◆原告第20準備書面
第4 非常用取水設備の問題

原告第20準備書面
-基準地震動未満の地震による炉心損傷の具体的危険性- 目次

第4 非常用取水設備の問題

 1 非常用取水設備の役割

非常用取水設備は、その名称にある「非常用」が示すとおり、通常運転状態から逸脱した異常や事故の発生時において安全性を確保するための重要な機能を担っている。

すなわち、下図の通り《図省略》原子炉停止時において原子炉から崩壊熱を除去し、安定停止状態である冷温停止状態にするには、原子炉の熱を、余熱除去冷却器、原子炉補機冷却水冷却器を介して最終的に海に排熱する必要がある。このために海水を汲み上げるための設備が「非常用取水設備」[5]である。

甲260-0270:「非常用取水設備の耐震 C クラスは誤りである」滝谷紘一]《図省略》

甲261-9-405頁「大飯発電所3、4号機の新規制基準適合性審査に関する事業者ヒアリング(170)」(平成26年3月20日)添付資料4より引用]《図省略》

[5] なお、同設備の安全機能の重要度は最上位のMS-1である(甲262-10)。

 2 非常用取水設備損傷後のシナリオ

非常用取水設備が地震により損傷すれば、最終排熱のための海水の汲み上げが不可能となる。この場合、原子炉補機冷却海水設備への海水供給による熱交換が所定通りにはできなくなり、原子炉補機冷却水の温度が異常に上昇し、崩壊熱除去設備による原子炉の崩壊熱除去機能が喪失し、その結果、炉心損傷に至る(甲260-0270:「非常用取水設備の耐震 Cクラスは誤りである」)。

また、原子炉補機冷却水は、原子炉の崩壊熱除去に必要であるのみならず、非常用ディーゼル発電機、非常用換気空調系冷凍機(いずれもMS-1[6])、格納容器スプレイ冷却器、使用済燃料ピット冷却器、格納容器再循環ユニットなどにも供給されて必要な冷却を行っているところ、非常用取水設備の機能が損なわれるとこれらの設備機器も機能喪失に陥り、炉心損傷、使用済燃料損傷、格納容器損傷などに至る。(甲260-0270、別紙(甲275)参照)。

[6] 安全機能の重要度MS-1は耐震Sクラス

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