◆原告第20準備書面
第3 外部電源の問題

原告第20準備書面
-基準地震動未満の地震による炉心損傷の具体的危険性- 目次

第3 外部電源の問題

 1 大飯発電所の電力系統の概要

大飯発電所は、500kV送電線4回線と77kV送電線1回線にて電力系統に連系している。500kV送電線は西京都変電所に2回線(大飯幹線)及び京北開閉所に2回線(第2大飯幹線)、77kV送電線(大飯支線)は小浜変電所にて接続されている(甲259-2,10:平成25年10月29日第38回新規制基準適合性に係る審査会合提出資料「大飯3号炉及び4号炉 保安電源設備について」。

被告関電によれば、「大飯発電所に接続する送電線は、500kV4回線と77kV1回線の設備構成であり、全ての送電線が同一鉄塔に架線されている箇所はなく、物理的に分離した設計である」とのことである(甲259-14)。

甲259-10:大飯3号炉及び4号炉 保安電源設備について]《図省略》

 2 関西電力の外部電源対策の問題点

被告関電は、5ルートの送電線が物理的に分離した設計であり、すべてのルートが同時に機能を停止する可能性は小さいと主張するものと考えられる。

しかしながら、地震は、風害や経年劣化等による局所的な故障と異なり、広い範囲に影響を及ぼすため5ルートの外部電源が同時に損傷する危険がある。

また、以下の図によれば《図省略》、大飯幹線(2回線)、第2大飯幹線(2回線)、大飯支線(1回線)が密集した地域があり、当該地域に地震が起きれば、すべての送電線が損傷する事も容易に想定できる。

[甲259-14 :大飯3号炉及び4号炉 保安電源設備について]《図省略》

 3 福島第一原発では地震により全外部電源が喪失

福島第一原発事故は、地震発生後間もなく、外部電源設備の一部である鉄塔の倒壊、遮断器及び断路器の部品落下、引込鉄構の傾斜等の損傷が生じたことから、外部電源設備が機能を喪失し、外部から受電することができなくなったことを契機とする(甲92-32,34:政府事故調中間報告書)。

ここで、東北地方太平洋沖地震は巨大な地震であったが、必ずしも福島第一原子力発電所の立地地点において広範囲に基準地震動を超える地震動が観測されたわけではない。ところが、6ルートあった外部電源はすべて機能喪失した。

すなわち、基準地震動未満の地震であっても、外部電源全てが機能喪失することは十分に有り得るのである。

[甲92-79:政府事故調中間報告書資料編]《図省略》

[甲92-18:政府事故調中間報告]《表省略》

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