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◆被告 関西電力の準備書面(45)の結語

大飯原発差止訴訟[京都地裁]
被告 関西電力の準備書面(45)、2025年9月5日

被告訴訟代理人

小原 正敏 きっかわ法律事務所 パートナー
田中  宏 きっかわ法律事務所 代表パートナー
西出 智幸 きっかわ法律事務所 パートナー
神原  浩 きっかわ法律事務所 パートナー
原井 大介 きっかわ法律事務所 オフカウンシル
森  拓也 きっかわ法律事務所 パートナー
辰田  淳 きっかわ法律事務所 オフカウンシル
坂井 俊介 きっかわ法律事務所 パートナー
畑井 雅史 きっかわ法律事務所 アソシエイト
井上 大成 きっかわ法律事務所 アソシエイト
山内 喜明 山内喜明法律事務所
谷 健太郎 三宅法律事務所 パートナー
酒見 康史 酒見法律事務所
中室  祐 関西電力株式会社
持田 陽一 関西電力株式会社
山本真珠子 関西電力株式会社
高山 裕輔 関西電力株式会社
冨野 聡史 関西電力株式会社

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第9章 結語(p.323)

 これまでに述べたとおり、本件発電所は、福島第一原子力発電所事故後に原子力規制委員会によって策定された新規制基準に適合しており、その安全性は十分に確保されているから、放射性物質の異常放出により原告らの人格権等が侵害されることは考えられない。よって、原告らの本件発電所の運転差止に係る請求は棄却されるべきである。
 また、本件発電所は、新規制基準に適合し、その安全性は十分に確保されており、原告らの生命、身体、健康に対して侵害が発生したり、発生することの具体的危険性が存在したりしたこともない。
 よって、原告らの被告に対する損害賠償請求についても棄却されるべきである。
 なお、被告は、原子力発電所における安全対策の重要性を十分に認識し、今後も、原子力規制委員会から新たな規制要求等があれば、すみやかに応じるなど、本件発電所の安全性を更に向上させるためのたゆまぬ努力を継続する所存である。
以 上
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【注】短い結語の中に、「新規制基準に適合し、その安全性は十分に確保」という表記が2回も出てくる。被告関電は、新規制基準に適合していれば、すべて問題ないと主張している。代理人弁護士の所属は、ネット調べ。

◆関西電力 闇歴史◆129◆

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◆高浜4号機でMOX燃料が異常燃焼か?
 サヨナラ原発福井ネットワーク、若狭ネットが福井県に申し入れ!

 (2025年12月25日)
 「プルサーマル運転を即刻中止させ、原因究明して下さい。
 プルサーマル依存の関電ロードマップの脆弱性と危険性を再認識し、
 これ以上、使用済燃料を生み出さない方針へ転換して下さい。」

【付 ふげん廃炉の「絶望的な綱渡り」―破綻した核燃料サイクルの象徴】
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◆MOX燃料の異常燃焼か?
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  • MOX(モックス。ウラン・プルトニウム混合酸化物)燃料を、ウラン燃料用の原発で燃やすプルサーマル発電を行っている高浜原発4号機で、継続して使用する予定だったMOX燃料の集合体16体のうち8体を、2025年10月の定期検査後、運転再開時に、一転して使用しなかった。
  • 報道では、燃焼度(燃え具合)が制限を上回る恐れがあったのではないかと指摘されている。しかし、関電は、「高浜発電所4号機のMOX燃料に関する報道がされておりますが、装荷されていたMOX燃料に異常が生じた事実はございません。」と否定している。
  • 長沢啓行・大阪府立大名誉教授(生産システム工学、若狭ネット資料室長)の指摘……異常な燃焼が生じていたのではないか。燃料を製造したフランスでの品質管理についても調査すべきだ。
  • 森と暮らすどんぐり倶楽部のブログ」の批判……高浜原発4号機で、プルサーマルのMOX燃料が異常燃焼を起こしているようです。その原因を関電は説明しようとしません。異常な会社と言えます。

【参考】MOX燃料について
◆関西電力 闇歴史◆003◆ 高浜原発用のMOX燃料製造データ改ざんを隠ぺい(1999年)
【付 (10) ◆大手電力がプルトニウムの所有権を交換(2024年2月)
【付 (9) ◆高浜原発のMOX燃料
【付 (8) ◆MOX燃料を使っている原発と不良品多発問題 】MOX燃料を製造しているフランスの工場(オラノ社メロックス工場)の問題
【付 (7) ◆MOX燃料の経済性
【付 (6) ◆MOX燃料の危険性
【付 (5) ◆毎日新聞の連載「迷走プルトニウム」(2022年9月
【付 (4) ◆廃止措置中の東海再処理施設も難題山積
【付 (3) ◆核燃料サイクルと会計問題 …再処理等拠出金法
【付 (2) ◆核燃料サイクルとその破綻–六ヶ所再処理工場の完成延期
【付 (1) ◆MOX燃料をめぐる資源エネルギー庁との交渉

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◆異常燃焼ではないか?福井県への申し入れ
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  • 市民団体のサヨナラ原発福井ネットワーク、若狭ネットは、福井県へ申し入れ書を提出した(2025年12月25日)。この問題をめぐる全体的な状況は、若狭ネットのサイトに詳しい。
  • 若狭ネットのサイトでの解説
    ・毎日新聞(2025年12月17日配信)記事の引用あり。
     記事タイトル…高浜原発4号機で「異常燃焼」か MOX燃料の使用計画に変更 関電
  • 申し入れ書(全文)
  • 「MOX燃料の異常燃焼」の問題は、フランスにおけるMOX燃料の製造、日本の破綻した核燃料サイクルなど、「ふげん廃炉」と共通する問題がある。

【付 ふげん廃炉の「絶望的な綱渡り」―破綻した核燃料サイクルの象徴】
守田敏也さん。2025年12月24日、明日に向けて(2551)
「2025年12月23日午後、福井県敦賀市にある廃炉作業中の「ふげん」(新型転換炉)で、放射性物質トリチウムを含む水約20mlの漏洩が起きました。法令上の報告対象であり、素早く報じられました。
漏れた20mlは養生されたビニールシート内に留まり、3名いた作業員に被曝はなく、施設外への影響もなかったと発表されています。しかし配管内の残量も明らかにされておらず、より深刻な事態が隠れている可能性もあります。」として、ふげん廃炉、MOX燃料、その再処理の問題を指摘。

◆128◆←←関西電力 闇歴史→→◆130◆(未)】

◆関西電力 闇歴史◆128◆

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◆関西電力グループで相次ぐ不正!
 「関西電力送配電」有害物質PCBの基準値超え放置、2025年2月発表
 「かんでんエンジニアリング」油漏えい事故で虚偽報告、2025年7月発表
 「かんでんエンジニアリング」警備費用水増しで社員が金品受け取り、2025年10月発表

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◆「関西電力送配電」
 有害物質PCBの基準値超え放置、2025年2月発表
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◆有害物質PCBの基準値超え放置、虚偽報告

  • 関西電力グループの「関西電力送配電」(大阪市北区)は、電柱上の変圧器に有害物質のポリ塩化ビフェニール(PCB)が基準値を超えて混入していたことを把握しながら放置し、国などに虚偽の報告をしていたと発表した(2025年2月3日)。白銀隆之社長の報酬を1か月、30%減額する。
  • 調査にあたったコンプライアンス委員会は社外の弁護士をはじめとする9人で構成し、31人のグループ社員に聞き取りした。調査によると、関電は少なくとも20年以上前から環境汚染や健康被害の恐れがあるPCBが基準値を超えて混入している変圧器の存在を確認していた。こうした事実を認識しながらも、長年この問題を放置していた。問題が起きた原因を「コンプライアンスよりコスト削減を優先する意識が強かった。最終的な責任者である配電部門に対して環境部門が口をはさみにくい風土があった」と認定し、「組織の縄張り主義があった」と結論づけた。

◆変圧器の有害物質PCB混入で長年にわたる放置、虚偽報告

  • なお、関西電力や子会社の関西電力送配電は、長年にわたりPCB混入に対処せず放置していたり、自治体に虚偽の報告をしたりしていた。1998年には既に、環境汚染や健康被害の恐れがあるPCBが基準値を超えて混入している変圧器の存在を確認していた。
  • そして関西電力送配電では、2024年10月にも、変圧器の有害物質PCB混入で国に虚偽報告をしていたことが発覚している。当時の配電部門トップで、虚偽の報告を指示していた高市和明副社長は退任した。白銀隆之社長は「従業員の範たる役員がこのような事態を招いたことを重く受け止め、心からおわび申し上げる」と陳謝していた。→◆116◆

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◆「かんでんエンジニアリング」
 油漏えい事故で虚偽報告、2025年7月発表
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◆油漏えい事故で虚偽報告、担当執行役員は退任

  • 関西電力グループの「かんでんエンジニアリング」(大阪市北区)は、2024年5月に発生した油漏えい事故で、消防署に油の種類について虚偽の報告をしていたと発表した(2025年7月31日)。
  • 虚偽報告を判断した執行役員は、本人の申し出により同日付で退任した。

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◆「かんでんエンジニアリング」
 警備費用水増しで社員が金品受け取り、2025年10月発表
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◆社員13人が警備会社と共謀し費用を水増しし、
見返りに金品や会食接待などの利益供与を受けていた(>_<)

  • 関西電力グループの「かんでんエンジニアリング」(大阪市北区)で、社員が発注先の警備会社と共謀し、警備員数や警備時間を書き換え、工事現場の警備費用を水増ししていた(2025年10月24日発表)。
  • 水増し請求に関与したのは、地中送配電工事に関わる社員13人で、社員12人が、見返りに金品(少なくとも現金600万円)や会食接待などの利益供与を受けていたという。19~24年度に警備員数や警備時間を改ざんし、実際より費用が多くかかったように見せかけていた。水増し額は2023~24年度だけで数千万円に上る見込み。2025年6月、コンプライアンス相談窓口への内部通報で発覚し、社外の弁護士らが調査していた。
  • かんでんエンジニアリングの大久保昌利社長は「コンプライアンス(法令順守)を重視する組織風土が不十分であった。調査を継続して二度とこのようなことが起こらないように全力を尽くす」と陳謝した。大久保社長は経営責任をとって11月から2か月間、役員報酬の月額20%を返納する。
  • 別の警備会社との間でも水増しがあった可能性を含めて、調査は継続している。調査終了後に関係者の処分を検討するとのこと。

◆127◆←←関西電力 闇歴史→→◆129◆

◆関西電力 闇歴史◆127◆

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◆仮処分の審尋 2025/7/11で、関電が傲慢で攻撃的な姿勢!
 関電「原発の運転は、本来行使できる権利であり、自由」
 →いいえ、関電にはそんな権利や自由はありません!
 関電「原告住民側は被害者ではないので、立証責任を負う」
 →いいえ、立証責任の転換は公正な裁判に必須です!

 【付 原発差止裁判の立証責任】
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◆美浜3号機運転差し止め仮処分
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◆美浜3号機運転差し止め仮処分

  • 福井県の住民10人が2023/1/13、福井地裁に提訴。関電の老朽原発、美浜3号機を動かしてはならないことを求めた。
  • しかし、福井地裁では2024/3/29却下の決定。

◆美浜3号機運転差し止め仮処分の即時抗告審

  • 住民側は、名古屋高裁金沢支部に即時抗告。
  • 名古屋高裁金沢支部では、2025/7/11の第4回審尋で終了。
  • 2025年内には決定が出るか。
  • 関電は、第4回審尋の中で、傲慢で攻撃的な姿勢をあらわにしてきた。
    週刊金曜日 脱原発弁護団全国連絡会(2025年8月7日)

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◆関電の傲慢で攻撃的な姿勢
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◆2025/7/11の第4回審尋において

  • 関電は
    ①「原発を運転することは、本来行使できる権利であり、自由である。」
    ②「抗告人=住民側らを被害者とみなして、立証責任の転換をすべきではない。」
    (抗告人=住民側は被害者ではなく、被害を立証する責任は住民側にある。)
    と主張。
  • これに対して、井戸謙一弁護士は「関電は、今までこのような主張はしていなかった。この姿勢の変化は注意しなければならない」と述べている。

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◆原発運転は、本来行使できる権利や自由ではない!
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◆関電に権利や自由がない理由

  • 原発は事故が起こったときの被害は他の災害に比べて桁違いに大きいので、安全性を最優先にしなければならない。そのため、事業者=電力会社が、一存で決める「権利」や「自由」はない。
  • ①許可・認可制であること…原発は原則的に禁止されており、原子力規制委員会(規制委)が許可(新規制基準に適合)した場合にだけ例外的に運転が認められている。原発の設置、運転には、規制委による審査と認可、および経済産業大臣による認可が義務付けられている。
  • ②法制度による制約…「GX(グリーントランスフォーメーション)脱炭素電源法」のように、原発の活用を促進する仕組みは、既存の法制度の下で行われている。これは、国がエネルギー政策の一環として原発の利用を位置づけているわけで、事業者=関電が自由に選択する権利とは異なる。関電は、国策のお先棒を担がせてもらっているのに過ぎない。
  • ③安全性の確保と規制…関電は、原発の運転において安全性の確保を最優先事項とすべきであり、規制委の厳格な審査と安全基準に適合する必要がある。そのため、自由な運転はできない。安全規制の遵守や地元自治体の理解、さらには法制度の変更に従う必要があり、単純な権利や自由とはいえない。

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◆住民側は被害者であり、立証責任は関電側にある!
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◆住民側は被害者である理由

  • 原発事故の可能性が否定できない以上、住民側は潜在的被害者であり、事故が起こらなくても事故の危険におびえて生活しなければらないことだけでも被害者である。
  • 過酷事故が起こってしまった後でしか、被害を主張できないとすれば、被害の巨大さからして理不尽極まりない。

◆立証責任は関電側にある理由

  • 「住民側=原告が許容限度を超える被ばくの具体的な可能性があることを相当程度立証すれば、電力会社側=被告が具体的な危険がないことを立証しなければ、危険があると推認する」という立証責任の転換は、住民側の負担を減らし、公正な裁判を実現するために不可欠。社会的インフラという公的役割を担う、巨大な電力会社には、資力もあり社会的責任もある。

◆原告の立証ハードル

  • 原発の運転差止めを求める裁判で、立証責任が原告側に課されたり、再転換された場合、原告側には、次のような高い立証ハードルが課せられる。
  • 具体的な危険性の主張・立証: 原告は、原発に安全性を欠く点があることを具体的に主張、立証する必要がある。
  • 訴訟継続中の状況変化: 訴訟が長引く中で、新規制基準の策定や審査結果、また科学的知見の変化などが生じるため、原告はその都度、最新の知見に基づいて安全性の問題を立証しなければならない。
  • 科学的知見の専門性: 原発の安全性をめぐる議論はきわめて専門的であるため、科学的知見をもたない裁判官が判断することの難しさがある。

【付 原発差止裁判の立証責任】
・日本の民事訴訟における立証責任は、元々、原告(原発裁判では住民側)にある。しかし、原発差止裁判では、原子力分野という専門性の高い特殊性を考慮し、原告の立証負担を軽減するため、裁判所の判断によって、実質的に被告である事業者や国側に立証責任が転換されたり、立証の必要性が認められたりしてきた。こうした立証責任の転換、緩和は、多くの公害事件や薬害事件の裁判の中で確立されてきた。
・福島事故後、転用方式を是正した川内原発仮処分宮崎支部決定(2016/4/6)では、立証責任は、事実上被告に転換された。
・その内容は ↓
・被告事業者は、具体的審査基準に不合理な点のないこと、適合判断に不合理な点がないことを主張立証しなければならず、これを尽くさない場合は、具体的審査基準に不合理な点があること、適合判断に不合理な点があることが事実上推認される。
・原告の立証活動は、被告事業者の主張立証に対する反証となる。
・こうした「立証責任の転換」は、その後の伊方仮処分広島地裁決定、伊方仮処分松山地裁決定、広島高裁決定でも採用され、定着するかに見えた。しかし、その後、原告側の立証負担を増加させる“再転換”の判断が出てきている。「基準地震動を上回る規模の地震の具体的危険性は、利益を受ける原告側が主張・疎明責任を負う」などという判決である。
・井戸謙一弁護士は『原発訴訟における立証責任転換論とは』において、“再転換”は「日本の公害裁判の歴史を50年巻き戻し、この50年間の学者、法律家、裁判所の努力を無にする」と言う(下記図解とも)。

◆126◆←←関西電力 闇歴史→→◆128◆

◆関西電力 闇歴史◆126◆

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◆使用済み核燃料の中間貯蔵施設をめぐる関電と福井県の動き

 (まとめ:空約束から実効性なき新ロードマップ…2025年8月まで)
 第一局面…空約束。福井県の要請と関電の空約束
 第二局面…ロードマップ。関電が「絵に描いた餅」のロードマップを提示
 第三局面…新ロードマップ。ロードマップは1年で破綻、すぐに新ロードマップを提示
 【付 GX参考年表、GXサイト、第4次エネ基~第6次エネ基と原発再稼働】
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◆第一局面…空約束
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◆福井県の要請と関電の空約束

  • (1) 福井県が「使用済み核燃料の中間貯蔵施設を県外に」と要請。
  • (2) 関電が空約束を繰り返す。

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◆第二局面…ロードマップ
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◆関電が「絵に描いた餅」のロードマップを提示

  • (1) 県外候補地の多様化と責任分散…フランス、六ヶ所再処理工場、上関町、むつ市。どこも当初から強い懸念のある候補地ばかりだが、関電に直接責任のない候補地ばかり。
  • (2) 県外を前提にしつつ県内貯蔵に道を開く…原発敷地内に乾式貯蔵施設。乾式貯蔵は、満杯に近い燃料プールに空きをつくり、原発運転を継続するための施設。
  • (3) 2024年8月、六ヶ所再処理工場が着工から約30年、27回目の完成延期。完成時期は2026年度中だが、宮下宗一郎 青森県知事「直ちに信頼することはできない」。

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◆第三局面…新ロードマップ
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◆ロードマップは1年で破綻、すぐに新ロードマップを提示

  • (1) 県外候補地の多様化と責任分散により、数字合わせだけでロードマップをすぐに改訂できる。その柔軟性=無責任性が明らかになった。
  • (2) ロードマップ見直しで関電は「実効性がなければ、老朽原発は運転しない」と表明したが、新ロードマップも実効性はなく、関電の約束は守られなかった。
  • (3) 関電は、新ロードマップ発表後、表向きは県外候補地を追及しつつも、事実上、県内での乾式貯蔵に移行していくための具体策を進めている。
    • ①新たな資金提供…関電は杉本知事の姿勢につけ込んで、札束攻勢「新たな資金提供」50億円(原発稼働率で増額)を具体化。
    • ②高浜(第1期分)で乾式貯蔵施設を具体化すること。ただし、六ヶ所再処理工場の規制委審査が進まないことにより、県の建設同意も遅れている。
    • ③美浜でリプレイス…政府の原発支援政策を当てにしつつ、地元の原発推進勢力を納得させるあめ玉。
  • (4) 杉本知事の基本姿勢…「県外だけを主張しているより、見返りがあれば、県内でも構わない」「地域振興という札束と引き換えに県内貯蔵を認める」というのでは?
  • (5) 関西電力は使用済み核燃料を2035年までに搬出できない場合は「使用済み核燃料プールに戻す」との方針を示しており、地元自治体から反発が相次いでいる。この件を巡り、美浜町議会原子力発電所特別委員会は「立地目線を意識し、配慮ある対応」を求める要望書を関電の高畑勇人原子力事業本部長代理にに提出した(2025年10月2日)。要望書は原発の反対派、推進派が一致しての内容。ただし、町議会としては「35年末までに搬出を始めると確認したので、プールに戻すという文言の撤回や修正は求めず、今回は了解する」とのこと。


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【関連項目】
・原子力政策の推移と市民の運動、参考年表など→◆原発関係裁判(3)
・新ロードマップ→◆121◆
・新旧ロードマップ図解の対照→◆119◆
・ロードマップが破綻→◆114◆
・中間貯蔵施設をめぐる空約束→◆012◆
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・この項の全体のPDFファイル[198 KB]
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【付 GX参考年表】
………(岸田文雄首相、2021年10月4日~2024年10月1日)
・2022年7月GX実行会議の初会合を開催。脱炭素社会の実現をめざすGX(グリーン・トランスフォーメーション)を検討。首相は電力の安定供給確保に向け、まず原子力発電所の再稼働などの具体策を示すよう指示した。なお、GXとは、化石エネルギーに依存している経済・社会・産業の構造を、非化石エネルギー中心の構造に移行させるための改革で、「カーボンニュートラル」や「脱炭素」の実現をめざすとされる。
・2023年2月…「GX実現に向けた基本方針」を閣議決定。原発の新増設(「次世代革新炉への建て替え」)、原発の最大限活用を明記。エネルギーに関する世界的、国内的な危機に対応し、脱炭素も同時に実現するには原発の復活が不可欠として、第6次エネルギー基本計画に記載のある「原発依存度を可能な限り低減する」は消えている。
・2023年5月…原子力基本法、電気事業法、原子炉等規制法、再処理等拠出金法、再生可能エネルギー特別措置法の5本の法改正を束ねた「GX脱炭素電源法」が成立(他にGX推進法も成立)。「原則40年、最長60年」の運転期間の規定を原子炉等規制法から電気事業法に移し、運転延長を経済産業相が認可する仕組みに変更。
………(石破茂首相、2024年10月1日~2025年10月21日)
・2025年2月第7次エネルギー基本計画(エネ基)の閣議決定。「原発依存度を可能な限り低減する」とした第4次エネ基(2012年末に誕生した第二次安倍晋三政権、2014年4月)~第6次エネ基(2021年10月)までの表記を削除、原発回帰の姿勢を鮮明にした。原子力は、電源構成のうち約20%をしめるという目標を掲げた。
・2025年6月…GX脱炭素電源法が全面施行。原発運転60年超が可能になる。
・2025年8月…巨額の電源投資を支援する長期脱炭素電源オークション(2024年1月開始)で、ガイドラインを改訂。原発の新増設を支援する体制がつくられている。
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【付 GX サイト】→自然エネルギー財団「GXの原発新増設は現実的なのか?
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【付 第4次エネ基~第6次エネ基と原発再稼働】
・第4次エネ基…2014年 4月閣議決定。原発依存度は省エネ・再エネなどにより「可能な限り低減」とし、原子力についての具体的な数値目標は明記されていない。しかし、原子力は「重要なベースロード電源」とされたために、原発の再稼働が不可欠となり、規制委は40年超えの老朽原発をふくめ、次々と原発の再稼働を進めるようになった。
・第5次エネ基…2018年7月閣議決定。「2030年のエネルギーミックスにおける電源構成比率」として、原発の発電量構成比20~22%の実現をめざすとされた。その目標達成のため、原発の再稼働が進んだ。
・第6次エネ基…2021年10月閣議決定。第5次と同じく、「2030年度時点における電源構成上の見通し」として原発は20~22%程度を見込む。
・第7次エネ基…(上記「GX参考年表」2025年2月の項を参照のこと)
 
・原発再稼働
以下の原発再稼働の経過は「東京電力福島第一原発事故後の原発再稼働と差止裁判の提訴(2011~2014年)」から続く。2014年以前の経過はそちらを参照のこと。
全体をまとめた経過は「東京電力福島第一原発事故後の原発再稼働をめぐる経過[127 KB]」。
各原発の再稼働年月日、稼働年数(40年超えの老朽原発かどうか)→資源エネルギー庁「原子力発電所の現状
【2014年】
………(安倍晋三首相、2012年12月26日~2020年9月16日)
………(2014年 4月、第4次エネ基の閣議決定)
8月…川内原発1号機(新規制基準施行後としては初の再稼働)
10月…川内原発2号機
【2016年】
1月…高浜原発3号機
2月…高浜原発4号機
8月…伊方原発3号機
【2018年】
3月…大飯原発3号機
3月…玄海原発3号機
5月…大飯原発4号機
6月…玄海原発4号機
………(2018年7月、第5次エネ基の閣議決定)
………(菅義偉首相、2020年9月16日~2021年10月4日)
【2021年】
6月…美浜原発3号機(福島事故後、40年超の老朽原発の再稼働は初)
………(岸田文雄首相、2021年10月4日~2024年10月1日)
………(2021年10月、第6次エネ基の閣議決定)
【2023年】
8月…高浜原発1号機
9月…高浜原発2号機
………(石破茂首相、2024年10月1日~2025年10月21日)
【2024年】
11月…敦賀原発2号機、審査に不合格(唯一の例外)
11月…女川原発2号機。東電福島第一原発事故後、初めて再稼働するBWR(沸騰水型)
12月…島根原発2号機。BWR
………(2025年2月、第7次エネ基の閣議決定)
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◆125◆←←関西電力 闇歴史→→◆127◆

◆関西電力 闇歴史◆125◆

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◆明石昇二郎『敦賀湾原発銀座[悪性リンパ腫]多発地帯の恐怖』(1994年)
 敦賀原発10キロ圏内で、冬季風下地域の対岸3集落では、
 悪性リンパ腫による死亡者発生率は、全国平均の12.22倍(>_<)
 10キロ圏に美浜原発をかかえる関電も抗議文をだす!

【付 玄海原発と白血病】
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[1]週刊誌で『敦賀湾原発銀座[悪性リンパ腫]多発地帯の恐怖』の連載
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◆週刊プレイボーイ誌に記事を連載

  • 1994(平成6)年、週刊プレイボーイ誌(集英社)は、ルポライターの明石昇二郎さんによる『敦賀湾原発銀座[悪性リンパ腫]多発地帯の恐怖』という記事を、11/22号(11/8発売)から4回に分けて連載した。
  • 記事の内容は、原発が多数立地する若狭湾近辺で、悪性リンパ腫、白血病、甲状腺がんなどの放射線被ばくと因果関係が指摘されている病気が発生しているという噂が地域住民の間で広がっている。そこでこの噂が真実であるか、否か、という疫学調査を、1994年夏に実施した結果を示している。
  • なお、悪性リンパ腫と白血病とは同じような病気にみられるが、統計上、別々に集計され、別の疾病とされる。悪性リンパ腫はリンパ系の腫瘍化で、白血病は白血球の顆粒球の腫瘍化。

▼週刊プレイボーイ 1994/11/22 第29巻 第44号 No.47(11/8発売)

◆記事の内容

  • 調査にあたっては、疫学の専門家の意見を聞いたり、人口動態について福井県に問い合わせたり、各方面の協力を求めている。しかし、県の協力はまったく得られなかった。
  • 調査の結果では、調査区域内(日本原電の敦賀原発から半径10キロ圏内)では、全国平均よりもはるかに上回る平均値で、悪性リンパ腫が発生していたというものであった。なお、敦賀原発1号機は、1970/3に営業運転開始、2015/4に廃止。
  • 悪性リンパ腫の患者は、敦賀半島の対岸、それも冬場の風下に当たる地域に集中している。敦賀原発10キロ圏内で、冬季風下地域にあたる対岸の3集落では、過去3年間(1991~93年)の悪性リンパ腫による死亡者発生率が、全国平均の12.22倍という、恐るべき数値を示した。
  • なお、調査区域(敦賀原発の半径10キロ圏内)は、敦賀半島の大部分(関電の美浜原発、水晶浜などを含む)、敦賀湾の対岸に及ぶ。

▼敦賀原発10キロ圏(地理院地図に加筆)

『敦賀湾原発銀座[悪性リンパ腫]多発地帯の恐怖』改訂・増補版、明石昇二郎著、2012年、宝島SUGOI文庫(1997年、技術と人間から刊行の同書名の改訂・増補版)。調査区域の地図、調査方法(個別訪問と面接)、調査結果などの詳細を掲載。本項「関西電力 闇歴史◆125◆」全体が、おもにこの本による。さらにくわしくは、こちらで。

┌─────────────
[2]記事に対する異様な反発
└─────────────

◆各方面からの反応

  • 週刊プレイボーイの連載記事には、各方面から反応があった。とくに地元福井県庁、栗田幸雄県知事を中心として異様な反発を呼び、週刊プレイボーイ誌側との間で論争を呼びおこした。敦賀原発を運転していた日本原電や、日本原電と関係の深い関西電力も記事に反応した。
    (→◆030◆「関電とゾンビ企業・日本原電との腐った関係」)

◆地元福井県庁、栗田幸雄県知事の異様な反発

  • 11月8日、プレイボーイ誌発売。『敦賀湾原発銀座「悪性リンパ腫」多発地帯の恐怖』第一回「ガン患者激増の噂を追って」の記事が掲載。
  • 11月11日午前、福井県の栗田幸雄知事が記者会見で「記事は科学的根拠がない」として、プレイボーイ誌編集長と現地取材したルポライターに抗議、記事の訂正を求める。
  • 11月11日、栗田知事が午前中に記者会見を開いた後、知事の命を受けた県職員2名がすぐさま特急と新幹線を乗り継いで、おまけに地元テレビ局のテレビカメラまで引き連れて、東京の集英社本社に乗り込んだ。マスコミ受けを狙ったパフォーマンスであった。

【参 考】
「県・国(行政)の対応の事実経過一覧表」は、下記のPDF p.62に詳しい。
 
原子力発電所をめぐる世論形成と噂
――プレイボーイ誌の「悪性リンパ腫多発記事」に起因する論争の分析――』
(三隅譲二、中川康)

◆事前に求めていたコメントは無視

  • プレイボーイ誌特別取材班では、この調査結果を掲載する2週間前に、この地域に原発をもつ日本原電や関西電力、通産省、「ふげん」「もんじゅ」をもつ動燃〔動力炉・核燃料開発事業団〕とその動燃を監督する科学技術庁、それに「人口動態統計」をまとめている厚生省、環境庁などに対し、今回の調査で得たデータのブライバシーに関する情報以外の部分をすべて提供し、コメントを求めていた。
  • しかし、事前に求めていたコメントへの対応は、以下のように木で鼻をくくったものであった。
  • 日本原電…広報部・大森佳軌副長「特にこれについて、あまり甲し上げるわけにはいかない。専門家にお聞きしたほうがいいのでは。コメントは差し控えたい」
  • 関西電力…地域共生本部報道グループ・山中隆副長「御社で行った調査に関して、当社はコメントする立場ではこぎいませんから」

◆福井県の反発に続き、日本原電と関電から抗議文

  • 11月15日、日本原電(敦賀原発)、関西電力からの抗議文が編集部に届く。お互い運絡を密に取りあっていたのか、その内容は酷似。
  • 事前に求めていたコメントは完全に無視していたのに、週刊誌で大きく報道され、福井県が素早く抗議に動くや、遅れじとばかり抗議文を送りつけてきた関電や日本原電の対応は、不自然としか言いようがない。
  • 日本原電からの抗議文の全文は、宝島SUGOI文庫(p.110~112)に掲載。
  • この抗議文をうけての明石昇二郎さんと関西電力地域共生本部報道グループ・山中隆副長との電話でのやりとりが、宝島SUGOI文庫(p.113~124)にくわしい。

【付 玄海原発と白血病】

 玄海原発(九州電力)の30キロ圏にある壱岐市では、白血病死亡率が原発稼働後、約6倍に増加したと、『壱岐新報』が報道している。なお、「玄海原発 白血病」で検索すれば、下記のような原発を原因とする主張のほか、原発とは無関係とする主張(九州電力など)もでてくる。
→「玄海原発と白血病」森永 徹(元純真短期大学・健康科学)


▲玄海原発と壱岐市の位置関係
内部被ばくを考える市民研究会」より

(1)「壱岐新報」社説:2019.2.20
高い白血病死亡率、玄海原発の影響か
身体への影響は皆無なのか → こちら および「次の記事
 
「県福祉保健部によると、玄海原子力発電所(佐賀県玄海町)周辺に位置する県北地域を中心に、玄海原発稼働後から成人T細胞白血病(以下ATL)による死亡率が高いことがわかった。」
「放射性物質の放出になるトリチウム(放射性水素)は、体内に入ると白血病を誘発するとされる。玄海原発は全原発の中で最もトリチウムの放出量が多く、全国1位だ。」
(2)「壱岐新報」社説:2019.3.05
原発稼働後、約6倍に増加 → こちら
 
「対10万人数の白血病死亡率は、玄海原発稼働前と後とでは6から7倍に増加」

◆124◆←←関西電力 闇歴史→→◆126◆

 

◆原発関係裁判(3)…最新の状況とこれからの運動

(2025/8/28 現在)

┌──【目 次】───────
[1]最新の状況(2025年8月~)
 ◆2025/8/27、川内原発、控訴棄却
[2]原子力政策の推移と市民の運動
 ◆3.11以後の原子力政策
 ◆2022年からの転換
 ◆「乾式貯蔵の高浜」
 ◆「新増設の美浜」
 ◆原発のない社会を実現するために
└─────────────

【参考リンク「原発関係裁判(1)…3.11以前からの概況」→こちら
参考リンク「原発関係裁判(2)…2025年(7月末現在)の状況 」→こちら
 

┌─────────────────────────────────
[1]最新の状況(2025年8月~)
└─────────────────────────────────

◆2025/8/27、川内原発、控訴棄却

  • 概 略
    ・川内原発設置変更許可処分取消訴訟(行政訴訟)、福岡地裁。
    ・九州電力の川内原発(1、2号機)。薩摩川内市。
    ・2019/6/17、福岡地裁で原告敗訴→福岡高裁で控訴審。
    ・2025/8/27、福岡高裁で控訴棄却。
    ・原告は、巨大噴火(破局噴火)による広範囲の火砕流など、火山問題のみを争点とした。しかし判決は、新規制基準の「火山ガイド」やそれによる審査の合理性を認めて、原告の控訴を退けた。

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[2]原子力政策の推移と市民の運動
└─────────────────────────────────

◆3.11以後の原子力政策

  • 原発依存度は可能な限り低減
    ・東京電力福島第一原子力発電所事故(2011.3.11~)の反省に立ち、原発依存度は可能な限り低減させていく。
    ・再生可能エネルギーの拡大をめざす。

◆2022年からの転換

  • 原子力「依存度低減」から「最大限活用」へ
    ・岸田文雄内閣は、2022年「GXグリーン・トランスフォーメーション実行会議」の初会合を開催。脱炭素に名を借りて原発政策の転換を始める。
    ・2023年、「GX実現に向けた基本方針」を閣議決定し、原子力推進政策へ転換。2023年にGX脱炭素電源法が成立、2025年に全面施行された。老朽原発の40年超え運転が常態化している。
    ・脱炭素に名を借りた原発推進の実態化のため、第7次エネルギー基本計画を閣議決定し、原子力の最大限活用を明記している。
    ・政府は様々に原発支援政策を展開している。その一つが「長期脱炭素電源オークション」。これは脱炭素に名を借りた原発優遇制度で、名前だけでは再エネを普及させる制度にみえるが、実態は原発支援のための制度となっている。
    ・また、原発建設の費用高騰を懸念する電力会社を支援するために、建設費や運転維持費が上昇した場合、その費用の多くを電気料金で負担させようとしている。原発をもたない新電力の契約者にも、原発建設の費用を負担させようという、理不尽な制度といえる。
  • 関西電力は「乾式貯蔵の高浜」と「新増設の美浜」で原発依存
    ・関電は、政府の原子力政策のお先棒を担ぎ、原発推進の先陣をきっている。

┌─────────────
・GX参考年表→関西電力 闇歴史 ◆126◆
GX参考サイト→自然エネルギー財団「GXの原発新増設は現実的なのか?
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◆「乾式貯蔵の高浜」

  • 高浜原発では乾式貯蔵
    ・関電では、使用済み核燃料がプールで満杯になり、原発を止めざるを得ない状況が迫る。それを避けるために、使用済み核燃料をプールから出して、乾式貯蔵施設に移行する準備をすすめてきた。2025年、規制委も高浜原発での設置を許可。乾式貯蔵は、原発の運転を続けるための方策であり、中間貯蔵施設や再処理施設が実現不可能に陥っているための窮余の策に過ぎない。
    ・乾式貯蔵はプールで貯蔵するより安全だという意見もあるが、それは正しくない。プールで長期に保管されてきた使用済み核燃料の一部が乾式貯蔵施設に移された後には、発熱量も放射線量も桁違いに高い新しい使用済み核燃料が入ることになり、危険性はかえって高まる。そして、原発運転が継続される。
    ・関西電力は、高浜原発の乾式貯蔵施設の2025年内着工を見送り、2026年着工、完成を2028年ごろと変更。

◆「新増設の美浜」

  • 美浜原発では新増設
    ・関電は2025年、美浜原発の新増設(リプレース)に向け、中断していた地質調査などを再開する方針を表明している。
    ・また、「老朽美浜原発3号機運転禁止仮処分」抗告審第4回審尋期日(2025/7/11、名古屋高裁金沢支部)において、「原発を作り運転する企業の自由」「抗告人(=申立人)は被害者ではない(被害者になってから文句を言え)」などと発言した。東電福島第一原発事故を体験してからの主張とは思われない。

◆原発のない社会を実現するために

  • 原発訴訟の現状
    ・政府の原子力政策の転換という状況の中、2022年の泊原発廃炉訴訟の勝訴以降は、原告敗訴が続いている。
    ・裁判所は自ら司法の役割を放棄し、行政に追随しているようにみえる。東電福島第一原発事故の事故は、裁判所が自らの役割を果たさなかった結果ではないか。裁判所は、今また、次の原発事故の発生に加担するのか、責任が問われる局面にある。
  • 原子力政策、矛盾の深まり
    ・東電福島第一原発事故の収束、廃炉の行方はまったく見通しがない。2011年以来の「原子力緊急事態宣言」は、今も継続されている。汚染水放出、除染土の全国拡散、クリアランス金属(廃炉に伴う一定基準以下の金属)の再利用などは、放射線汚染を全国に広める危険性がある。
    ・六ヶ所再処理工場は完成せず、核燃料サイクル、再処理計画は頓挫し、展望がなくなっている。原発から出てくる使用済み核燃料の処理は、最終処分場はおろか、中間貯蔵施設にも目処が立たず、原発敷地内の乾式貯蔵で当面の破綻を回避している。目先の危機を回避することだけに精一杯の綱渡り状況となっている。
    ・2024年の能登半島地震をみれば、原発に対する地震のリスクはより深刻になり、避難計画の破綻は明確となった。
    ・一方、原発なしでも、電気は足りている。2013年9月から2015年8月まで2年近く、日本は原発ゼロであった。
  • 原発のない社会を実現するには
    ・裁判闘争では、法廷での理詰めの告発とともに、多数の市民が裁判に注目していることを示す運動と世論が求められる。運動と世論で裁判所と裁判官を包囲していこう。
    ・しかし、裁判闘争にとどまらない運動と世論も決定的に重要になっている。原子力政策の行き詰まりを訴え、再生可能な自然エネルギーに依拠し、省エネに徹した社会を訴えていこう。あらゆる選挙で原発に反対する勢力を大きくしていこう。
    ・「老朽原発うごかすな!実行委員会」(ニュースやチラシなど→こちら)から報告されているように、原発立地地域では、原発への不信や拒否の声は表面には出にくいものの、実際にはたくさんある。とりわけ老朽原発や原発新増設へ不安の声は大きい。電気の大消費地である大都市では、遠隔の過疎地に危険な原発を押しつけている現状をかえりみるときがきている。立地地域も消費地域も手を携えて、巨大な人権侵害をもたらす原発と決別していきたい。

(以 上)

◆原発関係裁判(2)…2025年(7月末現在)の状況

(2025/8/26 現在)

┌──【目 次】────
2025年(7月末まで)の原発関係裁判の判決…7件とも敗訴
判決や決定が近い原発関係裁判…6件
結審が近い原発関係裁判…5件
原発賠償訴訟の判決…2022年以来、国の責任を認めない判決ばかり連続17件
└─────────────

【参考リンク「原発関係裁判(1)…3.11以前からの概況」こちら
【参考リンク「原発関係裁判(3)…最新の状況とこれからの運動」→こちら

◆2025年(7月末まで)の原発関係裁判の判決…7件とも敗訴

  • 鹿児島地裁…原発なくそう!九州川内訴訟。
    ・2012/05/30提訴。2025/02/21に敗訴×→福岡高裁。
    原発なくそう!九州川内訴訟
  • 福岡高裁…グリーンコープ託送料金認可取消訴訟、控訴審。
    ・2020/10/15福岡地裁提訴、2023/03/22敗訴×→福岡高裁、2025/02/26に敗訴×→最高裁。
    グリーンコープ、託送料金を問う
  • 最高裁…福島原発刑事訴訟(東電刑事裁判)。東電旧経営陣3人の刑事責任、上告審。
    ・2016/2/29東京地裁に提訴、2020/09/19敗訴×→東京高裁、2023/01/18に敗訴×→最高裁、2025/03/05に敗訴×
    福島原発刑事訴訟支援団
  • 広島地裁…伊方原発運転差止広島裁判。
    ・2016/03/11提訴、2025/03/05に敗訴×→広島高裁。
    伊方原発広島裁判原告団・応援団
  • 名古屋地裁…老朽原発40年廃炉訴訟。
    ・高浜1、2号機は2016/04/14提訴、美浜3号機は2016/12/09提訴→2025/03/14に敗訴×→名古屋高裁。
    老朽原発40年廃炉訴訟 市民の会
  • 松山地裁…伊方原発運転差止訴訟。
    ・2011/12/08提訴、2025/03/18に敗訴×→高松高裁。
    伊方原発をとめる会
  • 東京地裁…東電株主代表訴訟。東電旧経営陣5人に損害賠償請求、控訴審。
    ・2011/11/14東京地裁に提訴→2022/7/13、4人に13兆3210億円の賠償判決→東京高裁、2025/06/06に敗訴×→最高裁。
    東電株主代表訴訟

◆判決や決定が近い原発関係裁判…6件

◆結審が近い原発関係裁判…5件

  • 京都地裁…大飯原発差止訴訟。
    ・2012/11/29提訴、2025/09/25で結審。判決は2025年度中か。
    ・京都脱原発原告団。
  • 富山地裁…志賀原発株主差止訴訟。
    ・2019/06/18提訴、2025/10/01で結審。
    ・金沢地裁「志賀原発を廃炉に!訴訟」原告団の株主訴訟。なお志賀原発は北陸電力。
    志賀原発を廃炉に!訴訟 原告団ホームページ
  • 大阪高裁…大飯原発3・4号機行政訴訟、控訴審。
    ・2012/06/12大阪地裁に提訴、2020/12/04勝訴→大阪高裁。
    ・2025/11/13の第11回口頭弁論で結審か。
    ・おおい原発止めよう裁判の会(美浜の会)。
  • 大阪地裁…原発賠償 関西訴訟。
    ・2025/09/11第56回期日、2025/12/24第57回期日で結審。
    ・東日本大震災避難者の会 Thanks & Dream。
    原発賠償関西訴訟 KANSAIサポーターズ
  • 福島地裁…生業訴訟 第二陣
    ・2025/8/26に結審。→ただし期日が延期、日程は未定(2025/8/16追記)。
    生業訴訟原告団・弁護団

◆原発賠償訴訟の判決…2022年以来、国の責任を認めない判決ばかり連続17件

  • 2022/6/17最高裁が東電福島第一原発事故について国に責任がないという不当判決を出して以来、地裁、高裁で、追随する判決が例外なく連続している。
    ・詳細は → 京都脱原発原告団 > 市民運動の紹介 > 「京都原発裁判支援ネット」より
    ・2025年(7月末まで)の判決は、以下の2件。
  • 東京地裁…福島被ばく訴訟(井戸川裁判)。
    2025/07/30に東電の責任は認めるが、国の責任は認めない×判決。
    井戸川裁判(福島被ばく訴訟)を支える会
  • 横浜地裁…福島原発かながわ訴訟(第2陣)。
    2025/07/31に国の責任を認めない×判決。最高裁判決後、連続17件目。
    福島原発かながわ訴訟を支援する会

(以 上)

◆原発関係裁判(1)…3.11以前からの概況

(2025/12月末 現在)

┌──【目 次】────
[1]2011.3.11 東電福島第一原発事故以前の状況
 ◆原告側勝訴は2勝のみ、33敗
 ◆2011.3.11 以前のおもな脱原発訴訟と経過
[2]2011.3.11 東電福島第一原発事故以降~現在(2025年9月末)までの
  原発運転差止訴訟の判決や決定は、9勝 54敗!

 ◆本訴は4勝18敗、仮処分は5勝36敗
 ◆その詳細
[3]2011.3.11 東電福島第一原発事故以降の詳細
 ◆原発運転差止、事故賠償請求で多くの訴訟
 ◆原発を包囲して運転差止を求める訴訟
 ◆伊方原発をめぐる最近の訴訟
 ◆全国でさまざまな類型の訴訟
 ◆東電株主代表訴訟。東電旧経営陣5人に損害賠償請求
 ◆原発運転差止、3.11以降は、本訴で4件、仮処分で5件の勝訴
[4]原発運転差止、本訴で4件の勝訴、その内容
 ◆本訴の最初の勝利判決
 ◆本訴の2番目の勝利判決
 ◆本訴の3番目の勝利判決
 ◆本訴の4番目の勝利判決
[5]原発運転差止、仮処分で5件の勝訴、その内容
 ◆仮処分の最初の勝利決定
 ◆仮処分の2番目と3番目の勝利決定
 ◆仮処分の4番目の勝利決定
 ◆仮処分の5番目の勝利決定
[6]2023年以後の原発運転差止訴訟は、原告が19件連続敗訴!
 ◆原発運転差止訴訟も原発賠償訴訟も
└─────────────

【参考リンク「原発関係裁判(2)…2025年(7月末現在)の状況 」→こちら
【参考リンク「原発関係裁判(3)…最新の状況とこれからの運動」→こちら
 
【参 考…本訴と仮処分】
本訴(本訴訟)とは…通常の裁判手続きのこと。判決がでるまでに長期にわたることもある。通常、地裁から高裁へ控訴、高裁から最高裁へ上告という三審制で、上級審の判決により、権利の内容が確定する。判決が確定するまでは、判決の効力は発生しない。原発運転差止の本訴の場合、差止の判決が出ても、電力会社が上級審に訴えれば、運転は継続される。
仮処分とは…暫定的な権利や地位を定めるだけの手続きのこと。審尋は短期間で終わることが多い。仮処分の裁判で決定(本訴の判決)があっても、権利内容は確定せず、後に本訴で異なる判断が出ることもある。最初の決定の後に保全異議審や即時抗告審などに移ると、前の決定が覆されることもある。原発運転差止の仮処分の場合、差止の決定が出ると、すぐに効力が発生するので、電力会社は、運転を止めなければならない。差止の決定が覆されると、運転を再開できる。

┌─────────────────────────────────
[1]2011.3.11 東電福島第一原発事故以前の状況
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◆原告側勝訴は2勝のみ、33敗

  • もんじゅ控訴審…初の設置許可無効判決
    ・2003年、名古屋高裁金沢支部が、原子炉の安全審査に違法な点があるとして設置許可は無効と判決。原子力安全委員会の安全審査について「誠に無責任であり、ほとんど審査の放棄といっても過言ではない」とした。
    ・2005年最高裁で敗訴。
    ・2025/7/2、全国初の原発運転差止判決となった志賀2号炉訴訟の記録が廃棄されていたことが、金沢地裁への取材で判明。
  • 志賀2号炉訴訟…初の運転差し止め命令(井戸謙一裁判長)
    ・志賀原発2号炉運転差止請求事件(金沢地裁、井戸謙一裁判長)。
    ・2006年、耐震性の疑問により、運転中の2号機に対し運転差し止めを命令。
    ・国は、裁判で負けてからあわてて、新しい耐震指針を作成。判決から半年後に「原子力発電所の耐震設計審査指針」が改定された。
    ・裁判は、2009年高裁、2010年最高裁で敗訴。
  • 脱原発訴訟はほとんどが敗訴
    ・裁判官は「良心に従い、憲法と法律にのみ拘束される」ことが原則なのに…
    ・憲法第76条第3項…「すべて裁判官は、その良心に従ひ独立してその職権を行ひ、この憲法及び法律にのみ拘束される。」

▼『原発訴訟』海渡雄一 著、岩波新書、2012年

▼『法服の王国 小説裁判官(上 下)』黒木亮 著、産経新聞出版、2016年

◆2011.3.11 以前のおもな脱原発訴訟と経過

  • 1973/ 8…愛媛県の伊方原発1号機、設置許可取り消しを求めて提訴。
    住民が初めておこした脱原発訴訟。
  • 1974/ 9…原子力船「むつ」が原子力航行試験中に放射線漏れ事故。
  • 1978/ 4伊方1号機訴訟で松山地裁が住民側敗訴の判決。
    脱原発訴訟で初の司法判断。
  • 1979/ 3…アメリカ・スリーマイル島原発事故。
  • 1984/12伊方1号機訴訟で高松高裁が控訴棄却、住民側敗訴の判決。
  • 1986/ 4…旧ソ連・チェルノブイリ原発事故。
    海外の過酷事故も“対岸の火事”で、住民側敗訴の流れが継続。
  • 1992/ 9…福井・もんじゅ訴訟で最高裁が差し戻し判決。(原告適格を認める)
  • 1992/10伊方1号機訴訟で最高裁が上告棄却。原発訴訟の審理方法と判断枠組みについて初判断。
    最高裁の初判断…裁判所が原発の安全性を直接判断することを否定して、安全審査の調査審議及び判断の不合理性のみを判断する、そしてその判断方法は、現在の科学技術水準に照らして安全審査の調査審議及び判断の過程に看過しがたい過誤欠落があるか、であるとした。
  • 1995/ 1…阪神淡路大震災。
  • 1995/12…もんじゅでナトリウム漏れ事故。
  • 1999/ 7…福井・敦賀原発で一次冷却水漏れ事故。
  • 1999/ 9…茨城県東海村のJCOで臨界事故→刑事裁判、住民健康被害訴訟。
  • 2003/ 1…もんじゅ訴訟(差し戻し控訴審)で住民側が逆転勝訴。
    初の設置許可無効判決。
  • 2004/11…東海第二原発訴訟、最高裁での住民側敗訴が確定。
    1973/10の提訴から31年1か月の審理、最長記録。
  • 2005/ 5…もんじゅ訴訟(差し戻し上告審)で住民側の逆転敗訴が確定。
  • 2006/ 3…石川・志賀原発2号機訴訟の1審で住民側が勝訴。
    初の運転差し止め命令。
  • 2011/ 3…東日本大震災が発生。東電福島第一原発で過酷事故。
    裁判は2勝のまま、東電福島第一原発事故が(>_<)

┌─────────────────────────────────
[2]2011.3.11 東電福島第一原発事故以降~現在(2025年9月末)までの
  原発運転差止訴訟の判決や決定は、9勝 54敗!
└─────────────────────────────────

◆本訴は4勝18敗、仮処分は5勝36敗

  • 本訴の判決は、合計で22件。
     ・そのうち原告が勝訴したのは、4件、敗訴は18件。
  • 仮処分の決定は、合計で41件。
     ・そのうち原告が勝訴したのは、5件、敗訴は36件。

◆その詳細

  • その内訳は次の通り。なお、上関原発をめぐる訴訟は含まず。
  • (1) 福島事故以降、2023年末までの判決や決定の件数は、以下による。
    原発差止訴訟の現状と展望」神戸秀彦。法と政治 75巻1号(2024年5月)によると
    ・本訴の判決は、合計で13件。そのうち原告が勝訴したのは、4件。
    ・仮処分の決定は、合計で37件。そのうち原告が勝訴したのは、4件。
  • ただし、本項では、原告が勝訴した仮処分は、4件とはせず、5件としている。勝利件数を4件→5件としたのは、大津地裁の保全異議審決定を控訴審の判断と同列に扱い、勝利決定としたことによる。保全異議審決定は仮処分決定とは別の判断なので、勝利件数が一つ増えたことになる。原発運転差止裁判に積極的に参加、関与されている井戸謙一弁護士の指摘に従う。
  • (2) 2024年~2025年9月末までの判決や決定の件数を加える。
    ・本訴の判決は、合計で9件。すべて原告が敗訴。
    ・仮処分の決定は、合計で4件。すべて原告が敗訴。
  • (3) なお、2025年12月末まででは、後述を参照のこと。仮処分2件、本訴1件の敗訴がある。

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[3]2011.3.11 東電福島第一原発事故以降の詳細
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◆原発運転差止、事故賠償請求で多くの訴訟

  • 原発などの建設反対、運転差止
    ・全国で約40数件。→ 脱原発弁護団全国連絡会
    ・老朽原発40年廃炉訴訟。
    ・宗教者核燃裁判(六ヶ所再処理工場運転差止)。
  • 東電福島第一原発事故の避難者による集団的な賠償請求
    ・全国で約30 数件。→ 福島第一原発事故賠償訴訟一覧 (Kato Rin)
    ・国や東電の責任を追及。賠償の請求。避難の権利、被ばくをしない権利を求める。

◆原発を包囲して運転差止を求める訴訟

  • 関西電力包囲訴訟…関電はすべての裁判所の本訴、仮処分で勝訴しないと、原発を動かせない。
    ・関電の原発…福井県の大飯3、4号機、高浜1、2、3、4号機、美浜3号機の7基。
    ・福井地裁→名古屋高裁金沢支部
    ・名古屋地裁→名古屋高裁
    ・大津地裁→大阪高裁
    ・京都地裁→大阪高裁
    ・大阪地裁→大阪高裁
  • 四国電力包囲訴訟…四電はすべての裁判所の本訴、仮処分で勝訴しないと、原発を動かせない。
    ・四電の原発…愛媛県の伊方3号機のみ。
    ・松山地裁→高松高裁
    ・広島地裁→広島高裁
    ・山口地裁岩国支部→広島高裁
    ・大分地裁→福岡高裁
  • 包囲はしたけれど
    ・関電の原発も四電の原発も、仮処分で一時的に止めたことはあるが、本訴で実際に止めたことはない。
    ・地裁で勝訴した本訴の中で、高裁でも勝訴した運転差止訴訟は、まだない。

◆伊方原発をめぐる最近の訴訟

  • 4件の本訴の地裁判決のうち、3件で原告敗訴(>_<)
    ・大分県民による伊方原発差止訴訟、伊方原発を止める大分裁判の会
     大分地裁、判決は2024/3/7 、原告敗訴● →福岡高裁で控訴審
    ・伊方原発運転差止広島裁判、伊方原発広島裁判原告団・応援団
     広島地裁、判決は2025/3/5 、原告敗訴● →広島高裁で控訴審
     (仮処分では2017/12/13に広島高裁で勝訴~2018/9/25)
    ・伊方原発運転差止訴訟、伊方原発をとめる会
     松山地裁、判決は2025/3/18 、原告敗訴● →高松高裁で控訴審
    ・伊方原発3号機運転差止山口裁判、伊方原発を止める山口裁判の会
     山口地裁岩国支部、判決は2026/2/26
     (仮処分では2020/1/17に広島高裁で勝訴~2021/3/18)

◆全国でさまざまな類型の訴訟

  • 被ばくをしない権利、被ばくに対する賠償請求
    ・原発被ばく労災 損害賠償裁判(あらかぶさん裁判)。
    ・南相馬・避難20ミリシーベルト基準撤回訴訟。
    ・子ども脱被ばく裁判。
    ・福島被ばく訴訟(井戸川裁判)。
    ・NNR 国賠訴訟(No Nukes Rights、脱被ばく権)。
    ・311子ども甲状腺がん裁判。
  • 東京電力に対して
    ・東電株主代表訴訟…詳細は次項にて。
    ・福島原発刑事訴訟(東電刑事裁判)。
    ・福島農地放射性物質汚染 原状回復訴訟。
  • 関西電力に対して
    ・関電会社訴訟(株主提訴との併合)。
    ・関電株主代表訴訟(金品還流)。
    ・関電株主代表訴訟(土砂処分等高値発注)。
    ・関電カルテル株主代表訴訟。
  • その他
    ・原発メーカー訴訟。
    グリーンコープ託送料金認可取消訴訟。託送料金とは…『はとぽっぽ通信』「電気料金と原発稼働
    ・ALPS処理汚染水差止訴訟。

◆東電株主代表訴訟
 東電旧経営陣5人に損害賠償請求

  • 2011/11/14、東京地裁に提訴
    ・株主48名が旧経営陣5名に対し、22兆円の損害賠償を請求。
    ・2022/07/13勝訴判決。
    ・4人に13兆3210億円の賠償判決。史上最高。
  • 2025/06/06、控訴審、東京高裁
    ・一審判決を取消(株主の請求を棄却)。
    ・「津波は予見できなかった」として、責任を否定。
  • 上告審、最高裁
    ・審理継続中。
  • 被告となった旧経営陣
    ・勝俣恒久(元会長)、清水正孝(元社長)、武藤栄(元副社長)、武黒一郎(元副社長)。
    ・小森明生(元常務)。

◆原発運転差止、3.11以降は、本訴で4件、仮処分で5件の勝訴

  • 本訴で4件の勝訴
    ・関西電力の大飯原発(2014年、福井地裁、樋口英明裁判長)
    ・関西電力の大飯原発(2020年、大阪地裁)
    ・日本原電の東海第二原発(2021年、水戸地裁)
    ・北海道電力の泊原発(2022年、札幌地裁)
  • 仮処分で5件の勝訴
    ・関西電力の高浜3、4号機(2016年、福井地裁)
    ・関西電力の高浜3、4号機(2016年、大津地裁)
    ・関西電力の高浜3、4号機(2016年、大津地裁の保全異議審)
    ・四国電力の伊方3号機(2017年、広島高裁)
    ・四国電力の伊方3号機(2020年、広島高裁)

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[4]原発運転差止、本訴で4件の勝訴、その内容
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◆本訴の最初の勝利判決

  • 概 略
    ・関電の大飯原発(3、4号機)差止訴訟。
    ・福井地裁。2012/11/30提訴、2014/5/21判決。樋口英明裁判長。
    ・福井から原発を止める裁判の会。
    ・判決のポイント【大飯原発は地震に耐えられない、基準地震動が低すぎ】。
    ・2018年、名古屋高裁金沢支部の控訴審で敗訴。

▼『私が原発を止めた理由』樋口英明(元福井地裁裁判長)著、旬報社、2021年。
原発は地震に耐えられない。

▼『ガルで見る 日本の最大地震動』伊方原発広島裁判事務局、2020年。

  • 樋口判決ハイライト
    (1) 人格権…我が国の法制下においてこれを超える価値は他にない。
    (2) 250キロメートル圏内…人格権が侵害される具体的な危険がある。
    (3) 原発の安全性…安全性、信頼性は極めて高度なものであることが必要。
    (4) 原発の稼働…憲法上は人格権の中核部分よりも劣位。
    (5) 司法の役割…具体的危険性が万がーでもあるのかを判断の対象とすべき。
    (6) 地震動への対策…想定を超える地震は大飯原発に到来する危険がある。
    (7) 電気代…人の生存権と電気代の問題を並べて論ずることは許されない。
    (8) 国富とは…豊かな国土とそこに国民が根を下ろして生活していること。
    (9) 環境問題…環境問題を原発の運転継続の根拠とすることは甚だしい筋違い。

◆本訴の2番目の勝利判決

  • 概 略
    ・関電の大飯原発(3、4号機)差止行政訴訟。
    ・大阪地裁。2012/6/12提訴、2020/12/4判決。森鍵一裁判長。
    ・おおい原発止めよう裁判の会(美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会=美浜の会 気付)。
    ・判決のポイント【ばらつきが考慮されていないので、基準地震動が低すぎ】。
    ・大阪高裁の控訴審へ。
  • 判決の意義
    ・福島第一原発事故をふまえた新規制基準に基づく原発設置許可を、初めて取り消した。
    ・耐震設計の目安となる基準地震動の設定で、重要な要素になる地震規模は、過去の地震データを基にした平均値よりかけ離れる「ばらつき」の可能性があるが、関電は「ばらつき」を考慮せず、規制委も何ら検討せずに許可を出した。過去の地震から導かれた経験式には「ばらつき」があるので、地震規模を推定するときには、 検討が必要 → 他の原発にもあてはまる指摘。
    ・こうした看過し難い過誤、欠落があるので、違法。
    ・ただし、規制委は2022/6/8、基準地震動等審査ガイドの「ばらつき条項」を削除すること等を決定した。

▼「ばらつき」とは
 基準地震動の設定に用いられる「入倉・三宅(いりくら・みやけ)式」は、断層面積と地震規模の関係を示す。
 大飯原発に近いFoB(エフオービー)- FoA(エフオーエイ)- 熊川(くまがわ)断層の面積は 951平方キロとされ、その面積を「入倉・三宅式」に当てはめると、地震規模、加速度は856ガルとなる。これが、大飯原発の基準地震動となっている。
 しかし、データを基にした平均値の式には、平均値からかけ離れた「ばらつき」があり、規制基準ではこの「ばらつき」も考慮しなければならないとしている。
 この「ばらつき」が10%だとすると、951平方キロの地震規模、加速度は最大で2.41倍の1150ガルに跳ね上がる。したがって、856ガルは過小となる。こうした「ばらつき」を検討をしていないのは、「看過し難い過誤、欠落」。

◆本訴の3番目の勝利判決

  • 概 略
    ・東海第二原発(日本原電)差止訴訟。
    ・水戸地裁。2012/7/31提訴、2021/3/18判決。前田英子裁判長。
    ・東海第二原発差止訴訟団。
    ・判決のポイント【避難計画の不備(深層防護第五層)】。
    ・東京高裁の控訴審へ。
  • 判決の意義
    ・避難計画の不備という問題を正面から取り上げ、原発の運転差止めを命じた事例は初めて。
    ・ただし、新規制基準が避難計画を含まないことそのものが不合理だとはしなかった。
    ・深層防護の第五層の防護レベル(重大事故時における避難等の被害緩和策)は、原子炉施設の安全にとって不可欠であるのに、そこが欠けているのは、人格権を侵害する具体的危険がある。
    ・国際原子力機関(IAEA)の国際基準を重視し、原発の運転差止めを認めた判決として評価に値する。

▼国際原子力機関(IAEA)の「深層防護」基準
 安全対策を耐震性など5段階に分け、ある段階で機能しなくても、次で被害を防ぐ考え方。水戸地裁の判決はその考え方に沿って、第1~4段階の安全性は認めたが、第4段階が破られて大量の放射性物質が漏れた際の第5段階である避難計画が、14自治体のうち9自治体で策定できていないと指摘した。原発から30キロ圏内の自治体には避難計画の策定が義務付けられているが、東海第二ではこの範囲に約94万人が暮らしている。

◆本訴の4番目の勝利判決

  • 概 略
    ・泊原発廃炉訴訟(北海道電力、1~3号機=停止中)。
    ・札幌地裁。2011/11/11提訴、2022/5/31判決。谷口哲也裁判長。
    ・泊原発の廃炉をめざす会。
    ・判決のポイント【津波防護施設ができてない】。
    ・札幌高裁の控訴審へ。
  • 判決の意義
    ・津波に対する安全性の基準を満たしていないことを理由として、原発の運転差止めを命じた。
    ・現在設置されている防潮堤について地盤の液状化等のおそれがないことの説明がなされておらず、津波に対する安全性を欠いていると指摘。

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[5]原発運転差止、仮処分で5件の勝訴、その内容└─────────────────────────────────

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【仮処分命令の勝利数の訂正について】
・本稿の初掲載時(2025/8/25)には、仮処分命令の勝利数について、4件7勝としていましたが、現在は、井戸謙一弁護士のご指摘に従い、5件の勝利としました(2025/9/27 改訂)。
・勝利件数が4件→5件になったのは、大津地裁の保全異議審決定を控訴審の判断と同列に扱い、勝利決定としたことによります。保全異議審決定は仮処分決定とは別の判断なので、勝利件数が一つ増えました。
・したがって、大津地裁では、仮処分決定(2016/3/9)と保全異議審決定(2016/7/12)の2件が、勝利決定となります。
・また、これまでは「執行停止申立を認めず」という判断を、勝利数にしていましたが、これはカウントから外しました。
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◆仮処分の最初の勝利決定

  • 福井地裁、樋口英明裁判長
    ・高浜3、4(関西電力)。2015/4/14。
    ・同上、関電による執行停止申立を認めず、2015/5/18。
    ・その後、福井地裁、保全異議審で決定を取消、2015/12/24。
    ・なお、本訴は、「本訴の最初の勝利判決」2014/5/21であったが、
     名古屋高裁金沢支部で敗訴。

◆仮処分の2番目と3番目の勝利決定

  • 大津地裁、稼働中の原発運転差止
    ・高浜3、4(関西電力)。2016/3/9。
  • 大津地裁、上記の保全異議審で、関電による異議を認めない決定
    ・高浜3、4(関西電力)。2016/7/12。
    ・保全異議審の決定は仮処分決定とは別の判断なので、控訴審の判断と同列に扱う。
    ・その後、大阪高裁、保全抗告審で決定を取消、2017/3/28。
    ・なお、本訴は、大津地裁の美浜、大飯、高浜原発差止訴訟。2025/12/25判決。

◆仮処分の4番目の勝利決定

  • 広島高裁、伊方の運転差止
    ・伊方3(四国電力)。
    ・広島地裁では原告敗訴であったが、
     広島高裁の即時抗告審で2018/9/30までの運転差止。2017/12/13。
    ・同上、広島高裁は四電による執行停止申立を認めず。2018/3/22。
    ・その後、広島高裁、保全異議審で決定を取消、2018/9/25。
    ・なお、本訴は広島地裁の伊方原発運転差止広島裁判。2025/3/5 原告敗訴の判決→広島高裁で控訴審。

◆仮処分の5番目の勝利決定

  • 広島高裁、伊方運転差止の2例目
    ・伊方3(四国電力)。広島高裁、2020。
    ・山口地裁岩国支部では原告敗訴であったが、
     広島高裁の即時抗告審において、本訴の判決がでるまで運転差止。2020/1/17。
    ・その後、広島高裁、保全異議審で決定を取消、2021/3/18。
    ・なお、本訴は、山口地裁岩国支部の伊方原発3号機運転差止山口裁判。2026/02/26判決。

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[6]2023年以後の原発運転差止訴訟は、
  2025年末までで原告が 19件連続敗訴!

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◆原発運転差止訴訟も原発賠償訴訟も

  • 2023年以後は、原発運転差止訴訟のすべての本訴、仮処分で、原告が19件連続敗訴となっている。2022年7月、岸田文雄首相は、GX実行会議の初会合を開催し、2023年2月には「GX実現に向けた基本方針」を閣議決定し、原発の新増設など原発の最大限活用を明記した。2025年2月にはエネルギー基本計画を改悪した。こうした流れが司法、原発運転差止訴訟にも及んでいる。(→ GX参考年表
  • 東京電力福島第一原発事故にかかる原発賠償訴訟において、2022/6/17の最高裁不当判決後、地裁、高裁での国の責任否定は、17判決連続という異常事態となっている(→こちら)ように、国家権力=立法行政司法三権による “原発無責任体制” ができあがっている。

▼2023年~2025年末までの原発運転差止訴訟の結果

(2023年以後の原発運転差止訴訟は、2025年末までで原告が 19件連続敗訴!)
(最後の勝訴判決は、2022年5月、泊原発運転差止の本訴。)
(以 上)

◆関西電力 闇歴史◆124◆

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◆関西電力が各方面に万博チケットを無料配布!
 原発立地地域の振興のため高浜町、おおい町、美浜町へ、
 さらに原発立地県や電力関係の報道記者へも

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 関西電力グループは、2025年国際博覧会(大阪・関西万博)の入場券20万枚を購入。関電の森望社長が2023/10/30の記者会見で明らかにした。グループ企業社員や協力企業の社員にも福利厚生の一環として配布するとしている。その後、2024/12には、5万枚の追加購入を決めた。万博運営主体の日本国際博覧会協会(万博協会)は経済界に700万枚の前売り券の購入を求めてきたが、それに応えるもの。ただし、関電が購入した25万枚の万博チケットは、グループ企業や協力企業以外にも配付されている。
 関電が購入した万博チケットの原資は、利用者が支払う電気料金だけに、勝手な使い途は許されないはず。

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◆原発立地の3町、高浜町、おおい町、美浜町へ!
 配付の目的は、原発立地地域の振興(×_×)

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 原発が立地する福井県嶺南地域では、美浜町、おおい町、高浜町の原発立地3町について、関電は原発立地地域の振興を目的に、小中学生と保護者480人を無料招待する。各町と共同でバスも運行する。さらに美浜町は独自でもバスを運行し、町内すべての小中学生が無料で会場まで往復できるようにする。

【参考】
 なお、福井県は、県内の小中高生約8万人を対象に、万博チケットを無料配布する。学校を通して入場に必要なチケットIDを配るというもので、受け取った後は都合のいい日時を選んで各自で予約する。そのため、大阪までの交通費や家族のチケットの購入費は自己負担になる。

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◆原発立地県や電力関係の報道記者へも!
 配付の目的はどこにあるのか?

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 『週刊金曜日オンライン』(2025/7/4)によれば、関電が、複数の記者クラブに所属する記者らに対し、大阪・関西万博の一日券(定価:大人7500円)を配布していた。報道機関に所属する記者の倫理が問われているし、配付した関電の意図も問われる。

 関電と報道機関との「距離の近さ」は、2012年8月3日『朝日新聞』夕刊に掲載された原発とメディアを巡る連載などで、ジャーナリズムの腐敗を示している。社会公正上、公正な意見を表明するべき記者やマスコミ機関が受け取ることは適切なのか、これは記者やマスコミ機関の報道を担うものとしての矜持に関わる。
 なお、日本新聞協会の新聞倫理綱領は、以下のように述べる。
 
「新聞は公正な言論のために独立を確保する。あらゆる勢力からの干渉を排するとともに、利用されないよう自戒しなければならない。」

▼関電京都駅前ビル、山本道子さんのFB投稿より拝借

◆123◆←←関西電力 闇歴史→→◆125◆