◆関西電力 闇歴史◆107◆

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◆関西電力送配電(株)、インバランス料金を複数回、誤算定
 電力・ガス取引監視等委員会が報告を公表(2023/7/28)
 誤算定の原因は、マニュアルの不備など事務の正確性欠如
 【付 インバランス料金】
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 関西電力の100%子会社である関西電力送配電(株)は、インバランス料金(発電計画などに対する電力の過不足に応じ、発電・小売り事業者と送配電事業者がやりとりするお金)について、誤算定を繰り返していた。

 マニュアルの不備、運用設定の誤り、システム改修時の誤り(仕様変更の認識不足)が原因とされている。インバランス料金は、卸電力市場における重要な指標の一つであり、電力小売業者にとっては、重要な経営指標。誤算定の結果、多くの小売電気事業者の会計処理に多大な影響を与えている。電取委は報告のまとめで、「重い事象」と指摘している。

 電力・ガス取引監視等委員会は、インバランス料金の誤算定を引き起こした東北、中部、関西、九州及び沖縄に対し、電気事業法に基づく報告徴収を実施した。2023/7/28、各社から報告された概要を公表した。(→こちら

 経緯としては、まず関西電力送配電(株)で発覚した。
  
(1) 2022年10月、関西電力送配電(株)の中央給電指令所システムにおけるデータ取込設定の誤りに伴うインバランス料金単価の公表値の誤りが発覚
(誤算定期間:2022年4月分~2022年10月分)
(2) 関西電力送配電(株)は誤算定を発生させたことから、中給システムの再点検を実施
(再点検期間:2022年11月~2023年3月末)
(3) 再点検の結果、新たな誤算定が発覚
(誤算定期間:2021年6月分~2023年2月分)
※2021年6月分~2022年3月分は旧インバランス料金単価の誤算定。

・電力・ガス取引監視等委員会(電取委)から報告徴収に対する関西電力送配電(株)の報告は
 
インバランス料金の誤算定に係る報告徴収への報告について(→こちら
2023年3月15日 関西電力送配電(株)

・関西電力送配電(株)のWebサイトにおける
インバランス料金に関連するお知らせ………数が多すぎ!
(→こちら
(→こちらも
 
・2023年5月17日 インバランス料金単価算定根拠となるデータ誤りについて
・2023年5月10日 【終報】インバランス料金単価算定根拠であるインバランス量算出のためのデータ取り込設定の誤りについて
・2023年4月25日 インバランス料金単価算定根拠となるデータ誤りの可能性について
・2023年3月30日 【続報】インバランス料金単価算定根拠であるインバランス量算出のためのデータ取り込設定の誤りについて
・2023年1月6日 【終報】インバランス料金単価算定根拠となるデータ誤りについて
・2022年12月17日 インバランス料金単価算定根拠となるデータ誤りの可能性について
・2022年11月10日 【続報】インバランス料金単価算定根拠であるインバランス量算出のためのデータ取り込み設定の誤りについて
・2022年11月1日 【続報】インバランス料金単価算定根拠であるインバランス量算出のためのデータ取り込み設定の誤りについて
・2022年10月25日 【続報】インバランス料金単価算定根拠であるインバランス量算出のためのデータ取り込み設定の誤りについて
・2022年10月14日 【訂正】インバランス料金単価算定根拠であるインバランス量算出プログラムの誤りについて
・2022年10月13日 インバランス料金単価算定根拠であるインバランス量算出プログラムの誤りについて
・2022年7月25日 【終報】6 月28 日のインバランス料金単価200 円/kWh の誤りについて
・2022年7月11日 【続報】6月28日のインバランス料金単価200円/kWhの誤りについて
・2022年6月29日 6月28日のインバランス料金単価200円/kWhの誤りについて
・2022年6月28日 新たなインバランス料金制度におけるインバランス料金単価算定根拠である「調整力の限界的なkWh 価格」の誤りについて
・2022年5月30日 【終報】新たなインバランス料金制度におけるインバランス料金単価算定根拠である「調整力の限界的なkWh 価格」の誤りについて
・2022年5月25日 新たなインバランス料金制度におけるインバランス料金単価算定根拠である「調整力の限界的なkWh 価格」の誤りについて

【付 インバランス料金】

 電力の小売業者が事前に確保した供給量に対し、実際には顧客の需要量の方が多くて、供給量が足りなくなった場合には、送配電会社が足りない分を供給することになっている。電力の小売業者は、需要を正確に見積もることが求められる。送配電会社が電力を融通することで、需要家に電気が届かなくなることはない。しかし、電力を融通してもらった小売業者は、送配電会社に「インバランス料金」という追加料金を支払う必要がある。(インバランス=アンバランス)
 このインバランス料金は、ペナルティ的な意味合いが強く、卸電力よりも高く設定されている。(需要が少なくて供給の方が多くなった場合は、送配電会社が余剰分を買い取る。)

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