┌─────────────────────────────────
◆明石昇二郎『敦賀湾原発銀座[悪性リンパ腫]多発地帯の恐怖』(1994年)
敦賀原発10キロ圏内で、冬季風下地域の対岸3集落では、
悪性リンパ腫による死亡者発生率は、全国平均の12.22倍(>_<)
10キロ圏に美浜原発をかかえる関電も抗議文をだす!
【付 玄海原発と白血病】
└─────────────────────────────────
┌─────────────
[1]週刊誌で『敦賀湾原発銀座[悪性リンパ腫]多発地帯の恐怖』の連載
└─────────────
◆週刊プレイボーイ誌に記事を連載
- 1994(平成6)年、週刊プレイボーイ誌(集英社)は、ルポライターの明石昇二郎さんによる『敦賀湾原発銀座[悪性リンパ腫]多発地帯の恐怖』という記事を、11/22号(11/8発売)から4回に分けて連載した。
- 記事の内容は、原発が多数立地する若狭湾近辺で、悪性リンパ腫、白血病、甲状腺がんなどの放射線被ばくと因果関係が指摘されている病気が発生しているという噂が地域住民の間で広がっている。そこでこの噂が真実であるか、否か、という疫学調査を、1994年夏に実施した結果を示している。
- なお、悪性リンパ腫と白血病とは同じような病気にみられるが、統計上、別々に集計され、別の疾病とされる。悪性リンパ腫はリンパ系の腫瘍化で、白血病は白血球の顆粒球の腫瘍化。
▼週刊プレイボーイ 1994/11/22 第29巻 第44号 No.47(11/8発売)

◆記事の内容
- 調査にあたっては、疫学の専門家の意見を聞いたり、人口動態について福井県に問い合わせたり、各方面の協力を求めている。しかし、県の協力はまったく得られなかった。
- 調査の結果では、調査区域内(日本原電の敦賀原発から半径10キロ圏内)では、全国平均よりもはるかに上回る平均値で、悪性リンパ腫が発生していたというものであった。なお、敦賀原発1号機は、1970/3に営業運転開始、2015/4に廃止。
- 悪性リンパ腫の患者は、敦賀半島の対岸、それも冬場の風下に当たる地域に集中している。敦賀原発10キロ圏内で、冬季風下地域にあたる対岸の3集落では、過去3年間(1991~93年)の悪性リンパ腫による死亡者発生率が、全国平均の12.22倍という、恐るべき数値を示した。
- なお、調査区域(敦賀原発の半径10キロ圏内)は、敦賀半島の大部分(関電の美浜原発、水晶浜などを含む)、敦賀湾の対岸に及ぶ。
▼『敦賀湾原発銀座[悪性リンパ腫]多発地帯の恐怖』改訂・増補版、明石昇二郎著、2012年、宝島SUGOI文庫(1997年、技術と人間から刊行の同書名の改訂・増補版)。調査区域の地図、調査方法(個別訪問と面接)、調査結果などの詳細を掲載。本項「関西電力 闇歴史◆125◆」全体が、おもにこの本による。さらにくわしくは、こちらで。

┌─────────────
[2]記事に対する異様な反発
└─────────────
◆各方面からの反応
- 週刊プレイボーイの連載記事には、各方面から反応があった。とくに地元福井県庁、栗田幸雄県知事を中心として異様な反発を呼び、週刊プレイボーイ誌側との間で論争を呼びおこした。敦賀原発を運転していた日本原電や、日本原電と関係の深い関西電力も記事に反応した。
(→◆030◆「関電とゾンビ企業・日本原電との腐った関係」)
◆地元福井県庁、栗田幸雄県知事の異様な反発
- 11月8日、プレイボーイ誌発売。『敦賀湾原発銀座「悪性リンパ腫」多発地帯の恐怖』第一回「ガン患者激増の噂を追って」の記事が掲載。
- 11月11日午前、福井県の栗田幸雄知事が記者会見で「記事は科学的根拠がない」として、プレイボーイ誌編集長と現地取材したルポライターに抗議、記事の訂正を求める。
- 11月11日、栗田知事が午前中に記者会見を開いた後、知事の命を受けた県職員2名がすぐさま特急と新幹線を乗り継いで、おまけに地元テレビ局のテレビカメラまで引き連れて、東京の集英社本社に乗り込んだ。マスコミ受けを狙ったパフォーマンスであった。
【参 考】
「県・国(行政)の対応の事実経過一覧表」は、下記のPDF p.62に詳しい。
↓
『原子力発電所をめぐる世論形成と噂
――プレイボーイ誌の「悪性リンパ腫多発記事」に起因する論争の分析――』
(三隅譲二、中川康)
◆事前に求めていたコメントは無視
- プレイボーイ誌特別取材班では、この調査結果を掲載する2週間前に、この地域に原発をもつ日本原電や関西電力、通産省、「ふげん」「もんじゅ」をもつ動燃〔動力炉・核燃料開発事業団〕とその動燃を監督する科学技術庁、それに「人口動態統計」をまとめている厚生省、環境庁などに対し、今回の調査で得たデータのブライバシーに関する情報以外の部分をすべて提供し、コメントを求めていた。
- しかし、事前に求めていたコメントへの対応は、以下のように木で鼻をくくったものであった。
- 日本原電…広報部・大森佳軌副長「特にこれについて、あまり甲し上げるわけにはいかない。専門家にお聞きしたほうがいいのでは。コメントは差し控えたい」
- 関西電力…地域共生本部報道グループ・山中隆副長「御社で行った調査に関して、当社はコメントする立場ではこぎいませんから」
◆福井県の反発に続き、日本原電と関電から抗議文
- 11月15日、日本原電(敦賀原発)、関西電力からの抗議文が編集部に届く。お互い運絡を密に取りあっていたのか、その内容は酷似。
- 事前に求めていたコメントは完全に無視していたのに、週刊誌で大きく報道され、福井県が素早く抗議に動くや、遅れじとばかり抗議文を送りつけてきた関電や日本原電の対応は、不自然としか言いようがない。
- 日本原電からの抗議文の全文は、宝島SUGOI文庫(p.110~112)に掲載。
- この抗議文をうけての明石昇二郎さんと関西電力地域共生本部報道グループ・山中隆副長との電話でのやりとりが、宝島SUGOI文庫(p.113~124)にくわしい。
【付 玄海原発と白血病】
玄海原発(九州電力)の30キロ圏にある壱岐市では、白血病死亡率が原発稼働後、約6倍に増加したと、『壱岐新報』が報道している。なお、「玄海原発 白血病」で検索すれば、下記のような原発を原因とする主張のほか、原発とは無関係とする主張(九州電力など)もでてくる。
→「玄海原発と白血病」森永 徹(元純真短期大学・健康科学)

▲玄海原発と壱岐市の位置関係
「内部被ばくを考える市民研究会」より
(1)「壱岐新報」社説:2019.2.20
高い白血病死亡率、玄海原発の影響か
身体への影響は皆無なのか → こちら および「次の記事」
↓
「県福祉保健部によると、玄海原子力発電所(佐賀県玄海町)周辺に位置する県北地域を中心に、玄海原発稼働後から成人T細胞白血病(以下ATL)による死亡率が高いことがわかった。」
「放射性物質の放出になるトリチウム(放射性水素)は、体内に入ると白血病を誘発するとされる。玄海原発は全原発の中で最もトリチウムの放出量が多く、全国1位だ。」
(2)「壱岐新報」社説:2019.3.05
原発稼働後、約6倍に増加 → こちら
↓
「対10万人数の白血病死亡率は、玄海原発稼働前と後とでは6から7倍に増加」
