◆関西電力 闇歴史◆030◆

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◆関電とゾンビ企業・日本原電との腐った関係
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【日本原電というゾンビ企業】
 日本原子力発電株式会社(日本原電、原電)は、東京電力、関西電力など電力9社が中心に出資・設立した企業。原発の運転を行うことによって発電した電力を電力会社に販売する卸電気事業者。敦賀原発2号機の再稼働をめざしているが、規制委に提出したデータに改ざんがあり、審査が中断された(2021年8月18日)。老朽原発の東海第二原発の方は、規制委の審査は通ったが、避難計画ができていないことから、2021年3月18日、水戸地裁が再稼働を認めない判決を出した。保有する原発はともに2011年以来止まったままで、再稼働への道筋が見えていない。原発専業で発電ゼロの会社が、ゾンビのごとく徘徊している。

【関電が北陸電力を切る】
 関西電力と中部電力は、北陸電力志賀(しか)原発の電力を買い受ける契約(北陸電力志賀原発2号機から、関電が電気を受給する契約)を今年3月末に打ち切っていた。関電の株主総会で稲田浩二副社長が「2021年3月をもって終了しております」と話した。理由は説明されなかったとのこと。
 これまで規模の大きい関電、中部電が北陸電の原発を支えてきたが、今回の打ち切りはこうした「原発互助会」体制に大きな亀裂が入ったといわれる。その影響は北陸電のみならず、電力各社からの不明朗な収入に頼る日本原電にも大きく及びかねない。互助会システムは崩壊するのか、注目されている。

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◆【参考】志賀原発2号機の受電契約期間の15年が2021年の3月で終了……1996年3月15日付にて、北陸電力、関西電力および中部電力の間で、以下の内容を締結した。
・北陸電力が広域運営の本旨に則り、志賀2号機の建設およびこれに関連する系統の整備を行いその供給余力を中部電力および関西電力に融通送電することにより、北陸電力の設備の有効活用を図るとともに、中部電力および関西電力の需給安定に資することを目的とする。
・中部電力および関西電力は、志賀2号機より発生する電力のうち、運転開始以降10年間、さらに運転開始後11年目以降の5年間についても、中部電力、関西電力合わせて最大60万kWを受給し、中部電力4、関西電力5の比率により配分する。
・定めのない事項もしくはより難い事項が生じたときは、誠意をもって3社協議する。
・予期せぬ事由により、電力の受給が相当期間中断された場合や受給開始後に原価の大幅な変動が生じた場合の融通料金の取扱いについては、相応の負担を原則としてその都度3社協議のうえ決定する。
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【関電が切れない日本原電との関係】
 電力自由化のもとで経営の余裕がなくなり北陸電力との関係を切った関電も、日本原電との関係は切れないと見られる。元経産省官僚の古賀茂明氏は、「関電は今や東電に代わり原発政策を推進する盟主。原子力ムラ内の主要プレイヤーとは言えない北陸電は切れても、原発専業の日本原子力発電(原電)は切れない。関電の使用済み核燃料の搬出先の候補地に、東電と原電が出資して青森県むつ市に建設している中間貯蔵施設が挙がったことも絡み、関電が契約を切って原電の息が絶えれば、その道も閉ざされることになる」とみる。(東京新聞2021年7月15日)
 なお、日本原電の副社長は、関電出身の木村仁(1955年6月生)。高浜原発の副所長、大飯原発の所長を経て、2011年6月に原子力事業本部副本部長兼原子燃料部門統括まで登り詰めた。2012年の株主総会で日本原電に放り出されて(出向)、取締役・企画室担任、2014年6月より常務取締役を経て、2019年6月より取締役副社長(二人の副社長のうちの一人)となった。

【日本原電と関電が敦賀市に市道整備を寄付】
 日本原電と関西電力は、2018~21年度、原電敦賀原発がある福井県敦賀市に市道整備費として15億円を提供する(2021年3月報道)。原電の全原発は稼働しておらず、自身の売電収入がゼロの中での資金提供となる。原電に「購入費」を払う東電、関電など大手電力の料金に影響する可能性が大きい。

【関電などが日本原電を不明朗支援】
 日本原電は、東海第二原発と敦賀原発を保有するが、2011年以来ともに稼働していない。発電量がゼロなのに、電力各社が「電力購入費」として年間1400億円も払っている。電力会社は電気料金の原価にこの「購入費」を算入しており、結局、国民の負担増となっている。「使い捨て時代を考える会」が、関電京都支社にて2021年7月28日に行った話し合いでは、基本料金として払っていると回答している。
Q 日本原電に電気料金として、最近も毎年ほぼ190億円を支払っておられますが、購入電力はゼロです。購買電気がゼロなのに毎年190億円もなぜ払っているのか。
A 基本料金と使用料金のようなもので、基本料金だ。
Q 190億円が基本料金か。
A そうだ。
(↑上記面談は、こちら

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◆【参考】日本原電が経営情報を隠ぺい……日本原電は、1957年の設立以来初めて有価証券報告書の開示をやめ、会社概況書にかえた。その結果、経営の根幹にかかわる情報が隠されるようになった(2021年9月8日報道)。
・会社概況書では、電力各社に電気をどれだけ販売したかをまとめた一覧表や、各社との関係を示す図がなくなった。有価証券報告書の一覧表を見れば、東電の子会社から369億3000円、関電から188億8500万円などの数字や、原電が発電するすべての電力を大手電力計6社で受電する契約内容が分かったが、それらがごっそり消えている(原電の収入の柱は電力各社が払う金で、電気を供給していなくても支払われる基本料金があると記されていた)。電気を売らなくても、各社から基本料金の名目で入る金の総額は、年計1000億円程度、2011~2020年の10年間の累計で1兆1777億円に上るが、その数字が確認できなくなった。
・都合の悪い情報を伏せるという、日本原電の歴史は古い。1981年、敦賀1号機の冷却水漏れを隠していたことが発覚。1998年には、子会社が使用済み核燃料の運搬容器関連の試験データを改ざんしていたことが明るみに出た。2007年には、原子炉格納容器の気密性を確認する試験で空気漏れを不正にふさいで合格させたことが判明。
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