◆第6回口頭弁論
 新基準は再稼働のための改定
 大飯原発差止裁判で原告側が批判

関西電力と国を相手に福井県の大飯原子力発電所1から4号機の運転差し止めと慰謝料の請求を京都府などの住民が求めている裁判は、1月29日京都地裁(第6民事部合議A係・堀内照美裁判長)101号法廷で第6回口頭弁論が開かれました。傍聴席、原告席、合わせて130人を超える人々が参加し、法廷でのやり取りを見守りました。この日は、最初に原告代理人の森田基彦弁護士が、原告第7準備書面で主張した要旨を陳述。森田弁護士は、「福島第一原発事故後作成された新規制基準は、原発立地審査指針を排除していて、原子炉の格納容器の加熱、破損、水素爆発などが起これば、住民をむき出しの危険にさらすことになる。福島の原発事故のような放射能の放出を仮定すると立地条件が合わなくなるから(田中俊一原子力委員長)、従来より甘いルールに改定した。これは再稼働を可能にするためのルール作りだ)と批判しました。

つづいて、舞鶴市在住の原告、三澤正之さんが意見陳述。「自身は8人家族で、高浜原発から15キロ。舞鶴の住民は大飯原発からもほとんどが30キロ圏内。公表された舞鶴市の避難計画は、避難方向も、受け入れ先も明示がない。移動手段もバス利用1,350台(うち600台がピストン輸送との計画)とされているが、道路が車であふれるなどの大混乱になることも想定され、浪江町では放射能汚染地域へ運転手が入らなかった。とても避難計画が機能するとは思えない。危険な原発をなくすことが一番だ」と述べました。
次回口頭弁論は5月28日(木)午後2時から、同法廷で。

■2693人の大原告団に
この日はまた、京都や滋賀など19都道府県の住民730人が第三次の提訴をしました。これで原告団は、同種裁判では全国で2番目の2,693人の大原告団となりました。

■活発に意見交換―報告集会
裁判終了後の報告集会では、弁護団による裁判の解説や参加者との質疑応答、今後の運動などについて活発な意見交換がされました。原告団事務局からは、支援ネットワークづくりも進めて多くの人との連帯した運動をする方針も示されました。

■「原発いらない」「大飯は危険」とデモ
裁判開始前の12時15分からは、デモによる市民アピールも行いました。出口治男弁護団長、竹本修三原告団長を先頭に約60人が、横断幕やのぼり、プレートなどかかげ、「原発いらない」「大飯は危険」「子ども守ろう」「いのちをろう」などの唱和を響かせ、裁判所の周辺や夷川通り、寺町通りなどを行進しました。