◆原告参加費用の5000 円について

  • 大飯原発差止訴訟に原告として参加していただくためには、原告参加費用として5000 円のご負担をお願いしています。これは裁判所に提出する訴状に貼る印紙代にあてられます。これ以外にご負担いただく費用はありません。
  • 判決文で、訴訟費用を原告に負担させる旨言い渡される可能性はありますが、 ここでいう「訴訟費用」とは、訴状に貼付する印紙代、証人に支払われる 日当や交通費などで、大部分は印紙代のことなので、すでに支払っていただいた5000円以外に追加で支払義務を負わされることはありません。
  • また、大飯原発の運転差し止めが認められた場合でも、関電の損害や被告の弁護士費用 などについて、原告が賠償義務を負わされることはありません。

◆訴訟費用の計算

  • 訴訟費用の計算は、「民事訴訟費用等に関する法律(以下「法」と呼ぶ)」により、訴訟物について原告が訴えで主張する利益を金銭に見積もった額、即ち訴訟の目的の価額(訴額)を基に計算されます。そして、訴額により、裁判所に納める手数料(印紙代)は、同法の別表第一に次のように定められています。
    訴訟の目的の価額(訴額) 対応する印紙代
    (1)訴訟の目的の価額が百万円までの部分 その価額十万円までごとに 千円
    (2)訴訟の目的の価額が百万円を超え五百万円までの部分 その価額二十万円までごとに 千円
    (3)訴訟の目的の価額が五百万円を超え千万円までの部分 その価額五十万円までごとに 二千円
    (4)訴訟の目的の価額が千万円を超え十億円までの部分 その価額百万円までごとに 三千円
    (5)訴訟の目的の価額が十億円を超え五十億円までの部分 その価額五百万円までごとに 一万円
    (6)訴訟の目的の価額が五十億円を超える部分 その価額千万円までごとに 一万円
  • 表から判るように訴額を少額から高額の部分に分けて部分ごとの比率を設け高額になるほど印紙代が割安になるように設定されています。裁判所に納める印紙代はこれら各部分ごとの総計となります。
  • さて、本件差止訴訟の様に、主張する利益を金銭に見積もれない場合、法第4条の7項により、原告一人の訴額は160万円とみなすと決められています。さらに本件の場合、訴状提出から差し止めるまでの間、月額一人1万円の損害賠償を請求しているので、これの1年分すなわち12万円を加えた172万円が原告一人当たりの訴額となります。したがって、原告の人数により、すなわち合計訴額により印紙代が増えますが、その増え方は高額になるほど少なくなるように設定されています。
  • (参考)訴額に対する手数料の計算式がWebサイト
    → こちら
    に公開されています。
  • ところで本訴訟は、最大の公害と言われる原発災害発生の防止を目的としていますから、多数の人の訴えを「かたち」にする必要があります。したがって、できるだけ多数が原告となることが重要です。原告数700人の場合、合計訴額は、172万円×700=12億4百万円となり、印紙代は、上表に従って計算すると、343万円となります。申込料5千円の収入は、350万円ですから、700人で提訴すれば収支が赤字にならないことになります。500人の場合、合計訴額は8億6千万円となり、これに相当する印紙代は260万円となり、収入は250万円で10万円の赤字になります。
  • 仮に申込料を4千円にした場合、1900人の申し込みがあると、訴額は32億6千8百万円、印紙代756万円、収入760万円で4万円の黒字となります。このように訴訟費は訴額というもので算出されるので、申込料(原告参加費用)を千円下げるだけでも赤字を出さない申込者数は五千円の700人から1900人と急増します。このことを考えると、五千円の申込料(原告参加費用)はよく検討して決められた額ではないかと思います。
  • 富田道男、呼びかけ人、原告団世話人。