◆関西電力 闇歴史◆024◆

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◆カルテルの疑いで二度の立ち入り検査(2021年)
 関電主導のカルテルなのに、関電は課徴金なし(2022年)

 【付 課徴金減免制度(リーニエンシー)】
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[5] ずるいぞ!関電…関電は他社を誘ってカルテルを主導したのに、減免の申告は他社を誘っていない。自分だけ申告、だから、余計にずるい。「金だけ、今だけ、自分だけ」が明らか。
・読売新聞では、下記の報道あり。九州電力、中国電力、中部電力が、関電が提案したカルテルに応じたのは問題だが、そのこと以外に、一人抜け駆けして、はしごを外した関電に対して怒るのは当然ともいえる。
 
中国電の関係者は「関電主導なのに、課徴金がないのは納得ができない」と話し、九電の関係者も「うちは関電から持ちかけられ、カルテルに応じた。関電がおとがめなしなのはおかしい」と怒りをあらわにした。
・産経新聞
 
(関電は)電力自由化の趣旨をないがしろにし、利用者の信頼を裏切ったとの批判は避けられそうにない。

[4] 関電だけは課徴金免除…関電が主導したカルテルで、関電だけが課徴金を免除され、九州電力、中国電力、中部電力が多額の課徴金(2022/12/1報道)。九州電力に約27億円、中部電力とグループ会社に約275億円、中国電力には700億円を超える課徴金の納付を命じる見込み。九州、中国、中部の大手電力3社は2018年秋ごろから2020年10月頃まで、企業向けの特別高圧、高圧の電力供給をめぐり、従来の営業エリア以外では積極的な営業をしないよう、関西電力とそれぞれ合意を結んでいた。関電が各社に提案したとのこと。なお、特別高圧は2000年に自由化、高圧は2004~05年に自由化されていた。大手電力各社は、競争による価格の引き下げを避けようとして、ライバルと裏で手を握って一部顧客を欺いていたわけだ。
 また、今回、公取委がカルテルを摘発したということは、電力・ガス取引監視等委員会(電取委)はその不法行為を見逃していたことになる。どうして電取委はカルテルに気づかなかったのか、その点も指摘されている。

【参考:課徴金の金額】
 課徴金は、九州電力に約27億円、中部電力とグループ会社に約275億円、中国電力には700億円を超える額と報道されている。この金額はそれぞれ、どのようにして計算されているかというと、公正取引委員会のWebサイト→こちらに計算方法が明示されている。
 それによると、課徴金の算出はおおまかに言って「カルテル締結期間中の売上げ額×算定率10%」ということらしい。それにしても、中国電力が九州電力に比べて、金額がかなり多いのは何故か。
 今回のカルテルの課徴金対象は、高圧及び特別高圧の各社の売上げと考えられるが、九州電力エリアでは自由化以降、新日鐵等の新電力のシェアが伸びているのに対して、中国電力エリアでは新電力のシェアが限定的。その分、中国電力は高圧、特別高圧の売上額が多くて、その結果、課徴金も多額になったとみられる。エリア(以前の独占地域、現在の送配電地域)ごとの大手電力と新電力の力関係が、課徴金の金額に影響を与えたというわけだ。

[3] 課徴金を課すか…2022年11月25日、公正取引委員会がカルテルを結んだ中部電力中国電力九州電力に、少なくとも計数百億円の課徴金納付命令を出す方針を固めたとの報道。最初に違反を申告した関西電力は課徴金減免制度リーニエンシー)で課徴金は免れる見通しともいわれる。しかし、このカルテルは関電の役員がもちかけたとの報道もある。

【付 課徴金減免制度(リーニエンシー)】
 事業者自らが関与しているまたは過去に関与したカルテルや談合などについて公正取引委員会に対して自主的に申告した場合に、当該事業者の違反行為に対する課徴金がその申告した時期・順位に応じて免除(100%減額)または減額(30%もしくは50%の範囲)される制度。公取委の調査開始前なら100%か50%の減額、調査後なら30%の減額となる。ただし、減免は5社まで。公取委が立ち入り検査を行った段階なら、立ち入り検査を受けた事業者は一斉に社内調査を開始し、課徴金減免制度の利用を検討することになるので、速やかに社内調査を実施し、申請の可否を判断することになる。
 2006年に制度がスタートした当初は運用企業数は3社だったが、2010年の制度見直しで5社に拡大された。申請件数は2016年3月までの約10年間で938件、課徴金が減免されたのは計264社。申し出があった場合だけ申請企業を公表しているが、2015年6月の申請分からは全企業名を公表しており、公取委幹部は「順調に定着してきた」としている。
 なお、リーニエンシーとは、寛大、哀れみ深さ、慈悲、寛容といった意味。つまりは、カルテルの仲間割れを促す制度。

[2] 二度目の立ち入り検査…公正取引委員会は2021年7月13日、電力販売で互いに顧客の獲得を控えるカルテルを結んでいた疑いが強まったとして、九州電力とそのグループ会社、関西電力中国電力の4社を立ち入り検査した。公取委は4月にも、電力や都市ガス販売でカルテルを結んだ疑いで、関電や中部電力、東邦ガスなどに立ち入り検査を実施した。容疑が事実なら、電力やガス市場の競争を不当に損ない、消費者を裏切る許されない行為である。

[1] 最初の立ち入り検査…事業者向けの電力供給をめぐり、互いの営業活動を制限するカルテルを結んでいる疑いがあるとして、公正取引委員会は2021年4月13日、中部電力と販売子会社の中部電力ミライズ(いずれも名古屋市)、関西電力(大阪市)、中国電力(広島市)の4社に対し、独占禁止法違反(不当な取引制限)の疑いで立ち入り検査をした。公取委がカルテル容疑で電力会社に立ち入り検査に入るのは初めて。「特別高圧」の電力供給をめぐるもの。各社が従来、電力を供給してきた区域外では積極的な営業活動をせず、顧客を奪い合わないようにしていた疑いがある。合意は関電と中部電、関電と中国電それぞれの間で交わされていたとみられる。

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