関電 闇歴史」カテゴリーアーカイブ

◆関西電力 闇歴史◆062◆

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◆関電の不適切取引3件を、コンプライアンス委員会が指摘、
 3件のうち、2件はすでに昨年も報道、
 報道に対し関電は素知らぬ顔をしていたが
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 関電のコンプライアンス委員会が、これまでの不適切取引3件を指摘したと、朝日新聞が報道した(2022年4月22日)。高浜町森山栄治元助役関連の利益供与も含まれている。

 2020年3月の第三者委員会調査報告書により、総論的に問題点の指摘があったが、関電によれば、今回の調査結果は、その追加各論にあたるものとされている。

 関電の原発マネー不正還流を告発する会」は、捜査権のない弁護士等による委員会ですらこれだけのことを調べられるのに、大阪地検はなぜ不起訴にしたのか、として、地検に再捜査を申し入れ、検察審査会へ起訴相当の議決を行うよう補充書を提出した。
地検への申入書はこちら

 なお、今回の3件の指摘のうち、2件は、昨年すでに報道されてきたもので、この「関西電力 闇歴史」に掲載している。

1.土砂処分問題…詳しくは
 →◆関西電力 闇歴史◆034◆
 新聞報道に対する関電のコメントが、なんとも素知らぬ顔をしているのが、おかしい。なお、工事の元請けのゼネコンと下請けの地元業者の間に吉田開発を介在させ、「監理業務」の名目で関電が支払っていたのは、約2億円とのこと。

2.土地賃借問題…詳しくは
 →◆関西電力 闇歴史◆035◆

3.A倉庫問題。これは新しく明るみに出た問題。関電は、資材置き場を年間5000万円で賃借していたが、相場は1600万円で不相当に高額。高浜町の幹部および町議A氏からの要求があった。大阪国税局の指摘を受けて減額交渉を始めた後も、減額分を補うため、町議の親族会社に相場より高額で土砂の処分工事を発注していたという。高浜町の野瀬豊町長は「町内にもうわさがあるもののそのレベルのことで、事実かどうかはわからず、私からはあったともなかったとも申し上げることはできない」「当時の幹部の年齢も考えると何があったかの事実の検証は難しい」としている(福井新聞)。

以下は、関電のプレスリリース。

・コンプライアンス委員会の調査結果を踏まえた当社の対応について
 こちら
・別紙1:コンプライアンス委員会の調査結果の概要 [PDF 99.66KB]
 こちら
・別紙2:「再発防止策の視点」と再発防止対策 [PDF 230.47KB]
 こちら
・添付資料1:調査報告書(概要) [PDF 414.31KB]
 こちら
・添付資料2:調査報告書 [PDF 2.23MB]
 こちら

◆関西電力 闇歴史◆061◆

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◆関電、やっぱり「お殿様目線」で消費者無視
 いつまでも身につかないユーザー目線
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 新聞に「MOX(モックス)燃料 20年で倍額」という記事があった(朝日新聞、2022/4/5)。
(MOX燃料については→◆003◆

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新聞報道によると、関電が輸入しているMOX燃料1体当たりの価格は、値上がりが続いている。
・1999年、約5億3000万円
・2010年、約8億8000万円
・2013年、約9億2000万円
・2017年、約10億円
・2021年、10億9595万円
なお、ウラン燃料は、
・2021年、約1億2000万円。
高価なMOX燃料を使えば、その費用は電気利用者が負担することになるが、それについて関電は、
「MOX燃料の利用料は(原発で使う)燃料の1割程度で、発電コストへの影響はわずか」
とコメントしているとのこと。
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驚きのコメントに、問題点はたくさん指摘できる。

(1) 関電は、破綻した核燃料サイクルを支えている。

(2) 関電にとって、経済合理性からかけ離れた支出になっている。経費はできるだけ減らして利益を出すのではなくて、経費を増やして利益を増やす「総括原価方式」がしみこんだ姿を露呈している。

(3) 利用者の負担が、電気料金の中でどの程度になるか、詳細は不明にもかかわらず(新聞記事の中で金森絵里先生が指摘)、「影響はわずか」という関電のコメントは、消費者目線が完全に欠落した「お殿様目線」になっている。たいした影響はないから、文句は言うなと聞こえてくる。

(4) 消費者目線に立ったコメントなら、もっと違う言い方があるだろう。勝手にばか高い買い物をして、その結果、電気代にも影響するのだから、ごめんなさい、理解してね、という消費者に対するコメントがないといけないのでは。「発電コストに多少の影響はあるが、核燃料サイクル維持の費用としてご理解いただき、ご容赦いただきたい」など、正直にね(^o^)

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【補足説明】
・関電は、地域独占と総括原価方式の中で労せずして殿様商売をしてきました。ユーザー目線や消費者第一という概念なんか、ほとんど見えません。原発マネー不正還流で第三者委員会が指摘したとおりです。指摘された後に会長と少しの取締役を取り替えただけで、会社の体質がコロリと変わるのでしょうか。

地域独占…お客様を開拓する必要がありません。ユーザーの支持を得る必要もありません。消費者なんか無視しておいて一向に困りません。市民との対話、ほとんどありません。

総括原価方式…経費の3%とかを自動的に利益にできる会計。経費を節約して利益を出すのではなくて、経費を増やして利益を増やす。5000億円の原発を何基つくっても、経営リスクがない。そして経費を節減するどころか、経費を水増して大量の購入物品を調達してきた。こうして大手電力は、どの地域でも、その地域の財界のお殿様で、大きな顔をしています。関電の場合、随意契約、特命発注が水増し発注、高値発注となり、元高浜町助役など受注者を経て、経営者、原発部門幹部の懐をうるおしてきました。

◆関電の経営者は、どんな経営をしても自動的に利益を確保できる中で育ってきました。普通の意味の経営能力はありません。どこに行ってもお殿様です。チヤホヤされる。経費は使い放題、巨額の賄賂をもらっても、預かっただけだと平気で言います。この厚顔無恥は、社内力学だけでのし上がってきた、特異な経営者の姿。原発マネー不正還流の裁判(◆018◆)での見どころが、ここにあります。
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◆関西電力 闇歴史◆060◆

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◆入社式で、新入社員代表が
 「関西電力の当たり前が世の中の当たり前と乖離していないか」と発言
 ネットでは、やらせ、茶番を指摘するコメントが大半
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 2022年4月1日、関電の入社式で新入社員が「関西電力の当たり前が世の中と乖離していないか」という辛辣なあいさつをしたという。朝日新聞デジタル→こちら

 新聞報道では「あいさつの内容は事前に会社側が確認しているという。厳しい文言を受け止めることで、風通しの良さを社内外に訴える狙いもありそうだ。」と書いてあるが、新入社員を利用して、自社宣伝をマスコミに載せてもらって、世間にアピールをしているに過ぎない。新聞記事にしてもらえれば、費用をかけずに自社の “改革” PRができる。利用された新入社員はいい面の皮だが、そんなことを新入社員にさせるな。役員が言っても世間からは信用されないので、一芝居打ったつもりかもしれない。世の中と乖離している関電の考えそうなことだ。

 ネットのコメントは1600件を超えているが(4/4)、「そもそも就活の段階で会社批判なんてしたら絶対採用しないし、そもそも世の中と乖離してるなんて意識を持っている学生は応募もしないでしょ。」など、大半が茶番劇を指摘し関電を批判している。
コメント→こちら

◆関西電力 闇歴史◆059◆

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◆関電の原発でコロナ・クラスター発生か?
 新聞報道によれば、関電は1月に300人を、2月に120人を自宅待機に!
 関電のプレスリリースは、昨年9月以来コロナ感染者について沈黙!
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 関電のプレスリリースには、美浜、高浜、大飯原発での「新型コロナウイルス感染者の発生について」の報告が載っていた。2020年~2021年9月までは載っていたが、その後は消えている。
 2021年8月には6件ものコロナ記載があったのに、9月以後はゼロになっている。コロナ感染者が発生していないのか、発表しないことになったのか、どちらか不明。9月から急にコロナ感染者がゼロになったとは考えづらい。方針を変更したのか?
2021年プレスリリース

 しかし、原発でのコロナ感染者は、ゼロではなかったようだ。2022年2月9日の新聞報道によれば、2022年1月以来、高浜原発での感染者が43人にもなったという。さらに2月25日の報道によれば、美浜、大飯原発でクラスターが発生し、関電は工事を中断して120人を自宅待機にしているという。だが、関電のプレスリリースは出ていない。
2022年プレスリリース

 
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◆2022年2月9日、中日新聞、県民福井の報道。
 福井県は2月8日、新たに228人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。関西電力は高浜原発(高浜町)で新たに県外患者3人を含む協力会社の従業員7人が感染し、同原発内の1月以降の累計患者が43人になったと発表。クラスター(感染者集団)とみられ、関電は、感染者と同じ工事現場にいた協力会社の従業員ら300人を13日まで自宅待機とした。
 高浜原発の1月以降の感染者のうち、半数近い20人が、1、2号機のテロ対策を担う特定重大事故等対処施設(特重施設)工事の関係者。300人の自宅待機で施設の工事は一部が中断しているが、関電は工期への影響は限定的としている。施設の完成は2023年5月ごろの予定。ほかに大飯原発(おおい町)で協力会社従業員1人の感染も発表した。
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◆2022年2月25日、福井新聞「美浜、大飯原発クラスター」の報道、概要。
(1)関電の発表(2022年2月24日)
・美浜、大飯、高浜原発に勤務する同社と協力会社の社員計14人がコロナに感染。
・関電は工事を中断し、関連する協力会社の社員計約120人を1週間自宅待機として検査。
・大飯3、4号機の特重施設工事…9人が感染。一連の感染者は23人に。
・美浜3号機の大型弁定期点検工事関連…これまで4人の感染が判明。新たに2人が陽性となり、累計で6人。
・1~2月には高浜1、2号機の特重施設工事関連で計32人が感染するクラスターが発生した。
・「連日多数の感染者が出て、誠に申し訳ない。保健所と協力し原因究明と対策強化を急ぎたい」

(2)福井県の見方…美浜原発と大飯原発の工事現場でクラスター(感染者集団)が発生したとみられる。県の窪田裕行健康福祉部長は24日の会見で「県内外からかなりの数の業者が入り、車を乗り合って現場に向かっているようだ。感染拡大の要因はいくつかあったのだろう」と述べた。

(3)日本原子力研究開発機構…2/24、新型転換炉原型炉ふげんの請負企業の作業員1人が感染。
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◆関西電力 闇歴史◆058◆

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◆高浜2号機の安全対策工事が
 2022/1/31にようやく完了…高浜再稼働策動のデタラメ、その1~その3
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●規制委の拙速認可
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【2016年】

  • 4/20…出張先の東京都内のホテルで、高浜原発1,2号機運転延長に関わっていた関電課長(40代男性)の自殺が見つかった。同日、1、2号機運転延長審査の合格にあたる「審査書」が了承さた。審査期限に間に合わせるよう、課長を含む担当職員は厳しい勤務状況にあったとみられている。(◆047◆
  • 6/20…原子力規制委員会が、稼働から40年を超えた高浜原発1、2号機について、運転期間の延長を正式に認可。再稼働認可には、特例で設定された7/7までに手続きを終える必要があった。

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●高浜再稼働策動のデタラメ…その1
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【2021年】

  • 2/12…福井県知事が、資源エネルギー庁長官および関電社長と面談。再稼働受け入れに転換。
  • 2/16…福井県知事が、県議会に再稼働論議を要請。県議会は反発。
  • 4/6… 福井県知事が、県議会議長と面談し、運転開始から40年を超えた原発1か所当たり最大25億円が国から県に交付されると明らかにした。
  • 4/22…関電が、高浜1、2号機の特重施設(特定重大事故等対処施設いわゆるテロ対策施設)が完成しないので、当面の再稼働は無理と表明。地元同意をとるためには、当該原発が実際に再稼働できるかどうかなどお構いなしであった。
    高浜再稼働策動のデタラメ–その1◆014◆

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●高浜再稼働策動のデタラメ…その2
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【2021年】

  • 4/24…福井県知事が、運転開始から40年を超えた関西電力高浜原発1、2号機を視察。冒頭で「県民の目線で安全、安心な対策が取られているか確認したい」と述べた。再稼働の同意判断の材料とするということで、再稼働に向けデジタル式に更新された中央制御盤や、有事の際の対応拠点となる緊急時対策所などを確認したという。
  • 4/28…福井県知事が再稼働同意を表明。
  • 4/30…関電が、高浜2号機では、特重施設の工事のみならず、安全対策工事までもが遅れていると発表。工事がいつ完了するかわからないとのこと。知事が再稼働同意を表明した直後のこの期に及んで発表する太々しさ。
    高浜再稼働策動のデタラメ–その2◆013◆
  • 7/21…福井新聞によると、関電高浜原発1、2号機で建設中の特重施設の完成時期が2023年5月ごろの見通しであることが7月20日、関係者への取材で分かったという。特重施設が完成しなければ再稼働できないため、少なくとも約2年間は運転できないことになることが明白になった。
  • 8/2…関電が、特重施設の運用開始→運転計画を発表。
    高浜1号機…2023年5月頃(設置期限は2021/6/9)→2023年6/20
    高浜2号機…2023年6月頃(設置期限は2021/6/9)→2023年7/20

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●高浜再稼働策動のデタラメ…その3
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【2022年】

  • 1/31…関電が、高浜2号機の安全対策工事が完了したと発表。知事が再稼働の同意をしてから工事完了まで、9か月もかかっている。
    高浜再稼働策動のデタラメ–その3

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●安全対策工事のおもな内容
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 関電のいう「安全性向上対策工事」(高浜原発)。
(1) シビアアクシデント対応となる原子炉格納容器上部へのドーム状鉄筋コンクリート造の遮蔽設置(直径約44m、事故時の環境線量低減のためのトップドーム)。
(2) 信頼性向上に向けた中央制御盤のアナログ式からデジタル式への取替。
(3) 耐震性を図る海水取水設備移設のため、深さ約40m、全長約130mのトンネル工事。
…高浜1号機では(3)を除く

◆関西電力 闇歴史◆057◆

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原発廃材でつくったベンチが関電の原子力事業本部(美浜町)のホールに。
 そんなに安全なら、関電本店役員室の椅子や机に使えばどうか
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 放射線管理区域内で発生した廃棄物は、以前は、すべて放射性廃棄物として扱うことになっていた。しかし、量が多く管理にお金がかかるため、放射能数値が一定以下のものは一般のごみとして廃棄したり、鉄やコンクリートはリサイクルして使おうという法律が 2005 年成立した。これが「スソ切り」とよばれる制度。微量放射能といえども避けたほうがいいのに、これからは微量放射能を含んだごみや原発解体の鉄から作られたフライパンや自転車などの製品が町にあふれることになりかねない。実際に現在すでに原発PR館などに原発解体由来の鉄製ベンチが設置されている。
(以上は、関西消費者協会「大阪府の原発のごみ。くらしを見つめるひととき(発表者)久保美恵子・滝沢 厚子・遠山ひろ子」を参考にしています。)

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「スソ切り」とは
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 以下、少し詳しく。

  • スソ切り処分とは、一定レベル以下の放射性廃棄物の規制を外し、「クリアランスレベル」として一般的な産業廃棄物にしてしまう制度のこと。電気事業連合会では「クリアランス制度を活用し、廃材の再利用を進めることで、循環型社会の形成および廃棄物の減容に貢献したい」と考えている。
  • この制度によって、原発廃材の金属やコンクリートをフライパン、飲用缶、路盤材などの原料として再利用することが可能となる。原子炉等規制法の改悪(2005年)による「安上がり処分」。
  • 基準は、1年間に受ける放射線の量が0.01ミリシーベルト(10マイクロシーベルト)となる放射能濃度。しかし、放射能にはこれ以下なら安全という「しきい値」はない。しかも、この設定対象の拡大、運用の規制緩和が目論まれている。
  • 2006年、解体工事が進む東海原発(茨城県東海村)から微量の放射能を含む可能性のある廃材約4トンが初めて搬出され、同村内の鋳造会社で応接テーブルやベンチにリサイクルする作業が始まった。
  • 関電では、2009年4月のプレスリリースによると、リサイクルベンチ(1脚)を、原子力事業本部(福井県三方郡美浜町)1階ロビーに設置。クリアランス制度を適用して作られたリサイクルベンチの設置は、関電として初めてで、福井県内でも日本原電敦賀原子力館に次いで2箇所目とのこと。
  • みんなが座るベンチなどにせず、関電役員室の椅子や机に使えばいいのに。関電本店に「原発うごかすな!」の申し入れに行って、会議室に通され「こんな丁寧な対応は初めて」などと喜んでいたら、机も椅子も、クリアランスレベルの鉄の再生品が使われているという説明をうけた。その会議室には「クリアランスルーム」という名札がかかっていた…
    …もちろん冗談です(^ ^;;

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【参考サイト】
【自治体問題研究所】「廃炉時代」がやってきたー原子力発電の後始末
(大島堅一 龍谷大学政策学部教授)(2021年12月2日)
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中部電力、クリアランス金属を初の再利用
浜岡の敷地内側溝用ふたに
2022/02/15
 中部電力は14日、廃止措置中の浜岡原子力発電所1、2号機で発生した廃棄物のうち「放射性物質として扱う必要のないもの」として認められたクリアランス金属について、同発電所敷地内の側溝用のふたとして再利用すると発表した。これまでに原子力規制委員会から放射能濃度が基準値以下であることを確認された約530トンのうち、約80トンを活用する。静岡県清水町の木村鋳造所と契約。同発電所で発生したクリアランス金属を再利用するのは今回が初めて。
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◆関西電力 闇歴史◆056◆

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◆使用済み巨大蒸気発生器(1基約300トン)、どうやって処理するのか?
 福井県内には既に計33基も積み上がっているが、
 国内に処理可能な施設はない!
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 蒸気発生器は、加圧水型の原子炉で温めた1次冷却水の熱を2次系の水に伝えて蒸気を生む熱交換器。原子炉容器1基について3~4基の蒸気発生器がある。1基は長さ約20メートル、直径約4~5メートルと巨大な円筒形の金属で、重さは約300トンになる。日本では、三菱重工神戸造船所などが製作し、輸出もしてきた。
 ただ、高温、高圧の水が流れるので、破損の危険が大きく、安全のために取り替えられることもあり、加圧水型原発のアキレス腱といわれる。原子炉で暖められた水(160 気圧 320℃)を蒸気発生器の中にある直径約 2cm の細管を通してその周りの水を沸騰させる。1基3000本ほどの細管の中を高圧高温水が流れるので、細管は多くの傷が付き、 1991 年美浜原発 2号機でとうとう細管がギロチン破断して多くの放射能が環境に放出されてしまった。このときは緊急炉心冷却装置(ECCS)が作動した。(◆002◆)。それ以来、関電にとって想定外だった蒸気発生器の取り替えが始まった。蒸気発生器は、原子炉からの一次冷却水に汚染されているので、放射能が高く危険。
(蒸気発生器細管のトラブル→◆021◆

▼1:原子炉容器、2:蒸気発生器、3:循環ポンプ、4:加圧器(◆019◆

 関電の原発が集中している福井県では、廃炉になる原発も増え、使用済みの巨大な蒸気発生器が原発敷地内に既に33本も積み上がっている。1990年代、大飯3、4号機と高浜3、4号機を除く7基で、細管損傷などのトラブルが多かった蒸気発生器を改良型に相次いで交換した。これらの放射性廃棄物をどうやって処理するのか、国内に処理可能な施設はないだけに、今後の課題は大きい。これまでの規制では、原発の放射性廃棄物は国内ですべて処分するという原則であったが、政府は、処分を海外業者に委託できるように輸出規制を緩和することを検討している。国内に専用の処理施設がなく、発電所の敷地内で保管したままだと作業スペースが圧迫され、廃炉の妨げになると経産省は説明する。アメリカ合衆国やスウェーデンでは放射性廃棄物を国外から受け入れ、除染や溶融をしたうえで、金属素材などとして再利用するビジネスが確立しているという。
(朝日新聞 2019/9/19 →こちら

 放射性廃棄物の処理ができないままの原発推進は、まさに「後は野となれ山となれ」の典型。蒸気発生器のほかにも、1996年以降は、原子炉容器の上ぶたも応力腐食割れの予防策などのため全11基で取り換え、蒸気発生器と同じ保管庫に入れている。
金にまかせて海外に運び出すか
日本に経済力のある間はそれも可能かも
他の不都合な条件での交換取引を迫られるかも)、
そのまま積み上げて次の世代に先送りするか
となるだろう。二酸化炭素を出さないと言いながら、猛毒放射能を増やし続ける原発には、未来はない。近い将来の地球のためには、脱原発、脱炭素以外の道はない。

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巨大蒸気発生器、処分は 県内に計33基 国内に処理可能施設なし /福井
毎日新聞 2021/12/18 →こちら
▼放射性廃棄物となった蒸気発生器の数

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◆関西電力 闇歴史◆055◆

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◆ガスの小売り自由化に新規参入した関電ガス
 トラブルを抱えつつ、大阪ガスとしのぎを削る
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ガスの小売自由化の経緯……都市ガスの供給については、これまで都市ガス会社が独占的に供給してきたが、1995年から大口を対象とした部分自由化を開始。2017年4⽉から家庭を含む全ての都市ガスの利用者への小売りが自由化された。

電力小売り自由化との関係……2016年4月に電力小売り全面自由化が始まり、大阪ガスが獲得した家庭向け電力契約数は2017年4月25日時点で約32万件。一方、2017年4月1日に都市ガス小売りが全面自由化された結果、関電の家庭向けガス(関電ガス)契約数は1年間で約42万件を獲得し、大阪ガスの10%になった。大阪ガスと関電は、互いに電気と都市ガスの小売りでしのぎを削っている。

「関電ガス」とは……関電ガスを販売しているのは、大手電力会社の「関西電力株式会社」。関西電力株式会社の中に「ガス事業本部」がある。別に「関電ガスサポート株式会社」(本社:大阪市、資本金1億円)というグループ会社があり、関電が51%、岩谷産業が49%の株主。「関電ガスサポート」は、関電ガス販売代理業務、消費機器調査等の保安業務、消費機器トラブル時対応業務を関西電力から受託している。有価証券報告書(第97期、2020年4/1~2021年3/31)では、「総合エネルギー・送配電事業」の中の「ガス・その他エネルギー事業」というセグメントになり、本社+連結42社+持分法4社+関連48社からなる。

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◆関電ガスに、不適正な行為に係る業務改善勧告
(2019年8⽉21⽇)
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 これまでに、電力・ガス取引監視等委員会では、ガス小売事業者に対し不適正な行為に係る業務改善勧告を4件実施している。4件のうち、3件は東電エナジーパートナー。1件は、関西電力(2019年8⽉21⽇)。それは、「電気及びガスの小売供給契約締結の際、多数かつ継続的に、法に規定する契約締結前交付書面及び契約締結後交付書面の需要家への交付を行わなかった。」というもの。

 電力・ガス取引監視等委員会「電力・ガス取引監視等委員会の検証に関する専門会合」第3回配布資料(2020年6月時点実績)ガスシステム改⾰の進捗と委員会の取組について。2020(令和2)年10⽉27⽇。→問題のあるガス⼩売事業者に対する指導

 詳細は以下の「電気・ガスの新料金システムで不具合、原因となった設計上のミスとは」に詳しい。日経クロステック
 
 関西電力が2019年10月に全面稼働させた「新顧客料金システム」で、システム設計のミスに起因する3種類の不具合が発生した。約2万件の契約書面が未交付になったほか、割引の未適用などが生じた。プログラムの実装漏れやデータ移行時の不備などが原因だった。
 新顧客料金システムとは、2017年4月の電気とガスの小売り自由化に合わせて、関電が2017年4月から2019年10月にかけて段階的に稼働させたシステムだ。関電は電気とガスの自由化に伴い、季節や時間帯によって料金単価が安くなる電気の「自由料金メニュー」を新設したり、都市ガス事業である「関電ガス」を始めたりした。こうした新しいメニューやサービスを使う顧客の契約を管理し、請求などの処理を担うのが新顧客料金システムとなる。従来の「規制料金メニュー」の契約は既存の料金システムで管理を続けている。
 関電は2019年7月、自由料金メニューを契約したり変更したりした顧客の一部に契約書面を交付できていなかったと発表した。契約書面は電気事業法などで交付が義務付けられている。対象件数は合計2万297件だった。

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◆関電ガス、委託会社が警報器設置と虚偽報告
(2021年11月29日)
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 関西電力は、都市ガス事業の「関電ガス」の契約者で業務用の厨房を利用する飲食店などに対して、一酸化炭素を検知する警報器を希望者に無料で設置しているが、委託会社が設置の有無などを確認せず、関電に「設置済み」だとうその報告をし、関電側から設置工事の手数料を不正に受け取っていたという。虚偽報告はおよそ4900件。虚偽の報告は工事の委託料を不正に取得するためとみられる。関電は2017年の都市ガス小売り参入に伴い警報器の設置業務を委託していたが、その直後からの不正を確認した。今年10月に顧客から関電に直接問い合わせがあり不正が判明した。

(ガス警報器は、ガス会社からのリースにしても買取りにしても、結構な値段になる。ホームセンターやインターネットでは、断然安い価格で販売している。自分で設置しないといけないが、難しくはない。大阪ガスでも関電ガスでも、ガスそのものは同じなので、警報器は、共用できる。)

◆関西電力 闇歴史◆054◆

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◆関電から高浜町へ、45億円とか莫大な寄付金
 不明朗な寄付金の原資は消費者の電気代

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◆関電から高浜町への匿名寄付金 45億円
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 原発建設が始まった1970年以降、関電は、高浜町に対して計約45億4000万円を匿名で寄付していた。このうち8割は、77年度からの9年間に集中していたが、関電が高浜3、4号機の増設を目指していた時期に当たり、在任中の森山栄治助役(77~87年)が関電と高浜町の間を取り持っていたことが推定される。当時の町幹部によると、森山氏は関電との窓口役を担い、町が要望して関電が認めれば寄付が行われたという。消費者の支払った電気代が、これらの寄付金の原資となっているのは、明らか。

 以下は、関電から高浜町への寄付金。
朝日新聞(2013/8/21→こちら)によると、
 
・1970年度(高浜1号機着工)、270万円の寄付。
・1980年度(高浜3、4号機着工)、10億2000万円の寄付。
・1977~85年度には、合計で約36億7000万円の寄付。
・1994年度の寄付1億5000万円のうち1億円で古美術品を購入したが、数年にわたり展示されず。町議会で購入価格や手続きが問題になった。
・2005年度、1億2000万円は、台風で被害を受けた漁業対策として町が関電に要求。一度は断られたが再度求め、町水産公社が受け取った。

【参考】関電から高浜町へ匿名寄付45億円(1970~2013年度)
・2013/8/21朝日新聞記事→こちら
・同上グラフ→こちら

【参考】報道時期が異なるが、次の記事も、上記と同様の寄付金について44億円として報道。
・2019/10/20朝日新聞記事→こちら

【参考】次の記事も、上記と同様の寄付金について43億円として報道。
東京新聞(2019/11/24→こちら)によると、
 
 高浜町は、1970年度以降、関電側から少なくとも計43億円余りの寄付金を受け取っていた。関電は「相手との関係もあり、個別の寄付実績は差し控える」と回答。電力会社の会計ルールを定めた電気事業会計規則に基づき、有価証券報告書では、電気事業営業費用の「諸費」に計上していると説明(電力会社の会計ルールを定めた電気事業会計規則による)。高浜町の決算書には「地域振興事業寄付金」「土地造成費寄付金」などと記載されているが、実際に何に使われたかは「記録が残っていない」(町総務課)という。

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◆関電から自治体などへの寄付金
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 関電から自治体などへの寄付金については、以下のような報道がある(朝日新聞、2013/1/27→こちら)。
 ただし、この記事では、相手先は特定されていない。電力10社が公開した2011年度の寄付金では、福島事故の被害対策基金に30億円を拠出した東電に続いて、関電の16億円(地方公共団体に1億円、特定公益増進法人に11億円)が第2位となっている。
 ↓ 関電の寄付金
・2009年度…16億2269万円
・2010年度…16億9599万円
・2011年度…16億6777万円
・2012年度(見込み)…8億6127万円

◆関西電力 闇歴史◆053◆

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◆“裏工作の仲介役”を担った森山栄治元助役が
 関電の弱みを握った発端の一つがフナクイムシ問題

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 関西電力幹部が福井県高浜町の元助役、森山栄治氏から多額の金品を受領していた問題で、第三者委員会(委員長・但木敬一元検事総長)が2020年3月14日、最終報告書を公表し、大阪市内で記者会見を行った。報告書は関西電力が1970年代から80年代にかけて進めた高浜原発3、4号機の建設をめぐり、森山氏が“裏工作の仲介役”を担い、関西電力の弱みを握る形になったことが金品問題の発端となったことを明らかにした。その一つが、フナクイムシ問題。
(「第三者委員会」については→◆041◆

 高浜原発からの温排水によりフナクイムシが増加し、地元企業が保管していた木材に関する食害が生じたとして、この地元企業が保有する約3万坪の土地・建物の買い取りを関電に求めた際、森山氏は関電と地元企業の仲介役をつとめた。

 当初、関電は電気事業者として利用価値のない土地の取得はできないとして、買い取りを拒否していたが、森山氏が仲介に立ち、最終的に購入を了承。当初、関電側が鑑定した評価額の約2倍近い11億円で、関電が地元企業の不動産を買い取るという不透明な手段によって解決したという。第三者委員会はこうした不透明な解決を図った内情が明らかになれば「不適切な取引との批判を免れ得ない取引」と指摘した。

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「第三者委員会 報告書」71~73ページの結論部分
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 フナクイムシ問題においては、関西電力が森山氏の仲介によって、発電所の運営に関する地元企業との紛争を、最終的に当該地元企業の所有する不動産を買い取ることによって解決したことが認められる。関西電力から提供を受けた資料からは、森山氏がこの仲介に当たり違法ないし不当な手段を用いたことは認められないが、関西電力は、地元企業との紛争を解決するために、利用計画のなかった不動産を自らが取得した鑑定結果に基づき正常価格と考えていた価格よりも4億5000万円余りも高額な金額で購入し、森山氏らの要請に応じて、高浜町が誘致した企業を救済する結果となっている。

 このフナクイムシ問題に端を発する本件地元企業との不動産取引は、原子力発電所の運営に関する地元企業との紛争を不動産の高額買取という不透明な手段によって解決するとともに、関西電力自身が当初、電気事業者として利用計画のない土地を取得することはできない、また、町が誘致した地元企業を関西電力が救済することは事業の性格上不可能であり、各方面で諸種の問題を起こすことを理由に土地の買取りを拒絶していたとおり、その内情が世間に明るみに出れば、そもそも、高浜町において発電所を設置・運営する電気事業者として不適切な取引であったとの批判を免れ得ない取引であった。

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「フナクイムシ問題」の全文(第三者委員会 報告書より)
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PDFファイル。ファイル名:「daisansya-71-73.pdf 」