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◆【取消】9/4の第21回口頭弁論のお知らせ

下記,期日は,台風接近のため 9/3に 取消となりました。
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大飯原発差止訴訟[京都地裁]の原告の皆さまへ
次回 9/4(火)の裁判期日のお知らせ
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第21回口頭弁論について

9/4(火)14:00より,京都地方裁判所において開かれます。
多くの皆さまにご参加いただきますよう,ご案内します。

◆次回の法廷の概略…次の通りです。

(1)原告の意見陳述…京丹後市の西川政治さん(丹後ふるさと病院)「病院における原子力防災」について。前回の予定が順延になったものです。丹後ふるさと病院は,特別養護老人ホームふるさと,介護ステーションふるさとを併設し,医療と福祉を結ぶ連携体制をとっています。

(2)弁護団から(予定)
①7/4名古屋高裁金沢支部の判決への批判。
②国家賠償法上の違法と損害の問題。
③地盤特性,地震についてなど関電の主張に対する反論。


9/4の裁判に参加する方法…以下,三つの方法があります。

[1] 原告席…法廷の中で柵の内側に,原告として入ります。被告の正面になります。

・原告団が氏名を裁判所に通知します。希望される場合は★8月26日(日)★までに電話,FAX,葉書などで末尾記載の事務局宛ご連絡ください。
・E-Mailでの応募と合わせて先着順とし,定数に達するまで募集します。
・合計35名ほどの原告が参加できますので,先着順で定数に達するまで募集します。

【注意】2017年に原告申込をされた方(=第六次原告)も,原告席に入ることができます。

[2] 傍聴席…法廷の中で柵の外側。88席あり,そこに入るには,裁判所が抽選を行います。

・13:20~13:35の間に,京都地裁正面玄関前で,抽選リストバンドが配布されます。
・13:35からの抽選,傍聴券の配布は,地裁の北側正面玄関前となります。
・傍聴席は,原告でない方も,誰でも抽選によって参加することができます。
・傍聴席に入ることができなかった場合は,下記の模擬法廷にご参加ください。

★傍聴におこしください★ 最近の口頭弁論では,関電の関係者と思われる傍聴希望者が20名ほど来ていて,抽選の結果,10数名が傍聴席に入っています。関電の社員に私たち原告の主張を聞いてもらうのは良いことですが,原告の皆さん,脱原発を願う支援の皆さんの傍聴機会がなくなるのは困ります。3/27の傍聴席は,脱原発の声で埋めたいと思います。原告席に参加されない場合でも,ぜひ傍聴にご参加ください。

[3] 模擬法廷…弁護団が用意します(法廷と同じ14:00開始)。

そこに参加するには,
・京都地裁の構内の南東角にある「京都弁護士会館・地階大ホール」へ,直接おこしください。
・法廷よりもわかりやすく,弁護団が解説します。
・事前に提出されている被告(国や関電)側の書面があれば,その解説も行います。


報告集会の開催

・法廷の終了後(15:00頃から)「京都弁護士会館・地階大ホール」にて報告集会を開催します。
・裁判に関するご質問なども,弁護団から説明いたします。


開廷前のデモ

・市民に脱原発を訴えるため,従来通り,12:10 までに京都弁護士会館前(京都地裁構内の南東角)に集合して裁判所周辺のデモを行います。多くの皆さまが参加されるよう,訴えます。
・出発は12:15 です。30分程度で終わる予定です。
・デモ後に,裁判所の傍聴席の抽選に応募することができます。


◆第6回原告団総会の報告

◆京都脱原発原告団は,「原発の再稼働を許さず,すべての原発を廃炉に」と7月22日(日)ハートピア京都(京都市中京区)で第6回原告団総会を開きました。
◆参加者は154名でした。
◆閉会時に参加者の皆さまから多額のカンパをいただきました。ありがとうございました。

(「原告団総会のお知らせ」チラシなど→こちら

【竹本修三・原告団長】

  • 開会挨拶と講演の講師紹介。くわしくは→こちら

【平原和郎・京大名誉教授】

  • 「地震予知連会長に聞く日本の地震予知の現状」と題して講演。2011年の東北地方大地震においてプレート境界で50メートル以上滑ったのは予想外であったこと,南海トラフの大地震には火山災害なども重なる可能性があるが,確度の高い地震予知はかなり難しい現状を指摘しました。また講演後,参加者からの質問に答え「災害列島の日本では多くの研究者は,原発はない方がよいと思っているのでは」などと述べました。

【休憩時間中に紙芝居を上演】

  • 原告団作成の『なくそう げんぱつ』
  • ネット上でご覧いただけます。→こちら

【渡辺輝人・弁護団事務局長】

  • この訴訟は大飯原発1~4号機の運転差し止めを求めたものであるが,すでに1~2号機の廃炉が決定しており,半分勝訴していることを評価すべきだと述べました。この廃炉は,多くの脱原発裁判,粘り強い市民の運動,世論の成果と強調。原告3323人ののうち8割をしめる京都府民が,大飯原発の過酷事故では避難が困難であることを追及していきたいと主張しました。

【中島晃・弁護団長代行】

  • 新聞コラムを引用し「法治国家」の崩壊,「放置国家」「呆痴国家」の出現を警告。裁判の勝利をめざそうと訴えました。

【福山和人・弁護士】

  • 3月の府知事選挙の候補者として奮闘しながら,選挙のときに配付した「クリーンな自然エネルギーで元気な京都を」というチラシを紹介(当日資料で配付)。新しい社会をつくっていこうと訴えました。

【島田広・弁護士】

  • 「福井から原発をなくす裁判の会」の弁護団長として,7/4,名古屋高裁金沢支部による不当な判決を強く批判し,最高裁に上告したかったが,断念した思いを語りました。
  • くわしくは→こちら

【吉田明生・原告団事務局長】

  • この間の裁判の経過,原告団の活動,会計報告,総会スローガンの提案を行いました。その後,会場からの質疑応答,アピールなどがあり,最後の総会スローガンなどを了承して,閉会しました。
    • 原告団・世話人会からの報告→こちら
    • 第6回原告団総会のスローガン→こちら
    • 書籍や資料など→こちら
    • このあたりプレートについて→こちら

  • 総会のときに受付で配付しました資料は,若干の残部があります。原告の方で,ご希望の方にはお送りしますので,事務局 「 kyotodatsugenpatsubengodanアットgmail.com 」(「アット」は「@」に変更してください)にご連絡ください。

【補足…おもな質問】

  • 非常に専門的な講演で,素人にはとても難しいものでした。結局は,全庁的な現象も殆ど確実なものはないと,ということが結論でしょうか?
    となると,地震がいつ起こってもよいような対策を進めていく以外ないと思われますが,今回の西日本暴雨は地震ではありませんでしたが,大規模な土砂崩れが各地に多発し,特に電車の電車の線路の地盤がくずれると,生活物資も送れないし,人々の日常生活もできなくなる事態を見て,地震の時でもこのような土砂くずれが多発すると思われますが,このような危険な線路は日本に多くあるのではないでしょうか?
    このようなことに対しての対策は,どうすればいいのでしょうか? 先生のご専門とははずれたものですが,何か提言があればお願いします。
  • アスペリティの挙動を考えると,地震の予知さらに耐震設計は不可能で,原発は安全であると証明できないと考えて良いですか。

【補足…おもな感想】

  • 大変勉強になった総会でした。学習会の内容についてはじっくりゆっくり再学習自習をしなければなかなか頭に入らないので,自宅で頑張ります。若狭の方々が奮闘されたのに最高裁への上告をやめたこと,勇気あることだと思いましたが,報告を聞いて裁判官の事も知ることが出来,権力のおそろしさも感じます。森友,加計が,又日報や報告書のかきかえが罪にならない一方で,国民の要望にこたえない権力側のことをよく学習することが,これからもっと重要だと思いました。毎週金曜の関電スタンディングアピールにぜひ皆さん参加してもらいたいです。送電線学習会,残念な事に参加出来ません。又昼間の企画もお願いします。…H.Yさん(下京区)

◆[第6回原告団総会]竹本修三・原告団長の開会挨拶と講演の講師紹介

[2018年7月22日 第6回原告団総会]

開会にあたって(講師紹介をかねて)

原告団長 竹本修三

◆私は昭和40年(1965年)に京大理学部を卒業し、宇治にある京大防災研に新設された地震予知計測部門の助手となり、伸縮計や傾斜計を用いた地震前後の地殻変動の研究に従事しました。

◆今日の記念講演をお願いした平原和朗さんは、私の10年後の昭和50年(1975年)に京大理学部を卒業し、院生として防災研に入ってきましたが、その後、防災研の助手となりました。私は平原さんに手伝ってもらって、京大宇治構内にレーザー伸縮計を設置して、「地表に設置されたレーザー伸縮計による土地伸縮変化の観測」という学術論文を仕上げたこともありました。

◆私は、平成元年(1989年)に京大理学部助教授として、地球物理学教室の出身講座に戻りましたが、それまで20年以上にわたって防災研の助手を務めました。その間に接した院生のなかで、一番優秀な院生が平原和朗さんでした。そこで、平原さんを何とか京大の地球物理学教室に欲しいと考えておりましたが、平原さんは平成2年(1990年)に京大防災研の助教授に昇進した後、平成8年(1996年)には名古屋大学の理学研究科教授に引っこ抜かれてしまいました。そのときに、とても残念に思いましたが、致し方ありませんでした。

◆ところで、私の2年上の地球物理学教室の同じ講座の卒業生に尾池和夫さんがいました。彼は、京大の理学部長・副学長を経験した後、平成15年(2003年)に京大総長になりました。それまで尾池さんは地震予知連絡会の委員でしたが、総長と予知連の委員との兼務はできないということで、私のところに予知連の委員のお鉢が回ってきました。そこで、平成16年(2004年) 1月から尾池さんに代わって、私が地震予知連絡会の委員を務めることになりました。

◆尾池さんの総長就任後、地球物理学教室で後任の教授人事が始まりました。 京大理学部・理学研究科では、ポストが空かないと、次の人事選考は始められないことになっています。選考委員会ではいろんな意見が出ましたが、私は一貫して名古屋大学の平原和朗教授を推しました。幸い、選考委員会では、この意見が通りました。そして、尾池さんの後任教授として平原さんを推すことが決まり、理学部教授会でもそれが承認されました。そして、平成17年(2005年)9月に平原和朗さんが名古屋から京都に戻って来られました。

◆平原さんが京都に来られたら、地震予知連絡会の委員のポストを彼に譲ろうと考えておりました私は、平成18年(2006年) 3月31日付で地震予知連絡会の委員を辞任し、同年4月1日付で平原さんが予知連の委員に就任しました。そして平原さんは、平成24年(2012年)11月より、地震予知連絡会の会長を務めておられます。

◆今日は「日本の地震予知の現状」をいう記念講演を平原さんにお願いしてありますが、私がこれまで京都地裁で意見陳述した内容と矛盾しないであろうと思っております。しかし、彼も偉くなったので、どんな話になるか、皆目、見当がつきません。

◆なお、昨年6月の第5回原告団総会で「耐震安全性における科学の問題」と題する記念講演をお願いした東大地震研究所教授の纐纈一起さんも今日の原告団総会に、お見えになっています。纐纈さんには平原さんの講演終了後に、短いコメントをお願いしたいと思っております。また、福井の「大飯原発訴訟控訴審」の弁護団長である島田広弁護士も遅れてお見えになることになっています。機会があればご紹介したいと存じます

◆では、平原先生、よろしくお願いいたします。

[◆第6回原告団総会の報告]に戻る

◆[第6回原告団総会]原告団・世話人会からの報告

[2018年7月22日 第6回原告団総会]

[1] 京都地裁における大飯原発差止訴訟

◆京都地裁における大飯原発差止訴訟は,すべての原発を止めるための第一歩です!

◆福島第一原発の過酷事故(2011年3月11日~)のあと,国内の稼動原発はゼロの状態になっていました。ところが,福井県にある関西電力・大飯原発は,当時の民主党政権のもと2012年7月に再稼働が強行されました(3・4号機)。京都脱原発弁護団・原告団は,大飯原発の運転差し止めと損害賠償を求め,2012年11月29日,京都地裁に1,107名の原告で運転差止の裁判を起こしました。

◆大飯原発は2012年の再稼働後,2013年9月に定期検査にはいって止まりました(3・4号機)が,2018年3月(3号機),5月(4号機)から再稼働されています。なおこの間,1・2号機の廃炉が決定しました(2017年12月)。

◆私たちは,多くの市民でたたかう脱原発訴訟をめざし,原告募集をすすめてきました。2013年12月に856名で第二次,2015年1月に730名で第三次,2016年1月に393名で第四次,2017年2月に184名で第五次,2018年3月に53名で第六次[追加]提訴を行い,現在,原告総数は3,323名となりました。原告募集はこれで終了しました。

◆京都地裁の大飯原発差止訴訟では3,323名が原告となっているほか,裁判傍聴は原告以外も多くの市民が参加しています。市民の願い,弁護団の熱意,研究者の知恵を結集して,脱原発を実現しましょう。

◆私たちは,開廷の前には毎回,裁判所周辺の30分程度のデモを行って,脱原発裁判の意義を市民に訴えています。14:00開廷の場合,12:15に京都弁護士会館前からスタートしています。

◆現在の弁護団,原告団の体制は以下の通りです。
・弁護団長…出口治男 弁護士。弁護団長代行…中島晃 弁護士。弁護団事務局長…渡辺輝人 弁護士。
・原告団長…竹本修三 京大名誉教授。原告団事務局長…吉田明生。事務局次長…山崎正彦,田中善久。

[2] 法廷での追及

◆これまでの各回の口頭弁論(2013年7月第1回~2018年6月第20回)の概略は,本総会案内のチラシとともに,全原告にお送りしました。また,訴状は,第六次原告まで,すべての原告にお送りしました。

◆最近では,本年3月27日に第19回口頭弁論,6月5日に第20回口頭弁論と回を重ねています。その中で,事故が起こった際の避難が困難であること,そして大飯原発の安全性,設定された基準地震動への疑問について,着々と主張を積み重ねています。

◆次回第21回口頭弁論は9/4(火),第22回は11/20(火)。時間はいずれも,14:00開廷です。

◆被告・関西電力は,主張するだけで保有している根拠資料すら提出せず,それどころか原発の地域特性の調査として当然になすべき重要な調査がなされないままです。また実施された調査結果は「科学技術を冒涜する所作」以外の何物でもないと言えるほどに,基準地震動が小さくなるよう歪めて評価していることを明らかにしました。
◆2017年12月に関西電力が高経年原発である大飯1・2号機の廃炉を決定したことは,私たちの大きな勝利ということができます。安全対策費が膨大になり,経済的合理性からペイしなくなったのです。

[3] 大飯原発,各地の法廷での追及

◆福井地裁…2012年11月,大飯原発3・4号機の運転差止を請求した(福井から原発を止める裁判の会)のに対し,2014年5月,その運転差止を命じる勝利判決が言い渡されました(樋口英明裁判長)。福島第一原発事故後初めての原発運転差止訴訟の判決は,歴史的な住民側勝訴判決となりました。その後,同じ裁判長の下で運転差止の仮処分も出されました。しかし,仮処分は福井地裁の意義審で覆され(林潤裁判長),名古屋高裁金沢支部の控訴審も2018年7月差止を認めない判決により覆されました(内藤正之裁判長)。

◆大津地裁…2013年12月,美浜,大飯,高浜の各原発で,関電,国に対し運転差止を請求して,審理が続いています(7/12第19回口頭弁論。福井原発訴訟[滋賀]を支える会)。なお,2016年3月には,関西電力高浜原発3・4号機の運転を禁止する仮処分決定が出て(山本善彦裁判長),稼働中だった3号機は運転を停止しました(4号機はトラブルで停止中)が,2017年3月,大阪高裁で覆されました(山下郁夫裁判長)。

◆大阪地裁…2012年6月提訴の大飯原発3・4号機行政訴訟は,審理が続いています(9/10第27回口頭弁論。美浜の会)。2017年12月に大飯原発3・4号機運転差止の仮処分が提起され,現在,審尋が続いています。

[4] この一年間の原告団のおもな活動

(1)毎月1回の原告団・世話人会

①原告団・世話人会の成立(2013/2/9)後,毎月1回,土曜日の午前に世話人会を開催しています(2018/7/7に第66回)。原告団の事務,いろいろな取り組み,裁判期日の内容の確認などを行っています。

②現在,原告団・世話人会は27名の世話人で構成しています。一昨年総会時の世話人は22名でしたので,新しい人が増えています。世話人は,随時,募集しています。

(2)広瀬隆さん&守田敏也さんジョイント講演会~日本列島の全原発が危ない!
次の大事故で市民の命と生活は?

①【2018年2月17日】お二人の熱意あふれる講演で,原発と闘う決意を新たにさせたと思います。参加者は222名で,ほぼ会場いっぱいの満席になりました。広瀬さんの本,守田さんの書籍を販売しました。

②閉会後もロビーにて講師を囲んで交流してもらうことができました。その後,懇親会を設けました。

(3)京都府知事選挙で,弁護団の福山和人さんを推薦

①【2018年3月22日告示→4月8日投票】
・福山和人さんは,京都脱原発弁護団の一員として奮闘されてきました。京都脱原発原告団は,立候補を予定されているかた二人に原発に関する政策を質問しましたが,福山和人さんは,推薦するのにふさわしい回答でした。

②質問と回答は,原告団Webに掲載。選挙結果は,質問状に答えなかった相手候補が当選しましたが,福山和人さんは,多くの市民の運動にも支えられて,その奮闘はめざましいものがありました。

(4)原告名簿,原告団ML,原告団Webの管理

①原告の皆さまへの連絡は,郵送希望の原告(1,000円の実費で登録)のほかは,原告団メーリングリスト(一斉メール送信,ML)で行っています。できるだけメールアドレス(携帯可)の登録をお願いします。また,最近,配信停止となるメールアドレスが増えていますので,携帯の機種変更などでメールアドレスが変更になった場合は,再度,事務局宛にご連絡ください。

②原告の皆さまで,住所が変更になった場合も,事務局宛にご連絡ください。

③原告名簿,原告団MLの管理につきまして,かなり改善を図りました。しかし,専従者がいる訳ではなく,あくまでボランティアベースの活動ですので,行き届かない点もあるかと思われます。今後とも,原告の皆さまのご協力を得て可能な範囲で改善していきますので,お気づきの点はご指摘ください。

(5)原告団が協力してきた署名など

①原発賠償京都訴訟の公正判決要請署名…終了しました。原発賠償京都訴訟は,2018年3月に判決がでましたが,避難者原告団は大阪高裁に控訴しました。大飯原発差止訴訟の原告団は,これまでと同様に引き続き全力で支援していきます。

②原発の電気はいらない署名…2017年3月から始め,2017年末で9111筆,2018年5月現在で,累計9801筆になりました。この署名は,引き続き集めています。

(6)缶バッジマシンの貸し出し

・缶バッジをつくるための缶バッジマシンは,京都木津川マラソンの東日本震災復興支援に応募して援助を受けたものです。
・マシン本体は他団体への貸し出しに応じています(無料)。パーツを用意されれば(対応パーツは「バッジマン」製),各団体でオリジナルの缶バッジをつくることができます。事務局にご連絡ください。

[5] 世話人会からの提起とお願い

(1)これからの運動の方向

・脱原発といってもいろいろな運動の形があります。また,それぞれの人には,得手,不得手のフィールドもありますし,好き,嫌いのフィーリングもあります。しかし,民主主義をめざす,脱原発の社会を実現するという共通点があるのですから,お互いの取り組みを尊重しあいながら,いろいろな動きが少しずつ足し算されていく感覚で多方面に伸びていく運動を期待したいと思います。
①関電は高浜原発,大飯原発の4基を再稼働し,名古屋高裁金沢支部は大飯原発の運転差止を命じた福井地裁判決を覆しました。この結果,地元の若狭はもちろん,京都府,滋賀県などで原発事故のリスクは各段に高まっています。大小の事故の起きる確率は高まっていますので,原告団としては,今後,舞鶴や宮津など,若狭の原発に近い京都府北部を中心に運動をつくっていきます。

②当面,舞鶴での集会や,「このあたりプレート」の配布を検討します。

③原告の募集が終了しましたので,今後は原告にはなっていない方にも,メールなどで広く訴訟案内などを送るようにします。

④裁判の進行,遠くない将来の判決を見据えて,行政や関電との関係づくりを検討します。この点については,経験のある他団体と協力したいと考えています。

(2)本日のカンパのお願い

・カンパ袋を配付資料にセットにしています。お帰りの際,出口で,ご意見用紙と一緒にお願いします。
・経済情勢の厳しい折りですが,当原告団の活動は,皆さまのカンパによって成りたっています。ぜひとも,ご協力いただきますよう,心からお願い申し上げます。
・領収書が必要な場合は,袋の表に住所氏名などを記入してください。後日,郵送します。

(3)その他いろいろなお願い

・以下,お願いばかりで恐縮ですが,可能な範囲でご協力ください。

①裁判期日には,原告席や傍聴席にて裁判に参加してください。開廷前には,弁護士会館前を出発して裁判所周辺のデモを行い,市民に脱原発裁判をアピールしています。時間などはその都度,ご連絡します。

②陳述書をまだ提出されていない原告の皆さまには,本総会の案内とともに書き方や用紙などを同封していますので,脱原発の思いを陳述書に書いて送ってください。原告になっているからといって,どうしても作成する義務があるというものではありません。あくまで任意ですが,裁判所,裁判官に思いを伝える機会として捉えてください。なお,陳述書のお願いは,今回の総会をめどに区切りをつけます。

③書籍,物品販売に協力してください。

④「このあたりプレート」を活用してください。
ご自分の土地などに,大型看板を出せる場合,ご連絡ください。

[6] 財政について

(1)財政の基本

・弁護団と原告団の活動は,皆さまのカンパでまかなっています。
・財政は弁護団財政一つです。
・弁護団は無報酬で活動しています。
・原告団,世話人の活動も,無償のボランティアが基本です。

(2)会計の報告

・(略)

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◆[第6回原告団総会]確認されたスローガン

大飯原発差止訴訟[京都地裁]第6回原告団総会にあたり
参加者一同で確認しましょう!

~原発事故で故郷を失うような事態,子どもたちを放射能にさらすような事態を二度と招かないために~
~若狭,京都,琵琶湖を,第二のフクシマにさせないために~

(1)すべての原発の新設と再稼働に反対しよう。
(2)40年超えの高経年原発を筆頭に,すべての原発の廃炉を求めよう。
*(3)原子力をベースロード電源とするエネルギー基本計画を改めさせ,節電,小規模分散,地産地消を基本とする再生可能な自然エネルギーの振興を求めよう。
(4)核武装の潜在能力を維持するための核燃サイクル,MOX燃料の使用は,即刻止めさせよう。
(5)原発事故に備える避難計画にとどまらず,全原発廃炉による原子力防災を前進させよう。
*(6)トルコ,インド,イギリスなどへの原発の輸出を止めさせよう。

(7)福島第一原発事故の原因究明を求めよう。
(8)福島第一原発事故について,国と東京電力,原子力ムラの事故責任を明確にさせよう。
(9)福島第一原発事故で被災,避難したすべての人に対する相当な補償を実現させよう。
(10)福島第一原発事故について,賠償を求めている全国の裁判を支援しよう。
(11)福島第一原発事故の被曝により,福島などで多発している甲状腺がんなどについて,実態解明と対策を求めよう。
*(12)学校教育や原発事故被災地における放射能の影響の過小評価,放射線安全宣伝,風評被害攻撃をうち破ろう。

(13)脱原発に道を開き,立憲主義,民主主義,平和主義を守る政権を実現しよう。
(14)あらゆる選挙において,原発推進勢力を排し,脱原発勢力を大きくしよう。
*(15)「原発ゼロ・自然エネルギー基本法」を成立させよう。
(16)原子力「推進」委員会と化している「規制」委員会の改廃を求めよう。
(17)福島第一原発事故に責任を負うべき裁判所が,今また原発推進に加担している責任を追及しよう。
(18)関西電力には,市民の声を聞くこと,原発から脱却した経営政策を強く要求しよう。
*(19)原発の電気はいらない署名などで,関西電力から新電力への切り替えを促進しよう。

*(20)京都脱原発原告団は,「市民参加の訴訟」をふまえ,脱原発市民運動との共闘をすすめよう。
(21)京都地裁における大飯原発差止訴訟に勝利しよう。
(22)原発の運転差し止めを求めるすべての裁判と連帯しよう。
(23)すべての原発運転差し止め裁判に勝利しよう。

以上,世話人会からの提案が,総会で確認されました。
(*は,昨年からの変更,または本年の追加です)

◆2018/7/4 名古屋高裁金沢支部の判決に対する抗議声明

名古屋高裁金沢支部による大飯原発訴訟控訴審不当判決に抗議する声明
2018年7月4日
大飯原発福井訴訟原告団
代表 中嶌 哲演
大飯原発差止訴訟福井弁護団
団長 島田 広

1 名古屋高等裁判所金沢支部は,2018年7月4日,福井地方裁判所が2014年5月21日に言い渡した,関西電力株式会社に対し大飯原子力発電所(以下「大飯原発」)の3号機及び4号機の原子炉について運転差止めを命じる判決(以下「福井地裁判決」)につき,原判決を取り消し,住民らの請求を棄却する不当判決を言い渡しました(以下「本判決」)。

2 福井地裁判決は,生命を守り生活を維持する利益を日本国憲法が保障する人格権の中核部分として位置づけ,これらがきわめて広汎に奪われる原子力災害の具体的危険が万が一でもあれば,原発の差止めが認められるのは当然,という判断を示しました。「豊かな国土とそこに国民が根を下ろして生活していることが国富であり,これを取り戻すことができなくなることが国富の喪失である」と語る判決の言葉は,現在もなお癒えることのない福島第一原発事故の被害に真摯に向き合う倫理的な問いかけであり,人権を守る砦としての裁判所の責務に忠実に原発の安全性を厳しく審査した同判決は,国内外で多くの共感を呼びました。

しかし,関西電力や原子力規制委員会は,原判決の指摘を真摯に受け止めることなく,控訴審の審理中にもかかわらず遮二無二大飯原発の再稼働を強行しました。「第二のフクシマ」をまたなければ,関西電力をはじめ,立法府も行政府も,廃炉・脱原発を決断できないのか?とさえ思わせるような,愚かな原発再稼働が進む中で,司法が国民の期待に応え,再び原発の安全性を厳しく審査するのか否かが,注目されていました。

3 審理の過程の中で,関西電力は,住民側が提起した疑問点にはまともに答えようとせず,また,安全性に関する関西電力の主張の根拠となる,基準地震動の算定や地盤調査に関する生データの開示を,一貫して拒否しました。その態度は,自らの基準地震動策定や安全審査について裁判所が科学的に再検討を行うことを妨害しデータ隠しに終始する,きわめて不当なものでした。

4 こうした関西電力による不当なデータ隠しにもかかわらず,裁判の中で次々に大飯原発の危険性が明らかになりました。

(1)島崎邦彦・元原子力規制委員会委員長代理が,2017年4月に証言し,基準地震動策定の際に用いられる入倉・三宅式は,過去の地震データがない大飯原発で用いると,基準地震動の大幅な過小評価になることを,過去の複数の地震の科学的検証結果をもとに指摘し,政府の地震本部のレシピ改定にしたがった,より科学的で安全側に立った計算方法をとるべきであると指摘しました。

 島崎証言の指摘は,纐纈一起東京大学地震研究所教授も繰り返しこれを支持しており,きわめて信用性の高いものでした。

(2)物理探査学会元会長である石井吉徳氏はじめ複数の同学会関係者や,元京都大学防災研究所助教授の赤松純平氏が,関西電力の地盤調査がきわめて不充分で,しかも不充分な調査の結果すら関西電力の都合のよいようにゆがめて解釈されており,大飯原発の地盤は関西電力の想定より軟弱で,地下には断層の存在さえも疑われることを指摘しました。

 関西電力の安全設計が,基準地震動の計算方法に加え,地盤調査でも,基準地震動の大幅な過小評価を引き起こす重大な欠陥のあるものだったことが明らかになったのです。

(3)さらに最近,原子力規制庁が,大飯原発の大山噴火に伴う火山灰想定が過小であると指摘し関西電力による火山灰想定の欠陥が明らかになりました。

 このように,島崎氏の勇気ある証言を端緒として,①被告の地盤調査の問題点,②基準地震動の過小評価,③安全審査の欠陥など,生データの提出や各専門分野の有力な証人尋問によって解明する必要が生じており,住民側は複数の科学者証人の証人尋問を求め,法廷の内外で,審理を尽くし事実を解明するよう裁判所に繰り返し求め続けましたが,裁判所は,2017年5月に原子力規制委員会が大飯原発を安全審査合格とするや審理終結を急ぎ,基準地震動の計算方法や地盤調査という,まさに原発の安全性の根幹に関わる重要な問題も含め島崎氏以外の証人全ての尋問を「必要性なし」として拒否し強引に審理を終結するという暴挙に出ました。

5 本判決は,関西電力が基準地震動を策定した経緯や安全審査の過程について,関西電力の主張をそのまま引き写したかのような通り一遍の認定をしそれだけで,関西電力による安全性の証明はなされたものと認めました。これは,関西電力には,上記のような重大な疑間点に答える義務はないというに等しい,不当な判断です。

一方で,本判決は,住民側に対し高度の具体的危険性を立証するよう求め,しかも,自ら住民側が請求した証拠調べを軒並み却下して立証手段を奪っておきながら,具体的危険性の証明がないなどとして,原判決を覆しました。

こうした判決内容を踏まえ,控訴審の経過をひと言で言えば,原子力規制委員会の安全審査の結果さえ出れば,裁判所は,自ら主体的に原発の安全性を審査することなく,住民側の立証手段を奪ってでも強引に審理を打ち切ってこれに追随するだけだった,ということになります。

これは,もはや裁判ではありません。
福島の被害に背を向け,「見ざる,聞かざる,言わざる」の態度で行政追随を決め込み,あたかも「関西電力のサーヴァント(召使い)」(審理終結後の記者会見での中嶌代表の言葉)であるかのごとく,住民側の裁判を受ける権利を奪った不当な「裁判」に対し,満腔の怒りをもって,強く抗議します。

6 本判決は,行政追随を急ぐあまり,多数の事実誤認や論理破綻を犯しています。

(1)判断枠組みについて,いわゆる伊方型の判断枠組みを採用しながら,関西電力に求められる安全性の主張立証については,ほとんどその主張通りの認定に終始しており,先の高浜原発差止仮処分において大阪高裁が示したと同様の,電力会社寄りの事実認定となっています。

(2)基準地震動に関して,本判決は,地震の予知予測は正確に行うことができないことは疑いがない,全国的な観測網の整備が進んでから蓄積されたデータが少ない,クリフエッジとされた基準地震動の1.8倍を超える地震動は将来来ないとの確実な想定は本来的に不可能,との原判決の指摘はいずれも正当と認めています。そうであれば,それだけで,現在の基準地震動では本件原発の安全は到底確保できず,具体的危険の存在を認めた原判決は維持されるはずでした。

 ところが,本判決は,それは政策的な選択に委ねられるべきで,司法判断としては,「最新の科学的,専門技術的知見に照らし,その想定が合理的な内容となっているか否か」を問題とすべきだとして「クリフェッジとされた基準地震動の1.8倍を超える地震動」の可能性があっても,その想定は合理的なものでありうるかのごとき判断を示しています。

 電力会社の安全設計が完全に崩壊するクリフエッジを超える可能性があるとしても,具体的危険はないといいうるという判断は,恐るべき安全軽視であり,そもそも司法審査を放棄したとしか言いようがありません。

(3)本件訴訟の中心争点となった,大飯原発の基準地震動の著しい過小評価を指摘した島崎証言については,同証言が指摘する,関西電力の行った調査がきわめて不充分で,かつ,基準地震動の過小評価は関西電力の言うところの「保守的な評価」「不確かさの考慮」ではカバーしきれないほど大きなものであることを完全に無視しきわめて抽象的に,関西電力の主張通りに,関西電力の想定が保守的であると認めています。真摯に基準地震動の合理性を検討しようとする姿勢は微塵もありません。

(4)地盤調査について,原子力規制委員会の審査ガイドでは,敷地地下の地層が水平かつ成層でなければ,3改元的な評価をしなければならないのに関西電力がこうした調査をしていないことについて,本判決は,そもそも地層が均質な水平成層構造を呈していることなど考えにくい,という乱暴な認定をしました。そうであれば,審査ガイドにしたがって3次元的な評価をしなければならないのに,それをしていない関西電力の調査の不充分さについては,完全にこれを無祝しています。

 また,一審原告らが指摘した低速度層(軟弱地盤)の存在や,断層等の存在を示す回折波の間題については,いずれもその評価が判然としない,明らかでないという暖味な判断に終始しています。裁判所が判断できないと考えるのであれば,一審原告らが求めるように,関西電力の生データを提出させ,科学者証人の尋問を実施し審理を尽くすべきでしたが,そうした審理を一切放棄して,上記のような暖味な判断をくり返すのは,司法の責任放棄としか言いようがありません。

(5)大山噴火に伴う火山灰想定について,原子力規制庁が関西電力の現在の想定10cmを大きく超える層厚26cmの層厚を大飯原発とほぼ等距離の地点に認めたことに触れつつも,それは単なる可能性に過ぎないなどとして,関西電力の想定が信頼できるとしている点も,火山の危険性を著しく軽視したものといえます。

(6)法的にも,「安全」であるかどうかの判断基準として,福島原発事故の経験を踏まえて「危険性が社会通念上無視し得る」かどうかという規範を定立していますが,現在のわが国の地震学の最も権威ある学者2人が基準地震動の計算方法の誤りを指摘し元物理探査学会長を含む複数の学者から数々の地盤調査の問題点を指摘され,原子力規制庁からさえ火山灰想定の過小評価を指摘されている大飯原発の危険性が「社会通念上無視しうる」とは,到底いえるはずがなく,判決の論理は完全に破綻しています。

7 行政に追随し住民側の裁判を受ける権利を奪ってまで強引に判決をし,形式的には福井地裁判決を覆しても,かかる裁判とはいえない不当な判決によって,福井地裁判決の正当性は,いささかも揺るぐものではありません。また,福井地裁判決が指摘し控訴審の審理の中でさらに明らかになった大飯原発の危険性に対する市民の不安は,払拭されるどころか,ますます深まらざるを得ないでしょう。

私たちは,関西電力と国及び福井県に対し同原発が抱える根本的な危険性から眼をそむけることなく,直ちに同原発の運転を停止するよう,強く求めるものです。

◆2018/7/4 名古屋高裁金沢支部の判決要旨

平成26年(ワ)第126号大飯原発3,4号機運転差止請求控訴事件

【判決要旨】

1 原子力発電所の設備等について事故を起こす失陥があり,周辺の環境に対して放射性物質の異常な放出を招く危険があるのであれば,どの範囲の住民が運転の差止めを求め得るのかはともかく,人格権を侵害するとして,当該原子力発電所の運転差止めを請求することができる。その一方で,現在の我が国の法制度は,原子力基本法,原子炉等規制法などを通じて,原子力の研究,開発及び平和利用の推進を掲げ,原子力発電を一律に有害危険なものとして禁止することをせず,原子力発電所で重大な事故が生じた場合に放射性物質が異常に放出される危険などに適切に対処すべく管理・統制がされていれば,原子力発電を行うことを認めている。このような法制度を前提とする限り,原子力発電所の運転に伴う本質的・内在的な危険があるからといって,それ自体で人格権を侵害するということはできない。もっとも,この点は,法制度ないし政策の選択の問題であり,福島原発事故の深刻な被害の現状等に照らし,我が国のとるべき道として原子力発電そのものを廃止・禁止することは大いに可能であろうが,その当否を巡る判断は,もはや司法の役割を超え,国民世論として幅広く議論され,それを背景とした立法府や行政府による政治的な判断に委ねられるべき事柄である。

2 原子力発電所における具体的危険性の有無を判断するに当たっては,その設備が,想定される自然災害等の事象に耐えられるだけの十分な機能を有し,かつ,重大な事故の発生を防ぐために必要な措置が講じられているか否か,すなわち,原子力発電所の有する危険性が社会通念上無視しうる程度にまで管理・統制されているか否かが検記されるべきである。そして,原子炉等規制法の下,高度の専門的知識と高い独立性を持った原子力規制委員会が,安全性に関する具体的審査基準を制定するとともに,設置又は変更の許可申請に係る原子力発電所の当該基準への適合性について,科学的・専門技術的知見から十分な審査を行うこととしているのであって,具体的審査基準に適合しているとの判断が原子力規制委員会によってされた場合は,当該審査に用いられた具体的審査基準に不合理な点があるか,あるいほ具体的審査基準に適令するとした原子力規制委員会の判断に見過ごし難い過誤,欠落があるなど不合理な点があると認められるのでない限り,当該原子力発電所が有する危険性は社会通念上無視しうる程度にまで管理され,周辺住民等の人格権を侵害する具体的危険性はないものと評価できる。

3 本件発電所の安全性審査に用いられた新規制基準は,各分野の専門家が参加し,最新の科学的・専門技術的知見を反映して制定されたもので,所定の手続も適切に踏んでいるのであって,手続面でも実体面でも原子炉等規制法を始めとする関係法令に違反していると認めうる事情はなく,また,内容において不合理な点も認められない。

4 本件発電所の基準地震動及び基準津波は,最新の科学的知見及び手法を踏まえて策定されたものであり,そこで用いられた各種パラメータは安全側に配慮して保守的に設定され,性質や程度に応じて不確かさが考慮されているほか,計算過程及び計算結果に不自然,不合理な点は見当たらず,年超過確率も極めて低い数値になっていることからすれば,これらが新規制基準に適舎するとした原子力規制委員会の判断に不合理な点があるとは認められない。

 なお,基準地震動の策定に当たり,地震モーメントを求めるに際し用いられた入倉・三宅式について,地震動の事前予測に用いると地震モーメントが過小評価される旨の専門家の証言があるが,対象となる活断層の長さや幅を保守的に大きく見積もり,断層面積を地表地震断層の長さそのものから求めた数値より大きく設定することなどによって過小評価を防ぐことが可能であると考えられ,本件においても対象となる活断層の断層面積ほ,詳細な調査を踏まえて保守的に大きく設定されているから,1審被告の策定した基準地震動が過小であるとはいえない。

5 本件発電所の安全上重要な設備の耐震性,対津波安全性,異常の発生・拡大防止対策及び重大事故等対策(火山灰対策を含む。),テロリズム対策等は,最新の科学的知見及び手法を踏まえて講じられており,地震,津波を始めとした外部事象による共通要因故障のみならず,偶発的な設備の単一故障を仮定しても設備の安全性が確保されているほか,重大事故等対策の有効性も科学的手法によって検証されるなどしており,IAEAの国際基準等に反するともいえないのであって,これらが新規制基準に適舎するとした原子力規制委員会の判断に不合理な点は認められない。

6 以上によれば,本件発電所の安全性審査に当たって用いられた新規制基準に違法や不合理の廉はなく,本件発電所が新規制基準に適令するとした原子力規制委員会の判断にも不合理な点は認められず,本件発電所の危険性は社会通念上無視しうる程度にまで管理・統制されているといえるから,本件発電所の運転差止めを求める1審原告らの請求は理曲がない。

以 上

◆これまでの口頭弁論(第1~20回)のまとめ

①[2013年]

・第1回口頭弁論(2013年7月2日)

◆竹本修三・原告団長が「地震国日本で原発稼働は無理」と陳述。
◆原告の福島敦子さん(福島県南相馬市からの避難者)ほかの陳述。福島さんは「こどもを守ることに必死な,懸命な母親たちをどうか救ってください。こどもたちに少しでも明るい未来をどうか託してあげてください。私たち国民一人ひとりの切実な声に,どうか耳を傾けてください。大飯原発の再稼働は,現在の日本では必要ないと断罪してください。もう,私たち避難者のような体験をする人を万が一にも出してはいけないからです。司法が健全であることを信じています。日本国民は,憲法により守られていることを信じています。」と訴えました。

・第2回口頭弁論(2013年12月3日)

◆原告で,聖護院門跡の宮城泰年・門主が意見陳述。「大飯原発運転を差し止めることは,地球とそこに生きる私たち人間を含めすべての生物の安全を守ることです」と述べ,宗教者として原子力と共存することはできないこと,とりわけ日本には自然への崇拝,山岳信仰があり,本山修験宗の総本山として,山岳自然を修行道場としてきたこと,そこは多様な生物の共生と命の循環によってみんなが生きているからこそ尊い世界であり,ここに大飯原発3号機を 24 時間フル稼働させると1日で広島型原爆3発分の死の灰がつくられる,この処置のしようのないものを地中に埋めても地殻変動で出てこないとは考えられない,こんなどうしようもないものを生みだす原子力発電所の稼働は絶対認められないと,訴えました。

②[2014年]

・第3回口頭弁論(2014年2月19日)

◆原告の宮本憲一・元滋賀大学学長・大阪市立大学名誉教授(環境経済学)が意見陳述。「福島原発災害は史上最悪の公害。福島のこの原発災害は,2市7町3村の15万人を超える住民が放射能公害によってふるさとを追われた。足尾鉱毒事件以来最悪の公害。事故の全貌が把握できず,原因究明も終わらない,その対策の汚染水防止や除染作業もめどがたたない,経済的救済もはじまったばかり,大飯原発の運転再開は環境政策予防の原則から許されない」と述べました。

・第4回口頭弁論(2014年5月21日)

◆裁判官の交代に伴う弁論の更新。
◆竹本修三・原告団長と福島敦子さん(福島県南相馬市からの避難者)が再陳述。

・第5回口頭弁論(2014年9月30日)

◆原告の意見陳述は萩原ゆきみさん(郡山市からの避難者)と,都市計画の観点から広原盛明さん(京都府立大学元学長)。
◆萩原さんは「3.11当時福島県郡山市に在住,事故後このままでは,福島は見捨てられる,放射能にやられてしまうかも・・そんな恐怖感にも襲われ 事故の1ヶ月後 生命が危ないと夫を残し,京都へ母と子で避難。外部と内部被爆で体力が極端になくなったと」訴えました。「今でも,毎日のようにあらゆる所で福島を思い出し胸が苦しくなります。町並みを見ても,山梔子や金木犀の香りをかいでも,望郷の念はつのるばかりです。私たちは,原発事故の9年前に,夢のマイホームを建てました。両家の両親と同居を夢見てアレルゲンを抑えた建材で造った思い出深い,愛しい家を手放すのは身を切られるように辛かったです。」
◆広原さんは,2014年発表の「国土のグランドデザイン2050・・国土の長期展望」に巨大災害,原発災害に関する項目が一切ない,政府のこれらの軽視を端的に表している。このことは,原発災害については国が将来展望を描くことができない存在だということを示している。原発が「日本国土の喉元深く突き刺さった骨」であり政府は,その骨を抜くことができなくなった状態なんだ。・・私は国民の生命,身体と財産を守るために,司法が英断をもって日本の全原発の再稼働を中止することを期待している」。

③[2015年]

・第6回口頭弁論(2015年1月29日)

◆原告の意見陳述は,高浜原発から15キロに住んでいる三澤正之さん(京都府舞鶴市在住)。「避難計画が,現実に機能するとは,とても思えません。まして複合災害となれば,さらなる大混乱が考えられます。また,福島第一原発の原因究明が行われず,今なお事故が収束せず,福島県で12万人が避難している福島の現実を見れば,一旦事故が起きれば,いつ戻れるのか分からず,戻れたとしても子どもの事を考えると一緒に住めるかどうか,そして,生活基盤は失われ,仕事がなくなったとき家のローンは,これからの生活はと考えると不安は山ほどあります。」

・第7回口頭弁論(2015年5月28日)

◆原告の意見陳述は,菅(かん)野(の)千景さん(福島市からの避難者)。「2011年8月末私は二人の娘を連れて,放射能の汚染を避ける為に福島県福島市から京都へ避難しました。私は仕事を辞めてしまいましたが,夫は仕事を直ぐには辞められず1人福島に残る事になりました。引越しの荷造りをする時も,「なんでこんな事をしなければならないんだべね,誰のせいだべ,誰が悪いんだべ」と,こみ上げてくる思いに潰されそうになり,泣きながら置いてくる荷物と運び出す荷物を分けていました。」…「出発の日,夫に見送られ郡山から京都府の運行する高速バスに乗りました。普段泣いたことのない夫は顔がくしゃくしゃになるほど泣き,子ども達もバスの中でしゃくりあげて泣きながら京都へ向かいました。京都へ来てから私達は毎日電話で話しました。子ども達は「お父さん大好きだよ,無理しないでね」と父親を気遣いました。」

・第8回口頭弁論(2015年10月20日)

◆関西電力の主張に対して弁護団から反論。被告関電の主張は,新規制基準に合致する旨の主張である。しかし,同基準は安全基準ではない。原子力規制委員会の委員長田中俊一は,「原子力規制委員会の審査は安全審査ではなくて,基準の適合性の審査であり,基準の適合性は見ているが,安全だということは言わない」「基準をクリアしてもなお残るリスクというのは,現段階でリスクの低減化には努めてきたが,一般論として技術であるから,人事で全部尽くしている,対策も尽くしているとは言い切れない。自然災害についても,重大事故対策についても,不確さが伴うので,基準に適合したからといって,ゼロリスクではない」と述べている。従って,被告関電が同基準へ適合すると主張しても,本件発電所が安全であると論証したことにはならない。被告関電は,大飯原発に近い「FO-A断層,FO-B断層,熊川断層」と共役断層をなす上林川断層について,その南西端(京都府内)は不明瞭であるとして,断層の存在を明確に否定できる福知山付近まで延長して評価する。しかし,北東端(福井県側)については,延長の検討すらしていない。
◆被告関電が想定する地震の規模についての見積もりが甘すぎるという点を,竹本修三・原告団長が分かりやすく解説。

④[2016年]

・第9回口頭弁論(2016年1月13日)

◆原告の意見陳述は,阪本みさ子さん。大飯原発から20キロ地点の東舞鶴に居住。「舞鶴市全体で住民避難のための協定を結んでいる事業者の保有台数の合計は,バス71台 ワゴン車2台 タクシー121台で,全部が一度に動けても3500人を運べるだけです。少なめに見ても20回の往復をしないと市民全員を運べません。その間,放射能を浴び続けることになるのでしょうか。全員を運ぶのに何日掛かるのでしょうか。線量が高い中,ドライバーの確保はできるのでしょうか。」
◆弁護団からは,新規制基準の基準地震動の「標準・平均値」は矛盾に満ちていることを主張。原発の基準地震動は,既往地震の平均像を基に想定されており,著しい過小評価である。

・第10回口頭弁論(2016年3月15日)

◆原告の意見陳述は,林(はやし) 森(もり)一(かず)さん。京都市左京区久(く)多(た)に生家。久多は大飯原発から約34km。「この5年の間に2回,左京区役所・下鴨警察署・左京消防署・久多の関係団体をあげての避難訓練を実施。しかし,避難訓練の結果,私の不安は増大しました。5つの町内住人全てに避難の連絡,車での避難所集合が100%出来るのか,出来たとしてそこから先の避難移動はどうなるのか」と,大きな不安を述べました
◆弁護団からは,避難困難性の敷衍(京都市左京区久多について)のほか,2015年12月24日の福井地裁異議審決定[福井地裁(林潤 裁判長)が大飯原発3,4号機及び高浜原発3,4号機運転差止仮処分について,仮処分決定を取り消し,住民側の仮処分の申立てを却下]の問題点を準備書面として提出。

・第11回口頭弁論(2016年5月16日)

◆原告の意見陳述は,大飯原発から約40kmの綾部市に住む斎藤信吾さん。由良川の水の問題,避難の問題を訴えました。「自動車を所有していませんし,通常の移動手段は,「自転車」です。仮に地震などにより,道路を通ることが出来なくなった場合,避難は不可能です。単身者ですので,同乗を頼める家族はいません。同乗させていただける知人がいれば避難できますが,緊急時に頼めるかはわかりません。自転車では,非常時用の持ち出しグッズも軽量のものしかのせることはできません。私のように障害があるものにとっては,交通渋滞などは別にして,そもそも一刻も早く避難すること自体が大変なのです。ここ数年は,夜や暗い場所での移動が困難となっています。夜間に避難することを考えるとぞっとします。」
◆弁護団からは,基準地震動以下の地震動でも大飯原発やその電源が損傷し,過酷事故に陥る可能性があること,大津地裁の高浜原発差し止めを命じる仮処分決定(2016年3月)の意義を主張しました。とくに後者は,出口治男・弁護団長が,最近の関経連関係者が語った「一地方の裁判官が勝手に原発を止めるな」のコメントを,人権の上にエネルギー政策があるのかのような不見識さだと,強く批判しました。

・第12回口頭弁論(2016年9月14日)

◆原告の意見陳述は,避難計画の問題点について栢(かや)下(した)壽(ひさし)さん(京都府南丹市)。避難計画は実効性が全く無いこと,地域の実情を把握していないことのほか,「美山町には希少生物の宝庫京都大学芦生研究林もあり,京都府指定希少野生生物25種の半数近くが生息する,西日本でも有数の自然環境に恵まれた地域である美山町を私は,誇りに思っています。仮に原発事故が起きれば,世界に誇るべき美山町の自然が失われてしまいます」と訴えました。
◆弁護団からは,被告関西電力が反論していない原告の主張について指摘しました。

・第13回口頭弁論(2016年11月28日)

◆原告の意見陳述は,池田豊さん(京都自治体問題研究所),吉田真理子さん(京都府宮津市)。
◆池田さんは,大飯原発,隣接する高浜原発をめぐる原子力防災訓練について,住民避難に関連した初動の重要性と問題点,並びにその第一線で直接避難の判断と住民の誘導をしなければならない地方自治体と自治体職員の問題について,福島の原発立地自治体での調査も踏まえて話しました。
◆吉田さんは,宮津市が2016年3月に改定した避難計画と,自分が2015年に参加した避難訓練について,問題点を指摘し,「宮津市は,日本三景天橋立を擁し,年間260万人の観光客が訪れる観光地です。海には水産資源が豊富で漁業や水産業がさかんです。農業も地元の産物がたくさんあり自然豊かな恵まれたところです。多くの高齢者は,動ける間は庭で野菜や果物を育てて,子や孫にやるのを楽しみに暮らしています。この自然を放射能で汚染されれば,賠償などできるものではありません。いくらお金を出されても謝罪していただいてもこの素晴らしい暮らしは返ってはきません。先日も先祖代々の土地を奪われ,いまだ戻れない福島県浪江町の方の話を聴きましたが,全く同じになることは明らかです。」とし,「宮津市民の宝ものである豊かな自然,住民の命と当たり前の暮らしを守るため,原子力発電の運転を差し止めてほしい」と訴えました。
◆弁護団からは,高浜原発広域避難訓練から明らかになった問題点,宮津市避難計画の問題点について,などを主張しました。

⑤[2017年]

・第14回口頭弁論(2017年2月13日)

◆原告の意見陳述は,福島県から避難してきた宇野朗(さえ)子(こ)さん(現在は京都府木津川市在住)。「3月11日の夜11時頃,政府災害対策本部の情報を目にし,メルトダウンの危険性が高いと判断,避難を決めました。友人が,オムツや衣類,食料,水等を車に積みこみ,眠り始めていた子どもたちを起こして車に乗せました。真夜中に出発しました。雪のちらつく,静かな夜でした。南へ向かう国道は,地震で陥没しており不通,東北自動車道も通行止めで,私たちは西の山を越えることにしました。山は吹雪でした。真っ白な視界の中を,私たちは一睡もせず必死に車を走らせました。翌朝,会津の知人宅で休憩をとり,埼玉で被災していた夫がレンタカーで合流,私たちはそこから家族3人で避難を続けました。新潟に向かう途中で,一号機の爆発を知りました。はりつめていた糸が切れるように,私は声をあげて泣きました。新潟空港でレンタカーを乗り捨て,キャンセルのでた飛行機に飛び乗り伊丹空港へ。大阪からは新幹線で12日の深夜に広島に到着し,13日午後,山口県宇部市にある夫の実家に到着しました」と,過酷な避難体験を語りました。
◆弁護団から①コスト的に成り立たない原発事業,②世界各国における原発産業の状況,③原発御三家の東芝,三菱重工,日立,④原発は産業発展の妨げ,⑤裁判官にのぞむこと,などを主張。
◆「裁判官にのぞむこと」では,「現在の技術は,人間社会と自然環境に対して致命的かつ不可逆的な損害を齎す原発に代わる,安全なエネルギー,再生可能エネルギーの創出に成功し始めている。いまや時代は,原発を廃棄し,再生可能エネルギーによる社会の構築を図ることを求めていると言って過言ではない。本件を担当する裁判官に対しては,この時代の要求を見据えて,本件に正面から取り組んでもらいたい。元最高裁判事,故中村治朗氏が述べるように,本件は,「究極的には自己の採る見解の正否を歴史の審判にかけざるを得ない」問題の一つと言ってよいと思われるが,本件においてこそ,裁判官は,社会的葛藤の舞台において,社会的価値の実現のために積極的に機能し,自ら傍観者ではなくプレーヤーとしてプレーに参加することが求められていると確信するものである。」と主張した。

・第15回口頭弁論(2017年5月9日)

◆裁判官の交代に伴う弁論の更新で,竹本修三・原告団長,福島敦子さん(福島県南相馬市からの避難者)が再々陳述。
◆世話人の赤松純平さんが,大飯原発の地盤特性や地域特性について意見を陳述。

・第16回口頭弁論(2017年7月21日)

◆原告の意見陳述は,市川章人さん(京都自治体問題研究所)で,避難の問題について。「2015年の原子力災害対策指針の改悪で不安は一層増しました。それは,避難よりも屋内退避を強調し,さらにUPZ以遠の地域で当初予定していた放射性プルーム対策としてヨウ素剤を服用する区域PPAを廃止し,ヨウ素剤配布はやめ屋内退避で十分としたからです。」と述べました。
◆弁護団からは,上林川断層(FO-A断層,FO-B断層,熊川断層の共役断層)について,前回に続いて大飯原発の地盤特性や地域特性について(被告関電は大飯原発の地盤特性を把握していないこと),京都市原子力災害避難計画の問題点について,主張。

・第17回口頭弁論(2017年11月1日)

◆原告の意見陳述は,松本美津男さん(京都市左京区,京都障害児者の生活と権利を守る連絡会[京障連])。実際に避難訓練したり,震災の経験者から聞いた話から避難の問題について陳述しました。「私の防災訓練の体験からも障害者は大きな災害が起これば避難所にも行けないケースが続出すると考えられます。」
◆弁護団からは,原発事故の際のヒューマンエラーおよび,原発裁判に関する原子力規制委員会の「考え方」に対する反論を行いました。

⑥[2018年]

・第18回口頭弁論(2018年1月16日)

◆原告の意見陳述は,高瀬光代さん(兵庫県)が,阪神淡路大震災のときの避難所に関連して原発事故の際の避難について述べました。「関西電力が大飯原発を再稼働するというのであれば,もし,事故が起きたらどうするかについて,なぜもっと責任を持たないのでしょうか。「災害対策基本法」は自然災害での自治体の責任が言われています。原発事故は,企業災害ですから原因企業が責任を持たねばならないのではないのでしょうか。避難を余儀なくされた方々に対しては,少なくともそれまでの生活と同等の生活環境を用意してしかるべきではないのでしょうか。」
◆弁護団からは,大飯原発の地盤特性について主張。関電は「ほぼ均質な地盤」であるとか,「浅部構造に特異な構造がない」と主張していますが,今回,「そういうことは到底言えない」ことを明らかにしました。関電の地震伝播速度の評価が著しく過大で,そのため地震動が著しく過小に評価されているのであって,「特異な構造は認められない」との評価の誤りを強く批判しました。関電の評価は明らかに誤りです。
◆被告関電は,基準地震動策定が「平均像」であることを認めた上で,地域特性を十分に把握できており,その地域特性に照らせば,基準地震動を超える地震発生の可能性は否定できると主張しています。しかし,主張をするばかりで保有している根拠資料すら提出せず,それどころか原発の地域特性の調査として当然になすべき重要な調査がなされないままです。また実施された調査結果が,科学技術を冒涜する所作以外の何物でもないと批判されるべきほどに,基準地震動が小さくなるよう歪めて評価されています。

・第19回口頭弁論(2018年3月27日)

◆原告の意見陳述は,小西洋一さん(京都府舞鶴市)が,現職の小学校の先生として意見陳述を行い,子供を放射能被害から守る困難さや,避難先での子供のいじめ問題等も紹介しました。全校生徒200人足らずの小学校には,市の職員配置はたった3人。でも校区内の避難想定者は3000人とのこと。子どもたちに放射能の心配のない日本を残すため原発の廃炉をと訴えました。
◆弁護団は,関電が日本海では巨大地震による大津波を警戒する必要はないとしている点に対して,竹本修三原告団長が1026年に島根県益田地方を襲った万寿(まんじゅ)津波のメカニズムを解明して,関電の津波対策の見直しを主張しました。伝承されている20mこえの津波の到来には信用性があり,関電の津波対策の不十分さを指摘しました。

・第20回口頭弁論(2018年6月5日)

◆この回は,原告の意見陳述なし。
◆弁護団からは,原発事故関連死の状況について,福島県の震災関連死の率が突出していること,行方不明者を見殺しにての避難強いられたこと,避難過程での死者の発生を述べ,過酷事故時の避難は,戦場からの退避にも比肩すべきであると主張。福島第一原発の廃炉の困難性については汚染水対策,デブリの取り出しについて,解決が困難な問題点を指摘しました。核ゴミ問題について,核燃料サイクルや高レベル放射性廃棄物の10万年単位での保存の虚構などを述べました。

◆6/5の第20回口頭弁論の報告
 ~救援新聞より

  • 救援新聞 京都版No.1336 2018年6月15日
    橋本宏一(日本国民救援会京都府本部 事務局長)

原発は差し止め廃炉しかない

大飯原発差止京都訴訟第20回口頭弁論

  • 大飯原発差止訴訟の第20回口頭弁論が、6月5日京都地裁(第6民事部・藤岡昌弘裁判長)101号法廷で開かれました。今回も原告席や傍聴席(88席)は満席。原告弁護団の3人が準備書面の要旨を陳述しました(下記要旨)。
  • 次回の裁判は、9月4日(火)午後2時から。

「廃炉の困難性について」川中 宏 弁護士

  • 福島第一原発の事故から7年がたつが、廃炉作業は遅々として進んでいない。原子炉や建屋が高濃度の放射能汚染のなかにあるからで、チェルノブイリの廃炉作業を見れば、その困難性が明らかだ。チェルノブイリでは、関連施設全体を、コンクリートやステンレスでおおう、石棺方式をとっているが、これは一定期間密閉して放射能の自然減衰を待つ方式、根本解決にはならない。
  • スリーマイル島の事故は、福島に比べればはるかに小規模な事故だが、それでも原子炉内に100トンのデブリが存在していた。このデブリ取り出しに11年を要した。福島の場合はこれとは比較にならないほど困難だと取り出しのスリーマイル島の指揮者は証言している。
  • 福島では原子炉に水を入れ続けなければならず、その汚染水対策として汚染水循環システム、除去装置での浄化、そして凍土壁をつくったが、維持費用年間10億円といわれ、効果に疑問が出ている。1号機から4号機の内部がどうなっているかよくわからない。2号機の外で531シーベルトのスポットがあるなど高放射線量で人の手が入りにくい。これからデブリを取り出すことになるが、この放射性物質で汚染された廃棄物をどこへ運搬し、どこで処分するのかいまだ具体的に決まっていない。2021年からデブリ取り出し、それから30年40年との廃炉マップを示してはいるが、問題を先送りしてごまかしているのではないか。
  • ドイツの場合は、わが国と全く逆。原発大国であったのが、福島の事故から国会で原発廃絶を決議、2022年までにすべての原発を停止・閉鎖する。日本のような科学技術大国で原発事故が起こったのだから、原発事故が避けられないとみて、原発ゼロ国家への転身をはかった。今度はわが国がドイツを教訓に原発ゼロをめざさなければならない。

「核のゴミ問題について」岩佐 英夫 弁護士

  • 原発の危険性の根源は放射性物質の核燃使用にある。その使用済み核燃料も極めて危険な放射性物質だ。原発稼働で生成する「核分裂生成物」は、原発運転の元々の燃料の濃縮ウランよりはるかに強く命に危険なもの「死の灰」と呼ばれる。この生成物とは別に、ウラン燃料に混在している「ウラン238が中性子を取り込んでプルトニウムに変化する。プルトニウムは、わずか100万分の1グラムを肺に吸い込んだだけで肺がんになるといわれる。1年間核分裂反応を続けた使用済み核燃料の放射能の強さは、使用前のウラン燃料の約1億倍になる。これら使用済み燃料棒は貯槽プールにむき出しのまま置かれている。津波がここに直撃すれば重大事故になる危険がある。
  • 2014年3月末現在、全国の原発の使用済み核燃料は1万4千330トンU(金属ウランに換算した重量)、六ケ所村の分を加えると、1万7千トンに達し、使用済み燃料プールも満杯に近づきつつある。使用済み燃料の再処理操業もめどが立ってない。姑息にも、国や事業体は燃料棒を収めるマスの感覚を狭める「リラッキング」でしのごうとしている。危険を増大するだけだ。中間貯蔵後の再処理工場のめどすら立っていない。「中間貯蔵施設」での「一時保管」が永久保管にならざるを得ない。
  • 日本政府の処理計画はガラス固体化したうえで深さ300メートルの地下に埋めるとしているが、処分地などこれも見通しが立っていない。しかもこの廃棄物が人体に影響なくなるのは10万年といわれ、今から10万年前はネアンデルタール人と共存していた時代で、10万年後がどうなるかわからない。それまでに火山、地震などで異変が起こる。地層処分は世界的にも破たんしている。核のゴミをこれ以上増やし、危険を将来世代に押し付けることは許されない。原発再稼働、新増設はただちに中止すべきだ。

「原発事故の関連死について」渡辺 輝人 弁護士

  • 福島第一原発事故に関連して亡くなった人は、福島県の1千605人(人口202万9千人)に対し、宮城県878人(234万8千人)、岩手県428人(133万人)。福島県の関連死が突出している。昨年9月時点で福島県は2千202人に達した。多くは65歳以上の高齢者が亡くなっている。
  • 原発事故が起こった時、がれきの下に埋められるなど行方不明者が多くいたが、原発事故の汚染で捜索が打ち切られ見殺しにされた人もいた。「がれきの下から助けを求める声をいくつも聞いた」との証言もある。病院に入院中に体調を崩して亡くなるケースも多い。数字もそれを示ししている。
  • 大飯原発は過酷事故を起こせば、直接大量の放射線被ばくがなくても、それを避けるために、移動の負担などで多くの人が亡くなるのが必然である。大飯原発は運転を差し止め、廃炉にするほかない。

◆第6回原告団総会のお知らせ

  • 京都地裁における大飯原発差止訴訟は,すべての原発を止めるための第一歩です!
  • 3,323人が 原告となっていて,裁判傍聴は 原告以外も 多くの市民が参加しています。
  • 市民の願い,弁護団の熱意,研究者の知恵を結集し 脱原発を実現しましょう。

(「原告団総会の報告」→こちら。)

【日時,場所】

  • 7月 22日(日)13:30~
  • ハートピア京都(京都市営地下鉄 烏丸線「丸太町」下車すぐ上)→こちら
  • 参加費…無料(会場にてカンパをお願いします)

【おもな内容】

  • 記念講演と講師…「地震予知連会長に聞く日本の地震予知の現状」
    平原和朗(ひらはら・かずろう)さん
    [講師の紹介]
    ・2005年京都大学大学院理学研究科教授。専門は地震学。2018年3月末退職。名誉教授。
    ・2012年から,地震予知連絡会の会長。
    ・2011年3 月11 日に発生した東北地方太平洋沖地震に関してその当時の日本地震学会の会長として「なぜ予知できなかったのか」との思いを語っています。(朝日新聞 2011.8.17)
  • 弁護団より…福山和人 弁護士,特別報告「京都府政と脱原発」
  • 弁護団より…大飯原発差止訴訟の経過や今後の見通しなど。出口治男 弁護団長,渡辺輝人 弁護団事務局長。
  • 原告団世話人会より…吉田明生 原告団事務局長。