間貯蔵施設「乾式貯蔵施設」の建設へ(2024年2月)
(13) 関電の「使用済み核燃料の県外搬出に関するロードマップ」(2023年10月)
(12) 上関町に中間貯蔵施設を(2023年8月)
(8) 電事連「むつ市の中間貯蔵施設を全国の電力会社で共同使用」を検討
(7)~ 杉本達治 知事(2019年~)
(3)~(6) 西川一誠 知事(2003~2019年)のとき
(1)~(2) 栗田幸雄 知事(1987~2003年)のとき

 以下、2025年2月12日に「老朽原発うごかすな!実行委員会」が福井県議会に提出した陳情書が、その場しのぎの空約束と約束反古を繰り返している関電の姿を明らかにしています。なお、同実行委は、3月31日に「使用済み核燃料の行き場はないぞ 関電は約束まもれ!美浜集会」を予定しています。

 関電の森望社長は「本年度末(2025年3月末)までに実効性のある新たな(使用済み核燃料対策)工程表を提示できない場合には、40年超運転の原発3基の運転は実施しないという不退転の覚悟で臨みます。」と言明しています(2024 年9 月5 日)。

【付 福井県議会あて陳情書】

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福井県議会議長
宮本 俊 様

老朽原発うごかすな!実行委員会
連絡先;木原 壯林(090-1965-7102)

陳情書

 「使用済み核燃料の県外搬出に関するロードマップ」の実効性のある見直しができない関西電力(関電)に、危険極まりない老朽原発の廃炉を実行するよう求めて下さい

 県議会議長、県議会議員の皆様には、弛まぬ福井県政へのご尽力に、敬意を表します。

 さて、関電は、1昨年10月10日、使用済み核燃料の福井県外搬出に関するロードマップを発表し、杉本達治福井県知事は、わずか3日後にこれを容認しています。関電は、このロードマップの中に、青森県の核燃料再処理工場の活用、中間貯蔵施設の確保を盛り込み、いかにも近々使用済み核燃料の福井県外搬出が可能であるかのように見せかけています。

 しかし、このロードマップは、日本原燃が、昨年8月23日、「核燃料再処理工場の完成目標を2026年度内に変更する」と、27回目の完成延期(約2年半)を表明したことによって破綻しました。

 それでも、関電の森望社長は開き直って、9月5日、杉本福井県知事と面談し、使用済み核燃料の県外搬出に向けた「ロードマップ」を、「本年度末までに見直す。実効性のある見直しができない場合、高浜1、2号機、美浜3号機を運転しない」と述べています。しかし、現在までに、「使用済み核燃料の行き場」に関して、その場しのぎの空約束と約束反古を繰り返してきた関電の言動は、信用できるものではありません。今回も「使用済み核燃料のフランスへの搬出を若干上乗せする」などの小手先の奇策で誤魔化すと危惧されます。

 なお、再処理工場の稼働は極めて困難であること、例え稼働したとしても過酷事故の確率が高いことは、多くが指摘するところです。また、関電は、再処理できない高燃焼度の使用済み核燃料および使用済みMOX燃料も抱えています(これらは、今後増大します)。

 したがって、使用済み核燃料の行き場はなく、福井県内に永久あるいは長期保管される可能性は大と言わざるを得ません。関電は、約束通り老朽原発・高浜1、2号機、美浜3号機の廃炉を実行し、使用済み核燃料の発生源・原発の全廃に向かうべきです。

 このような状況に鑑み、福井県議会に以下を陳情いたします。

陳情項目

[1]関電に、「本年度末までに、ロードマップの実効性のある見直しができない場合、高浜1、2号機、美浜3号機を運転しない」との約束を即時履行させてください。このとき、「実効性のある見直し」とは、「関電の保有する、あるいは今後発生させる使用済み核燃料の全ての県外搬出が見通せるもの」であることです。

[2]関電は、「使用済み核燃料の搬出の円滑化」を口実に「乾式貯蔵施設」を建設しようとしています。しかし、今までの搬出の実績からして、「乾式貯蔵施設」はなくても、使用済み核燃料は搬出できます。「乾式貯蔵施設」の建設は、永久あるいは長期福井県内貯蔵への道を開くことになりかねません。「乾式貯蔵施設」の建設を認めないでください。

[3]高浜原発1号機は運転開始後すでに50年を超え、高浜2号機、美浜3号機も、もうすぐ50年超えの「超老朽原発」です。老朽原発では、圧力容器の脆化、配管の腐食、減肉、電源ケーブルの劣化が進んでいます。また、老朽原発には、建設時には適当とされたが、現在の基準では不適当と考えられる部分が多数ありますが、全てが見直され、改善されているとは言えません。例えば、地震の大きさを過小評価していた時代に作られた構造物の中で交換不可能なもの(圧力容器など)があります。関電に、危険極まりない「超老朽原発」の即時廃炉を求めて下さい。

[4]私たち「老朽原発うごかすな!実行委員会」は、福井県内だけでなく、関西、中部など全国の会員で成り立っています。そこで、福井県外の住民の立場から、福井県議会に以下をお願いいたします。

 原発および使用済み核燃料保管施設が過酷事故を起こせば、その被害は、福井県内だけでなく、広く関西、中部などにおよぶことは、福島原発事故の教訓から容易に推測されます。例えば、京都府や滋賀県の大部分は若狭の原発から70km以内にあり、高浜原発、大飯原発は福井県庁のある福井市より近距離にあるのみならず、特に冬場は、若狭の風下になります。
 したがって、福井県議会や福井県知事の決断は、福井県外の多くの住民の命と生活に関わります。福井県議会は、周辺府県の住民の「原発のない、自然エネルギーのみで成り立つ社会」を求める声にも十分に耳をお貸し下さい。

2025年2月12日

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◆118◆←←関西電力 闇歴史→→◆120◆

◆関西電力 闇歴史◆118◆

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◆佐高信『徹底抗戦』(旬報社、2020年)より
 (1) 関西電力と原発推進の異常識
 (2) 関西電力の「二・二六事件」
 (3) 関西電力の反原発町長暗殺指令
 (4) 電力総連の責任も重い
 (5) 新“原発文化人”佐藤優
    高木仁三郎さんが語る「少なからぬ誘惑」の一つ
 (6) 札つきでない不良

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(1) 関西電力と原発推進の異常識(p.74)

  • 関電美浜原発2号機、蒸気発生器伝熱管の破断→緊急炉心冷却装置(ECCS)が作動した事故(1991年2月9日)に関連して、飯田孝三・副社長の言動……資源エネルギー庁に呼ばれて指示を受けたときは神妙であったが、直後の記者会見では反発して居直った。それを知ったエネ庁が態度を硬化させると、あわてて謝罪し釈明した。佐高は「反発」がホンネで、「釈明」がタテマエであるとして「電力会社は役所と会社の悪い点を併せ持っている。」と書く。
  • 佐高信『佐高信の辛口100社事典』(七つ森書館)
  • 関電美浜原発2号機の事故について→ 関西電力 闇歴史◆002◆

(2) 関西電力の「二・二六事件」(p.76)

  • 芦原義重・代表取締役相談役名誉会長と腹心の内藤千百里[ちもり]・副社長らの取締役退任決議(1987年2月26日)。「小林(庄一郎・会長)によるクーデターと言われたが、起爆剤は『朝日ジャーナル』の奥村レポートだった。」
  • 奥村宏『関西電力 暗黒大陸』(朝日ジャーナル、1986年9月12日号)
  • 清水一行『小説財界』(集英社文庫)。内藤は藤井、芦原は芦塚として登場。
  • 関電のカネと社内権力抗争→ 関西電力 闇歴史◆036◆

(3) 関西電力の反原発町長暗殺指令(p.78)

  • 原発を積極的に推進しなかった今井理一・高浜町長(当時)の暗殺計画。「関電と警察がつるんで臭いものにフタをしようとしたのだろう。」
  • 斎藤真『関西電力反原発町長暗殺指令』(宝島社)
  • 関電のKという首脳の依頼→ 関西電力 闇歴史◆005◆

(4) 電力総連の責任も重い(p.156)

  • 2019年に森山栄治・高浜町元助役と関電幹部との間の原発マネー不正還流(→◆018◆)が発覚した。「関西電力のとてつもない腐敗について、それを知った監査役が公表しなかったことが問題になった。しかし、チェックできなかった責任は労働組合の方が大きいだろう。……関電労組を含む電力総連の幹部たちは果たして恥を知っているだろうか。」
  • 田中稔『忖度と腐敗』(第三書館)
  • 電力総連について→ 関西電力 闇歴史◆076◆

(5) 新 “原発文化人” 佐藤優(p.162)

  • 内藤千百里[ちもり]元関西電力副社長が朝日新聞の取材に対し、少なくとも1972年から18年間、歴代現職内閣総理大臣7人(田中角栄・三木武夫・福田赳夫・大平正芳・鈴木善幸・中曽根康弘・竹下登)に「盆暮れのあいさつ」として年2回1000万円ずつ政治献金する慣行があったと証言した。
  • これに対し佐高信は「私はこれは表の額に過ぎないだろうと思う。なぜなら、…… 選挙応援の額でさえケタ違いだからである」と書いている。札びらで頬をたたくやり方は「高木仁三郎のような筋金入りの反対派にさえ試みられた。」として、その額は3億円とのことで、高木はその著書で「現在だったら100億円くらいに相当しようか」と注釈をつけている。
  • 佐高信『原発文化人50人斬り』(光文社智恵の森文庫)
  • 高木仁三郎『市民科学者として生きる』(岩波新書)
  • 朝日新聞(2014年7月28日)の紙面→ 関西電力 闇歴史◆036◆

【参考】『原発文化人50人斬り』佐高信 著、毎日新聞社(2013/6)で簡単に紹介して書かれていた内容を、元の『市民科学者として生きる』高木仁三郎 著、岩波新書(1999/9)で探してみた。
高木仁三郎さんが語る「少なからぬ誘惑」の一つ
第8章 わが人生にとっての反原発(p.211~212)
┌─────────────(以下引用)
その一方で、少なからぬ誘惑もあった。ひとつだけ、エピソードを書いておこう。スリーマイル島の原発事故があり、原子力資料情報室の活動が多少世間的に注目され始めた頃のことだろうか。ある原子力の業界誌の編集長兼発行人にあたる人がひょっこり訪ねて来た。産業界寄りとはいえ、一応ジャーナリストだから取材だろうと思って気軽に会った。
ところが彼は思いがけないことを切り出した。「あなたの活動はすばらしい。日本のエネルギーの未来を切り開く作業だ。私はあなたに惚れた。ついては、一席設けるからゆっくり話をしたい。具体的な構想もある」。
もう十年後だったらともかく、当時は私はこういうことにまったく慣れていなかったし、酒を飲まないから「一席」はいつも苦手である。 むげに断わる話でもないと思ったので、忙しさを口実にして、後日、昼間の喫茶店で彼にもう一度会った。
彼は単刀直入に切り出した。「将来の日本のエネルギー政策を検討する政策研究会をやりたい。今の原子力べったりのエネルギー政策では駄目だ。電力会社や通産省の内部の若手にもそう思っている人がいる。そういう人を集めるから、あなたが研究会を主宰してくれないか。私はX社のY会長と親しいから、とりあえず三億円をすぐにでも使える金として用意してもらった。彼もあなたの活動に惚れこんでいる。これは、あなたが自由に使える金だ。どうだろう、Y氏に会ってくれないか」。
当時の資料室は火の車で、三〇万円ですらとびつきたい状況だったから、「三億円あったら、一生資料室は金の苦労をしないで済むのではないか。Y氏も財界のリベラル派として知られる人だし」などと一分くらいのうちは頭を働かせた。しかし、その編集長氏の言う、研究会の性格とか「通産省や電力会社の若手」にリアリティーが感じられなかった。これは、彼らの側の私をとりこむための誘惑に違いなかった。それにしても、「一時金」が三億円とは! しばらく考えさせてくれと言って別れ、それ以上はもう会わずに、電話で断った。誰にも相談しなかった。
三億円(現在だったら一〇〇億円くらいに相当しようか)という話は、後にも先にもこの時限りだが、もう少し少額の金にまつわる話はいくつかあった。幸か不幸か、私はお金にはまるで鈍感な方だったので、その種の話に心をそそられることはついぞなかった。しかし、もう少し私がひっかかりやすい、巧妙な手口(私の嘘をつくような誘い方)だったら、私は本当に大丈夫だったろうか。後でそんな思いも残った。いずれにしても、これも一つの学習にはなった。
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(7) 札つきでない不良(p.176)

  • 佐高信は、東京電力元会長勝俣恒久や関西電力前会長の八木誠の方が「札のついていないもっとも危険な不良」としている。「森山栄治を極悪人にし、八木や前社長の岩根茂樹は自分たちを被害者のように装ったこともあったが、恐るべき、あるいはコッケイな倒錯である。」
  • 原発マネー不正還流→ 関西電力 闇歴史◆018◆

◆117◆←←関西電力 闇歴史→→◆119◆

◆関西電力 闇歴史◆117◆

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◆九州電力、関西電力は「免震重要棟」建設を ネグレクト 軽視!
 九電は約束していた免震重要棟の建設を再稼働後に撤回、
 関電がこれに追従、いざという時の備えなし!
 電力各社は規制委をなめ、安全性をないがしろにしている!
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【1】福島第一原発では事故の8か月前に免震重要棟が完成】

 福島第一原発では、事故発生8か月前、2010年6月に免震重要棟が完成した。2011年3月の事故時には、前年7月に運用を開始したばかりの免震重要棟に対策本部が置かれ、吉田昌郎所長以下、 最大600~500人が昼夜をたがわず詰めた。免震重要棟内部は、 一時電源が切れて真っ暗になりながらも、原子炉制御機能と通信機能は生き残っていて、原子炉建屋の爆発が相次ぎ、放射性物質が漏れ出す中、原子炉の冷却にあたる最前線となった。東電「仮に免震重要棟がなければ(事故の)対応は継続不可能だった」。

【2】免震重要棟整備のきっかけは新潟県中越沖地震】

 2007年7月16日、新潟県中越沖地震が発生。東京電力柏崎刈羽原発では緊急時対策室の扉がゆがんで社員が入れず、野外の駐車場にホワイトボードを並べて仮の対策本部とするなど大混乱を呈した。そのため、当時の泉田新潟県知事は免震棟の設置を強く求めた。地震の後、東電は福島第一、 第二と柏崎刈羽の3原発に免震重要棟を整備した。免震重要棟は、 震度7クラスの地震が発生しても、初動対応に必要な設備の機能を確保できるよう、地震の揺れを抑える免震構造を採用している。

【3】九州電力、約束していた免震重要棟の建設を再稼働後に撤回】

 福島事故後の原発再稼働で先頭を切っていた九電は、最初は免震重要棟の建設を約束して新規制基準適合審査を申請していた。2013年の申請の際には2015年度に免震重要棟を設置すると明記していた。2015年8月に許可が出て川内原発1号機を再稼働させたが、免震重要棟の建設は2015年12月には撤回してしまった。この余りにひどい姿勢に対し、規制委は再稼働許可を取り消すこともなく、「不快感」の表明しかしていない。規制委もなめられたものだ。

【参考(1)…この項【3】について、詳しくは以下を参照のこと】
東京新聞(2016/1/27)の記事…約束ほご 九電に不信 規制委「免震棟撤回、根拠を」 川内原発・玄海原発
こちら

【4】規制委は免震重要棟建設を求めたが、及び腰】

 規制委は免震重要棟建設を電力各社に求めていた。しかし、巨額のコストがかかるので、コスト面での配慮から、免震棟設置を「中期目標」にし、すぐに建設しなくてもいいようにしていた。九電はこれをみて免震棟建設を撤回し、これに関電が追従した。両電力会社はいざという時の備えを著しく欠きながら、原発再稼働を強行している。

【参考(2)…この項【4】は以下を参照しました】
守田敏也さん明日に向けて(2457)」(20240904)
Blog→こちら
Web→こちら
電力各社は規制委員会をなめきり安全性をないがしろにしている
こんな会社に原発の稼働を続けさせてはダメ

【参考(3)…この項【4】には異論があります–以下、ご指摘のメール】
関西電力は「免震重要棟」建設をネグレクト!、ですが、福島事故後、規制委は「免震重要棟」建設を再稼働時要件にしたので、関電も7階建ての「免震重要棟」を立てますと公言していたのですが、いざ建てるとなると建設費用がかかるため、ごねて「免震」を「耐震」に変えて2階建てのもの(外部との連絡用だけで、それぞれの原子炉の状況監視計測・制御はできない—これは福島第一の吉田所長がいた部屋と同じ)を建てました。その後に4階建て(?)の免震棟(要員の待機や資材保管)を建てたと言っています。高浜は北門すぐ左手の建物らしいです。大飯や美浜は確認はできていませんが、一応、関電は建設をネグレクト、はしていない、と思っています。

【参考(4)】…美浜の会「福井県原子力安全専門委員会への特別要請書」では
要請書に引用されている福井県原子力安全専門委員会の資料(2021/7/22)によれば、関電は高浜、大飯、美浜原発において緊急時対策所(耐震)と免震事務棟とを計画。→こちら
なお、
免震=建物と基礎の間に免震装置を設置し、地盤と切り離す。建物に地震の揺れを直接伝えない構造。
耐震=地震の力に対し、おもに壁の強度を上げて耐える構造。建物が頑丈でも地震の揺れは建物内部に伝わる。2階、3階と上がるほど、揺れが増幅。

【5】電力会社、政府、規制委が一体となって次の原発過酷事故の道へ】

 電力各社は規制委をなめ、安全性をないがしろにして経済性を最優先しているし、規制委の方もきちんとした「規制」を行わず政府や電力会社の方針に追従している。こうした現状は、次の過酷事故に直結する道ではないか。

◆116◆←←関西電力 闇歴史→→◆118◆

◆関西電力 闇歴史◆116◆

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◆関西電力送配電、国や大阪府への虚偽報告で副社長が辞任!
 1998年ごろから柱上変圧器のPCB問題を把握するも
 2018年の台風被害で初めて認識したと装うよう隠ぺいを指示し
 25年以上も放置
(2024年10月発覚)
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 2024年10月1日、関西電力送配電(白銀隆之社長)は、低濃度のポリ塩化ビフェニールPCB)を含む柱上変圧器をめぐり、不適切な取り扱いがあったと発表した。25年以上前から事態を把握していたが、国や大阪府などに虚偽報告をしたとして、当時「隠ぺい」を指示をした高市和明・副社長に辞職を勧告。高市氏は同日付で退任、「長年続いていたとは言い出せなかった」と話しているという。白銀社長は「コンプライアンス最優先の組織改革が道半ばであると痛感した。再発防止を徹底していく」と述べた。なお、関電から送配電部門が分社化したのは2020年だから、これは関電時代からの不祥事といえる。

 PCBは電気を通さない性質から変圧器などに利用されたが、1968年に発覚した「カネミ油症事件」をきっかけに毒性が問題になり、72年に生産と輸入が禁止された。1980年代末には、電力各社で電柱の変圧器に低濃度のPCBが混入していることが発覚。関電は90年から修理と新品への交換を進め、2019年からは新品への交換のみに対応を切り替えていた。

 1998年と2002年のサンプル調査で、PCBを除く修理を経た変圧器の絶縁油からも環境基準を超える低濃度PCBが検出されたのに、調査や修理方法の変更などの対応をしなかった。しかし、2019年に、前年の台風で被災した修理済み変圧器から基準を超える低濃度PCBが検出されたため、修理をやめて全て新品に交換することにした。2019年に国や大阪府などに対して説明したとき「2018年に初めて修理品への低濃度のPCB混入を把握した」と虚偽の説明をした。

 こうした問題は2023年11月、社外に設けている公益通報の窓口に相談があり、発覚。社外弁護士らに依頼し調査した。同社は「法令違反は確認できていない」としつつ、「一部の人間だけが関わって組織として問題を把握することができなかった。重大な問題だと認識している」と説明している。

 関電送配電には、2024年3月末時点で柱上変圧器が約189万台あり、うち約163万台はPCBを含まないことを確認したという。残る約26万台のうち、PCBを含む可能性がある約19万台も26年度末までに取り換える方針としている。

◆115◆←←関西電力 闇歴史→→◆117◆

◆関西電力 闇歴史◆115◆

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◆関電の子会社 KANSOテクノス が
 環境省からの受託業務で水増し請求(2024年4月発覚)
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 関西電力の子会社KANSOテクノス(大阪市)が、2023年度に環境省から受託した海洋環境保全業務に関して虚偽報告と水増し請求を行っていた。不正が発生した業務は、CO2を回収、貯蔵する技術(CCS)に関する環境省からの受託事業。2008~2009年頃からこの事業を託していて、不正は約15年前から行われていた可能性がある。

 KANSOテクノスは、環境省の承認を得ずに4社に業務を再委託し、費用4200万円を補填するために人件費を増水し、実際の費用より1861万円が多い6061万円を請求していた。

 2024年4月に社外コンプライアンス相談窓口へ「実際には従事していない従業員が、当該事業の一部を実施したかのように装い、虚偽の作業日誌を作成して人件費を請求している」などと通報があり、不正が発覚。KAANSOテクノスは、社外弁護士による調査を進め、2024年9月に調査報告書を受領、原因究明と再発防止に取り組むとしている。岡田達志社長は「大変重く受け止める」と陳謝。

◆114◆←←関西電力 闇歴史→→◆116◆

◆関西電力 闇歴史◆114◆

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◆六ヶ所再処理工場が27回目の完成延期で
 2026年度に使用済み核燃料を搬出するという関電のロードマップが破綻!
 関電はまたも、その場しのぎの「不退転の覚悟」!
 【付 緊急声明–老朽原発うごかすな!実行委員会】
  使用済み核燃料に関して約束反古を繰り返す関電が、またも詭弁!
  老朽原発即時停止を求めよう!

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この項の次は→◆119◆
この項の前は→◆012◆
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■ 2023/10/13【使用済み核燃料の県外搬出計画の工程表に合意】

・福井県は、運転開始から40年を超える老朽原発の再稼働の条件として、関西電力が10/10に示した使用済み核燃料の県外搬出計画の工程表(→こちら)に同意した。「2026年度から青森県六ヶ所村の再処理工場に搬出を始める」ことを軸にしている。

・福井県知事の同意は、提示からわずか3日後に容認している。県民の声を聞こうとしない姿勢が、あまりにも明らか。

・その内容についても、当時から「再処理工場が予定通り完成しなかった場合はどうするのか」「使用済み核燃料の保管の長期化につながり、最終処分場になるのでは」との強い懸念が示されていた。

・関電は「使用済み核燃料を安全に保管し、円滑に搬出するため」「乾式貯蔵施設を新設しても、原則として使用済み核燃料の全体の貯蔵容量は増やさない」「計画通り完成させるのが最重要課題」「完成に向けて一生懸命頑張っている」。

・使用済み核燃料の県外搬出計画の工程表について、詳しくは
 ◆関西電力 闇歴史◆012◆
【付 関電の使用済み核燃料搬出計画(2023年10月)】

■2024/2/8【関電が「乾式貯蔵施設」の設置へ】

・福井県内にある全ての原発の敷地内に使用済み核燃料を一時保管するための「乾式貯蔵施設」を設置する計画に対する了解を求めて、福井県、美浜町、おおい町、高浜町に事前了解願を提出。2025年の着工を目指すとし、高浜原発で最大32基(使用済み核燃料768体分:2027年の運用予定)、大飯原発で最大23基(同552体:2030年の運用予定)、美浜原発で最大10基(同210体:2030年の運用予定)の計65基(1530体)のキャスクを有する乾式貯蔵施設を計画。

■2024/3/15【福井県が「乾式貯蔵施設」の審査申請を了承】

・この事前了解願に関して、福井県は、設置に向けて国に審査を申請することを了承し、関電は同日、原子力規制委員会に審査を申請。

■ 2024/8/29【六ヶ所再処理工場が27回目の完成延期】

・2024年9月末の完成を目標としていた六ヶ所再処理工場について、日本原燃は、27回目となる完成延期を発表、完成時期を2026年度中とした。これにより、2026年度に使用済み核燃料の搬出を始めるとしていた関電のロードマップは破綻。

・2024/8/29、宮下宗一郎 青森県知事「27回目の延期 着工から約30年ということで こうして新しい工程を示してもらっても直ちに信頼することはできない」

・再処理工場の完成延期について、詳しくは
 ◆関西電力 闇歴史◆003◆ 付(2)
【付 (2) ◆核燃料サイクルとその破綻–六ヶ所再処理工場の完成延期 】

■ 2024/8/30【関電が工程表の遅れを福井県に報告】

・関西電力は、福井県に対し2026年から開始するとしていた使用済み核燃料の県外搬出計画に、遅れが生じると報告。

・2023年10月の計画提示後、わずか1年足らずで変更せざるを得なくなった。その理由も、当初から強く懸念されていて、言い訳は通用しない。口から出任せ、その場しのぎを繰り返す関電の経営姿勢がまたも明らかになった。

・再処理工場の完成延期を受け、関西電力の水田仁 原子力事業本部長と資源エネルギー庁の山田仁 調整官が県庁を訪れ、鷲頭美央(わしず・みお)副知事に搬出計画の実行が遅れると報告。

・水田原子力事業本部長「できるだけ速やかにロードマップの見直しに着手するとともに、今後公表される日本原燃の再処理計画を反映した上で、ご報告させていただきます」。

・鷲頭副知事「計画通り搬出できなくなったということは、2023年10月の県との約束に反するもの。関西電力は2023年のロードマップを策定する前の議論に立ち返って『不退転の覚悟』を示すべき」として、これまで関電が幾度となく繰り返してきた発言を引き合いに出し、原発の稼働停止も視野に「確実に実行できる搬出計画の提示」を強く求めた。

■ 2024/8/31【福井県は使用済み核燃料の県外搬出計画の合意を否定】

・福井県の杉本達治 知事「大変遺憾。昨年10月の工程表の合意はなくなった」

■ 2024/9/5【関電が「不退転の覚悟」を表明】

・関西電力の森望社長は、福井県の杉本知事に「使用済み核燃料の県外搬出のロードマップを2024年度末までに見直して提示する」「万が一、この見直しができない場合は運転開始から40年を超える県内の原発3基、美浜3号機、高浜1、2号機の運転は実施しないという不退転の覚悟で臨みたい」
・杉本知事「福井県と関西電力との信頼関係に関わる重大な問題で極めて遺憾。(ロードマップを)年度末と言わず、出来るだけ早く示して欲しい」
・杉本知事「(昨年10月に工程表とともに関電が約束した立地地域の地域振興について)何ら目に見える形で進んでいない。具体的な内容や必要な財源を早期に明示するよう」

■ 2024/9/6【乾式貯蔵施設の設置について】

・杉本知事「実効性のある内容でなければ乾式貯蔵施設の設置について事前了解をしない」
・杉本知事「(工程表の実効性の考え方について)基本は使用済み核燃料の搬出容量が継続的、安定的に確保されること。ただ出てくればいいのではない」

■ 2024/9/6【経産省は関電に厳しく指導すると表明】

・齋藤経産相「工程表の見直しが必要な状況となったことは大変重く受け止めている。関西電力に対しては実効性のあるロードマップを提示するよう厳しく指導する」

■ 2024/9/7【経産省は言葉だけ】

・河本猛さん(美浜町議会議員)「過去の経過を見ると経産相が一番甘いこと言って、福井県知事を説得して原発を継続運転させてきたのに、こんな時だけ関電を厳しく指導っておかしくない。これまでお墨付きを与えてきたのは経産省なんだから、厳しく指導するなんてのは言葉だけですね。
経産省こそ、使用済み核燃料、中間貯蔵施設、最終処分場、再処理工場、核のゴミ問題を先送りするなよ!原発止めろ!」

■ 2024/9/9【福井県議会にて】

・力野県議会議員「ロードマップを示すまで、福井県が納得するまで、直ちに3基を停止するべき」
・野田県議会議員「大手電力会社として責任の取り方が甘いんじゃないか」

【付 緊急声明–老朽原発うごかすな!実行委員会】

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緊急声明
使用済み核燃料に関して約束反古を繰り返す関電が、またも詭弁!
老朽原発即時停止を求めよう!

老朽原発うごかすな!実行委員会・木原壯林

 日本原燃は、8月23日、核燃料再処理工場(青森県)の完成目標を2026年度内に変更するとした、27回目の完成延期を表明しました。
 これを受けて、関西電力青関電の県望社長は、9月5日、杉本達治福井県知事と面談し、関電の原発でたまり続けている使用済み核燃料の外搬出に向けた「ロードマップ」(昨年10月発表)を、「本年度末までに見直す。実効性のある見直しができない場合、老朽原発・高浜1、2号機、美浜3号機を運転しない」と述べました。またも、原発全廃を求める多くの人々の心情を蹂躙する、白々しい詭弁です。森社長は、美浜町、おおい町、高浜町も訪れ、同様な面談を行っています。関電が倫理のかけらでも持ち合わせる企業であろうとするなら、2021年の約束(下記参照)を完全履行し、直ちに老朽原発を停止するのが当然です。

┌─ ─ ─ ─ ─ ─ ─
 関電は1996年に「使用済み核燃料は福井県外に搬出する」と、当時の福井県知事に約束しました。青森県の再処理工場が稼働すれば、青森県に搬出できると楽観しての約束でした。しかし、1997年に予定されていた再処理工場の稼働は、延期を重ね、未だに稼働の見通しは立っていません。そのため、関電は「福井県外に中間貯蔵地を探す」という約束の反古を繰り返しています。

 2021年、関電は、福井県知事に「使用済み核燃料の中間貯蔵地を2023年末までに福井県外に探す。探せなければ老朽原発を停止する」と約束しましたが、未だに候補地を見出すことはできていません。老朽原発・美浜3号機、高浜1、2号機の再稼働への福井県知事の承認を得るための空約束でした。

 切羽詰まった関電は、昨年6月、使用済み燃料の一部(約200トン)を、電気事業連合会が行うMOX燃料再処理実証試験に供するために、フランスに持ち出す計画を示し、「県外に搬出されるという意味で、中間貯蔵と同等の意義がある」としました。しかし、搬出量は、福井県内の原発で保管する使用済み核燃料の5%程度で、搬出予定も今すぐでなく、2020年代の後半です。

 さらに、関電は中国電力と結託して、昨年8月、唐突に中間貯蔵地建設のための調査を上関町に申し入れました。原発建設に反対する住民の心情を逆なでにし、希少な瀬戸内海の生態系を破壊し、漁民のなりわいを奪おうとするものです。関電の原発電気を消費したことも作ったこともない上関や青森県に、交付金をチラつかせて、中間貯蔵を押し付けることがあってはなりません。
└─ ─ ─ ─ ─ ─ ─

 関電は、このように「何の成算もなく空約束し、約束を反古にしても、その口を拭うために小手先の策を弄した詭弁でさらに人々を欺く企業」です。

 使用済み核燃料の行き場に関して、福井県から説明を求められた関電は、昨年10月10日、「使用済み核燃料に関するロードマップ」を発表しましたが、これによって、関電の使用済み核燃料をめぐる情勢は一転しました。このロードマップで、関電は、再処理工場の活用、中間貯蔵施設の確保を盛り込み、いかにも近々使用済み核燃料の福井県外搬出が可能であるかのように見せかけていますが、いずれも実現の可能性はない「絵に描いた餅」です。

 それでも、関電は「使用済み核燃料搬出の円滑化のために原発構内に乾式貯蔵施設の設置を検討する」とし、福井県内での乾式貯蔵への布石をしました。関電の燃料プールは3~6年後に満杯になって、原発を停止せざるを得なくなるため、プールに空きを作ろうとする詭弁です。福井県知事は、わずか3日後にこれを容認しました。「原発の運転継続ありき」の出来レースです。

 関電は、本年2月8日、福井県内にある全ての原発の敷地内に使用済み核燃料を一時保管するための「乾式貯蔵施設」を設置する計画に対する了解を求めて、福井県、美浜町、おおい町、高浜町に事前了解願を提出しました。来年の着工を目指すとし、高浜原発で最大32基(使用済み核燃料768体分:2027年の運用予定)、大飯原発で最大23基(同552体:2030年の運用予定)、美浜原発で最大10基(同210体:2030年の運用予定)の計65基(1530体)のキャスクを有する乾式貯蔵施設を計画しています。この事前了解願に関して、福井県は3月15日、設置に向けて国に審査を申請することを了承し、関電は同日、原子力規制委員会に審査を申請しました。

 使用済み核燃料の福井県内「乾式貯蔵」を許してはなりません。
 何としても、関電と福井県に2021年の約束を履行させ、全ての老朽原発を廃炉に追い込みましょう!

2024年9月6日

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