◆関西電力 闇歴史◆032◆

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◆送電線保安業務で架空発注のコンプライアンス違反  6件(2021年)
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 関電の100%子会社、関西電力送配電(株)でコンプライアンス違反。「送電線に近接する樹木の保安伐採業務における不適切な処理」。2021年9月14日発表。

 送電線に近接する樹木の保安伐採業務で、社内基準の補償額では承諾を得られなかった地権者に対し、伐採していない樹木も含めた補償額を払っていた。委託先の関電子会社(株式会社かんでんエンジニアリング)には伐採していない樹木を伐採したとの虚偽報告をするよう指示し過大な委託費を払っていた。架空発注となる不適切処理金額は、補償費が630万円、委託費が371万円、合計約1000万円。

 過去10年分を調査したところ、6件の同様の不適切な処理があったとのこと。アスベストの不適正処理(◆023◆)や不正資格取得(◆022◆)は10年も遡って調べていないが、なぜか今回は10年間を調査。今後、関西電力コンプライアンス委員会による調査が行われる。その委員長は、中村直人弁護士(中村・角田・松本法律事務所)他となっている。

この件に関する関電と関電送配電の報告(2021年9月14日)は→こちら

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◆コンプライアンス委員会の調査で、さらに20件の指摘 (2022年)
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 その後、コンプライアンス委員会が140件の調査を行い、20件について担当者らが上限を超える支払を行ったと認定した(2022年6月14日報道)。その20件は、2011年6月から2018年4月まで、補償料計6200万円超にあたるが、その中に含まれる不適切な支出の総額は算定できないとしている。「構造的な問題」と説明されているが、電気料金で経営される公的企業とは思えない。(>_<)

→関電のプレスリリース「送電線に近接する樹木の保安伐採業務等に関する調査結果」
 2022年6月13日(こちら
→朝日「関電子会社、内規超す補償料 電線周辺の伐採20件、地権者に」(こちら
→日経「関西電力、電線周辺の伐採業務で違反 20件の不適切処理」(こちら

【付 コンプライアンス委員会と関西電力グループ行動憲章】
・関電社内のコンプライアンス委員会は、2020年4月設立。取締役会直下の委員会として組織され、委員長を含め過半数が社外委員で構成される(こちら)。中期経営計画(2021~25年)のなかで「関西電力グループ行動憲章こちら)」が確認され、第一に「1.コンプライアンスの実践・徹底」が掲げられている。下記、注あり。

  • (注)2019年に発覚した当社の役職員が福井県高浜町の元助役から多額の金品を受け取っていた件や、退任役員への報酬を巡る問題により、お客さまや社会のみなさまをはじめとした様々なステークホルダーのみなさまからの信頼を裏切り、多大なご迷惑をおかけしました。本項目は、それを踏まえたものです。

・同行動憲章ではまた「3.適正な情報開示・管理と対話」で、「社会のみなさまとのコミュニケーションを一層推進し、社会に対する説明責任を誠実に果たすことを通じて、透明性の高い開かれた事業活動を行います。」として、「(一人ひとりの行動規範)社会のみなさまとのコミュニケーションを積極的に行います」としている。
(参考 → ◆048◆◆064◆

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