投稿者「meisei」のアーカイブ

◆関西電力 闇歴史◆132◆

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◆マスメディアが「原子力ムラ」の一画をしめてきた!
 複数の朝日大物記者が、関電などと密接な関係をもち、
 電力業界の利益を代弁し、メディアのチェック機能を麻痺させ、
 原発を推進する役割をはたしてきた!
 日本原子力文化振興財団、電力中央研究所などの要職、
 関電のシンクタンク「原子力安全システム研究所」や、
 関電の高級PR誌、広報誌『縁[えにし]』の中枢をになっていた!
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  • 文中、敬称略。
  • 後半では個人姓名を記さず、「姓・名」のイニシャルで表記。
  • 本項の末尾に掲載した参考図書 は→ 参考図書へ移動
    出版年順に整理すみ。
  • 本項の末尾に掲載した関連項目 は→ 関連項目へ移動
  • 文中の「◆000◆」は、この「関西電力 闇歴史」の中の関連事項へのリンク。

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◆用語などについて
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◆電力業界

  • 日本原子力文化振興財団…1969年発足。月刊『原子力文化』の発行など、原子力の平和利用についての理解活動を展開。電力業界の資金で運営されている原子力推進組織として、原子力広報の中心をになった。2014年から一般財団法人 日本原子力文化財団(JAERO)。
    財団紹介→こちら
  • 電力中央研究所(電中研)…電力業界の政策形成、世論形成の知的中枢。大手電力会社9社をはじめとする電力業界の資金提供により運営されている一般財団法人。
    組織概要→こちら

◆関電の関係

  • 株式会社 原子力安全システム研究所(INSS)…関電のシンクタンク。1991年2月に、 関電美浜原発2号機で蒸気発生器細管破断事故が発生(ECCSが作動)した◆002◆。その事故の教訓を踏まえて1992年3月、設立された。安全性の研究や社会とのコミュニケーションを目的にする関電の主要なグループ会社。最高顧問には関電の取締役や、各大学の名誉教授陣など、多彩な分野の名誉教授陣が)が並ぶ。
    会社案内、現在の役員など→<こちら
  • 『縁[えにし]』…関電の高級PR誌、広報誌(隔月刊)。有識者や知識人を対象にしたクオリティの高い内容で知られた。100冊目の2001年5月号で終刊となる。元朝日新聞の幹部、論説委員、大物記者らが深く関わった。毎号異なる画家(洋画家の田村能里子など)やイラストレーターによる美しい表紙や、地域の文化・歴史を紹介する質の高いコンテンツ、文化発信が特徴であった。実物はネットでは見つかりませんでした。古書市場や古書店なら見つかるかも。
  • 関電のPR誌、広報誌…『』→『躍(やく)』→『Nextalk(ネクストーク)』→『YOU ‘ S(ユーズ)』(2021年~)と推移。かつての『縁』が「関西の歴史や文化・芸術」に重きを置いた格調高い文芸誌のようなテイストであったのに対し、『躍』は「脱炭素など環境・エネルギー問題を共に考える社会派の広報」、現在の『YOU S』は「現代の社会課題や最新技術を分かりやすく伝える、スタイリッシュな情報誌」という性格が強いとされる。
  • 鉄の意志…現在のPR誌、広報誌がどのような体制で製作されているのかは、分からない。しかし、華やかなPR、広報の陰に隠された「関電の鉄の意志、金だけ今だけ自分だけ」を見のがしてはならない。

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◆電力会社とマスメディアをつないだ朝日大物記者
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◆岸田純之助

  • 科学ジャーナリスト(1920~2012年)。元朝日新聞社論説主幹。戦後日本における原子力の平和利用(原子力発電)の世論形成や、原子力論壇の構築、科学技術政策の分野において、マスメディアと産業界の双方で大きな影響力をもった人物。
  • 1946年に朝日新聞社へ入社。1985年に65歳で退社。

◆朝日新聞を退職後、関電と深い関係に

  • 科学誌『科学朝日』の編集部員を経て、1968年に論説委員、1977年には論説主幹に就任。一貫して科学技術やエネルギー、とくに原子力問題を専門とする論説・コラムを執筆。
  • 退職後、財団法人 日本総合研究所の会長(のちに名誉会長)や、日本科学技術ジャーナリスト会議の会長などを歴任。多くの政府審議会や懇談会の委員、参与も務めた。原発を推進していた関電と深い関係をもつようになった。

◆関電および原子力業界との関係

  • 岸田は、ジャーナリストの立場でありながら、日本の原子力政策や電力業界(関電など)とひじょうに深い繋がりをもっていた。その関係性は、以下の3つの側面から指摘されている。

1. 関電のシンクタンク「原子力安全システム研究所」の最高顧問

  • 関電の「原子力安全システム研究所」において、最高顧問会議のメンバーに名を連ねていた。
  • 当時の役員や最高顧問には関電の歴代会長(小林庄一郎など)や、各大学の名誉教授陣(近藤駿介 東大名誉教授など多彩な分野の名誉教授ら)が並んでおり、岸田が関電トップ層やそのシンクタンクの運営、知恵袋として深く関わっていたことが明らかになっている。

2. 「イエス・バット」で原発を推進

  • メディア研究やジャーナリズム史の文脈において、朝日新聞の原子力論説における「イエス・バット(Yes, but)の原則(原発推進は認めるが、安全性などを厳しく注文する)」を確立させた。
  • 「イエス・バット」とは、「国策としての原発推進(平和利用)には基本的に賛成(Yes)する。ただし(but)、軍事転用はしないことや、安全性・経済性の確立を厳しく求める」という立場。
  • この方針により、当時の大手マスメディアの多くが原発推進を前提とした論調を形成することになり、関電などの電力会社が進める原発立地や建設を、マスメディアの側から理論武装、後押しすることになった。

3. 電力・原子力関連団体への参画とマスメディアへの橋渡し

  • 電力会社などの資金で運営されている複数の団体に関与して、電力会社とマスメディアをつなぐ役割をはたした。政府の「新型動力炉開発懇談会」などの構成員、「日本原子力文化振興財団」の監事や副理事長、関電が創刊した広報誌への関与や、業界関連のシンポジウムや講演会で積極的な発言を行った。
  • これらの活動を通じ、現役の科学記者やマスメディア関係者に対して「電力業界側、原発推進側」の視点を浸透させる、一種の橋渡し、あるいはロビー活動的な役割をはたしていたとも指摘されている。

◆関電の広報誌『縁』との関係

  • 岸田は1985年に65歳で朝日新聞を退社後すぐから、関電が発行していた広報誌『縁』の監修者(責任者)になった。監修は、終刊となる2001年5月号の100冊目まで続いた。
  • 報酬について関電は、「社会通念に照らして適切な金額」としている。なお、「原子力安全システム研究所」についての報酬も「回答を差し控える」としている。
  • こうした関係には、日本のエネルギー政策やマスメディアの歴史において、重要な意味合いがあると指摘されている。

1. 広報誌『縁』における役割

  • 関電が発行していた『縁』は、単なる社内報や簡易なパンフレットではなく、有識者や知識人をターゲットにした質の高いPR誌、言論誌としての側面をもっていた。監修者の岸田は、誌面の方向性の決定や、エネルギー、科学技術に関する論説のクオリティ管理、あるいは外部の知識人や文化人を巻き込むための人脈づくりなどに深く関わっていた。

2.「株式会社 原子力安全システム研究所(INSS)」への足がかり

  • 関電の広報誌『縁』における監修の実績や関電トップ層との信頼関係は、のちに関電が1992年に設立したシンクタンク「原子力安全システム研究所」において、岸田が最高顧問という重要なポストに就任する大きな足がかりになったとされる。

3. ジャーナリズムの「中立性」に関する批判

  • こうした関電との関係は、メディア研究者や原子力政策を批判的に検証するジャーナリストたちの間で、「マスメディア(大手新聞社)のOBが、電力会社(推進側)の広報に取り込まれていく典型例」としてしばしば取り上げられている。

◆マスメディアOBが原発を推進してきた

  • 岸田は現役時代に朝日新聞の論説主幹として「イエス・バットの原則」を確立させた。このスタンス自体が結果的に関電などの原発推進を後押ししていたとされる。退職後にすぐに関電の広報誌の監修者や関連組織の要職に就いたことで、「現役時代から電力業界と緊密な関係があったのではないか」「マスメディアの監視機能(チェック機関としての役割)を甘くさせる構造(電力トラップなどとよばれる業界の取り込み工作)の一環だったのではないか」という批判的な視点から、広報誌『縁』との関係が語られることが多い。
  • つまり、岸田にとって関電の広報誌『縁』は、退職後の主要な活動舞台の一つ(監修者)であり、関電側にとっては元大手紙の論説トップという大物の知見や影響力を、自社の広報、世論対策に生かすための重要なパイプであったといえる。

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◆朝日関係者、続々と電力業界のマスメディア対策に関与
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◆関電や業界関連組織に深く関わっていた元朝日新聞の幹部や記者

  • 関電をはじめとする電力業界によるマスメディア対策、いわゆる「原子力論壇の構築」や「政財界工作」において、岸田以外にも関電や業界関連組織に深く関わっていたと、批判的に指摘される元朝日新聞の幹部や記者は複数存在している。
  • 彼らはおもに、退職後(あるいは在職中から)原子力推進側の公益法人の役員に就任したり、業界の資金で運営されるPR誌、言論誌の編集や執筆に携わったりしたことで、「マスメディア対策(世論工作)に取り込まれている」「原子力論壇の構築をになっている」と批判されている。
  • 電力業界(とくに関電、東電など)は、大衆への「刷り込み効果」や批判の封じ込めを狙い、「原子力に好意的な文化人やマスコミ幹部を常に抱え、コメンテーターとして配置する」という世論対策マニュアルを組織的に実行していた。朝日新聞の論説、編集中枢にいたOBたちがその受け皿(役員や顧問、広報誌の執筆者)となったことは、マスメディアの監視機能を麻痺させる「政財界工作」の典型例として、厳しく批判されて当然である。
     
    (以下の個人姓名は「姓・名」のイニシャル表示)

◆ (1) 外報部や論説の K・T

  • 関電との関係:岸田の後を追って、関電のマスメディア対策の中心に深く関わった。朝日新聞で論説委員(科学技術・エネルギー担当)を務めたのち退社。のちに岸田が最高顧問を務めた、関電の「原子力安全システム研究所」の特別研究員や顧問格に就任。
  • 広報誌『縁』での役割:関電の高級PR誌、広報誌『縁』の編集長(あるいは中心的な編集責任者)をつとめた。岸田が「監修」として全体の重しとなり、K・T が実際の現場や執筆陣の差配を行うという、「元 朝日新聞論説ライン」が、関電の高級PR誌、広報誌を丸抱えで制作する構造ができあがっていた。
  • 関わりと批判:在職中から原子力政策に好意的な論説に関わっていたとされ、退職後は電力業界がバックアップする「電力中央研究所(電中研)」の顧問や、「原子力文化振興財団」の評議員や役員といった「原子力ムラ」の主要組織のポストに天下り(あるいは再就職)した。推進側から報酬を得て世論工作や業界の論理を正当化する知識人ネットワークの構築に寄与した、と批判的なジャーナリストらによって実名で告発されている。

◆ (2) 科学部や論説の H・T

  • 経歴:岸田の「科学ジャーナリスト」としての直系の後輩にあたる。
    電力業界の「原子力論壇」形成に関与したと批判的に指摘される人物の一人で、1980~1990年代の原子力報道において、朝日新聞内で大きな影響力をもっていた。
  • 関電や原子力業界との関係:朝日新聞の科学部次長や論説委員として、原子力の平和利用やエネルギー政策の社説・記事を執筆していた。退社後は、電力業界の資金で運営されている「日本原子力文化振興財団」の常務理事などの要職に就任。
  • マスメディア対策としての意味:「日本原子力文化振興財団」は、関電など全国の電力会社が拠出した資金をもとに、全国の学校への「放射線教育」の出前授業や、地方紙・テレビの記者を集めた勉強会(セミナー)を主催する、業界の「世論工作PA(パブリック・アクセプタンス)活動」の司令塔、原子力広報の中心組織であった。そこに大手紙の科学報道トップが天下る形となり、マスメディアの監視の目を和らげる役割をはたした。また、原子力推進側の講演や広報冊子への寄稿などで、電力業界のマスメディア対策に加担した。
  • PA(パブリック・アクセプタンス)とは:原子力発電所や空港、廃棄物処理施設、新技術の導入など社会的影響の大きい事業について、住民や社会全体からの理解と容認=社会的合意を得ること。
  • 「大物記者」として批判的に取り上げられる理由:研究者(吉井博明、飯田哲也、斎藤貴男、田中三彦など)の分析。↓

    ┌──
    ・朝日新聞で原子力政策を肯定的に論じた。
     → その後、電力業界の広報組織に移籍した。
     →「原子力ムラのマスメディア部門」への転身と批判される。
    ・退職後「日本原子力文化振興財団」の常務理事として、電力業界の世論形成戦略の中枢をになった。
     → ジャーナリズムの立場と電力業界の利益擁護との間で「利益相反」が大きい。
    ・岸田とならび、「電力業界と朝日新聞の結節点」としての役割をはたした。
    └──

◆ (3) 元論説主幹・副社長の T・T

  • 経歴:元朝日新聞社論説主幹・主筆。
  • 関わりと批判:退職後、原子力発電を推進する代表的なPR組織である「日本原子力文化振興財団」の理事などに就任。また、電力業界の資金が深く流入しているとされる各種広報・PR媒体や対談企画に登場し、原子力政策を肯定的に方向付ける「論壇形成」に元マスメディア幹部の立場から関与した。こうした点が、東電福島第一原発事故後のマスメディア批判の中で強く指弾された。

◆ (4) 元編集委員の E・Y

  • 経歴:元朝日新聞社編集委員。テレビ朝日の朝の情報番組キャスターとしても著名であった。
  • 関わりと批判:朝日新聞を退職後、電力業界や原子力推進派の広報宣伝活動に深く関わった。とくに、「原子力文化振興財団」が発行、関与する広報誌や、原発推進を意図したマスメディア向けの企画において編集長やナビゲーター役を務め、一般知名度の高さを生かした世論対策(PA:パブリック・アクセプタンス)に加担したとして批判を浴びた。

◆ (5) 朝日系論壇の T・N

  • 経歴:朝日新聞の社員(記者)ではなく、「国際公共政策研究センター」理事長などを務める独立した経済評論家であるが、長年、朝日新聞の論壇時評を担当したり、朝日に頻繁に寄稿したりしていたため「朝日の論調を支えるブレーン」と目されてきた。朝日新聞の論壇、寄稿者としても影響力が強かった。「原子力政策の理論的支柱」として批判される。
  • 関わりと批判:1990年代~2000年代の「構造改革(小泉純一郎政権など)」や「グローバル化・市場原理主義」を肯定的に論じたため、リベラル派の経済学者や労働運動の立場から「新自由主義の太鼓持ち」「格差拡大を容認するエコノミスト」として批判された。

◆ (6) 朝日元科学部の S・T

  • 経歴:朝日新聞で長く原子力政策や科学技術報道を担当し、退職後は「電力中央研究所(電中研)」広報部門、「日本原子力学会」の学会誌編集長や「日本原子力研究開発機構」の広報専門職などを歴任。こうした経歴は「原子力ムラ(推進側)への転身」を問題視する立場から批判されている。
  • 関わりと批判:東電福島第一原発事故以降、「大手の科学部記者がいかに原子力推進側(官僚や学会)の安全神話に取り込まれ、批判的な報道を行わなかったか」という検証が進んだ。退職後に原子力学会や政府系機関の内側に入った経歴は、「ジャーナリズムと規制・推進側の癒着」の典型例として、メディアの独立性を重んじる立場から批判されて当然と言える。

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◆なぜ「朝日新聞」の記者が狙われたのか?
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  • 電力業界とくに「電力の鬼」とよばれた関電の芦原義重(社長1959~70年、会長1970~83年、1987年名誉会長解任)、政界工作をになった内藤千百里[ちもり]◆036◆らが、マスメディア対策において、とりわけ朝日新聞の科学部記者や論説幹部を重用したのには明確な目的があった。

◆「批判的なマスメディア」の牙を抜くため

  • 朝日新聞は元は、原発に対して住民運動寄り、批判的なスタンスを取る記者が多い組織であった。そのため、その組織の「論説主幹」や「論説委員」といった言論の最高責任者を退職後に厚遇で迎え入れることは、現役の記者たちへの強烈な牽制(アナウンス効果)になり、社内の論調をマイルドにコントロールする上できわめて効果的であった。

◆「イエス・バット」のバット(批判)をマイルドにするため

  • 朝日新聞の論説委員らが現役時代に掲げた「安全性に注文をつけつつも、原発推進には賛成する」というスタンスは、電力会社から見れば、ひじょうに好都合であった。「身内の厳しい有識者」というポーズを保ったまま、関電の広報誌やシンクタンクに名前を貸してもらう(社会通念に照らして適切な金額の報酬を支払う)ことで、関電側は「我が社は批判的な元ジャーナリストの意見も聞きながら、安全に万全を期して原発を運営している」という免罪符、隠れみのを得ることができたのであった。
  • ノンフィクション作家であり元読売新聞記者の清武英利氏らの調査報道などでも、これら「元大物記者たちの電力業界への転身」は、日本の原発安全神話をつくりだし、マスメディアのチェック機能をマヒさせた要因、すなわち、原子力ムラ=電力「利益共同体」の一画を形成していたとして厳しく検証されている。

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◆おもな参考図書
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  • 電力業界とくに関電や、政府の原子力推進組織(「日本原子力文化振興財団」など)と深く関わり、批判的な検証や調査報道、告発本などで実名があげられている元朝日新聞の幹部、論説委員、記者らについて、参考となる図書。
  • 以下、一般的なメディア批判、ルポルタージュなどをふくむ。★お奨め

◆発行年が2000年まで

(1) 室田武
 ☆『原子力の経済学――くらしと水土を考える』(日本評論社、1986年新版)。
(2) 槌田敦
 『石油と原子力に未来はあるか――資源物理の考えかた(増補版)』(亜紀書房、1989年)…40年以上前に「原発の破綻」を見抜いた科学的予言書。
(3) 稲垣武
 ☆『「悪魔の祓い方」を教えます――朝日新聞の「世論操作」手口を全解剖』(PHP研究所、1997年)。
(4) 高木仁三郎
 ☆『巨大科学の思想批判』(恒星社厚生閣、1979年)。
 『市民の科学をめざして』(朝日選書、1999年)…絶望的な構造に対抗するための希望の書。

◆発行年が2001~11年

(5) 武田徹
 『「核」論――鉄腕アトムと原発事故のあいだ』(勁草書房、2002年)…「空気(情緒)」が決めていく日本社会の告発。
 『原発報道とメディア』(講談社、2011年)…メディアの「大本営発表」のメカニズム。
(6) 松本哉ほか(週刊金曜日編)
 ☆『「原子力ムラ」の崩壊――利権まみれの原子力政策の正体を暴く』(株式会社金曜日、2011年)。
(7) 森功、伊藤博敏、川端幹人、西岡研介、寺澤有ら
 ☆『誰も書けなかった日本のタブー、原発と山口組と芸能裏人脈編』(宝島社、2011年)。
(8) 三宅勝久
 ☆『日本を滅ぼす電力腐敗』(新人物往来社、2011年)。

◆発行年が2012~19年

(9) 恩田勝介
 ☆『原子力ムラの陰謀――「安全神話」に隠された欺瞞と利権の構造』(ソフトバンク新書)、2012年)。
(10) 一ノ宮美成、高橋篤史、広瀬隆、小出裕章、鈴木智彦、神林広恵ら
 ☆『原発再稼働の深い闇』(宝島社、2012年)。
(11) 伊東光晴
 ☆『原子力発電の政治経済学』(岩波書店、2013年)。
(12)『いいがかり』編集委員会(編集代表:鎌田慧、花田達朗)
 ☆『いいがかり 原発「吉田調書」記事取り消し事件と朝日新聞の迷走』(七つ森書館、2015年)
(13) 小森敦司
 ☆『日本はなぜ脱原発できないのか「原子力ムラ」という利権』(平凡社、2016年)。

◆発行年が2020年~

(14) 山崎雅弘
 『戦前回帰――「大日本病」の再発 増補版』(朝日新聞出版、2021年)…現代の政治状況と歴史の不気味な一致を告発。
(15) 辻田真佐憲
 『「戦前」の正体』(講談社、2023年)…メディアが煽る情緒的な精神論。
(16) 清武英利
 ☆『記者は天国に行けない』(文藝春秋、2025年)。
(17) 青木美希
 『なぜ日本は原発を止められないのか?――「安全神話」に加担した政・官・業・学そしてマスコミの大罪』(文春新書、2023年)…「原子力ムラ」のシステムに切り込む。朝日が道を切り開いた原子力PR広告。著者は大手新聞の記者(記者は2020年4月まで)。
 『それでも日本に原発は必要なのか?――潰される再生可能エネルギー』(文春新書、2026年)…高市政権で加速する原発シフトの闇に迫る。記者職を外されても私は書き続ける!

▼原子力ムラの相関図、『日本と原発』より(C)Kプロジェクト

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◆「関西電力 闇歴史」の中の関連項目
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◆118◆ 佐高信『徹底抗戦』(旬報社、2020年)

  • 関電と原発推進の異常識…美浜2号機事故でエネ庁に反発したが、それを知られると、慌てて謝罪するお粗末な関電幹部。
    ◆002◆
  • 関電の「二・二六事件」…芦原義重・代表取締役相談役名誉会長と腹心の内藤千百里[ちもり]・副社長らの取締役退任決議。
    ◆036◆
  • 関電の反原発町長暗殺指令。
    ◆005◆
  • 電力総連の責任も重い。森山栄治・高浜町元助役と関電幹部との間の原発マネー不正還流。
    ◆018◆
  • 高木仁三郎が語る「少なからぬ誘惑」の一つ、当時の3億円は100億円か。
  • 森山栄治を極悪人にした関電の八木前社長らは、札の付いていないもっとも危険な不良。

◆122◆ 関電と地震研究者の“癒着”

  • 関電と地震研究者の“癒着”、研究者が原子力ムラの一端をになう!
    日本の地震研究のリーダー格であった東大名誉教授が
    関電副社長の“激励と協力を賜って”組織した「古地震研究会」で
    若狭湾で巨大な地震や津波が起こったことはないとしている。

◆131◆←←関西電力 闇歴史→→◆133◆(未)】

◆関西電力 闇歴史◆131◆

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◆美浜原発3号機、蒸気漏れで原子炉を手動停止(2026/5/8)
 2026年12月で運転開始から50年を迎える老朽原発
 高圧タービンの上部カバー「閉止キャップ」に亀裂、減肉
 肉厚測定や部品交換は運転開始以来、一度も行われないまま

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◆高圧タービンのカバーに亀裂、蒸気漏れ、原子炉を停止(2026/5/8)
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◆タービン建屋の温度上昇、原子炉を手動停止

  • 2026/5/8、午前4時8分頃、美浜原発3号機のタービン建屋内の温度が急激に上がったとして警報が鳴り、午前4時10分頃、運転員が監視カメラで高圧タービン付近から蒸気が漏れているのを確認した。
  • その後、午前4時24分に原子炉を手動停止し、午前4時43分に蒸気漏れが止まっていることを確認した。

◆老朽原発が故の減肉と亀裂

  • 2026/5/12、関電は、高圧タービンの上部カバー(タービンを覆う直径40センチ、厚さ2センチの鉄製キャップ)に縦約1センチ、横約8センチの亀裂が見つかったと発表した。作業員が蒸気漏れに気付く約10分前から上部カバーの温度が徐々に低下しており、亀裂から蒸気が漏れ出たとみられる。
  • 関電によれば、漏れでた蒸気は二次系(核燃料に直接は触れない系統)なので、環境への放射能の影響はないとのこと。
  • 今回の蒸気漏れを受けて実施した肉厚測定では、当初20ミリあった厚さが、亀裂があった部分を中心に薄くなっており、破損箇所の周辺は2ミリ以下、もっとも薄いところでは0.8ミリほどになっていた。
  • カバーは二つあり、もう一つのカバー(鉄製キャップ)も厚さ2ミリ以下になっている箇所が確認された。
    →損傷個所の状況…関電プレスリリース
  • 亀裂が見つかった部分は「キャップ」とよばれるカバーの一部で、高圧タービンを設置した際、不要な配管の接続部をふさぐために取り付けられた。高圧タービンには元々カバー内の圧力を均等に保つ配管をつなぐための接続部が標準設計されていたが、建設時に不要となりキャップで接続部を閉止したという。
  • 美浜発電所3号機は建設の際に、車室内両側の圧力を均等に保つための配管(均圧管)を設置する設計の高圧タービンを選定したが、高圧タービン排気管で均圧できる配管設計としたことから、不要となった均圧管の接続箇所を上部車室閉止キャップにより閉止していた。

◆その後の経過

  • 5/22…タービンの一部(蒸気が漏れた炭素鋼製のキャップ)を切り出し、メーカーの工場に運ぶ。そこで顕微鏡で断面を見るなど詳しい調査を行っている。工場の場所については明らかにしていない。
  • 6/1…美浜3号機の定期検査を16日から開始すると発表した。当初は19日を計画していたが、事故を受けて前倒し。
  • 6/16…定検では、過去の点検で減肉で薄くなる傾向が確認されるなどした配管50カ所を耐久性の高い素材に交換する。また、燃料集合体157体のうち73体を取り換える。
  • 6/19…タービン周辺からの蒸気漏れで運転を停止している美浜3号機について、蒸気でタービン内部が削られたことが原因とする調査結果を公表。原子力規制委員会と福井県に報告書を提出した。3号機は16日から定期検査に入っており、対策を施した上で10月中旬の営業運転再開をめざすという。

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◆美浜3号機、これまでの事故、トラブル、定期検査
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  • 美浜原発3号機は、2026年12月で運転開始から50年を迎える老朽原発。
  • 6月中旬から定期検査に入る予定だった。
  • 美浜原発3号機では、2004/8/9に配管が破損し、作業員5人が死亡、重軽傷6名の事故が発生。この事故を受けて配管の厚さを管理する指針を策定していたが、今回亀裂が発生した箇所は指針の対象外だった。

   →関西電力闇歴史 ◆004◆ 美浜3号機で死亡5名、重軽傷6名の重大事故(2004/8)
   →関西電力 闇歴史 ◆071-1◆ 2024/10、配管の穴と減肉(12ミリ→2.7ミリ)で手動停止

  • (敦賀の山本雅彦さんの指摘)2004年の事故の際、関電幹部は「ヤカンと同じで、穴が空いたら修理すればいい」と発言していました。点検を怠り、人身事故が起きても、人の命を部品のように扱う関電幹部の姿勢に、強い憤りを感じたことを覚えています。
  • タービンそのものは美浜原発3号機が運転を開始した1976年から使用されている。カバーは定期的に目視検査をしていたが異常は見つからず、肉厚測定や部品の交換は運転開始以来、一度も行われていなかった。
  • 5年前(2021年)の定期検査の際に、内部などから目視で点検を行ったが、腐食などは確認されなかったため、当時、厚さの測定などは行わなかったとのこと。
  • こんな体制で、50年を迎える老朽原発を動かしているのか !!!(>_<)!!!

◆130◆←←関西電力 闇歴史→→◆132◆

◆関西電力 闇歴史◆130◆

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◆原発関連訴訟において電力会社の無断録音が多発(>_<)
 関電も「法廷内での無断録音が判明」と発表
(2026/5/19)
 遅くとも2014年以降、社内報告書の作成が目的というが?
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(追記、準備中、2026/7/2)

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◆関電の無断録音
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  • 関西電力は5/19、遅くとも2014年以降の関電が当事者の複数の訴訟で、裁判長の許可を得ることなく、法廷内でのやり取りを録音していたことが判明したと発表。社内報告書の作成が目的で、録音データはこの不正問題が発覚する前に削除されていたとのこと。法廷で裁判官の許可なく録音することは民事訴訟規則で禁じられている。
  • 曖昧な関電プレスリリース
    一部当社関連訴訟における法廷内での録音について
     
    「当社が関係する一部の訴訟において、裁判長の許可を得ることなく、法廷内でのやり取りを録音していたことが判明しました。
     本件は、他社が同種の事案を公表したことを受け、当社において調査を実施した結果、遅くとも2014年頃以降、当社が当事者となる一部の訴訟において、社内報告書の作成を目的として、法廷内でのやり取りを録音していたことが確認されたものです。」
  • 関電の上記プレスリリースでは、ルール無視の録音をしていたのは、傍聴席の一画を占めていた関電社員が録音していたのか、弁護士のみ参加の進行協議の内容も録音していたのか、いったいどんな立場の誰が、どんな場面で録音していたのか、主語や明確な場面がいっさい書かれてない p ( `Д´ ) q
  • ただし、20日付朝日新聞は「管理職の一部を含む、複数の社員の関与が確認された」と報道している。
  • また「当社が当事者となる一部の訴訟」とは、どの訴訟なのかも明らかでない。京都地裁の大飯原発差止訴訟が入っている可能性はある。

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◆無断録音は大手電力で蔓延、電事連も
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  • 法廷内の無断録音は、中部電力(5/8)と九州電力(5/18)で明らかになってから、5/19には関西電力、5/20には四国電力、5/21には北陸電力東京電力、5/22には中国電力でも同様の不正があったと報道されている。5/27の報道では、日本原電も(>_<)。6/2には東北電力が。残るは北海道電力のみ。
  • 法廷内無断録音、電力各社につづき業界団体、総本山の「電気事業連合会」でも発覚(6/3)。電力各社が関わる裁判を傍聴していた電事連法務担当の職員およそ10名のうち、3名が無断録音をしていたという! 「録音はいずれも電気事業に関する裁判で行われ、データを元に作成した報告書は加盟する会社に共有された」とのこと(6/3、NHK)。現在の電事連会長は森 望 関電社長
  • 電力業界ぐるみの様相を示している。ずるくて暗い不正まみれの企業群が、目先の利益のために危険極まりない原発を動かしている! 耐えられない状況だ。
  • 電力会社の無断録音が多発している訴訟は、公式には「一部の訴訟」とされ、原発関連訴訟(運転差止、損害賠償)とは明示されていない。しかし、大手電力会社がこぞって不正に名を連ね(不祥事は大手電力のうち8電力、プラス日本原電に拡大)、各地の法廷で社員らしき傍聴者を常に動員しているといえば、原発関連訴訟の他に考えられない。
  • なお、「法廷での録音禁止の決まりが妥当かどうか」については、「原発関連訴訟における電力会社の無断録音が多発している問題」とは切り離した方が良いのでは。録音を指示された社員は可哀想かもしれないが、本稿で問題にしているのは、そこではない。電力業界の法令遵守の姿勢、ルール無視の業務命令を出す責任者、言われた社員が唯々諾々と会社の指示に従っている姿勢は、基準地震動の計算で改ざんを行うことに結びついている。

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◆公開法廷での無断録音にとどまらない問題も
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  • 京都地裁の大飯原発差止訴訟では、公判時には関電関係者とおぼしき10数人(関電社員か管理職か弁護士かは判別不可)が必ず傍聴に来て、傍聴券抽選の先頭あたりをしめ、法廷では、いつも必ず傍聴席の一画を彼らだけの集団でしめていた。録音をしていたのはこの一団の中にいたのか、それ以外の可能性はないのか。公開の法廷で録音していて、非公開の進行協議(閉廷後ほぼ毎回開催)は録音していなかったのか。「報告書作成が目的」なら、公開法廷の録音のほか、より詳細な進行協議の録音もあった方が良かったのでは??
  • 開廷前には、裁判所関係者がいつも必ず録音、撮影をしないように注意していたのに、
    このざまか !!!(>_<)!!!
    さすが関電だな ((( ;゜Д゜)))

◆129◆←←関西電力 闇歴史→→◆131◆

◆被告 関西電力の準備書面(45)の結語

大飯原発差止訴訟[京都地裁]
被告 関西電力の準備書面(45)、2025年9月5日

被告訴訟代理人

小原 正敏 きっかわ法律事務所 パートナー
田中  宏 きっかわ法律事務所 代表パートナー
西出 智幸 きっかわ法律事務所 パートナー
神原  浩 きっかわ法律事務所 パートナー
原井 大介 きっかわ法律事務所 オフカウンシル
森  拓也 きっかわ法律事務所 パートナー
辰田  淳 きっかわ法律事務所 オフカウンシル
坂井 俊介 きっかわ法律事務所 パートナー
畑井 雅史 きっかわ法律事務所 アソシエイト
井上 大成 きっかわ法律事務所 アソシエイト
山内 喜明 山内喜明法律事務所
谷 健太郎 三宅法律事務所 パートナー
酒見 康史 酒見法律事務所
中室  祐 関西電力株式会社
持田 陽一 関西電力株式会社
山本真珠子 関西電力株式会社
高山 裕輔 関西電力株式会社
冨野 聡史 関西電力株式会社

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第9章 結語(p.323)

 これまでに述べたとおり、本件発電所は、福島第一原子力発電所事故後に原子力規制委員会によって策定された新規制基準に適合しており、その安全性は十分に確保されているから、放射性物質の異常放出により原告らの人格権等が侵害されることは考えられない。よって、原告らの本件発電所の運転差止に係る請求は棄却されるべきである。
 また、本件発電所は、新規制基準に適合し、その安全性は十分に確保されており、原告らの生命、身体、健康に対して侵害が発生したり、発生することの具体的危険性が存在したりしたこともない。
 よって、原告らの被告に対する損害賠償請求についても棄却されるべきである。
 なお、被告は、原子力発電所における安全対策の重要性を十分に認識し、今後も、原子力規制委員会から新たな規制要求等があれば、すみやかに応じるなど、本件発電所の安全性を更に向上させるためのたゆまぬ努力を継続する所存である。
以 上
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【注】短い結語の中に、「新規制基準に適合し、その安全性は十分に確保」という表記が2回も出てくる。被告関電は、新規制基準に適合していれば、すべて問題ないと主張している。代理人弁護士の所属は、ネット調べ。

◆関西電力 闇歴史◆129◆

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◆高浜4号機でMOX燃料が異常燃焼か?
 サヨナラ原発福井ネットワーク、若狭ネットが福井県に申し入れ!

 (2025年12月25日)
 「プルサーマル運転を即刻中止させ、原因究明して下さい。
 プルサーマル依存の関電ロードマップの脆弱性と危険性を再認識し、
 これ以上、使用済燃料を生み出さない方針へ転換して下さい。」

【付 ふげん廃炉の「絶望的な綱渡り」―破綻した核燃料サイクルの象徴】
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◆MOX燃料の異常燃焼か?
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  • MOX(モックス。ウラン・プルトニウム混合酸化物)燃料を、ウラン燃料用の原発で燃やすプルサーマル発電を行っている高浜原発4号機で、継続して使用する予定だったMOX燃料の集合体16体のうち8体を、2025年10月の定期検査後、運転再開時に、一転して使用しなかった。
  • 報道では、燃焼度(燃え具合)が制限を上回る恐れがあったのではないかと指摘されている。しかし、関電は、「高浜発電所4号機のMOX燃料に関する報道がされておりますが、装荷されていたMOX燃料に異常が生じた事実はございません。」と否定している。
  • 長沢啓行・大阪府立大名誉教授(生産システム工学、若狭ネット資料室長)の指摘……異常な燃焼が生じていたのではないか。燃料を製造したフランスでの品質管理についても調査すべきだ。
  • 森と暮らすどんぐり倶楽部のブログ」の批判……高浜原発4号機で、プルサーマルのMOX燃料が異常燃焼を起こしているようです。その原因を関電は説明しようとしません。異常な会社と言えます。

【参考】MOX燃料について
◆関西電力 闇歴史◆003◆ 高浜原発用のMOX燃料製造データ改ざんを隠ぺい(1999年)
【付 (10) ◆大手電力がプルトニウムの所有権を交換(2024年2月)
【付 (9) ◆高浜原発のMOX燃料
【付 (8) ◆MOX燃料を使っている原発と不良品多発問題 】MOX燃料を製造しているフランスの工場(オラノ社メロックス工場)の問題
【付 (7) ◆MOX燃料の経済性
【付 (6) ◆MOX燃料の危険性
【付 (5) ◆毎日新聞の連載「迷走プルトニウム」(2022年9月
【付 (4) ◆廃止措置中の東海再処理施設も難題山積
【付 (3) ◆核燃料サイクルと会計問題 …再処理等拠出金法
【付 (2) ◆核燃料サイクルとその破綻–六ヶ所再処理工場の完成延期
【付 (1) ◆MOX燃料をめぐる資源エネルギー庁との交渉

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◆異常燃焼ではないか?福井県への申し入れ
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  • 市民団体のサヨナラ原発福井ネットワーク、若狭ネットは、福井県へ申し入れ書を提出した(2025年12月25日)。この問題をめぐる全体的な状況は、若狭ネットのサイトに詳しい。
  • 若狭ネットのサイトでの解説
    ・毎日新聞(2025年12月17日配信)記事の引用あり。
     記事タイトル…高浜原発4号機で「異常燃焼」か MOX燃料の使用計画に変更 関電
  • 申し入れ書(全文)
  • 「MOX燃料の異常燃焼」の問題は、フランスにおけるMOX燃料の製造、日本の破綻した核燃料サイクルなど、「ふげん廃炉」と共通する問題がある。

【付 ふげん廃炉の「絶望的な綱渡り」―破綻した核燃料サイクルの象徴】
守田敏也さん。2025年12月24日、明日に向けて(2551)
「2025年12月23日午後、福井県敦賀市にある廃炉作業中の「ふげん」(新型転換炉)で、放射性物質トリチウムを含む水約20mlの漏洩が起きました。法令上の報告対象であり、素早く報じられました。
漏れた20mlは養生されたビニールシート内に留まり、3名いた作業員に被曝はなく、施設外への影響もなかったと発表されています。しかし配管内の残量も明らかにされておらず、より深刻な事態が隠れている可能性もあります。」として、ふげん廃炉、MOX燃料、その再処理の問題を指摘。

◆128◆←←関西電力 闇歴史→→◆130◆

◆関西電力 闇歴史◆128◆

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◆関西電力グループで相次ぐ不正!
 「関西電力送配電」有害物質PCBの基準値超え放置、2025年2月発表
 「かんでんエンジニアリング」油漏えい事故で虚偽報告、2025年7月発表
 「かんでんエンジニアリング」警備費用水増しで社員が金品受け取り、2025年10月発表

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◆「関西電力送配電」
 有害物質PCBの基準値超え放置、2025年2月発表
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◆有害物質PCBの基準値超え放置、虚偽報告

  • 関西電力グループの「関西電力送配電」(大阪市北区)は、電柱上の変圧器に有害物質のポリ塩化ビフェニール(PCB)が基準値を超えて混入していたことを把握しながら放置し、国などに虚偽の報告をしていたと発表した(2025年2月3日)。白銀隆之社長の報酬を1か月、30%減額する。
  • 調査にあたったコンプライアンス委員会は社外の弁護士をはじめとする9人で構成し、31人のグループ社員に聞き取りした。調査によると、関電は少なくとも20年以上前から環境汚染や健康被害の恐れがあるPCBが基準値を超えて混入している変圧器の存在を確認していた。こうした事実を認識しながらも、長年この問題を放置していた。問題が起きた原因を「コンプライアンスよりコスト削減を優先する意識が強かった。最終的な責任者である配電部門に対して環境部門が口をはさみにくい風土があった」と認定し、「組織の縄張り主義があった」と結論づけた。

◆変圧器の有害物質PCB混入で長年にわたる放置、虚偽報告

  • なお、関西電力や子会社の関西電力送配電は、長年にわたりPCB混入に対処せず放置していたり、自治体に虚偽の報告をしたりしていた。1998年には既に、環境汚染や健康被害の恐れがあるPCBが基準値を超えて混入している変圧器の存在を確認していた。
  • そして関西電力送配電では、2024年10月にも、変圧器の有害物質PCB混入で国に虚偽報告をしていたことが発覚している。当時の配電部門トップで、虚偽の報告を指示していた高市和明副社長は退任した。白銀隆之社長は「従業員の範たる役員がこのような事態を招いたことを重く受け止め、心からおわび申し上げる」と陳謝していた。→◆116◆

┌─────────────
◆「かんでんエンジニアリング」
 油漏えい事故で虚偽報告、2025年7月発表
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◆油漏えい事故で虚偽報告、担当執行役員は退任

  • 関西電力グループの「かんでんエンジニアリング」(大阪市北区)は、2024年5月に発生した油漏えい事故で、消防署に油の種類について虚偽の報告をしていたと発表した(2025年7月31日)。
  • 虚偽報告を判断した執行役員は、本人の申し出により同日付で退任した。

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◆「かんでんエンジニアリング」
 警備費用水増しで社員が金品受け取り、2025年10月発表
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◆社員13人が警備会社と共謀し費用を水増しし、
見返りに金品や会食接待などの利益供与を受けていた(>_<)

  • 関西電力グループの「かんでんエンジニアリング」(大阪市北区)で、社員が発注先の警備会社と共謀し、警備員数や警備時間を書き換え、工事現場の警備費用を水増ししていた(2025年10月24日発表)。
  • 水増し請求に関与したのは、地中送配電工事に関わる社員13人で、社員12人が、見返りに金品(少なくとも現金600万円)や会食接待などの利益供与を受けていたという。19~24年度に警備員数や警備時間を改ざんし、実際より費用が多くかかったように見せかけていた。水増し額は2023~24年度だけで数千万円に上る見込み。2025年6月、コンプライアンス相談窓口への内部通報で発覚し、社外の弁護士らが調査していた。
  • かんでんエンジニアリングの大久保昌利社長は「コンプライアンス(法令順守)を重視する組織風土が不十分であった。調査を継続して二度とこのようなことが起こらないように全力を尽くす」と陳謝した。大久保社長は経営責任をとって11月から2か月間、役員報酬の月額20%を返納する。
  • 別の警備会社との間でも水増しがあった可能性を含めて、調査は継続している。調査終了後に関係者の処分を検討するとのこと。

◆127◆←←関西電力 闇歴史→→◆129◆

◆関西電力 闇歴史◆127◆

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◆仮処分の審尋 2025/7/11で、関電が傲慢で攻撃的な姿勢!
 関電「原発の運転は、本来行使できる権利であり、自由」
 →いいえ、関電にはそんな権利や自由はありません!
 関電「原告住民側は被害者ではないので、立証責任を負う」
 →いいえ、立証責任の転換は公正な裁判に必須です!

 【付 原発差止裁判の立証責任】
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┌─────────────
◆美浜3号機運転差し止め仮処分
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◆美浜3号機運転差し止め仮処分

  • 福井県の住民10人が2023/1/13、福井地裁に提訴。関電の老朽原発、美浜3号機を動かしてはならないことを求めた。
  • しかし、福井地裁では2024/3/29却下の決定。

◆美浜3号機運転差し止め仮処分の即時抗告審

  • 住民側は、名古屋高裁金沢支部に即時抗告。
  • 名古屋高裁金沢支部では、2025/7/11の第4回審尋で終了。
  • 2025年内には決定が出るか。
  • 関電は、第4回審尋の中で、傲慢で攻撃的な姿勢をあらわにしてきた。
    週刊金曜日 脱原発弁護団全国連絡会(2025年8月7日)

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◆関電の傲慢で攻撃的な姿勢
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◆2025/7/11の第4回審尋において

  • 関電は
    ①「原発を運転することは、本来行使できる権利であり、自由である。」
    ②「抗告人=住民側らを被害者とみなして、立証責任の転換をすべきではない。」
    (抗告人=住民側は被害者ではなく、被害を立証する責任は住民側にある。)
    と主張。
  • これに対して、井戸謙一弁護士は「関電は、今までこのような主張はしていなかった。この姿勢の変化は注意しなければならない」と述べている。

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◆原発運転は、本来行使できる権利や自由ではない!
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◆関電に権利や自由がない理由

  • 原発は事故が起こったときの被害は他の災害に比べて桁違いに大きいので、安全性を最優先にしなければならない。そのため、事業者=電力会社が、一存で決める「権利」や「自由」はない。
  • ①許可・認可制であること…原発は原則的に禁止されており、原子力規制委員会(規制委)が許可(新規制基準に適合)した場合にだけ例外的に運転が認められている。原発の設置、運転には、規制委による審査と認可、および経済産業大臣による認可が義務付けられている。
  • ②法制度による制約…「GX(グリーントランスフォーメーション)脱炭素電源法」のように、原発の活用を促進する仕組みは、既存の法制度の下で行われている。これは、国がエネルギー政策の一環として原発の利用を位置づけているわけで、事業者=関電が自由に選択する権利とは異なる。関電は、国策のお先棒を担がせてもらっているのに過ぎない。
  • ③安全性の確保と規制…関電は、原発の運転において安全性の確保を最優先事項とすべきであり、規制委の厳格な審査と安全基準に適合する必要がある。そのため、自由な運転はできない。安全規制の遵守や地元自治体の理解、さらには法制度の変更に従う必要があり、単純な権利や自由とはいえない。

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◆住民側は被害者であり、立証責任は関電側にある!
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◆住民側は被害者である理由

  • 原発事故の可能性が否定できない以上、住民側は潜在的被害者であり、事故が起こらなくても事故の危険におびえて生活しなければらないことだけでも被害者である。
  • 過酷事故が起こってしまった後でしか、被害を主張できないとすれば、被害の巨大さからして理不尽極まりない。

◆立証責任は関電側にある理由

  • 「住民側=原告が許容限度を超える被ばくの具体的な可能性があることを相当程度立証すれば、電力会社側=被告が具体的な危険がないことを立証しなければ、危険があると推認する」という立証責任の転換は、住民側の負担を減らし、公正な裁判を実現するために不可欠。社会的インフラという公的役割を担う、巨大な電力会社には、資力もあり社会的責任もある。

◆原告の立証ハードル

  • 原発の運転差止めを求める裁判で、立証責任が原告側に課されたり、再転換された場合、原告側には、次のような高い立証ハードルが課せられる。
  • 具体的な危険性の主張・立証: 原告は、原発に安全性を欠く点があることを具体的に主張、立証する必要がある。
  • 訴訟継続中の状況変化: 訴訟が長引く中で、新規制基準の策定や審査結果、また科学的知見の変化などが生じるため、原告はその都度、最新の知見に基づいて安全性の問題を立証しなければならない。
  • 科学的知見の専門性: 原発の安全性をめぐる議論はきわめて専門的であるため、科学的知見をもたない裁判官が判断することの難しさがある。

【付 原発差止裁判の立証責任】
・日本の民事訴訟における立証責任は、元々、原告(原発裁判では住民側)にある。しかし、原発差止裁判では、原子力分野という専門性の高い特殊性を考慮し、原告の立証負担を軽減するため、裁判所の判断によって、実質的に被告である事業者や国側に立証責任が転換されたり、立証の必要性が認められたりしてきた。こうした立証責任の転換、緩和は、多くの公害事件や薬害事件の裁判の中で確立されてきた。
・福島事故後、転用方式を是正した川内原発仮処分宮崎支部決定(2016/4/6)では、立証責任は、事実上被告に転換された。
・その内容は ↓
・被告事業者は、具体的審査基準に不合理な点のないこと、適合判断に不合理な点がないことを主張立証しなければならず、これを尽くさない場合は、具体的審査基準に不合理な点があること、適合判断に不合理な点があることが事実上推認される。
・原告の立証活動は、被告事業者の主張立証に対する反証となる。
・こうした「立証責任の転換」は、その後の伊方仮処分広島地裁決定、伊方仮処分松山地裁決定、広島高裁決定でも採用され、定着するかに見えた。しかし、その後、原告側の立証負担を増加させる“再転換”の判断が出てきている。「基準地震動を上回る規模の地震の具体的危険性は、利益を受ける原告側が主張・疎明責任を負う」などという判決である。
・井戸謙一弁護士は『原発訴訟における立証責任転換論とは』において、“再転換”は「日本の公害裁判の歴史を50年巻き戻し、この50年間の学者、法律家、裁判所の努力を無にする」と言う(下記図解とも)。

◆126◆←←関西電力 闇歴史→→◆128◆

◆関西電力 闇歴史◆126◆

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◆使用済み核燃料の中間貯蔵施設をめぐる関電と福井県の動き

 (まとめ:空約束から実効性なき新ロードマップ…2025年8月まで)
 第一局面…空約束。福井県の要請と関電の空約束
 第二局面…ロードマップ。関電が「絵に描いた餅」のロードマップを提示
 第三局面…新ロードマップ。ロードマップは1年で破綻、すぐに新ロードマップを提示
 【付 GX参考年表、GXサイト、第4次エネ基~第6次エネ基と原発再稼働】
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◆第一局面…空約束
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◆福井県の要請と関電の空約束

  • (1) 福井県が「使用済み核燃料の中間貯蔵施設を県外に」と要請。
  • (2) 関電が空約束を繰り返す。

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◆第二局面…ロードマップ
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◆関電が「絵に描いた餅」のロードマップを提示

  • (1) 県外候補地の多様化と責任分散…フランス、六ヶ所再処理工場、上関町、むつ市。どこも当初から強い懸念のある候補地ばかりだが、関電に直接責任のない候補地ばかり。
  • (2) 県外を前提にしつつ県内貯蔵に道を開く…原発敷地内に乾式貯蔵施設。乾式貯蔵は、満杯に近い燃料プールに空きをつくり、原発運転を継続するための施設。
  • (3) 2024年8月、六ヶ所再処理工場が着工から約30年、27回目の完成延期。完成時期は2026年度中だが、宮下宗一郎 青森県知事「直ちに信頼することはできない」。

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◆第三局面…新ロードマップ
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◆ロードマップは1年で破綻、すぐに新ロードマップを提示

  • (1) 県外候補地の多様化と責任分散により、数字合わせだけでロードマップをすぐに改訂できる。その柔軟性=無責任性が明らかになった。
  • (2) ロードマップ見直しで関電は「実効性がなければ、老朽原発は運転しない」と表明したが、新ロードマップも実効性はなく、関電の約束は守られなかった。
  • (3) 関電は、新ロードマップ発表後、表向きは県外候補地を追及しつつも、事実上、県内での乾式貯蔵に移行していくための具体策を進めている。
    • ①新たな資金提供…関電は杉本知事の姿勢につけ込んで、札束攻勢「新たな資金提供」50億円(原発稼働率で増額)を具体化。
    • ②高浜(第1期分)で乾式貯蔵施設を具体化すること。ただし、六ヶ所再処理工場の規制委審査が進まないことにより、県の建設同意も遅れている。
    • ③美浜でリプレイス…政府の原発支援政策を当てにしつつ、地元の原発推進勢力を納得させるあめ玉。
  • (4) 杉本知事の基本姿勢…「県外だけを主張しているより、見返りがあれば、県内でも構わない」「地域振興という札束と引き換えに県内貯蔵を認める」というのでは?
  • (5) 関西電力は使用済み核燃料を2035年までに搬出できない場合は「使用済み核燃料プールに戻す」との方針を示しており、地元自治体から反発が相次いでいる。この件を巡り、美浜町議会原子力発電所特別委員会は「立地目線を意識し、配慮ある対応」を求める要望書を関電の高畑勇人原子力事業本部長代理にに提出した(2025年10月2日)。要望書は原発の反対派、推進派が一致しての内容。ただし、町議会としては「35年末までに搬出を始めると確認したので、プールに戻すという文言の撤回や修正は求めず、今回は了解する」とのこと。


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【関連項目】
・原子力政策の推移と市民の運動、参考年表など→◆原発関係裁判(3)
・新ロードマップ→◆121◆
・新旧ロードマップ図解の対照→◆119◆
・ロードマップが破綻→◆114◆
・中間貯蔵施設をめぐる空約束→◆012◆
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・この項の全体のPDFファイル[198 KB]
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【付 GX参考年表】
………(岸田文雄首相、2021年10月4日~2024年10月1日)
・2022年7月GX実行会議の初会合を開催。脱炭素社会の実現をめざすGX(グリーン・トランスフォーメーション)を検討。首相は電力の安定供給確保に向け、まず原子力発電所の再稼働などの具体策を示すよう指示した。なお、GXとは、化石エネルギーに依存している経済・社会・産業の構造を、非化石エネルギー中心の構造に移行させるための改革で、「カーボンニュートラル」や「脱炭素」の実現をめざすとされる。
・2023年2月…「GX実現に向けた基本方針」を閣議決定。原発の新増設(「次世代革新炉への建て替え」)、原発の最大限活用を明記。エネルギーに関する世界的、国内的な危機に対応し、脱炭素も同時に実現するには原発の復活が不可欠として、第6次エネルギー基本計画に記載のある「原発依存度を可能な限り低減する」は消えている。
・2023年5月…原子力基本法、電気事業法、原子炉等規制法、再処理等拠出金法、再生可能エネルギー特別措置法の5本の法改正を束ねた「GX脱炭素電源法」が成立(他にGX推進法も成立)。「原則40年、最長60年」の運転期間の規定を原子炉等規制法から電気事業法に移し、運転延長を経済産業相が認可する仕組みに変更。
………(石破茂首相、2024年10月1日~2025年10月21日)
・2025年2月第7次エネルギー基本計画(エネ基)の閣議決定。「原発依存度を可能な限り低減する」とした第4次エネ基(2012年末に誕生した第二次安倍晋三政権、2014年4月)~第6次エネ基(2021年10月)までの表記を削除、原発回帰の姿勢を鮮明にした。原子力は、電源構成のうち約20%をしめるという目標を掲げた。
・2025年6月…GX脱炭素電源法が全面施行。原発運転60年超が可能になる。
・2025年8月…巨額の電源投資を支援する長期脱炭素電源オークション(2024年1月開始)で、ガイドラインを改訂。原発の新増設を支援する体制がつくられている。
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【付 GX サイト】→自然エネルギー財団「GXの原発新増設は現実的なのか?
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【付 第4次エネ基~第6次エネ基と原発再稼働】
・第4次エネ基…2014年 4月閣議決定。原発依存度は省エネ・再エネなどにより「可能な限り低減」とし、原子力についての具体的な数値目標は明記されていない。しかし、原子力は「重要なベースロード電源」とされたために、原発の再稼働が不可欠となり、規制委は40年超えの老朽原発をふくめ、次々と原発の再稼働を進めるようになった。
・第5次エネ基…2018年7月閣議決定。「2030年のエネルギーミックスにおける電源構成比率」として、原発の発電量構成比20~22%の実現をめざすとされた。その目標達成のため、原発の再稼働が進んだ。
・第6次エネ基…2021年10月閣議決定。第5次と同じく、「2030年度時点における電源構成上の見通し」として原発は20~22%程度を見込む。
・第7次エネ基…(上記「GX参考年表」2025年2月の項を参照のこと)
 
・原発再稼働
以下の原発再稼働の経過は「東京電力福島第一原発事故後の原発再稼働と差止裁判の提訴(2011~2014年)」から続く。2014年以前の経過はそちらを参照のこと。
全体をまとめた経過は「東京電力福島第一原発事故後の原発再稼働をめぐる経過[127 KB]」。
各原発の再稼働年月日、稼働年数(40年超えの老朽原発かどうか)→資源エネルギー庁「原子力発電所の現状
【2014年】
………(安倍晋三首相、2012年12月26日~2020年9月16日)
………(2014年 4月、第4次エネ基の閣議決定)
8月…川内原発1号機(新規制基準施行後としては初の再稼働)
10月…川内原発2号機
【2016年】
1月…高浜原発3号機
2月…高浜原発4号機
8月…伊方原発3号機
【2018年】
3月…大飯原発3号機
3月…玄海原発3号機
5月…大飯原発4号機
6月…玄海原発4号機
………(2018年7月、第5次エネ基の閣議決定)
………(菅義偉首相、2020年9月16日~2021年10月4日)
【2021年】
6月…美浜原発3号機(福島事故後、40年超の老朽原発の再稼働は初)
………(岸田文雄首相、2021年10月4日~2024年10月1日)
………(2021年10月、第6次エネ基の閣議決定)
【2023年】
8月…高浜原発1号機
9月…高浜原発2号機
………(石破茂首相、2024年10月1日~2025年10月21日)
【2024年】
11月…敦賀原発2号機、審査に不合格(唯一の例外)
11月…女川原発2号機。東電福島第一原発事故後、初めて再稼働するBWR(沸騰水型)
12月…島根原発2号機。BWR
………(2025年2月、第7次エネ基の閣議決定)
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◆125◆←←関西電力 闇歴史→→◆127◆

◆関西電力 闇歴史◆125◆

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◆明石昇二郎『敦賀湾原発銀座[悪性リンパ腫]多発地帯の恐怖』(1994年)
 敦賀原発10キロ圏内で、冬季風下地域の対岸3集落では、
 悪性リンパ腫による死亡者発生率は、全国平均の12.22倍(>_<)
 10キロ圏に美浜原発をかかえる関電も抗議文をだす!

【付 玄海原発と白血病】
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[1]週刊誌で『敦賀湾原発銀座[悪性リンパ腫]多発地帯の恐怖』の連載
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◆週刊プレイボーイ誌に記事を連載

  • 1994(平成6)年、週刊プレイボーイ誌(集英社)は、ルポライターの明石昇二郎さんによる『敦賀湾原発銀座[悪性リンパ腫]多発地帯の恐怖』という記事を、11/22号(11/8発売)から4回に分けて連載した。
  • 記事の内容は、原発が多数立地する若狭湾近辺で、悪性リンパ腫、白血病、甲状腺がんなどの放射線被ばくと因果関係が指摘されている病気が発生しているという噂が地域住民の間で広がっている。そこでこの噂が真実であるか、否か、という疫学調査を、1994年夏に実施した結果を示している。
  • なお、悪性リンパ腫と白血病とは同じような病気にみられるが、統計上、別々に集計され、別の疾病とされる。悪性リンパ腫はリンパ系の腫瘍化で、白血病は白血球の顆粒球の腫瘍化。

▼週刊プレイボーイ 1994/11/22 第29巻 第44号 No.47(11/8発売)

◆記事の内容

  • 調査にあたっては、疫学の専門家の意見を聞いたり、人口動態について福井県に問い合わせたり、各方面の協力を求めている。しかし、県の協力はまったく得られなかった。
  • 調査の結果では、調査区域内(日本原電の敦賀原発から半径10キロ圏内)では、全国平均よりもはるかに上回る平均値で、悪性リンパ腫が発生していたというものであった。なお、敦賀原発1号機は、1970/3に営業運転開始、2015/4に廃止。
  • 悪性リンパ腫の患者は、敦賀半島の対岸、それも冬場の風下に当たる地域に集中している。敦賀原発10キロ圏内で、冬季風下地域にあたる対岸の3集落では、過去3年間(1991~93年)の悪性リンパ腫による死亡者発生率が、全国平均の12.22倍という、恐るべき数値を示した。
  • なお、調査区域(敦賀原発の半径10キロ圏内)は、敦賀半島の大部分(関電の美浜原発、水晶浜などを含む)、敦賀湾の対岸に及ぶ。

▼敦賀原発10キロ圏(地理院地図に加筆)

『敦賀湾原発銀座[悪性リンパ腫]多発地帯の恐怖』改訂・増補版、明石昇二郎著、2012年、宝島SUGOI文庫(1997年、技術と人間から刊行の同書名の改訂・増補版)。調査区域の地図、調査方法(個別訪問と面接)、調査結果などの詳細を掲載。本項「関西電力 闇歴史◆125◆」全体が、おもにこの本による。さらにくわしくは、こちらで。

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[2]記事に対する異様な反発
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◆各方面からの反応

  • 週刊プレイボーイの連載記事には、各方面から反応があった。とくに地元福井県庁、栗田幸雄県知事を中心として異様な反発を呼び、週刊プレイボーイ誌側との間で論争を呼びおこした。敦賀原発を運転していた日本原電や、日本原電と関係の深い関西電力も記事に反応した。
    (→◆030◆「関電とゾンビ企業・日本原電との腐った関係」)

◆地元福井県庁、栗田幸雄県知事の異様な反発

  • 11月8日、プレイボーイ誌発売。『敦賀湾原発銀座「悪性リンパ腫」多発地帯の恐怖』第一回「ガン患者激増の噂を追って」の記事が掲載。
  • 11月11日午前、福井県の栗田幸雄知事が記者会見で「記事は科学的根拠がない」として、プレイボーイ誌編集長と現地取材したルポライターに抗議、記事の訂正を求める。
  • 11月11日、栗田知事が午前中に記者会見を開いた後、知事の命を受けた県職員2名がすぐさま特急と新幹線を乗り継いで、おまけに地元テレビ局のテレビカメラまで引き連れて、東京の集英社本社に乗り込んだ。マスコミ受けを狙ったパフォーマンスであった。

【参 考】
「県・国(行政)の対応の事実経過一覧表」は、下記のPDF p.62に詳しい。
 
『<原子力発電所をめぐる世論形成と噂 ――プレイボーイ誌の「悪性リンパ腫多発記事」に起因する論争の分析――』 (三隅譲二、中川康)[リンク切れ]

◆事前に求めていたコメントは無視

  • プレイボーイ誌特別取材班では、この調査結果を掲載する2週間前に、この地域に原発をもつ日本原電や関西電力、通産省、「ふげん」「もんじゅ」をもつ動燃〔動力炉・核燃料開発事業団〕とその動燃を監督する科学技術庁、それに「人口動態統計」をまとめている厚生省、環境庁などに対し、今回の調査で得たデータのブライバシーに関する情報以外の部分をすべて提供し、コメントを求めていた。
  • しかし、事前に求めていたコメントへの対応は、以下のように木で鼻をくくったものであった。
  • 日本原電…広報部・大森佳軌副長「特にこれについて、あまり甲し上げるわけにはいかない。専門家にお聞きしたほうがいいのでは。コメントは差し控えたい」
  • 関西電力…地域共生本部報道グループ・山中隆副長「御社で行った調査に関して、当社はコメントする立場ではこぎいませんから」

◆福井県の反発に続き、日本原電と関電から抗議文

  • 11月15日、日本原電(敦賀原発)、関西電力からの抗議文が編集部に届く。お互い運絡を密に取りあっていたのか、その内容は酷似。
  • 事前に求めていたコメントは完全に無視していたのに、週刊誌で大きく報道され、福井県が素早く抗議に動くや、遅れじとばかり抗議文を送りつけてきた関電や日本原電の対応は、不自然としか言いようがない。
  • 日本原電からの抗議文の全文は、宝島SUGOI文庫(p.110~112)に掲載。
  • この抗議文をうけての明石昇二郎さんと関西電力地域共生本部報道グループ・山中隆副長との電話でのやりとりが、宝島SUGOI文庫(p.113~124)にくわしい。

【付 玄海原発と白血病】

 玄海原発(九州電力)の30キロ圏にある壱岐市では、白血病死亡率が原発稼働後、約6倍に増加したと、『壱岐新報』が報道している。なお、「玄海原発 白血病」で検索すれば、下記のような原発を原因とする主張のほか、原発とは無関係とする主張(九州電力など)もでてくる。
「玄海原発と白血病」森永 徹(元純真短期大学・健康科学)[リンク切れ]


▲玄海原発と壱岐市の位置関係
内部被ばくを考える市民研究会」(旧ウェブサイト)より

(1)「壱岐新報」社説:2019.2.20
高い白血病死亡率、玄海原発の影響か
身体への影響は皆無なのか → こちら および「次の記事
 
「県福祉保健部によると、玄海原子力発電所(佐賀県玄海町)周辺に位置する県北地域を中心に、玄海原発稼働後から成人T細胞白血病(以下ATL)による死亡率が高いことがわかった。」
「放射性物質の放出になるトリチウム(放射性水素)は、体内に入ると白血病を誘発するとされる。玄海原発は全原発の中で最もトリチウムの放出量が多く、全国1位だ。」
(2)「壱岐新報」社説:2019.3.05
原発稼働後、約6倍に増加 → こちら
 
「対10万人数の白血病死亡率は、玄海原発稼働前と後とでは6から7倍に増加」

◆124◆←←関西電力 闇歴史→→◆126◆

 

◆原発関係裁判(3)…最新の状況とこれからの運動

(2025/8/28 現在)

┌──【目 次】───────
[1]最新の状況(2025年8月~)
 ◆2025/8/27、川内原発、控訴棄却
[2]原子力政策の推移と市民の運動
 ◆3.11以後の原子力政策
 ◆2022年からの転換
 ◆「乾式貯蔵の高浜」
 ◆「新増設の美浜」
 ◆原発のない社会を実現するために
└─────────────

【参考リンク「原発関係裁判(1)…3.11以前からの概況」→こちら
参考リンク「原発関係裁判(2)…2025年(7月末現在)の状況 」→こちら
 

┌─────────────────────────────────
[1]最新の状況(2025年8月~)
└─────────────────────────────────

◆2025/8/27、川内原発、控訴棄却

  • 概 略
    ・川内原発設置変更許可処分取消訴訟(行政訴訟)、福岡地裁。
    ・九州電力の川内原発(1、2号機)。薩摩川内市。
    ・2019/6/17、福岡地裁で原告敗訴→福岡高裁で控訴審。
    ・2025/8/27、福岡高裁で控訴棄却。
    ・原告は、巨大噴火(破局噴火)による広範囲の火砕流など、火山問題のみを争点とした。しかし判決は、新規制基準の「火山ガイド」やそれによる審査の合理性を認めて、原告の控訴を退けた。

┌─────────────────────────────────
[2]原子力政策の推移と市民の運動
└─────────────────────────────────

◆3.11以後の原子力政策

  • 原発依存度は可能な限り低減
    ・東京電力福島第一原子力発電所事故(2011.3.11~)の反省に立ち、原発依存度は可能な限り低減させていく。
    ・再生可能エネルギーの拡大をめざす。

◆2022年からの転換

  • 原子力「依存度低減」から「最大限活用」へ
    ・岸田文雄内閣は、2022年「GXグリーン・トランスフォーメーション実行会議」の初会合を開催。脱炭素に名を借りて原発政策の転換を始める。
    ・2023年、「GX実現に向けた基本方針」を閣議決定し、原子力推進政策へ転換。2023年にGX脱炭素電源法が成立、2025年に全面施行された。老朽原発の40年超え運転が常態化している。
    ・脱炭素に名を借りた原発推進の実態化のため、第7次エネルギー基本計画を閣議決定し、原子力の最大限活用を明記している。
    ・政府は様々に原発支援政策を展開している。その一つが「長期脱炭素電源オークション」。これは脱炭素に名を借りた原発優遇制度で、名前だけでは再エネを普及させる制度にみえるが、実態は原発支援のための制度となっている。
    ・また、原発建設の費用高騰を懸念する電力会社を支援するために、建設費や運転維持費が上昇した場合、その費用の多くを電気料金で負担させようとしている。原発をもたない新電力の契約者にも、原発建設の費用を負担させようという、理不尽な制度といえる。
  • 関西電力は「乾式貯蔵の高浜」と「新増設の美浜」で原発依存
    ・関電は、政府の原子力政策のお先棒を担ぎ、原発推進の先陣をきっている。

┌─────────────
・GX参考年表→関西電力 闇歴史 ◆126◆
GX参考サイト→自然エネルギー財団「GXの原発新増設は現実的なのか?
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◆「乾式貯蔵の高浜」

  • 高浜原発では乾式貯蔵
    ・関電では、使用済み核燃料がプールで満杯になり、原発を止めざるを得ない状況が迫る。それを避けるために、使用済み核燃料をプールから出して、乾式貯蔵施設に移行する準備をすすめてきた。2025年、規制委も高浜原発での設置を許可。乾式貯蔵は、原発の運転を続けるための方策であり、中間貯蔵施設や再処理施設が実現不可能に陥っているための窮余の策に過ぎない。
    ・乾式貯蔵はプールで貯蔵するより安全だという意見もあるが、それは正しくない。プールで長期に保管されてきた使用済み核燃料の一部が乾式貯蔵施設に移された後には、発熱量も放射線量も桁違いに高い新しい使用済み核燃料が入ることになり、危険性はかえって高まる。そして、原発運転が継続される。
    ・関西電力は、高浜原発の乾式貯蔵施設の2025年内着工を見送り、2026年着工、完成を2028年ごろと変更。

◆「新増設の美浜」

  • 美浜原発では新増設
    ・関電は2025年、美浜原発の新増設(リプレース)に向け、中断していた地質調査などを再開する方針を表明している。
    ・また、「老朽美浜原発3号機運転禁止仮処分」抗告審第4回審尋期日(2025/7/11、名古屋高裁金沢支部)において、「原発を作り運転する企業の自由」「抗告人(=申立人)は被害者ではない(被害者になってから文句を言え)」などと発言した。東電福島第一原発事故を体験してからの主張とは思われない。

◆原発のない社会を実現するために

  • 原発訴訟の現状
    ・政府の原子力政策の転換という状況の中、2022年の泊原発廃炉訴訟の勝訴以降は、原告敗訴が続いている。
    ・裁判所は自ら司法の役割を放棄し、行政に追随しているようにみえる。東電福島第一原発事故の事故は、裁判所が自らの役割を果たさなかった結果ではないか。裁判所は、今また、次の原発事故の発生に加担するのか、責任が問われる局面にある。
  • 原子力政策、矛盾の深まり
    ・東電福島第一原発事故の収束、廃炉の行方はまったく見通しがない。2011年以来の「原子力緊急事態宣言」は、今も継続されている。汚染水放出、除染土の全国拡散、クリアランス金属(廃炉に伴う一定基準以下の金属)の再利用などは、放射線汚染を全国に広める危険性がある。
    ・六ヶ所再処理工場は完成せず、核燃料サイクル、再処理計画は頓挫し、展望がなくなっている。原発から出てくる使用済み核燃料の処理は、最終処分場はおろか、中間貯蔵施設にも目処が立たず、原発敷地内の乾式貯蔵で当面の破綻を回避している。目先の危機を回避することだけに精一杯の綱渡り状況となっている。
    ・2024年の能登半島地震をみれば、原発に対する地震のリスクはより深刻になり、避難計画の破綻は明確となった。
    ・一方、原発なしでも、電気は足りている。2013年9月から2015年8月まで2年近く、日本は原発ゼロであった。
  • 原発のない社会を実現するには
    ・裁判闘争では、法廷での理詰めの告発とともに、多数の市民が裁判に注目していることを示す運動と世論が求められる。運動と世論で裁判所と裁判官を包囲していこう。
    ・しかし、裁判闘争にとどまらない運動と世論も決定的に重要になっている。原子力政策の行き詰まりを訴え、再生可能な自然エネルギーに依拠し、省エネに徹した社会を訴えていこう。あらゆる選挙で原発に反対する勢力を大きくしていこう。
    ・「老朽原発うごかすな!実行委員会」(ニュースやチラシなど→こちら)から報告されているように、原発立地地域では、原発への不信や拒否の声は表面には出にくいものの、実際にはたくさんある。とりわけ老朽原発や原発新増設へ不安の声は大きい。電気の大消費地である大都市では、遠隔の過疎地に危険な原発を押しつけている現状をかえりみるときがきている。立地地域も消費地域も手を携えて、巨大な人権侵害をもたらす原発と決別していきたい。

(以 上)