◆関西電力 闇歴史◆044◆

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◆関電の顧客軽視、ユーザー目線の欠落は生来の体質
 2015年4月、経産省、電気料金値上げ審査会合にて
 「関電には事業者としての誠意が感じられない」
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 以下は、『よくわかる最新 発電・送電の基本と仕組み』(木舟辰平著、秀和システム、2016年11月発行)column「大手電力は変わるのか」(p.210)からの引用です。この中でまったく誠意がないと指摘されている関電幹部とは、八木誠、岩根茂樹の両氏。columnの最後は「(関電の)こうした体質が今後も変わらないままであるならば、今は地元で圧倒的な存在感を持つ彼らですが、今後の市場競争の中で淘汰されていく可能性もゼロではないでしょう。」となっています。

 ここに書かれている二つの発言は「第25回 総合資源エネルギー調査会 電力・ガス事業分科会 電気料金審査専門小委員会(2015年4月21日、経済産業省)」の議事録に載っているので、確認できます。↓
https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/denryoku_gas/denki_ryokin/pdf/025_gijiroku.pdf

 その議事録には、さらに、小売り電力自由化(2016年4月~)直前の状況から、以下のような発言もあります。

 「今私たちはスマートメーターが入っていませんから、電力会社を選べません。でも、もうしばらくしたら、どんな形で電力システム改革が実現するかわかりませんけれども、間違いなく私たち一人一人の消費者も電力の選択に関して意思表示をすることができます。そのことをしっかりと今回関西電力さんにはわかっていただきたいというふうに思っています。」という発言もあります。

 加速する関電の顧客離れの根底には、電気代の違いにとどまらない関電の企業体質の問題が横たわっています。関電の顧客軽視、消費者軽視の姿勢は、地域独占総括原価方式◆036◆)で培われた本性のようなものです。

 2015年当時、関電幹部は自社の電気料金値上げを求めている裏で、多額の賄賂をもらっていました。原発マネー不正還流は、2000年代に入ってからの金品の授受で、2011年の原発事故以降にエスカレートし、総額3億2000万円に上ったのです。八木誠氏は50万円の超高級背広を着て、東京に出張したのでしょうか。値上げが実現できた後には、役員報酬の闇補填までしていました。(◆018◆


▲関電幹部が受け取っていた賄賂額は2015年には、合計5000万円
(NHKクローズアップ現代 2019年10月23日 追跡 関西電力・金品受領の裏で何が?→ こちら

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(以下、引用)
 大手電力の社員はみな異口同音に、どんな文脈においても、自社の顧客のことを「お客様」と言います。おそらく新入社員の頃から、その呼び方を徹底的に叩き込れているのでしょう。ですが、その徹底性と形式主義が、その言葉に内実を伴わない空虚さを与えています。

 実際のところ彼らが顧客の側に立って物事を考えてきたとはあまり思えません。これもまた地域独占で長年守られてきた9電力体制の負の側面といえるでしょう。そして、この顧客軽視の体質は福島第一原発の爆発という業界にとっての未曾有の危機を経た今も変わっていないようです。

 「一人一人の利用者の暮らしや思いにどれだけ寄り添ってくださっているのか。私は関西電力さんの対応に、事業者としての誠意があったかというと、感じることができませんでした」

 「エネルギー問題は専門的な話が多くて消費者には難しいところもあるけれど、消費者は何もわかっとらんという格好で切り捨てられるというのがちょっと困ったなと思っています。今後電力会社さんがそういう姿勢から早く脱却して、一緒によいエネルギー社会を築けていけたらいいと思っています」

 2015年4月のある日、場所は東京・霞が関の経済産業省内にある会議室。消費者団体の代表者から次々に厳しい言葉が飛びました。その言葉の先に座っていたのは、関西電力の幹部たちでした。

 この日、東日本大震災後2回目となる関西電力の電気料金値上げ申請の専門会合での審査がようやく終わりを迎えました。審査は当初の想定より長引き、関電の値上げ実施は申請した際のスケジュールから2カ月遅れることになりました。

 遅れの原因は関電自身にあったといえます。専門会合に対する関電の対応は、多くの委員にとって誠意のないものだと受け止められ、その分だけ審議は長引きました。ここで挙げた2つの辛辣な発言は、委員たちの心証を象徴的に表したものです。

 これらの言葉が関電の幹部たちの胸にどれだけ響いたのかは分かりません。自分が彼らの立場だったら新大阪への帰りの新幹線の中で泣いちゃうのではないかと思いましたが、日本を代表する大企業・関電の経営中枢にいる人間の精神はそんなに軟ではないのかもしれません。

 もちろんそれは褒め言棄ではありません。こうした体質が今後も変わらないままであるならば、今は地元で圧倒的な存在感を持つ彼らですが、今後の市場競争の中で淘汰されていく可能性もゼロではないでしょう。
(以上、引用)
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2020年第三者委員会に指摘された
関電のユーザー目線欠落

◆原発マネーの不正還流に関して2020年3月14日に発表された,関電の第三者委員会の報告書では,下記のように関電の「ユーザー目線の欠落」が指摘されている(p.188~189)。

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(以下,引用)
第3 関西電力にはびこる内向きの企業体質(ユーザー目線の欠落と透明性の軽視)

……長年にわたって関西電力において醸成されてきた内向きの企業体質がある。より具体的には,関西電力においては,電力の安定供給の観点からも,経営の観点からも,原子力発電所の安定的な運営・稼働を重視する考えが強く,それがコンプライアンスを凌駕する至上命題となることがあり,また,上記のとおりの前任者らからの伝承や自らの保身が,ユーザーや株主を含めた関西電力の「外」の関係者からの期待よりも優先されてきた。…
……本件問題発覚後の事後的な対応において,本件問題ほどの重大な問題を公表せず,社外取締役を含む取締役会に報告すらしなかったことにも,社内の物差しを優先させ,社外の意見,ユーザーや社会一般の視点を軽視したことが表れている。……

……以上のとおり,当委員会は,コンプライアンスよりも事業活動が優先されてしまう,また,ユーザーや社会一般の視点が欠落してしまうという内向きの企業体質が,数々の原因に通底する根本的問題であったと結論付けた。……
(以上,引用)
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