原告団総会」カテゴリーアーカイブ

◆7/24 第4回原告団総会…竹本修三・原告団長の開会あいさつ

  • ご紹介いただいた竹本です。本日は再稼働中の高浜原発3,4号機に対して3度にわたり「ノ―」の判決を勝ち取った大津地裁の闘いについて、井戸謙一弁護団長からお話を聞かせていただけるということで楽しみにしております。京都地裁におけるわれわれの大飯原発差止訴訟でも参考にさせていただきたいと思いますので、どうか、よろしくお願い致します。
  • さて、私は今年の4月20日に、マニュアルハウス社から「日本の原発と地震・津波・火山」と題する本を出しました。私は、地球物理学を専門としておりますが、「地震大国・火山大国のニッポンにおいて、原発稼働は土台無理スジ」という強い信念をもっております。この本は、大飯原発差止京都訴訟の法廷闘争のなかで、国や関電側が主張する地球物理学分野の矛盾点を追及したもので、今日お集まりの皆さんにも是非読んでいただきたいと願っております。この会場の前の方に本が置いてありますが、定価1000円、消費税80円のところ、本日は1000円ぽっきりの「出版協力金」で引き受けていただきたいと考えておりますので、ご協力をどうかよろしくお願い申し上げます。
  • ところで、この本の執筆を終えた直後に熊本地震が起きました。4月14日にマグニチュード6.5、翌15日に6.4、そして16日には7.3の地震が起きました。これらを含めて、熊本・大分地域では、1カ月の間に震度7が2回、震度6強が2回あり、震度1を超える地震が1500回を超えました。地震大国ニッポンに住んでいるわれわれの大多数が、一生のうちに、震度7か震度6強の地震に巡り合うのは1回あるかどうかというところだと思いますが、一か月の間にこれだけ揺すられた現地の人達は生きた心地もしなかったと思います。多大の被害を被った被災地の皆さんに、衷心よりお見舞いを申し上げます。
  • この一連の地震活動は、何の前触れもなく熊本地域に起きました。この地域で前兆的ひずみ変化が全くなかったということは、規制委員会前委員長代理の島崎邦彦さん、政府の地震調査委員会・前委員長の本蔵義守さん、今の地震予知連会長の平原和朗さんらの専門家に確認済みですので間違いないと考えています。熊本地震が何の前触れもなく、あの場所に起こったということになると、次のM7クラスの地震が日本のどこで起きるかは、全く予想がつきません。
  • 1995年にマグニチュード7.3の兵庫県南部地震が起きましたが、そのあと今回の熊本地震が起きるまでの21年間のM7クラスの内陸地震の発生状況を調べてみますと、2000年にはM 7.3の鳥取県西部地震、2005年にはM 7.0の福岡県西方沖地震、2008年にはM7.2の岩手・宮城内陸地震、2011年にはM 7.0の福島県浜通り地震と5年から3年間隔で広い範囲にパラパラと起こっています。このことは、2016年熊本地震の日本の原発への影響として、比較的近くにある川内原発や伊方原発周辺の活断層系の動きを引き続き警戒することもさることながら、今回の地震とは遥かに離れた地域、例えば、活断層の多い近畿・中部地方にある若狭湾の原発群周辺の活断層の動きにも注意しなければならないでしょう。
  • 1995年の兵庫県南部地震のあと、今回の熊本地震までの21年間に起こったM7クラスの内陸地震の4例のうち、2011年福島県浜通り地震は、1か月前に起こった海溝型超巨大地震である東北地方太平洋沖地震の影響で日本列島が東に大きく引っ張られたために発生した正断層型の地震であり、他の地震とは性質が違います。それ以外は、日本列島が東西に圧縮しているために生じる逆断層型地震ですが、2000年の鳥取県西部地震と2005年福岡県西方沖地震は、それまで活断層が見出されていない空白域で起きました。こうなると、M7クラスの地殻内断層地震は既存の活断層だけに注目していてもダメだということが皆さんにおわかりいただけると思います。また、今回の一連の熊本地震の震源域は、既知の活断層の位置とは完全には一致しませんでした。
  • 今日このあと、大飯原発差止京都訴訟の渡辺輝人弁護団事務局長から9月14日に予定されている第12回口頭弁論の説明がありますが、そこでは「熊本地震の教訓」も陳述される予定です。熊本地震の教訓として、大飯原発に近い上林川断層の東北延長上の空白域でM7クラスの地震が起こり得る危険性についても、法廷で鋭く追及していただきたいと考えております。以上です。

元に戻る

◆[第4回原告団総会]参加者からの声

2016年7月24日(日)ハートピア京都で開かれた第4回原告団総会で、ご意見を書いていただく用紙を配布したところ、次のような声が寄せられました。ここに一括して、掲載させていただきます。

ご意見をお寄せいただいた皆さま、ありがとうございました。

  • Y.Aさん
    心強い総会に参加でき嬉しかったです。
    〔Ⅰ〕・スクリーンに終始大きく映され続けられていた「No NUKES!」のスペルは「No NUCS」の間違いではないでしょうか?
    ・「不要核●●」より「不要核●」の方がベターでは?
    〔Ⅱ〕山中直美様
    「チェルノブイリの祈り 未来の物語」ありがとうございました。朗読にあれだけアクションが付けられてましたので、一言感想――頭部のみ黒子で演じられたらどうでしょうか――提案です。
    【世話人会より】…「No Nukes」のつづりは間違いないと思います。中国語の表記についてはすみませんが,どちらが良いか,わかりませんm(_ _)m
  • 名前なし
    政府、経済界含め、原子力村は金の力でメディアも動かし、再び「安全だ」とでも言うようなCMを展開し始めています。
    そんな中で大津地裁の判断は、久々に嬉しい報道でした。
    ただ、ポピュリズムの力(考えようとしない、大きいものに巻かれていこう)、恐るべしで、今回このような総会に参加される方々は、元より意識の高い方たちだと思います。
    そうではなく、ついつい大きいものにまかれてしまう大勢の人たちをどうやってとりこんでいくのか、もっとメディアをうまく利用していかないといけない。と感じています。
  • 木村康郎さん
    先日、他の団体の学習会で、日本、世界の火山・地震の活動が本格的な時期に突入する事を学びました。
    こんな事になれば日本に住む場所はなく、無数の人達が尊い命を落とすことになるでしょう。
    その最たるものが、原発や核兵器ではないでしょうか?これからの子ども達や若者が安心して住み続けられる日本、世界にする為に、いま原発をストップさせなければならないとつくづく思います。
    裁判所の「社会通念論」は子どもをだますより幼稚な理論です。この裁判官達は原発の恐ろしさを本当に勉強したのか・・・?と恥ずかしくなります。
    マスコミの宣伝に負けない様に頑張りましょう。
  • 橋本宏一さん
    本日ようやく原告の1人として陳述書を提出しました。書くことで、なぜ原告になったのか初心に立ち戻り、決意を新たにすることができました。原点は、福島の事故を忘れるなということ、大飯原発の差し止め請求は、福島のように美しい山河や町、村、暮らし、そこでつくられてきた文化と歴史、個人の人生まですべて奪い去ってしまうこと、私たちの京都を、それにつらなる国土をチェルノブイリや福島の汚染地のようにされてたまるかということです。井戸先生のお話や、山中直美さんの朗読、渡辺輝人さんの報告などで、思いが深まり、勇気が倍増しました。
    今後の運動として一つ提案は、署名運動など市民と一緒に取り組める何かがあるといいですね。
  • 名前なし
    今回の総会・講演会のちらしは、他の学習会でいただいたり、ハガキもいただいたのですが、もう少し原告団の活動を宣伝した方がいいと思います。
    ① キンカン…キンカンは原発に興味のある方が参加しているのですから、そこで毎週、はなしてはどうでしょうか。以前に「連絡は、キンカンの場でお願いします」と吉田事務局長にお願いしました。連絡文書など、大変でも手配りは必要です。
    ② 陳述書の記入も本日はじめていわれました。…ゆっくり書きたいので、後日もっていきます。
    ③ 学習会など、いろいろな場での原告団募集訴えが必要と思います。
    【世話人会より】…①原告団の宣伝についてご意見をありがとうございます。今回の原告団総会は,キンカンでは2回,案内チラシを配付させていただきましたが,ゆき届かなったようですみませんでした。③世話人だけでは十分にできていないのが実態です。多くの原告の皆様のご協力をお願いします。
  • 名前なし
    質問なのですが、渡辺弁護士が来年の3月に裁判官が2人変わられるとの話でしたが、どの様な裁判官が来られるのか判るのでしょうか? 今後の裁判にどの様な影響があるものかおしえて下さい。
    【世話人会より】…裁判官の異動はまったく分かりません。どういう裁判官が担当するかによって,影響はあるかもしれませんが,具体的には分からないのが実情です。

◆6/27の第3回原告団総会
…全体的な報告とお礼

◆福島の事故から原発再稼働を問う,怒りの原告団総会

taitoru

  • 原告団が3年目の活動に入る節目として,6月27日,大飯原発差止訴訟・京都脱原発原告団の総会を開催しました。当日は,133名の参加があり,ご苦労様でした。
  • 怒りの原告団総会として,福島の事故から原発再稼働を問う内容は共有できたと思います。課題の第四次原告募集につきましても,今後の広がりを展望できるようになったと確信しています。なお,会場がバリアフリーの設計でなかったために,車いすでお越しの方には,ご迷惑をおかけしました。

【総会の案内】

  • 6月27日(土)13:30~福島第一原発の過酷事故を経ても なお原発を再稼働するのか!
  • 京都商工会議所の講堂=京都地下鉄烏丸線 [丸太町] すぐ
    (地下鉄烏丸線丸太町駅下車すぐ、地下通路で直結)
  • すでに原告になっている方はむろん,原告でない方も,ご参加ください。
  • 13:30~16:40
    記念講演 「原発再稼働のリスク」(13:40~15:05)
    →吉岡 斉さん(原子力市民委員会の座長,九州大大学院教授,元政府事故調委員,科学技術史),質疑応答も予定
    福島からの避難者の声 「原発事故で障害者はどんな状況におかれたか」(15:20~15:40)
    →鈴木絹江さん(NPO法人ケア・ステーションゆうとぴあ理事長)
    ★訴訟の経過と今後の方向,原告団からの報告と訴え
    ★原告団の活動について会場からの発言,意見交流,脱原発運動のアピールタイム

【当日の集会次第】

  • 12:00~12:45… 四条烏丸で,原告募集案内チラシの配布
  • 13:15~ … 受付開始
  • 13:30~13:40 … 開会の挨拶
    竹本修三・原告団長
    出口治男・弁護団長
  • 13:40~14:50 … 記念講演
    吉岡 斉さん(原子力市民委員会の座長,九州大大学院教授,元政府事故調委員,科学技術史)
  • 14:50~15:05 … 質疑応答
  • 休憩(15分)
  • 15:20~15:40 … 福島からの避難者の声
    鈴木絹江さん(NPO法人ケア・ステーションゆうとぴあ理事長)
  • 15:40~15:55 … 訴訟の経過と今後の方向
    渡辺輝人・弁護団事務局長
  • 15:55~16:00 … 原告団からの報告と訴え
    原告団からの報告…吉田明生・原告団事務局長(活動報告,会計報告)
    第四次原告募集について…岡本瑞子・世話人
  • 16:00~16:30 …原告団の活動について会場からの発言,意見交流
  • 各団体などから脱原発アピール
  • 16:30~16:40 … 決議文の採択,閉会

【写 真】

↓吉岡斉さん
yosioka
↓鈴木絹江さん
suzuki

【原告団長の挨拶】

こちら

【弁護団長の挨拶】

こちら

【原告団からの活動報告】

こちら

【会計について】

こちら

【総会の 訴え】

こちら

【各団体から寄せられたメッセージ】

こちら

【ご意見用紙】

こちら

◆6/27の第3回原告団総会
…弁護団長の開会挨拶

◆弁護団長の開会挨拶

  • 原告団長・出口治男
  • 本日記念講演をいただく吉岡斉先生は、2011年10月25日に、新版原子力の社会史―その日本的展開- と言う著書を、朝日選書の一冊として出版されました。あとがきを書かれたのが同年9月8日。3・11から殆ど日数を経ない時に、この著書を書かれたわけです。先生は、1970年代の半ば、ベトナム戦争、公害・環境問題が激しくなったころに、科学技術に対して批判的な視点に立った現代科学技術史の研究を志されたと、同著で書いておられます。原子力の社会史は、先生のそのような長年の研究の成果を踏まえ、原子力技術に対する厳しい批判を含んだ現在史です。現在、原子力市民委員会の座長も務めておられ、学問と市民とともに歩む行動と言う、両方に軸足を置かれ、両者の架け橋としてご活躍しておられます。そのような先生をお招きして、記念講演お聞きできるのは、大変有意義であり、嬉しく思います。
  • さて、本日の新聞では、百田某と言う人物が、沖縄タイムズと琉球新報をつぶせと発言し、その尻馬に乗る議員の発言が紹介されていました。沖縄の歴史と現実を見ず、事実に立脚しない、徒に世の中を煽り立てる議論と言うしかありません。同様に、集団的自衛権、安保法制の問題にしても、戦争の歴史と実情を見ず、法の基本原則を無視し、理性的な議論が全くできない。原発問題にしても同様です。福島第一原発の破滅的な事実を見ようとせず、理性をかなぐり捨てて、なにがなんでも再稼働をさせようとする電力業界、政府。先日の九つの全電力会社が、株主総会で再稼働の方針を打ち出しています。
  • 裁判所では、福井地裁の、福島第一原発事故の現実を直視した判断が出されたのに対し、鹿児島地裁では、事故前の裁判所の判断のコピーを見るような判断が示されました。このような状況の下で、私達京都訴訟は、福井地裁の再稼働を認めない判断を全国的に定着させるための、大きなカギを握る訴訟と位置づけられます。
  • 本日の原告団総会では、原発再稼働を進めようとしている勢力に対する怒りを共有し、勝利を目指して大いに勇気の出る総会になることを願い、また期待を致します。

【→元のページ「全体的な報告」に戻る

◆6/27の第3回原告団総会
…原告団長の開会挨拶

◆原告団長の開会挨拶

  • 原告団長・竹本修三
  • 今年5月に第7回口頭弁論が開かれましたが、それに合わせて被告・関電側は準備書面(3)[17 MB]を提出してきました。これは、168ページのボリュームがあり、専門用語をちりばめたコケ脅かしの書面ですが、内容はたいしたことはありません。要するに関電は、古くは1981年の原子力安全委員会の指針、最近では2013年の東北地方太平洋沖地震後の原子力規制委員会の「新規制基準」に照らして厳密な「現状評価」を行い、原子力委員会の指針を忠実に守り、対策を講じてきたのだから、「原告らが主張するような“人格権”を侵害する具体的危険性が生じることはない」と、言いきっています。しかし、原子力規制委員会の「新規制基準」が原子力発電所の安全性を確保するもではないとすれば、関電側の主張は根底から崩れることになります。
  • 今年の2月12日に規制委員会の田中俊一委員長は、九州電力川内原発1, 2号機と関西電力高浜原発3, 4号機が新規制基準に基づく審査に合格したと発表しました。そして同年2月18日の記者会見で、同委員長は、「地元は絶対安全、安全神話を信じたい意識があったが、そういうものは卒業しないといけない」と述べたうえで、規制委員会は、「運転に当たり求めてきたレベルの安全性を確認した」が「絶対安全とは言わない」と繰り返し説明していたそうです。要するに規制委員会は、「安全審査」を行う機関ではなく「適合性審査」を行うものであるということです。
  • これに対して、4月14日に高浜原発の仮処分を決定した福井地裁の樋口英明裁判長の見解では、「万一の事故に備えなければならない原子力発電所の基準地震動を地震の平均像を基に策定することに合理性は見い出し難いから、基準地震動はその実績のみならず理論面でも信頼性を失っていることになる」と述べたうえ、「新規制基準は、穏やかにすぎ、これに適合しても本件原発の安全性は確保されていない」と断じています。この見解は、大飯原発差止京都訴訟において、われわれ原告側が述べてきた主張と軌を一にしておりますので、次回10月の第8回口頭弁論では、この点をさらに厳しく追及して関電側と対峙しようと考えておりますので、皆さんのご支援を期待します。
  • このほか、関電側の準備書面(3)の不備に関して、大飯原発周辺の複数の活断層が連動して動く可能性は低いと述べていることに対しては、1995年1月に起こったM7.3の兵庫県南部地震、いわゆる阪神淡路大震災では、淡路島から神戸に至る長さ50kmを超える震源領域と一致するような大きな活断層は事前に認識されておらず、神戸市側で短い断層が雁行する六甲断層系と淡路島側で野島断層などの短い断層が何本か存在することは知られていたに過ぎませんでした。そこで、複数の活断層が連動して起こることも当然考えておかなければならないのに、そのようなケースに備えた関電側の対応が不十分です。
  • また、近くにある上林川断層の東端部を延長すると、大飯発電所の敷地に向っています。2005年3月に発生した福岡県西方沖地震の場合は、それまで知られていた陸域の警固(けご)断層の延長上にある海域の空白域でM7.0の地震が起こっています。このことから、関電は上林川断層の東端部の延長上の空白域で内陸地殻内地震が起きた場合も想定して基準地震動を求めるべきです。そうすれば、現在関電が設定している基準地震動の856ガルという値は変更せざるを得ないでしょう。

【→元のページ「全体的な報告」に戻る

◆6/27の第3回原告団総会
…総会の訴え

◆大飯原発差止訴訟 第3回原告団総会の 訴え

大飯原発差止訴訟、第3回原告団総会参加者の総意として、次の通り主張・提言し、決意を表明します。

☆本年4月14日、私たちは、再び福井地方裁判所で、世界初の〝高浜原発運転差止仮処分決定〟という画期的判決を得ました。昨年5月の、憲法上の人格権を最優位においた、歴史的な「福井地裁判決」をも上回るような判決です。京都でも、関西電力・大飯原発全機の再稼働差止めを命じる「京都地裁判決」を勝ち取りましょう!

☆福井地裁判決による司法の度重なる「原発ゼロ宣言」は、私たちの運動及び国民多数の意思と合致しています。「本件原発の事故によって住民らは取り返しのつかない損害を被る恐れが生じることになり、本案訴訟の結論を待つ余裕がなく、また、規制委の設置変更許可がなされた現時点においては、保全の必要性も認められる。」(=福井判決)から、安倍政権は、今こそ国民の意思と司法に従い、即時原発ゼロの政治決断を行うよう求めます!

☆「各地の原発敷地外に幾たびか到来した激しい地震や各地の原発敷地に5回にわたって到来した基準地震動を超える地震が高浜原発に到来しないというのは根拠に乏しい楽観的見通しにしか過ぎない」し、「地震が人間の計画、意図とは全く無関係に起こるものである以上」“新規制基準”は合理性を欠く(=福井判決)ので、現在、運転を停止している大飯原発は、直ちに廃炉のプロセスに入るよう、強く求めます!

☆関西電力は、今なお“原子力による発電原価がいちばん安い”という宣伝を行っています。しかし、〝高浜原発差止仮処分決定〟は、原発を再稼働させれば、「使用済み核燃料は我が国に存続に関わるほどの被害を及ぼす可能性がある」(=福井判決)と明確に指摘した上で、関電は、「使用済み核燃料を閉じ込めておくための堅固な設備を設けるためには膨大な費用を要する」と主張し、「国民の安全が何よりも優先されるべきとの見識に立つのでなく」、「深刻な事故はめったに起きないだろうという見通し」に立っていると喝破しています。福島の事故の事実がなかったかのような、ご都合主義の原価計算です。“世界一厳しい安全基準”でないことは、原子力規制委員会自身が、認めています。こうした、国民を欺く策動を止めさせましょう!

☆“原発温存”に固執する勢力の向こう側に「日本核武装準備」という悪魔の思惑が見え隠れしています。被曝の危険の拡散と国際的孤立、そして、核軍拡競争激化に直結する原発輸出は、即時、中止するよう求めます!

☆東電・福島第1原発の過酷事故の原因究明及び日々の状況を公開するとともに、どこに、いつ避難したかなどの区分・差別なく、すべての原発被災者の補償と救済を、東電と国が責任をもってすすめるよう求めます。また、事故の責任を明確化し、収束作業の迅速化を図るために、一刻も早く東電の破たん処理を行うよう求めます!

☆大飯原発の過酷事故は、若狭湾、琵琶湖の水源地である福井県嶺南地域、京都府の北山山地や、「近畿の水がめ」である琵琶湖に、回復不能の放射能汚染を拡げ、近畿全域にはほぼ住み続けられなくなることは明白です。国土と「国富」を守る、最高で最大の防災対策は、直ちに全原発廃炉の作業に入ること以外にありません!

☆政府と電力会社は、廃炉作業をすすめると同時進行で、自然・再生可能エネルギーの開発・発展を、国民主権の立場で推進し、疲弊した地方及び国民経済の早期再生を実現するよう求めます!

☆原発施設は、日本と地球の未来に有害です。この立場から現在の間違った“エネルギー基本計画”の撤回を求めます。わたしたちは、原発設置を許した責任を自覚し、一人ひとりの主権者に原発の危険のない日本と地球を残すために、新たに有権者となる18・19歳の若者のエネルギーにも依拠して、どこでも、いつまでも闘い続けましょう!

☆大飯原発差止訴訟の原告団は、全国の脱原発運動と固く連帯・連携して、すべての原発廃炉を広く全国民に訴えていきます。1万人原告団を展望しつつ、2015年中に新たに1000人の原告団拡大をめざしましょう!

2015年6月27日 大飯原発差止訴訟第3回原告団総会参加者一同

【→元のページ「全体的な報告」に戻る

◆6/27の第3回原告団総会
…世話人会からの活動報告

◆原告団・世話人会からの活動報告

[1] 1万人原告をめざして

(1)京都脱原発原告団の歩み

・福島第一原発の過酷事故(2011年3月11日~)のあと,国内の稼動原発はゼロの状態になっていました。ところが,福井県にある関西電力・大飯原発は,当時の民主党政権のもと2012年7月に再稼働が強行されました。(その後,大飯原発は2013年9月に定期検査にはいって停まり,以来,日本は原発ゼロです。)

・そのため,京都脱原発弁護団と1,107名の原告は,再稼働が強行された大飯原発の運転差し止めと損害賠償を求め,2012年11月,京都地裁に提訴しました。2013年6月には原告団結成総会が開かれ,正式に京都脱原発原告団が発足しました。

・その後,2013年12月,856名で第二次[追加]提訴を行い,原告は合計1,963名となりました。さらに第三次[追加]原告を募集し,本年1月に730名で第三次提訴を行いました。これで原告総数は2,693名となりました。

(2)福井地裁の判決,仮処分決定の意義

・「福井から原発を止める裁判の会」による大飯原発差止訴訟で,2014年5月,福井地裁は原告勝訴,大飯原発3,4号機の運転差止を命ずる判決を出しました。さらに,本年4月,福井地裁の同じ裁判長の下で高浜原発3・4号機の運転差止を命ずる仮処分決定が出ました。

・昨年の判決,本年の仮処分決定とも,裁判所が示した内容はひじょうに優れたもので,私たち京都脱原発原告団・弁護団にとって大きな励みになります。さらに,福井地裁での勝利を高裁,最高裁と維持し発展させ,私たちの大飯原発差止訴訟(京都地裁)においても勝利判決を獲得することが求められています。そして,それがじゅうぶんに可能であることも明らかになりました。京都地裁において脱原発判決をかちとることは,司法のおける脱原発の流れを決定づける大きな力になるはずです。

(3)第四次[追加]原告の募集

・大飯原発差止訴訟に勝利するために,私たちは,現在2,693名の原告団を,今年中には1000人増やすこと,そして最終的には1万人原告をめざしています。社会的に見れば,原発に不安を持ち,なくして欲しいと願っている市民が多数派です。こうした草の根の広範な願いを,裁判の原告という形に表現して,目に見える大きな社会的な勢力に広げていきましょう。

・2015年初より,世話人会では第四次[追加]原告の募集をすすめ,1,000人の追加をめざしています。5,000円の裁判費用を裁判所に納める関係で,最低でも700人ほどにならないと,原告団の赤字になってしまいます。しかし,6月初旬では120名にとどまっています。

(4)身の回りで脱原発の輪を広げてください!

・第四次[追加]原告1,000人を集めることは,2,693名の現在の原告の力をもってすれば,実現不可能ではありません。お一人の原告が,職場やお近くの知人,友人,ご家族などで,お一人の新しい原告を誘っていただくことを,心から訴えます。配付資料中の一枚の原告募集案内チラシをぜひ活用してください。

・世話人会では,原告募集の集会の設定,いろいろな機会に原告募集案内チラシを配付するなどの活動をすすめています。
・自然エネルギーに依拠した新しい社会,エネルギーを過度に使用しない社会のために,市民の共同の輪をいっそう広げ,脱原発の実現をめざしましょう。

[2] これまでの法廷期日

(1)各期日のくわしい報告

・原告側の陳述書や弁護団による準備書面,被告(関電,国)の答弁書や準備書面などは,原告団Webの中の「裁判資料」にアップしています。

(2)これまでの内容

…1107名の原告で最初に提訴したのは,2012年11月29日。以下,各回とも弁護団からの準備書面と,原告の意見陳述を行いました。

・第1回口頭弁論(2013年7月2日)
…竹本修三・原告団長が「地震国日本で原発稼働は無理」と陳述。
…福島敦子さん(福島県南相馬市からの避難者)の陳述。
・第2回口頭弁論(2013年12月3日)
…原告で,聖護院門跡の宮城泰年・門主が意見陳述。
・第3回口頭弁論(2014年2月19日)
…原告の宮本憲一・元滋賀大学学長・大阪市立大学名誉教授(環境経済学)が意見陳述。
・第4回口頭弁論(2014年5月21日)
…裁判官の交代に伴う弁論の更新。
…竹本修三・原告団長と福島敦子さん(福島県南相馬市から避難)が再陳述。
・第5回口頭弁論(2014年9月30日)
…原告の意見陳述は萩原ゆきみさん(郡山市からの避難者)と,
…都市計画の観点から広原盛明さん(京都府立大学元学長)。
・第6回口頭弁論(2015年1月29日)
…原告の意見陳述は,三澤正之さん(京都府北部在住)。
・第7回口頭弁論(2015年5月28日)
…原告の意見陳述は,菅野千景さん(福島市からの避難者)。
…原告側の主張をほぼ出し終わる。
・第8回口頭弁論(2015年10月20日)
…予定。以後は立証の段階にはいる。

[3] この一年間の原告団のおもな活動

(1)毎月1回の世話人会

・各回の世話人会の内容は,毎回,原告団メーリングリスト(一斉メール送信,ML)に報告として配信しています。

・現在,原告団世話人会は19名で構成し,毎月1回の世話人会を開いています。昨年総会時の世話人は16名でしたので,新しい人が増えています。世話人の中から,原告団長(竹本修三),事務局長(吉田明生),事務局次長(山崎正彦)をおいています。世話人会には弁護団からも6名が参加しています。

浅井寿子(中京区),榎田基明(上京区),岡本瑞子(大津市),奥森祥陽(宇治市),河原好美(西京区),小針修子(北区),斎藤信吾(綾部市),阪本みさ子(舞鶴市),佐々木完之(左京区),高階喜代恵(伏見区),竹本修三(城陽市),富田道男(宇治市),福島敦子(木津川市),山崎正彦(東山区),山田耕作(宇治市),山田勝暉(左京区),山根義夫(京丹後市),吉田明生(伏見区),吉田和義(左京区)…19名
【弁護団】
井関佳法(京都南),尾崎彰俊(京都第一),出口治男,中島晃(市民共同),福山和人(京都),渡辺輝人(京都第一)

・世話人は,随時,募集しています。原告の皆さまの中から手を上げていただく方をお待ちしています。

(2)昨年総会(2014/6/7)以降のおもな催し

①福井地裁判決の報告集会in京都(2014/6/28)…5月に福井地裁が大飯原発3,4号機の運転差止を命ずる判決を出したのに対し,その報告集会を開きました。「福井から原発を止める裁判の会」から中嶌哲演さん(原告団代表,明通寺住職),松田正さん(同事務局長),笠原一浩弁護士(弁護団事務局長),安部剛氏(同事務局次長)らからくわしい報告がありました。会場は350人を超えて,盛況でした。

②おおい町見学ツアー(2014/7/6)…京都市内よりバス1台で,おおい町と大飯原発を見学してきました。その報告DVDや写真集は販売中です。

③ストップ原発再稼働!京都集会(2014/11/8)…川内原発や高浜原発の再稼働がせまる中,187人という多くの参加がありました。「志賀原発を廃炉に!訴訟」で,原告勝利の判決をだした元金沢地裁裁判官である井戸謙一弁護士からのビデオメッセージは,原告団Webで公開しています。北野進さん(「志賀原発を廃炉に!訴訟」原告団表),堂下健一さん(同事務局長),岩淵正明弁護士(同弁護団長)らの講演をいただきました。

④福井地裁の高浜原発運転差止・仮処分決定!京都報告会(2015/4/26)…「若狭の原発を考える会」(代表,木原壯林さん)との共催で,福井の原告松田正さんからの報告をうけ,弁護団の井戸謙一弁護士からパワーポイントを使って仮処分内容の解説がありました。参加者数は会場ほぼいっぱいの163名でした。

(3)原告団・事務局よりお願い

①原告の皆さまへの連絡は,郵送希望の原告(1,000円の実費で登録)のほかは,原告団メーリングリスト(一斉メール送信,ML)で行っています。できるだけメールアドレス(携帯可)の登録をお願いします。また,最近,配信停止となるメールアドレスが増えていますので,携帯の機種変更などでメールアドレスが変更になった場合は,再度,事務局宛にご連絡ください。

②新しい原告への訴状発送,郵送希望原告への手紙の発送,原告募集案内チラシの配布などで,原告の皆さまにお手伝いを呼びかけて,ともに活動することができました。ご協力いただきました原告の皆さまには,お礼申し上げます。

③原告名簿,原告団MLの管理につきまして,この一年でかなり改善を図りました。しかし,専従者がいる訳ではなく,あくまでボランティアベースの活動ですので,行き届かない点もあるかと思われます。今後とも,原告の皆さまのご協力を得て可能な範囲で改善していきます。

(4)京都原発裁判支援ネットの設立

①名称
・「京都地裁における二つの原発裁判(大飯原発差止訴訟,原発賠償京都訴訟)を支援するネットワーク」の略称…京都原発裁判支援ネット。

②ネットワークの構成
・ネットワークに賛同する団体や個人で構成する。その協力を得て,裁判傍聴支援,原告拡大,支援する会の会員拡大など運動の前進をはかる。
・訴訟当事者…以下の5団体。
大飯原発差止訴訟…1)京都脱原発原告団,2)京都脱原発弁護団
原発賠償京都訴訟…3)原発賠償京都訴訟原告団,4)原発賠償訴訟・京都原告団を支援する会,
5)東日本大震災による被災者支援京都弁護団
・賛同する個人と団体…今後,個人参加や,地域で脱原発の運動をすすめている団体などを広く募りたい。ただし賛同団体,個人の会費などは無料。

③申し合わせ事項
・京都原発裁判支援ネットの名称を用いるなど,京都原発裁判支援ネットとして行動する際は,訴訟当事者の全会一致による。

④ネット上の情報交換体制
・発信のためのWebと,交流のためのFacebookを用意し,情報共有を図ります。
・「発信のためのWeb」のタイトルは,「京都原発裁判支援ネット。。発信」。
裁判のスケジュールをまとめたり,京都の原発関連の運動を紹介します。
→こちら
・「交流のためのFacebook」のタイトルは,「京都原発裁判支援ネット。。交流」。
こちらは誰でも書き込みができます。
→ こちら

(5)京都原発裁判支援ネットの設立集会と映画「日本と原発」上映会

①京都原発裁判支援ネットの設立集会と,「日本と原発」の京都上映会と兼ねて行う。

②8/1(土),ひと・まち交流館京都(京都市河原町六条)にて。¥1000,定員300名。
13:30~14:15…京都原発裁判支援ネットの設立
14:30~16:45…映画上映(2時間15分)

③映画「日本と原発」…本年2月の松山地裁の伊方原発差止訴訟第10口頭弁論,4月の札幌地裁の泊原発1~3号機廃炉等請求事件の第13回口頭弁論期日において、証拠として提出され、それぞれ30分間上映されました。
映画については → 配付資料中のチラシを参照。

[4] 財政について

(1)原告参加費用5,000円について

・大飯原発差止訴訟に原告として参加していただくためには,原告参加費用として5,000円のご負担をお願いしています。これは裁判所に提出する訴状に貼る印紙代にあてられます。これ以外にご負担いただく費用はありません。

・判決文で,訴訟費用を原告に負担させる旨言い渡される可能性はありますが,ここでいう「訴訟費用」とは,訴状に貼付する印紙代,証人に支払われる日当や交通費などで,大部分は印紙代のことなので,すでに支払っていただいた5,000円以外に追加で支払義務を負わされることはありません。

・また,大飯原発の運転差し止めが認められた場合でも,関電の損害や被告の弁護士費用などについて,原告が賠償義務を負わされることはありません。

(2)財政の基本,財政報告

・訴訟参加費の5000円は,ほとんどを裁判所に納めています。弁護団は無償で活動されています。

・財政全般については,別紙報告の通りです。原告団だけの財政は,ありません。世話人の活動は無償が基本です。

(3)原告団の財政活動

・必要不可欠な物品,原告団や世話人会として遠方へ出かける場合などの支出は,弁護団財政の中で処理しています。集会の会場費など,原告団独自の活動は,カンパを募ったり,ボランティアとして進めて,赤字にならないように工夫しています。

・2013年に行った「福島交流ツアー」の報告集は黒字にし,最終的に弁護団財政に繰り入れました。
・2014年に行った「おおい町見学ツアー」の報告DVDや写真集は,各500円で継続して販売しています。
・今年は,新たに「脱原発クリアファイル」を作成しました。500円/5枚で販売中です。
・さらに,「脱原発カンバッジ」の制作をすすめています。デザインは原告の中のプロにお願いして,20種類できています。

・小学生からわかる紙芝居「なくそう原発」は完成しました。原告団Webから無償ダウンロードができます。ラミネート加工をした紙の版もありますので,貸し出しなどのご要望にお応えできます。科学者会議京都支部の市川章人先生が,京都民報の連載記事「1から分かる原発問題」の中で紹介していただきました。

(4)本日のカンパなどのお願い

・カンパ袋も資料にセットにしています。
・経済情勢の厳しい折りですが,当原告団の活動は,皆さまのカンパによって成りたっています。ぜひとも,ご協力いただきますよう,心からお願い申し上げます。
・カンパ袋は再利用が可能です。カンパが困難な場合でも,袋だけはご返却ください。

(5)原告参加費用5,000円について

・大飯原発差止訴訟に原告として参加していただくためには,原告参加費用として5,000円のご負担をお願いしています。これは裁判所に提出する訴状に貼る印紙代にあてられます。これ以外にご負担いただく費用はありません。

・判決文で,訴訟費用を原告に負担させる旨言い渡される可能性はありますが,ここでいう「訴訟費用」とは,訴状に貼付する印紙代,証人に支払われる日当や交通費などで,大部分は印紙代のことなので,すでに支払っていただいた5,000円以外に追加で支払義務を負わされることはありません。

・また,大飯原発の運転差し止めが認められた場合でも,関電の損害や被告の弁護士費用などについて,原告が賠償義務を負わされることはありません。

[5] 今後のおもな予定

7/ 7(火)11:00~,原発賠償訴訟第9回口頭弁論。
…京都地裁101号法廷。傍聴席抽選は,10:10~10:30。
…終了後,弁護士会館にて報告会
7/18(土)10:00~,第31回世話人会,京都弁護士会館
8/ 1(土)13:30~,京都原発裁判支援ネットの設立,映画「日本と原発」上映会…ひと・まち交流館京都(河原町五条下る)
8/22(土)10:00~,第32回世話人会,京都弁護士会館
9/19(土)10:00~,第33回世話人会,京都弁護士会館
10/20(火)14:00~,大飯原発差止訴訟,第8回口頭弁論。
…京都地裁101号法廷。傍聴席抽選は、13:00~13:20。
…終了後、弁護士会館で報告会。

【→元のページ「全体的な報告」に戻る

◆6/27の第3回原告団総会
…寄せられたメッセージ

◆今日の原告団総会に寄せられたメッセージ

・以下,順不同です。

[1]「原発賠償京都訴訟原告団」より

大飯原発差止京都訴訟 原告団のみなさま

このたびは、第3回目の原告団総会の開催、大変お疲れ様です。
私たちは、原発賠償京都訴訟原告団です。
昨年の11月に、私たちの原発賠償訴訟と皆さんの大飯原発差止訴訟は、原発をめぐる裁判としてともに支援交流をしながら裁判を推し進めていくことを目的とし、支援ネットを結成しました。
お互いの裁判傍聴はもちろん、学習会やこの総会などへの積極的な参加の機会を作り、今後の闘いに生かしてゆきましょう!

福島の原発事故以来、私たち原発賠償京都訴訟の原告のように、生活が足元から揺らぐような生活の変化、福島県の子どもたちの甲状腺がんの異常な増加は、今後一切あってはならないのです。無責任な原発再稼働の動きは、今の福島の原発事故後の現状を見れば、許されることではありません。万が一の事故で、この京都や近隣府県の生活の源・水がめである琵琶湖を汚すわけにはいきません。
私たちがおこした裁判は以上の理由からも大変重要なものであります。
私たち賠償訴訟の原告の思いは、みなさま原告団の思いに同じです。
今後も強く団結して、司法へそして国内外の方々へ訴えていきましょう。

原発賠償京都訴訟原告団 共同代表 福島敦子

[2]「脱原発原告団全国連絡会」より

大飯原発差止訴訟・京都脱原発原告団のみなさま
第3回総会、ごくろうさまです。
原発事故の災禍を二度と起こさないために
福島のみなさんの苦難を共にし、
大飯判決、高浜仮処分判決を糧に全国の脱原発原告団が連帯し、
全国の原発差止訴訟勝利、すべての原発廃炉に向けて共に頑張りましょう。

脱原発原告団全国連絡会 事務局 大石光伸

[3]「大飯・高浜原発仮処分の会」より

大飯原発差止訴訟・京都脱原発原告団の皆様。
福井地裁での原発差止訴訟も、仮処分の申請もすべて勝利いたしましたが、
姑息にも関西電力は、この司法の判断を尊重しないで再稼働に躍起になっています。福井での勝利も上級審、異議審でひっくり返そうと必死です。
そして、推進側は、潤沢な資金(電気代に添加できる資金)で、順当では勝ち目がありません。
が、この会場のご参集していただいている、純真な、また何の私的な利益を求めない多くの同じ思いの、皆様がいる限り正義は必ず
「我にあり」です。

「あとに続く者たちのために」
弱きものたちよ 嘆いてはいけない 怯んではいけない
あとに続く者たちのために
どんなに細くても険しい道であろうと作っておくのです
そのために つながるのだ 手を取り合うのだ
まず 私たちから進もう
後から来る人は 続いて 追い越して 先に進んで欲しい
はれやかな 夜明けが来るのを信じて
つながろう 手を取り合おう
後から続く者たちのために

大飯・高浜原発仮処分の会 事務局長 松田正

[4]「志賀原発を廃炉に!訴訟」原告団より

メッセージ

「福島の事故から原発再稼働を問う怒りの原告団総会」が盛大に開催されますことを心よりお喜び申し上げますとともに、大飯原発の差止実現へ連日奮闘しておられるすべての原告の皆様に心より敬意を表します。また、私ども志賀原発を廃炉に!訴訟原告団との交流はじめ、全国各地の訴訟団との連帯を通じて全ての原発を無くすたたかいを力強く展開しておられますことにも心より敬意と感謝を申し上げます。

さて、私どもの志賀原発廃炉に向けた訴訟は今年、大きなヤマ場を迎えつつあります。さる5月13日、原子力規制委員会の有識者会合は志賀原発敷地内の断層について、「活断層の可能性は否定できない」との見解で一致しました。今後、評価書案がまとめられ、議論の場は原子力規制委員会へと移ります。もちろん北陸電力は再稼働の道をあきらめておらず、独立性が疑われる昨今の原子力規制委員会ですから決して楽観はできませんが、原子力ムラから一線を画した地震・活断層の専門家が私たちの訴訟での主張を追認した事実は重く、差止判決への大きな追い風となります。今年度中には結審を迎える可能性も高く、福井地裁での差止判決に続く勝訴を勝ち取るため、原告・弁護団結束して運動の強化を図っているところです。

5月30日には原告団総会を開催し、記念講演には、かつて志賀2号機の差止判決を出した井戸謙一弁護士を招きました。演題は「司法と市民の力で原発を止めよう!」です。まさにこの1年、高浜原発の差止仮処分もあり、司法で原発を止めるたたかいが現実化し、また世論も原発訴訟に大きな関心を寄せ始めました。市民のパワーをさらに結集していかなければなりません。

安倍政権は原発再稼働へと突き進んでいますが、国民世論との乖離はますます鮮明になっています。安保法案を巡って政局の潮目は変わりつつあり、法廷内外のたたかいをさらに前進させていくことも重要な課題です。フクシマを二度と繰り返してはならない。原発なしで暮らしたい。そんな極めて当然の感覚が広く国民に浸透する中、全国の再稼働阻止のたたかいは燃え広がり、各地の脱原発訴訟もそのたたかいの重要な一翼を担っています。

私たちも京都の皆様のたたかいに学びつつ、志賀原発を止めることを突破口に原発の無い社会の実現を目指します。お互いの奮闘と連帯を確認し、本日の総会を機にさらに京都脱原発原告団のたたかいが前進しますことを祈念し、総会にあたりましてのメッセージとします。
頑張りましょう!

2015年6月27日
志賀原発を廃炉に!訴訟 原告団長 北 野  進

[5]「NPO法人使い捨て時代を考える会」より

福島の立ち入り禁止区域の動物たちの可哀そうな姿。
長い期間、自然と共に生きてきた人たちの今の自然との生き方、魚や貝を採ることができない現状。
2度とこの様な現状をおこしてはなりません。
私たちは、まず身近な大飯原発を止め、廃炉にする必要があります。

脱原発委員会 差し止め訴訟原告 佐々木完之

[6]「日本科学者会議京都支部」より

小児甲状腺がんの発症:被ばくによる可能性が高まる

福島県は原発事故を受けて0歳から18歳を対象に甲状腺検査を実施している。2011年10月から3年間の先行検査、ならびに2014年4月から開始した本格検査の2015年3月31日までの集計結果が5月18日に発表された。先行調査は本格調査の対照検査で、両調査のがん発生率の比較から放射線の影響を調べるのが目的である。
3年間の先行調査では29万9233人が受診した。うち二次検査対象者は2278人であった。2034人の結果が確定し、うち1345人が要観察となった。1345人のうち細胞検査を受けたのは529名で、112名が「悪性ないし悪性疑い」と診断された。甲状腺がんの発見率は112/529となる。この値から二次検査対象者2278人中の患者の数を推定すると、319人になる。先行調査の患者発見率は319/29万9233で、10万人当りでは107人となる。年間発見率は37人となる。
一方、本格検査では、12万1997人について検査結果が確定した。二次検査対象者は1043人で、うち491人が検査を終了し、349人が要観察となった。349人のうち54人が細胞診を受けたが、15人が「悪性ないし悪性疑い」と判定された。15人のうち先行検査でA判定が14、B判定が1であった。
発見率は15/54なので、要観察者349人のうち97人が患者であると推定される。この数値から二次検査対象者1043人中の患者数を推定すると206名となる。本格調査の患者発見率は206/12万1997で、10万人当たりでは169人となる。
先行調査と比較すると本格調査の年間発見率は4.7倍になり、被ばくによる発症の可能性が濃くなった。
2015.6.22
宗川吉汪(日本科学者会議京都支部)

[7]「若狭の原発を考える会」より

原発現地・若狭での原発全廃のうねりを!

原発は人類が制御できる装置でないことは、悲惨で、あまりにも大きな犠牲を伴ったチェルノブイリや福島の原発事故が証明しています。それでも、暴走を続ける安倍政権、財界、電力会社、原子力規制委員会=原子力推進委員会は、川内原発、高浜原発、伊方原発の再稼働を企んでいます。この企みを断固として阻止し、原発全廃を勝ち取る運動の強化のために、昨年10月1日若狭現地に設置されたのが反原発「若狭の家」です。皆様のご支援の賜物です。ありがとうございました。この「若狭の家」は、電力消費地での原発NO の運動を原発立地の運動と結合させて高揚させる現地連絡事務所の性格も持ち、「若狭の原発を考える会」として活動しています。
「若狭の原発を考える会」への皆様のより一層のご支援をお願いします。原発の即時全廃を目指して、共に頑張りましょう。

「若狭の原発を考える会」の今後の活動

急を告げる高浜原発3,4号機再稼働を阻止する。なお、運転開始から約40年が経ち、一層事故確率の高い高浜原発1、2号機について、関電は、4月30日に、運転期間を20年間延長する許可を求める申請を規制委に行った。高浜1,2号機が老朽原発再稼働の先陣にされようとしている。一方、川内原発は、問題山積であるにも拘らず、今秋の再稼働を企んでいる。さらに、規制委は、伊方原発の再稼働「審査書案」を5月20日に発表した。

このような状況下で、再稼働阻止のために、現地高浜‐福井‐関西各地‐全国が連帯した運動を強化しなければならない。集会・デモだけでなく、現地・若狭を中心にした定期的かつ頻繁な宣伝、署名活動などを通して、若狭住民の参加を呼びかけ、各方面への申し入れを行うなど、重層的運動を構築する必要もある。また、高浜町長、福井県議会、知事の再稼働同意を阻止するための町役場、県庁での行動、高浜原発および関電本社・支店などに対する、原発を断念させる行動も強化しなければならない。川内原発、伊方原発再稼働阻止の運動と強く連帯した運動も要求される。

各種の反原発運動と両輪である裁判闘争も重要である。高浜原発再稼働差止仮処分に対する関電の異議申立に関する福井地裁での裁判、高浜原発と分離審理されている大飯原発再稼働差止仮処分に関する福井地裁での裁判、昨年5月21日の福井地裁判決に関する名古屋高裁金沢支部での控訴審、京都地裁での大飯原発再稼働差止訴訟、原発賠償訴訟、大津地裁での大飯原発再稼働差止仮処分裁判など多数の裁判が進行中である。福井地裁に続く勝訴で、再稼働阻止を決定的なものとするために、圧倒的な反原発の世論を顕在化しなければならない。

「若狭の原発を考える会」・木原壯林

[8]「原発ゼロへ・生駒の会」より

福島の事故から原発再稼働を問う―怒りの第3回原告団総会―  へのメッセージ

日頃の京都脱原発原告団の絶え間のない活動に敬意を表します。
福井地裁における昨年5月の「大飯原発運転差止判決」および今年4月14日の「高浜原発再稼働差止仮処分」は、憲法の定める人格権を守ろうとする、司法の良心、司法の本来の姿が具現された歴史に残る判決でした。

しかるに、政府や電力会社・財界は、差止判決や圧倒的な「原発ゼロ」世論に真摯に向かおうとせず、相変わらず「生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利」と「経済発展・大企業の利潤」を天秤にかけ、新たな安全神話を振りまき、原発再稼働に前のめりになっています。鹿児島地裁の川内原発の再稼働差止申立て却下や原子力規制委員会による伊方原発再稼働「適合」判断などはその例です。

5月29日の口永良部島大噴火や翌日の巨大地震など日本列島の地下の動きが活発です。ごく最近でも桜島、西之島、御嶽、箱根、と活発な火山活動が起こっています。これらは、「日本列島での原発再稼働の狂気」に対して「福島を忘れたのか」との自然界からの警告ではないでしょうか。

私たち奈良県生駒市で2011年に立ちあげた「原発ゼロへ・生駒の会」は、1000人以上の賛同人とともに、「原発事故による地球環境の放射能汚染を許さず、安心して子どもを産み育てられる環境を求めます。地域住民が安心して住める環境を求めます。そのため、原発から撤退し、地球と人に優しい自然エネルギーに転換することを求めます。ともに手を携えて運動を進めましょう」と訴え、学習会や集会、パレードを行ってきました。何度も、原告団、弁護団、避難ママさんなどに奈良までお越しいただいて、感動的な話を数々聞かせていただきました。今年に入ってからでも比較的大きな催しとして、3.8原発ゼロ・震災復興をめざす奈良のつどい、3.11「原発ゼロへ・生駒の会」結成4周年行事、5.24奈良県母親大会、6.11イレブンデー行動in生駒、6.14福島を聞きたい「母子避難 福島から」、6.20平和委員会全国大会でのパネル展など多彩な活動を行っています。また、微力ながら京都脱原発原告団への加入の訴えもさせていただいています。

いま日本は、「戦後70年、戦争か平和か」の岐路にあります。原発再稼働阻止、原発事故避難者支援、安保法制反対、沖縄新基地建設阻止などすべての重要課題が、日本国憲法第13条で定められた「生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利」を守るもかどうか、を突き付けています。

今後とも「原発ゼロ」をめざして共に頑張りましょう。

2015年6月27日
「原発ゼロへ・生駒の会」代表 溝川悠介

【→元のページ「全体的な報告」に戻る

◆6/27の第3回原告団総会
…会計について

◆第3回原告団総会 会計について

  • 当日の配付資料には,会計報告も掲載しています。
  • その資料につきましては,原告の皆さまには,お送りできますので,事務局までご連絡ください。
  • 補足…収入はすべて,原告や原告になっていない皆さまからのカンパです。原告参加費用5000円はほとんどが裁判所に納める印紙となっています。収支は,現在は赤字にはなっていませんが,黒字もひじょうにあやうい範囲の金額にとどまっています。厳密にみると,前期の繰越金を取り崩しています。支出を適正化し,財政活動も積極的に行って,この1年をのりきりたいと考えています。
  • 当日のカンパは,12万円をこえました。ご協力ありがとうございます。
  • 原告の皆さまのいっそうのご協力,ご支援をお願いします。

【→元のページ「全体的な報告」に戻る

◆[第2回原告団総会] 配布資料

第2回原告団総会 配布資料[922 KB] A4判9ページ

目次

  • 大飯原発差止訴訟第2回原告団総会の訴え(案)
  • 原告団からの訴えと報告
  • 7/6 おおい町見学ツアーのご案内
  • 『福島交流ツアー報告集』のご案内
  • 福井地裁判決の報告集会in京都(ご案内)
  • 大飯原発3,4号機運転差止請求事件
    福井地裁2014年5月21日判決ハイライト(抜粋)