関西電力 闇歴史」カテゴリーアーカイブ

◆関西電力 闇歴史◆082◆

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◆青森県六ヶ所村で核燃料サイクル推進!
 関電小林庄一郎社長が電事連会長として県と村に立地を要請、
 地方を見下して尊大にふるまう(1984年)

 【付 電事連の核燃料サイクル、新聞広告】
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[1] 1984年、青森県と六ヶ所村に核燃料サイクル施設立地を要請
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 電気事業連合会(電事連)が核燃料サイクル施設の建設立地を六ヶ所村と決定し、核燃料サイクル3施設の立地を青森県と六ヶ所村に受け入れを要請したのは、1984年7月27日。当時の電事連会長は、関西電力社長の小林庄一郎。

【参考:核燃料サイクル3施設】
① 再処理工場…1993~未完成(1993年4月28日着工、当初完成予定は1997年)。総事業費は、当初発表されていた7600億円から、14.44兆円(2021年時点)に膨れ上がっている。2022年9月には、26回目の竣工延期、完成予定は未定となっている。(核燃料サイクルとその破綻◆003◆
② 低レベル放射性廃棄物埋設センター…1990~1992
③ ウラン濃縮工場…1988~1992

現在はさらに追加

④ 高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センター…1992~1995
⑤ MOX燃料工場…2010~未完成。2020年12月7回目の竣工延期、完成予定は2024年度。最初に燃料が加工できるようになるのは25年度で、年間の加工可能量をプルトニウム量で原発1基分にあたる0.6トンと計画している。(MOX燃料の危険性、経済性◆003◆

【参考:小林庄一郎】
1947年 関西配電(現・関西電力送配電株式会社)に入社
1984年6月~1985年12月電気事業連合会会長
1977年に関西電力社長、1985年に会長
1987年、関電の最高実力者で代表取締役名誉会長の芦原義重氏と腹心の内藤千百里(ちもり)副社長を電撃解任(関電二・二六事件)(→◆036◆
1997年相談役、2002~15年6月顧問、2020年死去

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[2] 小林庄一郎・電事連会長の認識
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(1) 彼は、84年9月、朝日新聞青森支局のインタビューに答えて、この土地の印象を次のように語っている。佐野眞一著『日本のゴミ−豊かさの中でモノたちは』(講談社、1993、p.322-323)より。

「仙台以北は生まれて初めて行きました。六ヶ所村のむつ小川原の荒涼たる風景は関西ではちょっとみられない。やっぱりわれわれの核燃料サイクル三点セットがまず進出しなければ、開けるところではないとの認識を持ちました。日本の国とは思えないで、よく住みついてこられたと思いますね。いい地点が本土にも残っていたな、との感じを持ちました。人口稠密地区から離れ、港湾施設なんかもできつつあるし……」

「これは広いところですなぁ、私は関西ですから、非常にゴチャゴチャした海岸線…人家が急密なところばっかりありますんで、こういう土地があるというのは初めてみました。びっくりしました。良いところがありましたなぁ」

(2) また、以下は、坂本龍彦著『下北・プルトニウム半島』(朝日新聞社、1994、p.38)より
「六ヶ所村のむつ小川原の荒涼たる風景を見て、われわれの核燃料サイクル三点セットがまず進出しなければ、開ける所ではないとの認識を持った。日本の国とは思えないくらいで、よく住みついてこられた、と思う。いい地点が本土にも残っていた。人工稠密地点から外れ、港湾施設も作られつつある。」

(3) これらは、典型的な夜郎自大(やろうじだい)の発言といえる。夜郎自大とは、自分の力が大きいことを見せつけ自慢して相手を見下し、尊大に振る舞う様子。都市部の人間が地方を見るときの見下げた視線のこと。

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[3] 1985年、青森県と六ヶ所村が受入を回答
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(1) 1985年3月。電力業界が「原子力燃料サイクル基地」建設のために「日本原燃産業株式会社」を発足させる

(2) 1985年4月。県(北村正哉知事)及び村は、受入を正式に回答

【参考:日本原燃株式会社(日本原燃)】
・1980年、日本原燃サービス株式会社、核燃料サイクルの商業利用を目的に設立
・1985年、日本原燃産業株式会社、核燃料サイクル施設建設を目的に設立
・1992年、日本原燃サービス株式会社と日本原燃産業株式会社とが合併して、日本原燃株式会社となる。
・日本原燃は、六ヶ所村の核燃料サイクル5施設などを建設、運営。主要株主は、東電など大手電力9社および日本原電(→◆030◆)。会長と社長の多くが東電の出身

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【付 電事連の核燃料サイクル、新聞広告】
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(1) 電気事業連合会(電事連)は、早くから核燃料サイクル、プルトニウム利用を推進していた。地域独占下の個別電力会社では出しにくい全国紙への広告を、電力会社の総意として打ち出した。1983年の広告時点からすでに40年。核燃料サイクルは未だに実現していないどころか、その破綻が明白になっている。電事連としての総括はないのか。社会に向けて、きちんと発信すべきことがあるのではないか。

(2) 参考図書としては、本間龍著『原発プロパガンダ』(岩波新書、2016年)。参考サイトとしては、「天野祐吉のあんころじい」。

▼朝日新聞、1983/4/12。「着古したセーターでもちょっと手を加えれば新品同様。ウラン燃料もくり返し使えます」。この広告当時の電事連会長は、平岩外四(東電)

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▼朝日新聞、1985/7/28。「ウラン燃料は再処理をして繰り返し使える」。この広告当時の電事連会長は、小林庄一郎(関電)

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◆081◆←←関西電力 闇歴史→→◆083◆

◆関西電力 闇歴史◆081◆

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◆火力発電所で環境汚染
 舞鶴の火力発電所で、石炭が海へ落下
 赤穂の火力発電所で、環境基準超えの汚水が海へ流出
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[1] 舞鶴の石炭火力発電所で
 石炭が海へ落下(2021年2月)
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・2021年2月7日、舞鶴の石炭火力発電所(京都府舞鶴市)において、石炭船からサイロへの石炭の運搬作業中に、受入コンベア横の通路に石炭がこぼれ落ちているのを発見し、当該通路のグレーチング箇所から、一部の石炭が海(揚炭桟橋と発電所間の海上)に落下していることを確認したという。

・コンベア内に何らかの理由で石炭が多量に堆積し、溢れ、こぼれ落ちたものと推測。海に落下した石炭は少量としている。

・関電は「深くお詫び申し上げます」と陳謝。
詳しくは→こちら

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[2] 赤穂の石油火力発電所で
 環境基準超えの汚水が海へ流出(2022年7月)
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・2022年7月26日、関電の赤穂火力発電所(兵庫県赤穂市)から汚水約30立方メートルが海に流出した。

・ボイラーに送る空気を加熱するための器具を洗浄した際、排水処理装置に送水する配管の亀裂から、排水の一部が雨水系統に流出し沈砂池から海へ。作業員は流出を防ぐため、海へつながるゲートを閉めたが、付着した貝などによって完全に閉まらず、隙間から流出したという。周辺海域の鉄や亜鉛などの含有量が、一時、環境基準を超えた。

・関電は「深くおわび申し上げます」と陳謝。調査結果を県などに報告し、再発防止に努めるとしている。

・8月16日、調査結果と今後の対応などを発表。
詳しくは→こちら

◆080◆←←関西電力 闇歴史→→◆082◆

◆関西電力 闇歴史◆080◆

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◆石炭火力発電を推進する関電、
 仙台パワーステーションで、アセス逃れ、消極的な情報公開のほか、
 自己短期利益最優先、住民無視、被災地感情無視のビジネスモデル!
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・大手電力会社は地域独占体制の下(総括原価方式◆036◆)、経産省の支援により、一貫して大規模集中型の発電システムを拡大させ、固定資産と売電量を最大化させてきた。原発の増設を進めつつ、石炭火力の発電量も増加させてきた。関電も、そうした方向の一翼を担ってきた、というか、その先頭を走ってきている。

・関電の石炭火力発電の問題を告発したのが、2017年9月提訴の仙台パワーステーション(仙台PS)操業差止訴訟。周辺住民ら124人が運転の差し止めを求めた。仙台PSは、2014年9月に設立された発電会社で、1日当たり約900トンの石炭を消費し、微小粒子状物質(PM2.5)やばいじんなどを排出している。株式会社関電エネルギーソリューション(関電が100%出資する子会社)と、エネクス電力株式会社(伊藤忠商事の孫会社)が出資。2022年3月現在、仙台PSの代表は、砥山浩司 関電エネルギーソリューションの取締役執行役員電力本部長。

・仙台PS操業差止訴訟の原告でもあった明日香 壽川さん(あすか・じゅせん、東北大学教授)の『グリーンニューディール』(岩波新書)や、下記に詳しい。

【Webサイト】
仙台パワーステーション訴訟関連資料 → こちら
仙台パワーステーション操業差止訴訟 → こちら
仙台パワーステーション株式会社 → こちら
仙台パワーステーション石炭火力発電所の発電開始への抗議 → こちら
石炭火力発電所の建設 – 日本共産党 仙台市議団 → こちら

【YouTube】
よくわかる仙台パワーステーション操業差止訴訟(14分)→ こちら

・裁判の結果は、2020年10月に一審判決で敗訴、2021年4月、二審も敗訴。電力は余っており、かつ首都圏に送るのに、仙台PSは発電所として公共性を持つという判決文は間違っている。しかし、地裁判決では、情報公開への消極性など公害防止協定違反を認めた点、「被告は、本件発電所の運転を継続する限り……最善の公害防止対策を実施して良好な環境の保全に尽くすなど、環境汚染による地域住民の不安を解消するよう努める社会的責任を負うものであることを、最後に付言する」とした点などは、判決の積極面として評価できるという指摘もある。
(→ こちら

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◆住民の声(1)
 仙台パワーステーション発電所。
 電力は首都圏へ、利益は関西へ、汚れた空気だけ被災地に
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福島かずえ、2018年。The PhotoVoice Project|仙台市 → こちら

 被災地では、離れざるを得なくなったふるさと、住み慣れた地域、そして隣人との思い出を何かに残そう、新たにつなげようと今もなお、努力する人々がいる。
 一方、資本・大企業は惨事に便乗し利益をあげようと、そうした被災地の安い土地に時代遅れの石炭火力発電所を次々に建設しようと集まって来る。
 国も、石炭火力発電を原発とともにベースロード電源に位置付け後押ししている。
 仙台パワーステーション発電所は関西電力と伊藤忠商事の関連会社がつくった環境アセスメント逃れの小規模発電所。
 4キロメートル圏内には23も学校があるというのに。地元東北電力の火力発電はLNG(液化天然ガス)を燃料にしているというのに。
 遠い被災地だから、「あっちのほう」だからできることなのか…。被災地ではいっそう大きく、悲しみと怒りが渦巻いている。

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◆住民の声(2)
 仙台港の石炭火力発電所建設問題を考える会。
 悪臭・大気汚染・粉塵による窓や室内の汚れなどに悩まされる日々
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仙台港の石炭火力発電所建設問題を考える会こちら
 ↓【転載・シェア大歓迎】(2022年9/15)
 2017年10月1日、関西電力と伊藤忠商事の関連会社、仙台パワーステーション株式会社は、地域住民などによる5万近い反対署名や原告124名による提訴をあざ笑うかのように、仙台パワーステーション(仙台PS)の営業運転を開始しました。以来、多賀城市・塩釜市や仙台市宮城野区、七ヶ浜町などでは、悪臭・大気汚染・粉塵による窓や室内の汚れなどに悩まされる日々が続いています。定期点検などで1ヶ月ぐらい運転休止が続くと、床も汚れず、洗濯物も外干しできて、ホッとするという声が多く聞かれます。
この5年間、仙台PSの煙突から出る煙を見るだけで、ユウウツになる、ウンザリするという声もたくさん寄せられています。
 仙台パワーステーションの早期閉鎖を求めるとともに、レノバ社などによるバイオマス火力発電所の建設工事、住友商事によるバイオマス火力発電所の本格着工開始にも抗議します。
仙台港の空を、蒲生(がもう)の空をこれ以上汚すな!
蒲生干潟の生物・生態を脅かすな!
石炭火力で、気候危機の深刻化に加担するな!

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◆「気候ネットワーク」の報告
 仙台PSは汚染排出データの開示に転じたが
 旧式の低効率技術を採用し、汚染排出も既存発電所に比べて最大で10倍!
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気候ネットワークの報告(2016/10/12)が実情を明らかにしている → こちら

・仙台パワーステーションの発電性能は、石炭火力発電技術のうち、1950年代から導入されている、低効率で最も古い「亜臨界圧(Sub-C)」という技術。途上国でも導入すべきでないとされる旧式の技術。
・汚染排出データの窒素酸化物量とばいじん量の数字は、他の小規模石炭火力発電所(名古屋第二発電所)と比べて、それぞれ5倍、6倍。また、硫黄酸化物濃度、ばいじん濃度は、2009年より稼働している既存の石炭火力発電所(磯子発電所新2号機)の10倍、窒素酸化物濃度は8倍。

・以下の内容を含む閲覧用PDFファイル → こちら
参考:火力発電所に係る国の環境アセスメントの対象要件
参考:石炭火力発電の技術
別表:環境アセスメント逃れ小規模石炭火力発電所計画 調査対象案件

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◆火力発電にとどまらない関電の経営姿勢、
 明日香 壽川さん著『グリーンニューディール』より
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・仙台PS操業差止訴訟の訴状の主張
①大気汚染による健康被害
②地球温暖化による被害
③仙台港近くにある蒲生(がもう)干潟への悪影響

・仙台PSの発電規模は11.2万kW。環境アセスメントが必要となる規模が11.5万kW以上なので、アセス逃れが明白。アセス逃れの小規模石炭火力の建設計画は、2012年以降、日本全体で19基あった。(p.67)

・「なぜ被告だけが温室効果ガス排出などの責任を問われるのか?」(p.68)
①電気が余っている現状で首都圏に売電し(公共性なし)
②健康被害発生の蓋然性があるなかで(PM2.5被害の深刻さは基地で、仙台PS周辺地域は、米国やWHOより緩い日本のPM2.5環境基準を超える場合もあるレベルのバックグラウンド濃度)
③故意に稼働前アセス・健康調査をせず(加害責任の曖昧化)
④電力自由化便乗、自己短期利益最優先、住民無視、被災地感情無視のビジネスモデル(安い石炭で売り抜け)
⑤パリ協定遵守に不十分な日本の温暖化対策にさえ不整合(温暖化対策をほとんど考えていない)

・アセス逃れ、消極的な情報公開のほか、自己短期利益最優先、住民無視、被災地感情無視のビジネスモデルについての指摘は、火力発電のみならず、原子力発電を含む関電の経営姿勢を象徴している。

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◆石炭火力発電所のほか、
 揚水式発電所でも、水力発電所でも、風力発電所でも

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・関電が風力発電を計画→ 宮城県の計画は断念して撤回(2022年)
 宮城県知事、山形県知事「どうして関電なのか」
 宮城県知事は「誠意ない」「明確に反対」
 役場訪問の関電幹部に地元2町長は「白紙撤回を」「京都の嵐山に造ったら」
 自然環境への配慮が著しく欠如、北海道の1件も断念して撤回
 ◆066◆
・黒部川の出し平[だしだいら]ダムと宇奈月ダムの連携排砂

 富山湾にヨコエビが異常繁殖、漁業に被害か(2002年提訴)
 関電は、補償金は出しても因果関係は認めず
 ◆063◆
・芦生(あしゅう)の揚水式発電ダム計画
 
芦生の美しい自然と、対極の関電
 ~関電のダム計画、金銭で人の心を奪い取る~(~2006年)
 ◆043◆

◆079◆ ←← 関西電力 闇歴史→→◆081◆

◆関西電力 闇歴史◆078◆

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◆「原子力損害賠償・廃炉等支援機構」一般負担金、
 大手電力分を合計で293億円、こっそり減額!(2022年)
 関電などは電気料金に入れて徴収済みの分を自分のポケットに!
 【付 託送料金とは】

 【付 グリーンコープ託送料金訴訟】
 【付 社会常識を覆す廃炉会計制度】
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(★印は、末尾に注釈あり)

福島第一原発事故の事故処理費★1★は、現在、4分野(廃炉、賠償、除染、中間貯蔵施設)で21.5兆円と見積もられている。そして、その多くが国民負担で回収されることになっている。

・福島第一原発事故の事故処理費のうち、賠償分は、大手電力9社と日本原電、日本原燃が「原子力損害賠償・廃炉等支援機構」に毎年「一般負担金」を納めることになっている。東電だけは「特別分担金」も納める。

・一般負担金は、沖縄電力を除く大手電力9社と日本原電、日本原燃が「機構」に毎年度納付する。13~19年度は計1630億円ずつ払ってきた。

・しかし、福島第一原発事故の賠償費用が当初の想定より増えることが判明し、国は、20年度から毎月の電気料金に含まれる託送料金 ★2★ から毎年約600億円を徴収し、一般負担金に上乗せする仕組み(「賠償負担金」の徴収)を考案。つまり、原発を保有しない新電力の利用者を含め、全電力消費者に負担を求めることになった。★3★

・こうした仕組みは、過去に原価に盛り込み損ねた費用を、実際の消費の有無にかかわらず、後から請求して回収するものとなっている。普通の商行為ではあり得ない違法なやり方であるとして、グリーンコープが託送料金訴訟★4★を起こしている。

・2020年度の賠償負担金は、下期から導入したので、半分の約300億円であった。2021年度は満額の約600億円となり、電気料金に含まれる電線使用料「託送料金」に上乗せされて、徴収された。

・その結果、「機構」への納付額が増えるはずだった。しかし、2021年度の実質負担額は、前年より計293億円減額されていたことがNPO法人「原子力資料情報室」の調査で分かった。大手電力などの一般負担金が前年度の計1630億円から、計1337億円に減額されていた。また、朝日新聞の報道によれば、東電の特別負担金も100億円減額されていた。これらの減額は、公表されていなかった。会計検査院は、これらの減額について説明するように指摘している。★5★
(2021年度、各社ごとの一般負担金は → ★6★
(各社ごとの減額幅は減額前の80%。中部電力が102.8%に増額されたのは、当初の負担額設計時に浜岡1、2号機を廃炉にしていたため減額されていたのが元に戻されたためか、なぜ増額されたのか、理由が不明で、この点も大きな問題)

・一般負担金の額は、年度ごとに「機構」が申請し、経済産業相の認可で決定する。経産省も、強欲大手電力と共犯になって減額したわけだ。「減額しなければ電力の安定供給にも影響を与える」とは、とんだ言い草。「安定供給」というのは、総括原価方式の時代から大手電力の錦の御旗であったが、今でも通用すると思っているのか。国民に負担を強いながら、大手電力負担分を減額するのは不当としか言いようがない。

・とりわけ悪質なのは、北陸電力、中国電力、中部電力を除く大手電力6社(北海道電力、東北電力、東京電力、関西電力、四国電力、九州電力)。関電など6社は、一般負担金を電気料金の原価に含め、電力消費者の電気料金で回収している。それにもかかわらず、減額された分は、自社の利益に取り込んでいる点で、きわめて悪質。一般負担金が減額された6社の減額総額は258億円で、これが、6社の不当な利益の総額となっている。関電は当然、この中に入っている。
(北陸電力、中国電力は、一般負担金を電気料金の原価に含めていない。)
(中部電力は、一般負担金が増額されている。)

・また、上記の「一般負担金」のほか、「廃炉円滑化負担金」などをふくむ諸制度について、社会常識を覆す「廃炉会計」制度★7★であると批判されている。

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『はんげんぱつ新聞』(2022/9/20)で指摘している4つの問題点
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2022年7/4に東洋経済が「福島原発の賠償負担金、密かに軽減されていた~電気代高騰の陰で電力会社が293億円の恩恵」というニュースを報じた→こちら
  
 大手電力各社が負担している福島原発事故の損害賠償費用の一部について、きちんとした説明もないまま、負担額がひそかに軽減されていた。この事実を突きとめたのは、NPO法人・原子力資料情報室 事務局長の松久保肇さん。『はんげんぱつ新聞』の記事も松久保さん執筆で、この「関西電力 闇歴史◆078◆」も参考にしている m(_ _)m

「何が問題なのか」4つの問題点
(1) およそ通常の商行為ではありえない「過去分」を国民に負担させながら、その裏で当事者の大手電力らの負担分を軽減している。
(2) 各社ごとの減額幅は減額前の80%。ところが、中部電力が102.8%に増額された。浜岡1、2号機を廃炉にしていたため減額されていたのが元に戻されたためか。そうであれば、廃炉にペナルティーを課している。
(3) 大手6社は、一般負担金を電気料金の原価に含め、電力消費者の電気料金で回収している。それにもかかわらず、減額された分は、自社の利益に取り込んでいる。
(4) 交付国債は無金利だが、償還の際、国は銀行などから借りて機構に資金を渡す。その際の金利などは、国庫負担、つまり税金、つまり国民負担。


★1★ 福島第一原発事故の事故処理費とは、以下(1)~(4)の合計で21.5兆円。
(1)廃炉(8兆円)…東電が自分で資金を積み立てる
(2)賠償(7.9兆円)…A大手電力などの一般負担金+B東電の特別負担金でまかなう
(3)除染(4兆円)…C東電株をもつ国の認可法人が将来の株式の売却益でまかなう
(4)除染作業で出た土壌を管理する中間貯蔵施設の整備(1.6兆円)…D電源開発促進税でまかなう
ADは、国費や借金(交付国債、政府保証債など)で立て替えた後、各社負担金や税金などで「返済」することになっている。


★2★ 託送料金とは
 電気を送る際に小売電気事業者が利用する送配電網の利用料金などとして一般送配電事業者(関西電力送配電株式会社などの送配電会社)が徴収する料金。電気料金の30~40%をしめる。送配電会社は、総括原価方式◆036◆)をとっているので、すべての費用を「総括原価」とし,さらにその上に一定割合(たとえば3%)の会社利益を上乗せした金額で,料金を決めることができる。全利用者をもれなく対象とするので、法令などでいろいろな費目を付加しても、取りっぱぐれがないことをいいことに、政府が原発を支援する費目を追加して不当な国民負担を強いている。
 託送料金は、送配電会社が算定する送配電網設備の利用料金のほかに、法令などで付加される使用済燃料再処理費用電源開発促進税賠償負担金廃炉円滑化負担金などからなる。なお、「再生可能エネルギー発電促進賦課金」は、「再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)」によって電力会社が買取りに要した費用を、電気の利用料に応じて消費者が負担するもの。託送料金ではないが、電気料金の一部。


▲電気料金の内訳。資源エネルギー庁による→こちら


▲再生可能エネルギー発電促進賦課金 →こちら


★3★ 原子力損害賠償・廃炉等支援機構と一般負担金
 東電福島第一原発事故の膨大な損害賠償を援助するため、大手電力会社と国などが出資し、2011年9月に設立。各社が一般負担金を支払う。賠償費用の不足を補うため、経産省は20年、託送料金から一般負担金を回収できる新料金システムを認可。各社が40年間で計2兆4000億円を回収する計画で、毎年度の一般負担金に上乗せしている。


★4★ グリーンコープ託送料金訴訟 こちら
 2020年10/15、グリーンコープ(福岡を中心に大阪、兵庫、滋賀にも)は、原発にかかる「賠償負担金」と「廃炉円滑化負担金」を託送料金(電線使用料)に上乗せして回収することを認可した経済産業省令は違法であるとし、その取り消しを求めて福岡地裁に提訴。(2020年9/4にその上乗せを盛り込んだ新しい託送供給約款が経済産業省によって認可され、10/1からその徴収が開始された)
 なお、廃炉円滑化負担金とは、原発依存度の低減というエネルギー政策の基本方針の下、原子力発電所を円滑に廃炉するための費用を託送料金の仕組みを利用して需要家から回収するもの。発電事業者が想定よりも早期に廃炉する場合に、設備の残存簿価の一括減損等により一時的に多額の費用が生じることで廃炉判断を躊躇する可能性があったことから、費用の分割計上を可能とする「廃炉会計制度」を2013年に措置していた。当時は小売規制料金による回収を認めることが前提とされていたが、小売規制料金が原則撤廃される2020年以降、制度を安定的に継続させる観点から、2017年に託送料金の利用を可能とする制度措置(電気事業法施行規則等の省令改正)がなされた。賠償負担金・廃炉円滑化負担金に関する制度は、2020年4月より施行された。

グリーンコープの説明 こちら
・「賠償負担金」と「廃炉円滑化負担金」とはいったい何かということですけれども、実はこれは経済産業省令の中に定義規定がありまして、「賠償負担金」というのは、本来原子力損害賠償のために、各電気事業者が元々自分たちで蓄えていなければならなかったお金、法律用語としては、備えておくべきだった資金であって、それまでに備えてなかったお金をいいます。普通に常識で考えていただければ分かりますが、原価200円の魚を100円で売って、後になって元々の魚の原価は200円だったから後で100円払ってねということが、世の中の常識として通用するのかという疑問が基本的にあります。この論理だと、電気料金に関して本来200円取るべきところを経済産業省はずっと100円で認可してきた、そして後になって実は200円だったので不足分の100円を追加で取りますという論理なんですね。

・本来であれば、汚染者(加害者)負担が当然。しかし、事故を起こした東電は自力での負担が難しい(本来なら破綻)という理由で多額の税金が投入されている。
・福島第一原発事故以前に確保しておくべきだった賠償の備えを遡って回収する⇒「過去分」という理屈は通常ではあり得ない!!
・事故の賠償負担は、東電救済でしかない!!

・それからもう一つの「廃炉円滑化負担金」、こちらはもっと理解が難しい制度です。「廃炉円滑化負担金」というのは、簡単に言うと、福島第一原発事故以降、古い原子力発電所は次々と廃炉していかなければ安全性の点からも問題があるということになるわけですが、まだ償却が終わっていないもの、残存期間が残っているものは、通常であればその減価償却費を毎年の電気料金の中で回収していくということでやっていたのですが、まだ償却前の時点で廃炉にしてしまうと、未償却の分が一括して損失になる、且つそのお金の回収の目途もないということになるので、そういうことを理由として早期の廃炉を電気事業者が躊躇するのではないかということで、そのために「廃炉円滑化負担金」というものを一般の電気の使用者から回収し、原子力発電事業者に渡す制度と説明されています。廃炉の判断をするのは原子力発電事業者ですが、原子力発電事業者は判断を躊躇するかもしれないから、判断しやすいように制度をつくる。そのために普通の電気の消費者が負担するというのが、よく分かりません。

・原発廃炉を適切に進めるために必要と言う。廃炉を適切に進めることそのものは大事なこと。しかし、そのためには、かかる費用を明確にしていく必要がある。託送料金での回収では何も明らかにされない。このままでは国民に負担だけが課せられるという構造が続く。
・「原発推進」「原発優遇」があるだけ。申請されたのは全ての廃炉原発で、「想定より早く廃炉をした原発」に限られていない。電力会社によって申請額に大きな開きがあるのは、電力会社毎の廃炉費積立努力の差なのか。廃炉費を廃炉円滑化負担金に移しかえることで自社の電気料金を値下げした電力会社がある疑いもある。


★5★ 一般負担金の内訳の変遷
▼『はんげんぱつ新聞』2022/9/20による。単位:億円。2020年度は下期だけなので半額。

▼『朝日新聞』2022/11/8による。一部改変。東電の特別負担金も100億円減額されて、過去最低額になった。特別負担金が今後も400億円の場合、返済は最長で2064年度までかかり、支払利息は2388億円にのぼるという。


★6★ 経産省が認可した原子力損害賠償・廃炉等支援機構法に基づく一般負担金(2021年度)

▲東電は675.5億円、関電は397.7億円、九電は196.3億円などとなっている。負担金率は小数第三位を四捨五入。出典は → こちら


★7★ 社会常識を覆す「廃炉会計」制度
(1) 社会常識を覆す「廃炉会計」制度[134 KB]。←このPDFは、グリーンコープ共同体、「賠償負担金」と「廃炉円滑化負担金」を経済産業省令によって託送料金に上乗せするのがどうして違法、不当なのかについて(2019 年12月18日、全文はこちら)より、「廃炉会計」に関する部分を抽出したもの。全ての廃止原発施設が資産となり、使わなくなった核燃料さえ資産に加えられた。こうして、原発廃炉によって電力会社は 1 円の損失もせず、使わなくなった施設と核燃料が全部資産となって、数十年かかる廃炉作業期間中、その減価償却分を電気料金で徴収し続けられるようになった。

(2) 『原子力発電と会計制度』(金森絵里著、中央経済社、2016/3/11)は、「会計を基礎にした(原発の)電気料金」という本来の枠組みが、「電気料金を前提にした会計制度」という思考に逆転しているため、原発会計制度により算出される会計数値に歪みがもたらされている、と主張する。原発会計制度とは,「原子力発電工事償却引当金,使用済燃料再処理等(準備)引当金,原子力施設解体引当金,特定放射性廃棄物拠出金および 2013 年および 2015 年に制度化された廃炉に係る会計制度を総称」したものとして(p. ii)、以下のように指摘している(p.194)。
原発会計制度については、「一般に認められた」とはまったくいえない、電力会社のみを保護・優遇する「一般に認められない」会計である。

(3) 核燃料サイクルと再処理等拠出金法における会計問題 については→ ◆003◆


◆077◆ ←← 関西電力 闇歴史 →→ ◆079◆

◆関西電力 闇歴史◆077◆

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◆077◆【9/3新規】◆自治体が関電に電気代を過払い(2022年5~8月報道)
 大阪府、大阪市、和歌山県が、道路照明灯などの料金を関電に過払い
 原因は、自治体側もしくは関電による契約変更の手続きミスか?
 原因がどうであれ、関電は使っていない電気代までとるな!
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(1) 大阪府…約1億円を関電側に過払い。そのうち約1700万円は返還に合意したが、残りについてはめどが立っていない。約3400万円は照明灯撤去後の解約手続きが行われたかどうかを巡って関電側と主張が対立。2022年5月報道。
(詳細…過払いは573件、計1億238万円に上り、最も古いケースは1976年から続いていた。うち188件、計2929万円は民法上、返還請求の時効にあたる10年を過ぎていたという。)
 こちら
 こちら

 2022/09/21報道によると、大阪府が長年、街灯の電気料金を関西電力に過払いしていた問題で、府は料金の返還を求め裁判を起こす方針を固めたとのこと。大阪府は今年5月、すでに撤去され存在していない道路の照明灯など573件に関して、電気料金を無駄に支払っていたと発表。総額は約1億200万円にのぼっていた。こうした過払いは「最長で昭和50年代ごろから続いていた」としている。府は、電気契約の解除を口頭で伝えた際、関電が必要な手続きをしなかったのが原因だと主張。関電からは約1700万円が返還される予定であるが、府は残りについても返還を求めて、関電を相手取り裁判を起こす方針を固めた。28日からの府議会に、提案する予定。

(2) 大阪市…2020年度の1年間で約470万円の過払い。他の年度を含めた総額を調査中。2022年5月報道。
 こちら

(3) 大阪市…関電に対し必要のない支払いを続けていた契約は201件で、約4722万円。2022年7月報道。
 こちら

(4) 大阪府…漁港照明電気代、15件で130万円を過払い。撤去した照明灯の契約が残っていたり(2件、6万円)、実際よりも小さな容量での契約が可能だったために過払いになったていた(13件、約124万円)ことが原因。府は、廃止や契約の見直しは電話連絡などでしていたが、関電が必要な手続きを取っていなかったことなどが原因と考えられるとしている。2022年8月報道。
 こちら

(5) 和歌山県…1600万円を関西電力に過払い。既に撤去・移設して存在しない照明灯の契約で59件約1400万円、料金単価の安い発光ダイオード(LED)照明に付け替えた後も従来の単価で支払いを続けていたのが102件約200万円。2022年8月報道。
 こちら

【まとめ】

 京都府、京都市、兵庫県、神戸市などは大丈夫か。

 自治体側の過払いが発生してしまった原因は、自治体側もしくは関電による契約変更、解除などの手続きミスと推定される。しかし、原因が自治体側にあろうと関電側にあろうと、照明灯が実際には使われていなかったり、実際よりも小さな容量で使用していたというなら、関電は、その電気代を返還すべきではないか。

 大阪府や大阪市は、返還に応じてもらえない場合は法的措置を検討するとしている。松井一郎・大阪市長は記者団に「返してもらいたいが、関電側は行政側にチェックミスがあるという。司法に判断してもらうことになる」と述べた。

 行政側にチェックミスがあるかもしれないが、それは、行政の問題であって、使っていない電気の料金を徴収しておいて、返さなくても良いということにはならないはず。関電は、使ってない電気代までとるな!

◆076◆ ←← 関西電力 闇歴史 →→ ◆078◆

◆関西電力 闇歴史◆076◆

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◆電力総連の組織内議員が原発推進
 電力総連政治活動委員会が巨額の政治資金で活動
 各電力労組の政治連盟あるいは政治活動委員会は42万人超え
 政治資金規正法違反ではないか、との指摘
 関電社員議員、関電労組政治団体に関する指摘
└─────────────────────────────────

┌─────────────
◆電力総連の二人の組織内参議院議員=国民民主党が原発推進
└─────────────

・電力総連(全国電力関連産業労働組合総連合)は、参議院の全国区で組織内議員を二人抱えている。2019年には、関電労組出身の浜野喜史(はまの・よしふみ)が256,928票で当選。2022年には、東電労組出身の竹詰仁(たけづめ・ひとし)が、238,956票で当選している(3期18年の小林正夫、東電労組出身から交代)。国会では、国民民主党に所属して、原発推進を主張している。

・組織内候補の選挙運動は、ひたすら全国の関連組織を回って訴える形なので、一般の有権者の目に触れる機会はほとんどない。その選挙運動の中心を担っているのは、さすがに、労働組合そのものではまずいという判断なのだろう、電力総連政治活動委員会である。

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◆電力総連政治活動委員会の政治資金収支報告書
└─────────────
・総務省、2021(令和3)~2020(令和2)年受付、沖縄*2015(平成27)年
こちら
をみると、その政治資金収支報告書がわかる。

・収入総額は、1億7043万6556円で、繰越額を除いた「本年の収入額」が、5855万1156円。
・収入項目別にみると、寄付が、5854万7130円で大半を占めている。
・寄付の内訳は、各電力労組の政治連盟あるいは政治活動委員会などの政治団体からのものが大半となっている。政治団体別にみると、たとえば、関西電力労働組合政治活動委員会は、958万8960円を寄付している。(他には、参院議員の個人寄付が168万円)

┌─────────────
◆各電力労組の政治連盟あるいは政治活動委員会は42万人超え
└─────────────
・各電力労組の政治連盟あるいは政治活動委員会の収支報告書も、総務省のWebサイトに掲載されている(北海道電力労働組合政治連盟を除く)。
・以下、「員数(党費または会費を納入した人の数)」と「本年の収入額」を示す。

・北海道電力労働組合政治連盟…ここのみは掲載されていない
 
・東北電力労働組合政治連盟…会費を納入した個人の数、128,893人、金額、72,055,500円
 こちら
・東京電力労働組合政治連盟…会費を納入した個人の数、27,539人、金額、149,628,400円
 こちら
・中部電力労働組合政治連盟…会費を納入した個人の数、14,496人、金額、70,549,985円
 こちら
・北陸電力労働組合政治連盟…会費を納入した個人の数、4,004人、金額、30,731,400円
 こちら
・関西電力労働組合政治活動委員会…会費を納入した個人の数、17,567人、金額、49,488,800円
 こちら
・中国電力労働組合政治連盟…会費を納入した個人の数、7,592人、金額、47,111,000円
 こちら
・四国電力労働組合政治連盟…会費を納入した個人の数、5,139人、金額、34,352,100円
 こちら
・九州電力労働組合政治活動委員会…会費を納入した個人の数、149,965人、金額、89,979,000円
 こちら
・沖縄電力労働組合政治連盟…会費を納入した個人の数、1,179人、金額、1,424,000円
 こちら
・日本原子力発電労働組合政治活動委員会…会費を納入した個人の数、15,445人、金額、7,722,500円
 こちら
・J-POWERグループユニオン政治活動委員会…会費を納入した個人の数、47,738人、金額、5,758,400円
 こちら
・日本原燃労働組合政治連盟…会費を納入した個人の数、2,135人、金額、6,371,400円
 こちら

・以上、「員数(党費または会費を納入した人の数)」と「本年の収入額」の合計(北海道電力労働組合政治連盟を除く)は、
★会費を納入した個人の数、合計で、421,692人。
★金額、合計で、5億6517万2485円。

・九州電力労働組合政治活動委員会では、会費を納入した個人の数が149,965人であるのに対して、関西電力労働組合政治活動委員会では、17,567人と、人数のアンバランスが大きい。なお、関西電力の従業員数(2022年3月)は、連結で31,963人、関電本体で8,633人(なお、2020年3月では18,141人となっている。2022年には関西電力送配電株式会社の8,806人が連結に計上されたか)。

・直近の電力総連組織内、参議院議員の得票数、256,928票、238,956票をみれば、全国の各電力労組の政治連盟あるいは政治活動委員会の会員の半分を押さえれば(家族票もあるだろう)、当選できるような関係になっている。

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◆政治資金規正法違反ではないか、との指摘
└─────────────
・人数的にも、財政的にも大きな規模の、各電力労組の政治連盟あるいは政治活動委員会には、総務大臣や選挙管理委員会に届出をする義務があり、それをしないまま収支を伴う活動をすれば政治資金規正法違反に問われるとの指摘がある。

・たとえば、関西電力労働組合政治活動委員会の政治資金収支報告書(大阪府選挙管理委員会、2021年3月10日受付)→こちら、によれば、会費を納入した個人の数、17,567人、金額、49,488,800円となっている。

・友好議員懇談会費や職場後援会活動費の支出先として、
「関労政治活動委員会大阪北地区本部」
「同大阪南地区本部」
「同兵庫地区本部」
「同姫路地区本部」
「同京都地区本部」
「同和歌山地区本部」
「同奈良地区本部」
「同滋賀地区本部」
「同若狭地区本部」
「同東海地方本部」
「同北陸地方本部」
といった名称がある。

・「関労政治活動委員会」という名称を冠している点から判断して、「関電労組政治活動委員会」の下部組織で、かつ政治団体であることは明白ではないか。

・これらの団体が、はたして政治団体として届け出されているのか。結論から言えば、選管に政治団体の届出はなし、会計責任者は「地域組織です」「政治団体というより地域組織です」と繰り返すとのこと。

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◆関電社員議員、関電労組政治団体に関する指摘
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(1)関電社員議員は近畿6府県に24人議員報酬+関電給与1千万円+関電労組献金=原発大推進
(2012/04/06)三宅勝久
こちら

(2)「原発推進」関電労組政治団体が“資金洗浄”使途不明4163万円、正体不明の無届団体通じ
(2012/04/17)三宅勝久
こちら

(3)関西電力、赤字転落も「待遇変化なし」嵐の過ぎ去りを待つ日々
(2012/05/17)ココで働け取材班
こちら

(4)政治資金規正法違反の疑いも――関電労組政治団体に使途不明金
週刊金曜日オンライン2012年6月1日号(2012/06/12)三宅勝久
こちら

(5)関電労組政治団体の違法行為や電力会社社員議員を許すな!
『原発を止める55の方法』(宝島社、2012年10月発行)、三宅勝久
・脱原発への道として、関西電力労組団体の規制法違反を告発する、“給料二重取り”の議員に投票しない、原発企業の天下り官僚を辞めさせる、を挙げている。

(6)原発大推進の連合「関電労組」政治団体に不正会計発覚、使途不明金6千万円超に
(2014/01/27)三宅勝久
こちら

(7)「関電労組」政治団体が無届け組織に多額支出――6000万円超が使途不明に
週刊金曜日オンライン2014年2月24日号
こちら

(8)311以降も続く電力9社の「ステルス式」献金2012年までの3年で自民団体に1億4300万円貢ぐ
(2014/08/16)三宅勝久
こちら

(9)◆2017◆原発大推進の「関電労組」系政治団体が無届団体に違法な闇支出を続行、使途不明金は過去8年で9400万円に――NHKは放送できず
(2017/08/01)三宅勝久
こちら

◆075◆ ←← 関西電力 闇歴史 →→ ◆077◆

◆関西電力 闇歴史◆075◆

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◆ビーチが素晴らしい高浜町、「ブルーフラッグ」の認証をうける
 地元の喜びは当然ですが、
 将来とも美しい自然環境を生かしていくには、原発廃炉が必須では?
★何故かここで場違いに自慢してはしゃぐ関電、
 「安全な」原発のそばで遊んでね、と言いたいのか?
★高浜原発沖合の海水からはトリチウムが検出され、
 そのトリチウム濃度は全国平均よりはるかに高い。
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◆高浜町の若狭和田ビーチが「ブルーフラッグ」の認証
 地元の喜びは当然ですが
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・国際環境教育基金 FEE Japan は、水質、環境マネジメント、 環境教育、安全とサービスについての基準を達成したビーチに対し「ブルーフラッグ」の認証を行っています。そして、高浜町の若狭和田ビーチがそれらを達成したビーチとして、日本(アジア)で初めて認証されました。白い砂浜と、遠浅で海の底まで透き通るほどキレイな海水!

・2018年8月18日、「原発うごかすな!実行委員会@関西・福井」が、公開質問状の回答受け取りに高浜町役場に行ったときも、担当者がとても嬉しそうに話していました。ビーチクリーンや環境教育などをすすめている町としては、当然だと思います。原発立地の高浜町、おおい町、美浜町の3町の回答の中で、原発なきあとの町の産業振興について、水産業の六次産業化、UターンやIターンなどについて、いちばん具体的な回答をしたのは、高浜町だと思いました。

・しかし、「ブルーフラッグ」はちょっと待ってください。認定のための33の基準の中に、原発との隣接、事故の危険性、放射能汚染の恐れなどの項目はありません。そして、原発事故はいつおこるか分かりません。高浜のビーチで遊んでいたら突如、避難が必要といったことになるかもしれないのです。認証には「半径250km以内に原発がないこと」といった基準が必要ではないでしょうか。大腸菌の心配はなくても、放射能汚染の危険性があるところを認証することは、問題があります。「ブルーフラッグ」の権威を損なうものではないでしょうか。
(2018年8/18には、FEE Japan に基準を検討するようにという意見をメール送信済み)

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◆高浜原発から排出されるトリチウム
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・トリチウムは、原子が小さいので、除去設備をすり抜ける。ステンレスの管からも漏れていく(水素は鉄をすり抜ける)ので、排出量が多い。加圧水型の高浜原発などからは、年間18兆~83兆ベクレルを放出している。
(東京新聞2021年4月14日→こちら

『原発は事故がなくても危険 知られざる“トリチウムの健康被害” 安全の保障もないのに再稼働』(京都・市民放射能測定所、2018年)より、「原発・核燃料再処理施設と白血病との関連」(森永 徹)
 
・原発からは、さまざまな経路で放射性物質が外に出ている。とりわけ、通常運転でもトリチウムは大量に放出されている。玄海原発がもっとも多く、白血病との関連が強く疑われている。大飯原発も放出が多い。高浜原発沖合の海水からはトリチウムが検出され、そのトリチウム濃度は全国平均よりはるかに高い。
・安全審査によるトリチウムの排出基準は、規制値ではなく、単なる指標なので、薄めればどれだけ放出しても良い。事実上垂れ流し放題。

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◆何故かここで場違いに自慢してはしゃぐ関電、
 「安全な」原発のそばで遊んでね、と言いたいのか?
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若狭高浜町のビーチがブルーフラッグ認証を受けたことを自慢して、はしゃいでいるのが関電。
関電、関係ないでしょ。
関西電力グループの公式Facebookページ(2016年7月11日)→こちら
 
・「美しい海に魅せられて移住者が増えるほどの若狭和田ビーチ。今年の夏は、この美しい海でゆったりとした時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。」

・「美しい海」は、別に関電に作ってもらったものではありません。
それどころか、「美しい海」を台無しにする可能性を有しているのが、関電です。
・高浜町の人口は、以下の通り。移住者が増えているのは、「若狭和田ビーチ」??
 2000年…12,119人
 2005年…11,630人
 2010年…11,062人
 2015年…10,596人
 2020年…10,326人

・「ゆったりとした時間」を過ごしていて、突然、原発事故が起こったらどう避難するの??
「高浜町原子力災害住民避難計画について」→こちら

和田地区(下図中の赤い )は、高浜原発、大飯原発のUPZ圏内だが、両方のPAZ圏にも近い。

・海水浴客の避難は、どうなっているのだろうか。若狭高浜観光協会が、(1) 観光客への広報協力、(2) 旅館及び観光業者への周知協力を行うことになっているようだが。そして、「観光客など一時的に滞在する者については、動揺や混乱を招かぬよう、広報車、同報系の防災行政無線、携帯端末の緊急速報メール機能等を活用して、迅速かつ的確に情報を提供できるよう、情報伝達手段の確立を図る。」となっています。が、情報を伝達すれば、避難の必要性はありませんと言っても、通用するかどうか。とりわけ7~8月の海水浴シーズンなら、我先に県外に避難、脱出しようとする自家用車で、道路の大混乱が目に見えるようだ。直ちに避難すべきPAZ圏内の住民にも悪影響を与えるに相違ない。

・原発を廃炉にして、安心して遊べるビーチを提供することこそ、高浜町の進むべき道ではないでしょうか。

▲高浜原発と大飯原発のPAZ圏外の中央地点あたりにある赤い が 和田地区。両原発が同時にトラブルに見舞われた場合は、逃げ場がない。

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◆美浜原発に隣接する美浜町の水晶浜は、
 樋口健二さんの写真で紹介されたことも
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▲amazonサイトより『増補新版 樋口健二報道写真集成 日本列島1966-2012』。 2012/5/31発行。表紙写真は、美浜原発に隣接する水晶浜海水浴場。美浜原発のうち、手前の1、2号機は廃炉になったが、奥の老朽原発 3号機は現役。この写真のような風景は、2022年にも見られた。

◆074◆ ←← 関西電力 闇歴史 →→ ◆076◆

◆関西電力 闇歴史◆074◆

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◆原発温廃水が海を壊す
 原発温廃水は、熱、化学物質、放射能の三位一体の毒物
 高浜原発近くで、温廃水によりソラスズメダイなどの熱帯魚が定着
 原発の停止で、周辺の海洋環境は劇的に改善したが…
 【付 火力発電と原子力発電の比較】
 【付 コンバインドサイクル発電】
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◆[1] 原発温廃水が海を壊す
  原発からは温かい大河が流れている
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小出裕章(元京都大学原子炉実験所助教)、2010年3月26日
情報・知識&オピニオン imidas(集英社)→こちら(図解あり)

上記サイトから、その要点をピックアップし、他のサイトの情報もあわせてまとめると、温廃水に関わる問題点は、以下の4点になる。

(1) 原発のエネルギー効率は33%しかなく、66%は温廃水として廃棄される

・現在の原発では、タービンの入口での蒸気の温度は約280℃で、実際の熱効率は0.33、すなわち33%しかない。つまり、利用したエネルギーの2倍となる67%のエネルギーを無駄に捨てている。100万kWの原発の場合、約200万kW分のエネルギーを海に捨てることになる。

・海の取水口から毎秒70tの冷却水を取り入れ、2次系の水蒸気を冷やして水に戻すが、その結果、水温が7℃ほど上昇した温廃水を海に放出する。つまり、1秒間に70 tの海水の温度を7℃上昇させる。

・1秒間に70tの流量を超える川は、日本には30筋もないので、原発温廃水は「大河」といえる。

(2) 原発温廃水は、熱、化学物質、放射能の三位一体の毒物

・海から冷却水を取り入れるときには、配管を清掃するための化学物質、貝類の幼生などを殺す薬剤なども投入される。吸排水パイプにフジツボなどが付かないよう殺生物剤(次亜塩素酸ソーダなど)が使用されるので、海に流す温廃水には、当然、それらの物質が含まれている。

・さらに、作業員の汚染した衣服を洗濯したりする場合に発生する洗濯廃水などの放射性廃水も混入されて、排出されている。定期検査中には、近海の放射線量はさらに高くなるという。大量の温廃水の中に混入して、放射性物質の濃度を下げてしまえば、敷地外に捨てても濃度規制に引っかからないので、垂れ流し放題。温廃水は放射能の希釈水ともなっている。

・核燃料再処理工場は、原発以上に膨大な放射性物質を環境に捨てるが、再処理工場には原子力発電所のような「大河」はない。そこで、再処理工場の廃水は法律の濃度規制から除外されている。

(3) 温められた海水からはCO2が大量に放出される

・福島第一原発事故前の日本には54基の原発(電気出力で約4900万kW)があり、それが流す温廃水の総量は年間1000億t。日本のすべての川の水の温度を約2℃温かくすることになる。

・さらに、温められた海水からは、溶け込んでいた二酸化炭素(CO2)が大量に放出されるので、大気中の二酸化炭素を増やすことになる。原発が温暖化対策に役立つなどとはとうてい言えない。

【参考】原発の運転でも、炭酸ガスは増加
・2022年4月12日付けのチラシより。老朽原発うごかすな!実行委員会 →こちら
・原発では、原子核に閉じ込められた膨大なエネルギーを解放し、最終的には環境に放出するのですから、原発運転は、海洋を含む地球表面の温度を上昇させます。水への炭酸ガスの溶解度は水の温度が上昇すれば減少しますから、海洋の温度が上昇すれば、海洋に溶解していた大量の炭酸ガスの一部が大気中に放出され、大気中の炭酸ガス濃度が増加します。一方、原発の建設、核燃料の製造、使用済み燃料の保管、重大事故時の対策にも多量のエネルギーを要し、その過程で、炭酸ガスが発生します。また、これらの過程で使用されるセメントの製造工程で多量の炭酸ガスが発生します。

(4) 火力発電に比べて、原発には将来的に発展していく形がない

・最近の火力発電所(コンバインドサイクル発電)では500℃を超える高温の蒸気を利用でき、熱効率は50%を超える。つまり、100万kWの火力発電所の場合、無駄に捨てるエネルギーは100万kW以下で済む。

・もし、原子力発電から最新の火力発電に転換することができれば、それだけで海に捨てる熱を半分以下に減らせる。

・さらに、火力発電所を都会に建てて、熱を熱源として活用するコージェネレーション(co-generation)にすれば、エネルギー効率を80%にすることも可能。結局、原発には発展形がない。

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◆[2] 原発停止で温廃水も止まって
  周辺の海洋環境が劇的に改善
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中村隆市ブログ「風の便り」2014/03/06→こちら

・京都大学舞鶴水産実験所の益田玲爾教授は、2004年から若狭湾、高浜原発からおよそ2キロの地点(放水口から北東約2kmの音海[おとみ]という海域)で潜水による定点観測を続けている。この地点では、温廃水により周辺海域と比べ水温がおよそ2度高い。この2度が冬場、生き物の生死を分ける。

・原発停止直後(2011~12年の直後)の海の劇的な変化に、目を見張ったという。「予想よりはるかに急激でしたね。南方系の生き物がたちどころにいなくなって、それで本来の若狭湾の生き物が戻ってきたということですね」

【参考】高浜原発の運転状況
・高浜原発の1号機は1974年、2号機は1975年に運転開始。3、4号機は、1985年に運転開始。
・2011年から12年にかけて、1~4号機が定期点検で次々に運転停止。
・2015年4/14~12/24、高浜発電所の3号機と4号機について、福井地裁が、再稼働を認めない仮処分の決定を出した。
・2016年、3~4号機が再稼働。
・2016年3/9、高浜発電所の3号機と4号機について、大津地裁の仮処分の決定で運転停止。その後、2017年3/28に仮処分が覆されて、運転再開。
・現在、高浜原発は、3、4号機が再稼働されている。さらに、2023年には老朽原発1、2号機の再稼働も画策されている。万一こうなれば、海水温のさらなる上昇は必至。

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◆[3] 高浜原発の温廃水で日本海に熱帯魚が定着していた
  高浜原発周辺、2012年稼働停止でいなくなる
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産経フォト、2020年6月29日→こちら
福井新聞ONLINE、2020年6月30日→こちら

・関西電力高浜原発からの排水で海が温められることで、周辺に熱帯魚が定着していたとの研究結果を、京都大学舞鶴水産実験所の益田玲爾教授が6月29日までにオンライン科学誌プロスワンに発表した。海流で南から運ばれてきた幼魚が越冬に成功したとみられるが、東日本大震災後に稼働停止するといなくなった。

・原発稼働中、周辺の海水温は2度高く、地球温暖化が進んだ2050年ごろの状態に相当する。益田さんは「生息域が拡大して良かったという話ではない。狭い日本海で多くの原発が稼働すると、元々いた魚や海藻が減少するなど、環境が大きく変わる」と指摘。原発の温廃水による局所的な温暖化の影響に注意を促した。

・益田さんは04~17年、冬に若狭湾内の高浜原発近くの海で潜水調査を実施。運転中は通常の海水温より7度高い排水が出るため魚の数や種類が増え、本来は越冬できないソラスズメダイやカミナリベラなどの熱帯性の魚も生息していた。12年に高浜原発が止まると、水温は低下して元に戻り、熱帯魚は死滅したり見られなくなったりしたという。

【参考:ソラスズメダイ】
 以下の写真は、Wiki の記事より。産経フォトのWebサイトには、益田玲爾教授によるソラスズメダイの写真が掲載されている。ブルーの綺麗な小魚(体長7~8センチ)。水温が18℃以下になると生きていけなくなる熱帯魚で、日本海も11月を過ぎると水温が下がるので、ここで最後を迎えるのが普通。

▲ソラスズメダイ。フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より。ニック・ホブグッド、東ティモール(インドネシアに近い島国)にて

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◆[4] 京都・舞鶴湾から見える異変「南の魚が増えている」
  忍び寄る温暖化の影
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京都新聞、2022年5月7日
京都・舞鶴湾から見える異変「南の魚が増えている」 忍び寄る温暖化の影→こちら

・京都大学舞鶴水産実験所の益田玲爾教授の研究成果が報道された。原発稼働中、周辺の海水温は2度高く、地球温暖化が進んだ2050年ごろの状態に相当する。潜水調査を実施したところ、高浜原発稼動中には熱帯性の魚が生息していたが、2012 年に高浜原発が止まると熱帯性の魚はいなくなったとのこと。

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◆[参考] 伊方原発を早期に停止せよ
  温廃水が瀬戸内海を温暖化
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長周新聞、2020年6月30日 →こちら

・山口県内の瀬戸内海側の漁業者のなかで、海の異変が深刻な問題になっている。・・・周防灘、伊予灘に面した海域では、火力発電820万kWと伊方原発202万kWから温廃水が大量に放出されており、「温暖化」しないわけがない。この上に中国電力の上関原発1、2号機(それぞれ国内最大出力の137万kW)を建設したときの惨状は明らかである。

【付 火力発電と原子力発電の比較】

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◆[参考] 原子力発電って本当にハイテクなの?
 火力に比べ、原子力は筋の悪い技術!
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『電気のしくみ 発電・送電・電力システム』(佐藤 義久 著、丸善出版、2013年発行)より

(1) 蒸気温度…蒸気タービン入口の蒸気温度はハイテク度を端的に示す指標
・火力発電……1950年に450℃→2010年に620℃と、各段に進歩
・原子力発電…1950年代の285℃(BWR)、270℃(PWR)のまま、進歩せず

(2) 蒸気圧力
・火力発電……41気圧→310気圧
・原子力発電…BWRは70気圧、PWRは55気圧のまま

(3) 容量
・原子力発電…ローテクのまま、出力だけ恐竜のごとく肥大化した腕力機器

(4) 熱効率
・火力発電……22%(1882年)→53%(ガスコンバインドサイクル発電)。飛躍的に向上。100万kWの電気をつくったときに100万kWの廃熱を出す。
・原子力発電…33%程度のまま。100万kWの電気をつくったときに200万kWの廃熱を出す

(5) 発電機の回転数
・火力発電……3600rpm(60Hz)、3000rpm(50Hz)
・原子力発電…1800rpm(60Hz)、1500rpm(50Hz)

(6) 100万kWの電気をつくるとき
・火力発電……100万kWの廃熱。3657トン/hのCO2を排出する
・原子力発電…200万kWの廃熱。運転時以外にはさまざまな段階でCO2を排出。放射性廃棄物

【本項編集者による注】
 蒸気を使ってタービンを回転させ電気を発生させる際、熱効率を上げるにはタービン入口蒸気圧力と温度の両方を上げる必要があるとのこと。熱力学的には圧力・温度どちらか一方を上げれば効率は向上するが、圧力だけを高く設定するとタービン内で仕事をした蒸気が湿りやすくなり、湿った蒸気はタービン翼に悪影響(湿り蒸気によって引き起こされる最も顕著な現象は動翼の浸食)を与えるので、蒸気温度も高くする必要がある。火力発電はこうした点で技術開発が着々と進展していて、最新のコンバインドサイクル発電では、熱効率は60%にも達している。原子力発電では、1950年代の水準にとどまっていて、33%しかない。

 「出力だけ恐竜のごとく肥大化した腕力機器」というところから、『原発は滅びゆく恐竜である水戸巌 著を思い出しました。

【付 コンバインドサイクル発電】

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◆[参考]コンバインドサイクル発電とは

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火力発電には、大きく2つの方式がある。
①燃料を燃やして水を沸騰させ、発生した蒸気により発電機(スチームタービン)を回す方式と、
②燃料を燃やして発生させた高温・高圧の燃焼ガスにより発電機(ガスタービン)を回す方式。
これらの方式の弱点は、いずれもタービンを回した後の蒸気や燃焼ガスが持つ熱が捨てられてしまうこと。

・この捨てられる熱を減らす技術が「コンバインドサイクル発電」。この方式は、ガスタービンによる発電とスチームタービンによる発電を組み合わせた発電方式で、ガスタービンコンバインドサイクル発電ともいう。

</1>

▲コンバインドサイクル発電とは…国立環境研究所 > 研究・技術 > 環境技術解説 > 地球環境 >「コンバインドサイクル発電」より(→こちら)。この図では、熱効率が59%になっている。

◆073◆ ←← 関西電力 闇歴史 →→ ◆075◆

◆関西電力 闇歴史◆073◆

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◆関電の原発建設に反対し阻止した4府県9か所の闘い
 どの立地候補地でも女性たちの素晴らしい結束があった
 「比較ジェンダー史研究会」のWebサイトより
 【付 和歌山県白浜町、使用済み核燃料中間貯蔵施設も撃退】

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【Webサイト】

比較ジェンダー史研究会こちら
【年表 4 】原子力発電所との闘い-立地反対運動と原発訴訟(富永智津子、2015年)→こちら

・このサイトでは、全国の原発について、立地を阻止した闘いをまとめているが、その中から関西電力をピックアップすると、下記の通り。それぞれに経過や【解説】が付いているので、分かりやすい。
・電力会社の原発推進と地域社会の分断については、以下のように述べている。「反対運動は、志を同じくする人々をつなげたが、一方で、推進派と反対派に分断されることによる人間関係の破壊も見られた。この破壊は家族や親族、あるいは漁協内部に及び、原発問題が終息した後も続き、容易にその溝は埋まることがない。」
・運動の中で、女性の活躍、女性が果たした役割をとりあげて、赤字で強調している。
・そして、最後の【まとめ】として、以下のように強調されている。
どの立地候補地でも、一番「命」に近いところで日々格闘している女性たちの結束には瞑目すべきものがあった。
(本項編集者注…「瞑目」というより「刮目」のほうが適切だと思いました(^o^)

【関電に関係する4府県9か所の闘い】…( ) 番号は上記Webサイトの連番

(2)兵庫県御津(みつ)市(現たつの市)…1958~60年
(6)兵庫県香住町(現香美町)…1967~70年
(7)和歌山県日高町阿尾(あお)・小浦(おうら)地区…1967~2005年
(8)和歌山県古座町(現串本町)…1968~90年
(9)福井県小浜市(若狭湾)…1968~76年。内外海(うちとみ)半島の入り江にある田鳥に建設計画。1971年「原発設置反対小浜市民の会」結成で大同団結、有権者の半数を超える署名などの運動で、市長が誘致拒否
(11)和歌山県那智勝浦…1969~81年
(15)京都府舞鶴市(若狭湾)…1971~82年
(20)京都府久美浜町(現京丹後市)…1975~2006年
(22)和歌山県日高町日置川(ひきがわ)町(現白浜町)…1976~2005年。

【付  和歌山県白浜町、使用済み核燃料の中間貯蔵施設も撃退】

・以下、Webサイトには記載していないが、和歌山県白浜町では、2018年以来、関電が使用済み核燃料の中間貯蔵施設を作るのではないかという懸念が浮上。

・町民の反対運動もあり、白浜町は2019年12月、原子力発電所から出る放射性廃棄物の受け入れを拒否する条例を制定する方針を明らかにした。条例案「白浜町安心・安全なまちづくり推進条例」は町議会12月定例会に提出され、議会は全会一致で可決。町内での原子力関連施設の立地は事実上、不可能になった。
・関電は、2020年6月末に日置川の原発立地事務所を閉鎖した。

・「関電の中間貯蔵計画はどうなるのか?」:日本消費者連盟関西グループ発行「草の根だより」連載記事に加筆 →こちら
・「資料 核関連施設・廃棄物拒否条例(背景と解説)」→こちら

◆072◆ ←← 関西電力 闇歴史 →→ ◆074◆

◆関西電力 闇歴史◆072◆

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◆関電の原発マネー不正還流は、最悪の幹部腐敗!(2019年発覚)
 その追及は、
 ①会社訴訟と株主訴訟がはじまる(→◆018◆
 ②市民が大阪地検に告発→不起訴→検察審査会→9名全員が再捜査へ
(2022年8月)
 ③大阪地検は再度、不起訴処分(2022年12月)
 【付 関電の四つの調査報告書へのリンク】
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◆[9] 大阪地検は再度、不起訴処分[2022年12月]
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・大阪地検特捜部は12/1、会社法の特別背任などの疑いで告発された元役員9人を再び不起訴処分(嫌疑不十分)とした。
・今後、検察審査会は「起訴相当」と議決していた容疑(役員報酬の減額分を補塡したとする会社法の特別背任容疑や、金品受領に関する追加納税分を補塡したとする業務上横領などの容疑)について、2度目の審査を行う。
・「不起訴不当」と議決していた容疑(金品受領などをめぐるその他の容疑)については捜査終結。
・結局、森詳介、八木誠、岩根茂樹の3名が、再度、検察審査会の審査にかけられる。以下の図は、朝日新聞2022/12/2より

【参考】検察審査会の議決
11人の審査員のうち、8人以上が起訴を求めると「起訴相当」。
 起訴相当が2度議決されると強制起訴される。
②過半数(6人か7人)が再捜査を促すと「不起訴不当」。
③過半数(6人以上)が不起訴を妥当とすると「不起訴相当」。

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◆[8] 大阪地検の再捜査
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・検索審査会の指摘を受けて、大阪地検は再捜査に着手。
・2022年10月25日、弁護団に大阪地検から「起訴相当の議決を受けた告発の再捜査の期間を1か月延長する」との連絡。
・12月1日までに起訴相当とされた報酬等の闇補填を起訴するかどうかの決定が行われる。はて、どうなるか。

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◆[7] さらに追加の告発[2022年9~10月]
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(1) 2022年9月6日、土砂処分土地賃借の不正で新たな告発状を提出。関電コンプライアンス委員会報告書が、原発に絡んでの土砂処分と土地賃借で高値発注を行っていたことを具体的に明らかにしたこと(新聞では既に報道済み)から、これらの行為は特別背任、背任にあたると、関与した豊松元副社長ら3人を新たに告発。
(→◆062◆  1.土砂処分問題2.土地賃借問題

・ただし、この告発状は、当初告発とダブっているという理由で、11月10日付にて、不受理になった。それならば、当初告発が「不起訴不当」と検察審査会から指弾されていることを受けて、検察自らが起訴すべきではないか。

(2) 2022年10月12日、同委員会が指摘した倉庫貸借の不正は贈収賄等にあたると新たな告発状を提出。原発推進派の高浜町会議員の事業失敗を救済するため、相場のおよそ倍の価格で倉庫を貸借し、相応の価格に戻す時に見返りとして土砂処分を高値発注したこと(新しく指摘された不正)は、贈収賄や特別背任等にあたるとして新たな告発状を、告発人1040人で提出。
(→◆062◆  3.倉庫貸借問題
コンプライアンス委員会調査報告書(概要)こちら
コンプライアンス委員会調査報告書こちら

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◆[6] 2022年8月発表の検察審査会の詳細
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すべての容疑について不起訴が正当でなかったと判断
議決書「強制捜査や関係者から再度の事情聴取などを行って事実を明らかにしてほしい」

(1) 役員報酬の減額分の補填。退任した森元会長を含む18人に、退任後に補填することを決定。「公共性の高い企業のトップの地位にあったのに、みずからや身内だけにひそかに利益を図っており強い非難に値する。会社に損害が生じたことは明白だ」「内々に報酬額を決定しており、会長らに委託された権限の範囲を逸脱する」「自らの立場を利用して秘密裏に補填を行い、口止めまでしていた」
…会社法違反(特別背任)
★起訴相当→→森詳介元会長、八木誠前会長
●不起訴不当→八嶋康博元監査役

(2) 豊松秀己元副社長が納めた追加納税分の補填。豊松元副社長が国税局に納めた税金を補填。「会長、社長に委託された権限を逸脱」
…会社法違反(特別背任)、業務上横領
★起訴相当→→森詳介元会長、八木誠前会長、岩根茂樹元社長

(3) 福井県高浜町の森本元助役の関連会社に対する不適切な工事発注
…会社法違反(特別背任、背任)
●不起訴不当→八木誠前会長、岩根茂樹元社長、豊松秀己元副社長、白井良平元取締役、鈴木聡元常務執行役員、大塚茂樹元常務執行役員、八嶋康博元監査役の計7人

(4) 元助役側からの金品受領。「一部の役職員が不適切な工事発注に関与し利益の一部の還流を受けていたことは電気利用者などへの裏切り行為であり強い非難に値する。検察は強制捜査を行っておらず旧経営幹部らへの事情聴取も十分だったか疑問だ」「利用者からの電気料金を懐に入れていたに等しい」「悪しき慣行を正さなければ任務違背に当たりうる」
…会社法違反(収賄)
●不起訴不当→岩根茂樹元社長、豊松秀己元副社長

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[5] 検察審査会は大阪地検の全面的な誤りを指摘するも
 関電は「我 関せず」で、素知らぬ態度[2022年8月]

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・2022年8月1日…大阪第2検察審査会が3人を「起訴相当」と議決。経営不振を理由に電気利用者に料金の値上げを求めながら、その陰で元役員らの利益を図ったことについては、「電気利用者への裏切り行為」ととりわけ強く非難している。
・検察審査会は、会社法の特別背任容疑などで告発され、大阪地検特捜部が不起訴にした八木誠前会長(72)、森詳介元会長(81)、岩根茂樹元社長(69)の計3人を「起訴相当」とした。八木、森、岩根以外の6人は「不起訴不当」と議決した。
・「起訴相当」の場合、特捜部が再捜査し、原則3か月以内に刑事責任の有無を改めて判断する。再び不起訴としても、検察審査会が2度目の「起訴相当」の議決を出せば、検察官役に指定された弁護士が強制起訴することになる
・「不起訴不当」の場合は、検察が再捜査の上で不起訴とすれば、捜査が終結する
検察審査会の全面的な検察庁の誤りの指摘に関する弁護団声明こちら
・「原発マネー不正還流を告発する会」からの報告→こちら
・なお、関電は「当事者ではなく、お答えする立場にない」とのコメントを発表した。「原発マネー不正還流を告発する会」の加納雄二弁護士は「長年の癒着があったにもかかわらず、全く信じられない発言だ」と関電の姿勢を批判した。

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◆[4] 市民による刑事告発はすべて不起訴、検察審査会へ[2021年~]
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・2021年11月9日…大阪地検特捜部が不起訴処分。「関電の原発マネー不正還流を告発する会」は9人を刑事告発していたが、特捜部は、いずれも関電に損害を与える故意性などは認定できないとして、9人全員を容疑不十分で不起訴にした。強制捜査等は行われず、嫌疑不十分で全員を不起訴処分にしてしまった。地検OBが多数関電役員に就任した経過からみて、不都合な真実の隠ぺいに検察も加担したのか?
・2022年1月7日…1,194人で検察審査会へ申立

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◆[3] その後、株主代表訴訟と刑事告発で追及[2020年]
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・3月14日…金品受取り問題に関する第三者委員会からの調査報告書が関電に提出される。金品受領は75人、総額約3億6000万円と公表
【第三者委員会の調査報告書こちら
・【投稿】関西電力金品受領問題・原発の深い「闇」を隠す第三者委員会調査報告書
 Assert Web、投稿日:2020年3月31日 作成者:杉本 達也 →こちら

・6月8日…取締役責任調査委員会が旧経営陣の善管注意義務違反を認めた調査報告書を公表
【取締役責任調査委員会の調査報告書こちら

・6月9日…市民団体「関電の原発マネー不正還流を告発する会」が役員報酬補填問題などに絡み、業務上横領などの疑いで八木氏らについて告発状を大阪地検に提出(→◆18◆
・6月16日…関電が八木氏ら旧経営陣5人に約19億円の損害賠償を求めて大阪地裁に提訴
・6月23日…脱原発個人株主5人が現旧経営陣ら22人に約92億円の損害賠償を求める株主代表訴訟を提起
・裁判は、関電会社訴訟株主提訴併合)と関電株主代表訴訟の二本立てで進行されている(→◆018◆)。
・8月17日…コンプライアンス委員会が役員報酬補填問題で八木氏ら3人の善管注意義務があったと認定
・10月5日…大阪地検が告発状を受理

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◆[2] 新聞報道後の経過[2019年9月~]
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・9月27日…岩根氏や八木前会長ら23人が計約3億円相当の金品を受け取ったと報道
・10月2日…2018年9月にできていたが非公表にされていた社内報告書を公表
【社内調査委員会の調査報告書こちら
・10月9日…八木氏が辞任。第三者委員会を設置
・12月13日…市民団体「関電の原発マネー不正還流を告発する会」が特別背任などの疑いで八木氏らを大阪地検に告発

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◆[1] 2019年6月、内部告発文書の送付までの経過
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・1977~1987年…森山栄治氏が高浜町の助役を務める
・2018年1月…金沢国税局が高浜町の建設会社を税務調査
・2018年7月…関電が社内調査委員会を設置。社外委員3名、社内委員3名(人事担当役員、コンプライアンス担当役員、経営企画担当役員)により構成
・2018年9月…社内調査委員会の調査報告書ができる。岩根茂樹社長ら6人を社内処分としたが、報告書は公表せず。岩根茂樹社長(当時)は、報告書を受領したが、同月中に八木誠会長(同)とともに、森詳介相談役(同)に相談し、「コンプライアンス上不適切な点はあったが、違法性は認められない」などとして公表見送りを決めていた(注-1-)。その後の第三者委員会は、このときの3人の対応を「ガバナンス(企業統治)の機能不全を示すものであったと言わざるを得ない」と厳しく批判
・2019年3月…森山氏が死去
・2019年3~6月…「関西電力良くし隊」から、岩根社長や監査役宛に通告などの手紙4通(→◆041◆、(1)~(4))
・2019年6月…「関西電力良くし隊」から、最終的な内部告発文書が広く各方面に送付(注-2-)(→◆041◆、(5))
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(注-1-)〔会計不正調査報告書を読む〕【第91回】関西電力株式会社「調査委員会報告書(平成30(2018)年9月11日付)」→こちら
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(注-2-)底が深い原発マネー
関西電力という会社はコーポレートガバナンスが全く機能しない会社、こんな会社は原発を持つ資格なし、全機運転を止めて廃炉にする以外ない
……高浜町の東山幸弘さん( 2019年9月29日記す、原発なくす蔵)→こちら
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◆[0] 関西検察のOBと関西電力の密接な関係
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(1) 2021年11月9日、大阪地検特捜部が刑事告発を不起訴処分にしたときは、関西検察のドンと呼ばれた土肥孝治元検事総長が元監査役、佐々木茂夫元大阪高検検事長が現取締役、小林敬元大阪地検検事正が今回の事件の社内調査委員会委員長を務めるなど、大阪地検と関電の深いつながりが、起訴の決定を阻んだのではないかと疑われた。

 → 郷原信郎:関電経営トップ「居座り」と「関西検察OB」との深い関係こちら
 (2019.10.7 Yahooニュース)

(2) 2022年8月1日
以下は『検察審査会の全面的な検察庁の誤りの指摘に関する弁護団声明』
(→こちら)の一節。
(関電不正マネー還流事件刑事告発弁護団 団長 河合 弘之、事務局長 加納 雄二)
「…・・ 検察は、自らの判断が市民感覚と甚だしくずれていることを猛省すべきである。まして、今回の事件については、関西検察のOBと関西電力の密接な関係が取りざたされている。大阪地検は、市民の合理的な疑念を晴らすためにも、直ちに再捜査に着手して、起訴相当とされた被疑事実のみならず、不起訴不当とされた被疑事実についても速やかに起訴すべきである。・・…」

(3)【参考図書】
『日本を滅ぼす 電力腐敗 政・官・司法と電力会社との癒着・天下りの実態』

三宅勝久 著
新人物往来社文庫
2011/11/8発行(なので、内容は少し古くなるが、腐敗の構造は今に継続)
関西電力についても、二人の経産官僚の天下りについて記載

◆071◆ ←← 関西電力 闇歴史 →→ ◆073◆