◆関西電力 闇歴史◆018◆

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◆関電の原発マネー不正還流は、最悪の幹部腐敗!(2019年発覚)
 会社訴訟と株主訴訟がはじまる!(2020年6月~)
 市民が大阪地検に告発する!(2019年12月、2020年10月受理)
 告発の後の経過→◆072◆(【4】刑事告発、その後の経過[2021年~])
 【付 幹部20人の不正受領金品の一覧】
 【付 責任追及裁判は会社訴訟と株主訴訟の二つ】
 【付 関電金品問題、福井県職員109人も受領】

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 2019年9月に新聞報道で発覚。関電の役員等20名余が、福井県高浜町の森山栄治元助役やその関連会社から計約3億6千万円の金品を受領していた。1億円を超える金品をもらっていた原発事業の幹部(豊松秀己元副社長ら→◆050◆)もいる。しかも、平然と受け取り隠そうとしてきた。会社幹部としてすべきことではない。関電の発注した主として原発関係の工事費からの還流であることに疑いの余地はなく、それは、特別背任罪(会社法960条1項)、背任罪(刑法247条)、贈収賄罪(会社法967条1項)、所得税法違反(238条1項、120条1項)の疑いが濃厚。
(「関西電力良くし隊」からの内部告発~~文書5通→◆041◆
(NHKクローズアップ現代
2019年10月23日 追跡 関西電力・金品受領の裏で何が?こちら
(FRIDAY DIGITAL
2019年10月19日 “原発のドン”が現金ではなく「賄賂小判」を関電幹部に贈った理由→こちら
(森山氏の関連会社…吉田開発株式会社、柳田産業株式会社、株式会社オーイング、株式会社塩浜工業)

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東京新聞より(2019年10月3日)
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関電の記者会見。まるで被害者 「元助役怖い」「我慢重ね対応」延々30分。「高浜町の元助役森山栄治氏(故人)から金品を受け取っていた関西電力役員らには、一億円相当以上だった鈴木聡常務執行役員や豊松秀己元副社長以外にも原発部門の要職が名を連ねた。」

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「関電の原発マネー不正還流を告発する会」による告発
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 2019年12月13日「関電の原発マネー不正還流を告発する会」は、3272人で刑事告発(2020年1月末の追加をあわせると告発人は3371人)。さらに、第三者委員会報告書で明らかになった退任役員への闇補填行為が業務上横領や特別背任にあたるとする新たな告発を行うことにし、2020年6月9日に2172人で大阪地検に提出した(後の追加をあわせると2193人)。その後、上記2つの告発状を一本化し、関電の第三者委員会、取締役責任調査委員会、コンプライアンス委員会の報告書で明らかになった事実等でブラッシュアップして、被告発人を森元会長ら9名に絞った告発状を提出した。その結果、2020年10月5日、大阪地検に正式に受理された。

 しかし、まる1年経っても起訴には至っていない(2021年10月5日現在)。そのくせ、不起訴になりそうという「関係者」による “情報“ (意図的なリーク)がマスコミに流されている。2021年10月6日の関電会社訴訟株主提訴併合)第1回口頭弁論に先立って、刑事告発代理人弁護士らは、大阪地検に対し「告発状にしたがって起訴するように」申し入れを行っている。

 関西検察のドンと呼ばれた土肥孝治元検事総長が元監査役、佐々木茂夫元大阪高検検事長が現取締役、小林敬元大阪地検検事正が今回の事件の社内調査委員会委員長を務めるなど大阪地検と関電の深いつながりが、起訴の決定を阻んでいるのではないかと疑われている。

◆告発の後の経過は→◆072◆【4】刑事告発、その後の経過[2021年~]

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減額された役員報酬の闇補填、追徴課税分の闇補填
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福島第一原発事故後に、全ての原発が停止に追い込まれた関電は、2013年と2015年の二度にわたって、料金を値上げした。
(1) 2013年5/1~。値上げ。規制分野で平均9.75%、自由化分野平均17.26%
(2) 2015年6/1~。値上げ。規制分野で平均8.36%、自由化分野平均11.50%
 ただし軽減期間(2015年6/1~9/30)は、4.62%、6.39%)
  
・2015年4月、経産省、電気料金値上げ審査会合にて「 2015年4月のある日、場所は東京・霞が関の経済産業省内にある会議室。消費者団体の代表者から次々に厳しい言葉が飛びました。その言葉の先に座っていたのは、関西電力の幹部たちでした。」まったく誠意がないと指摘されている関電幹部とは、八木誠、岩根茂樹の両氏。→◆044◆

・電気料金の値上げの際、関電は役員報酬の減額を約束。しかし、森詳介会長と八木誠社長が、減額分は役員退任後に闇補填することを決定(森は決定直後に退任)。補填を受けていた退任役員は、18人で、2019年10月(原発マネー不正還流が発覚して打ち切り)までの支出総額は、2億6000万円と公表。森、豊松秀己以外の氏名は明らかにされなかった。

・豊松ら4人は、国税に追徴課税を支払っていたが、八木誠会長と岩根茂樹社長が、追徴課税分は5年かけて補填することに決めた。2019年の株主総会で退任してエグゼクティブフェローになった豊松の場合、毎月30万円となり、その報酬は月額490万円で過去のエグゼクティブフェローの倍額相当であった。
(豊松の場合、減額された役員報酬の闇補填が毎月90万円、追徴課税分の闇補填毎月30万円。)

・なお、関電のその後の料金値下げ。
(3) 2017年8/1~。値下げ。規制分野で平均3.15%、自由化分野平均4.90%
(2017年6、7月、高浜3、4号機、再稼働)
(4) 2018年7/1~。値下げ。規制分野で平均4.03%、自由化分野平均5.94%
(2018年3、5月、大飯3、4号機、再稼働)
(5) 2020年10/1~。値下げ。規制分野で平均0.70%
(小売規制料金に含まれていた廃炉円滑化負担金が、託送料金に含まれることになったので、その相当額の減額)(関電の分が関電送配電にうつるだけ)

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参考サイト
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・関電の原発マネー不正還流を告発する会こちら
・郷原信郎:関電経営トップ「居座り」と「関西検察OB」との深い関係こちら
(2019.10.7 Yahooニュース)
・郷原信郎:関電金品受領問題は「戦後最大の経済犯罪」 ~原発事業をめぐる「闇」の解明が不可欠
こちら。(2020.3.19 Yahooニュース)………現金の供与額が突出して多いのが、原子力事業本部の豊松秀巳氏と副事業本部長の鈴木聡氏、事業本部長代理の森中郁夫氏だ。豊松氏と鈴木氏には一回で1000万円という多額の現金供与もあり、大塚茂樹氏を含む4名には、米ドルの現金も供与されている。このような現金供与は、他の関電幹部への供与が、小判・金貨・仕立券付きスーツなど、儀礼の範囲を超えているとは言え、1000万円と比較すれば低額の金品が幅広く供与されているのとは、性格が異なるように思える。特に、但木氏も会見で森山氏と非常に親しい関係にあったと認めている豊松氏については、同氏の意向に反して森山氏が一方的に現金を供与していたとは考えられない。原子力事業本部で、例えば、国・原発立地自治体などの政治家・官僚・有力者などに供与するための現金が必要だったというような事情があって、それが森山氏との間で共有されていたからこそ、多額の現金が供与されていたということはないのか。

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参考図書
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『関西電力原発マネースキャンダル~~利権構造が生み出した闇の真相とは』
 南方新社・南方ブックレット 12
 著者:末田一秀 著
 定価:1,100円 (税込)
 発行日:2020/10
 判型/頁数:A5/54ページ
 

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【付 幹部20人の不正受領金品の一覧】
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([ ]は受け渡し当時の職位。商品は金額換算)
(1) 八木誠・会長[原子力事業本部長]
 =859万円(商品券30万円▽金貨63枚▽金杯7セット▽スーツ2着)
(2) 岩根茂樹・社長[社長]
 =150万円(金貨10枚)
(3) 豊松秀己・元副社長[原子力事業本部長]
 =1億1057万円(現金4100万円▽商品券2300万円▽米ドル7万ドル▽金貨189枚▽小判型金貨1枚▽金杯1セット▽スーツ20着)
(4) 森中郁雄・副社長[原子力事業本部長代理]
 =4060万円(現金2060万円▽商品券700万円▽米ドル4万ドル▽金貨4枚▽スーツ16着)
(5) 鈴木聡・常務執行役員[原子力事業副本部長(技術)]
 =1億2367万円(現金7831万円▽商品券1950万円▽米ドル3万5000ドル▽金貨83枚▽小判型金貨2枚▽金延べ棒500グラム▽スーツ14着)
(6) 大塚茂樹・常務執行役員[原子力事業副本部長(発電)]
 =720万円(現金200万円▽商品券210万円▽米ドル1万ドル▽スーツ4着)
(7) 白井良平・関電エネルギーソリューション社長[原子力事業本部長代理]
 =790万円(現金200万円▽商品券150万円▽金貨16枚▽スーツ4着)
(8) 勝山佳明・関電プラント常務取締役[原子力事業副本部長(発電)]
 =2万円(商品券のみ)
(9) 右城望・常務執行役員地域共生本部長[原子力事業副本部長(企画)]
 =690万円(現金100万円▽商品券340万円▽スーツ5着)
(10) 善家保雄・原子力事業本部副本部長[原子力事業副本部長(企画)]
 =30万円(商品券のみ)
(11) 長谷泰行・元日本原燃常務執行役員[高浜原発所長]
 =230万円(商品券80万円▽スーツ3着)
(12) 宮田賢司・原子力事業副本部長[高浜原発所長]
 =40万円(商品券40万円)
【以下は氏名非公表】
(13) 元原子力事業本部総務担当部長 A
 =400万円(商品券150万円▽スーツ5着)
(14) 元原子力事業本部総務担当部長 B
 =85万円(商品券のみ)
(15) 元原子力事業本部総務担当部長 C
 =30万円(商品券のみ)
(16) 元高浜原発副所長 D
 =50万円(スーツ1着)
(17) 元高浜原発副所長 E
 =20万円(商品券のみ)
(18) 元京都支社副支社長 F
 =125万円(現金10万円▽商品券115万円)
(19) 元京都支社副支社長 G
 =115万円(現金・商品券65万円▽スーツ1着)
(20) 元京都支社副支社長 H
 =25万円(商品券のみ)

スーツ券とは…1着50万円クラスとなると、型紙を一から作る「フルオーダー」で、縫製も手縫い。何度も採寸や試着をしながらサイズを微調整してつくるという。バブル期は大企業の社長クラスが着るものだったが、今ではかなり珍しい。デパートでも外商でしか販売していないといわれる。スーツ券は11人に計75着、3750万円分が渡っていた。実際に仕立ててしまうなど、61着は返却していない。)

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【付 責任追及裁判は会社訴訟と株主訴訟の二つ】
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(1) 会社訴訟

大阪地裁関電会社訴訟、株主提訴併合。極悪6被告(金品受取アンド報酬闇補填)に対し、原告は関電プラス脱原発株主という前代未聞の裁判。
→2020/6/16…関電が、元役員の八木、岩根、豊松、白井、森に対して19億3600万円の損害賠償を請求する訴訟をおこした。さらに後に、八嶋監査役の業務にも善管注意義務違反があったとして、総額1億7千万円の損害賠償請求をおこす。被告は計6人。
2021/10/6(水)第1回口頭弁論。その後、非公開手続きが行われ、第2回口頭弁論は、2022/4/18(月)14:00~。
(関電株主代表訴訟原告団、関電の原発マネー不正還流を告発する会)

(2) 株主訴訟

大阪地裁代表訴訟、関電株主代表訴訟。脱原発株主が関電幹部17被告に損害賠償を請求。
→2020/6/23…脱原発株主が提訴。関電に提訴請求した株主5人を原告とし、44人の株主が訴訟参加した49名の原告団で、6月23日に現旧役員22名に92億円の損害賠償を求める株主代表訴訟を提訴。その後の進行協議で、裁判所から5人(森、八木、岩根、豊松、白井)についての株主の訴えは、関電が訴えた会社訴訟と併合してそちらで行うと提案があり、そのように決まった。会社訴訟の原告が、関電と株主代表になる。株主代表訴訟では残る被告17人について争うことに。
→2021/3/16(火)。第1回口頭弁論…被告側は一連の金品受領は「預かり保管だった」などとする答弁書を提出し、全面的に争う姿勢。


▲上の二つの図表は、関電会社訴訟 第一回口頭弁論(2021/10/6)のときの報告集会 配付資料より【参考サイト→こちら

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【付 関電金品問題、福井県職員109人も受領】
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・関電金品問題、福井県職員109人も受領
・10万円の小判、現金、商品券など
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 高浜町元助役関係調査委員会(弁護士3人、10/15発足)が、福井県職員の金品受取を調査。
福井県における「高浜町元助役との関係にかかる調査報告書」(2019年11/21公表)
  
こちら

 377人を対象に面接や書面で調査を行い、回答のあった313人のうち、109人(現役職員12人と退職者97人)が金品などの受領があったと回答。一部の職員には、約10万円相当の純金小判、現金10万円、10万円相当の商品券など高額の金品受け取りがあった。

・就任祝い、退任時餞別…18人。10万円(商品券を含む)を受け取った職員が5人など。
・中元、歳暮…69人
・挨拶、手土産…28人。受領したお菓子の下に2万円分の商品券が入っていたケースも。
・食事…8人
・その他、香典など…15人


▲福井県職員の金品受取 一覧表(調査報告書より)

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・一部黒塗りの調査報告資料は違法
・福井地裁が県に不開示取り消し命令
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 福井県は「高浜町元助役との関係にかかる調査報告書」を公開したが、その関連資料は非公開とされた。市民団体「市民オンブズマン福井」のメンバーは、調査報告書の基礎・根拠となった資料一式を公開請求したが、黒塗りとなった部分があった。その黒塗り部分「調査対象者の回答内容」や「森山氏と関係があった高浜町内の警備会社名」の公開を求め、県を相手取り処分の取り消しを求めて福井地裁に提訴。

 その判決が2022年9/21にあった。上杉英司裁判長は「非公開処分に違法がある」として、処分を取り消した。開示することが特定の公務員に取って不利なものだとしても「不利益は公務の公正を確保するために正当なものだ」とし、非公開にする理由はないと結論づけた。

 杉本達治知事は「誠に遺憾。判決内容を十分精査した上で、今後の対応を検討する」との談話を出した。

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・関電問題、経産省も元助役との面識で省内調査
・高浜町出向職員らを含め 2019年10月16日(こちら
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 経産省(近畿経済産業局など)からの高浜町への出向者は、2008年以降で4人いることが菅原一秀経産相の衆院予算委員会での答弁で明らかになっている。菅原氏は4人に聞き取り調査を行い「全く事情を知らされていなかった」との回答を得たと説明。
 なお、2010年12月、高浜 3号機の原子炉にMOX燃料(◆003◆)を装荷、調整運転開始。翌年1月から営業運転に入っている。

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