◆原告第20準備書面
第2 耐震重要度分類

原告第20準備書面
-基準地震動未満の地震による炉心損傷の具体的危険性- 目次

第2 耐震重要度分類

 1 新規制基準における耐震重要度分類

平成25年6月19日、発電用軽水型原子炉施設の設置許可段階の耐震設計方針に関わる審査において、審査官等が「実用発電用原子炉及びその附属施設の位置、構造及び設備の基準に関する規則(平成25年原子力規制委員会規則第5号)並びに実用発電用原子炉及びその附属施設の位置、構造及び設備の基準に関する規則の解釈(原規技発第1306193号(平成25年6月19日原子力規制委員会決定)の趣旨を踏まえ、耐震設計方針の妥当性を確認するために、「基準地震動及び耐震設計方針に係る審査ガイド」[1]甲255 以下「審査ガイド」という)が策定された。

審査ガイドの「II 耐震設計方針」は、新規制基準における原子炉施設の耐震重要度分類について3クラス(Sクラス、Bクラス、Cクラス)に分けて、「重要な安全機能を有する施設はSクラス、これと比べて影響が小さいものはBクラス、これら以外の一般産業施設、公共施設と同等の安全性が要求される施設はCクラスと適切に分類されていることを確認する。」「Sクラスの各施設は、基準地震動による地震力に対してその安全機能が保持できること。」(甲255-14:審査ガイド)とした。

すなわち、基準地震動[2]に耐えうる施設は、Sクラス[3]のみであり、Bクラス及びCクラスの施設は基準地震動未満の地震に対して「安全機能が保持」できる設計ではない。

[1] 平成25年6月19日 原管地発第1306192号 原子力規制委員会決定
[2] 大飯原子力発電所の基準地震動は、平成21年3月には700ガルであったが、平成25年12月には759ガル、平成26年5月には856ガルと変遷
関西電力HP:http://www.kepco.co.jp/energy_supply/energy/nuclear_power/anzenkakuho/ooi/topics_012sp.html
[3]審査ガイド16頁はSクラスの施設として、(1)地震により発生する可能性のある事象に対して、原子炉を停止し、炉心を冷却するために必要な機能を持つ施設、(2)自ら放射性物質を内蔵している施設、(3)当該施設に直接関係しておりその機能喪失により放射性物質を外部に拡散する可能性のある施設、(4)これらの施設の機能喪失により事故に至った場合の影響を緩和し、環境への放射線による影響を軽減するために必要な機能を持つ施設、(5)これらの重要な安全機能を支援するために必要となる施設、(6)地震に伴って発生する可能性のある津波による安全機能の喪失を防止するために必要となる施設
Bクラスの施設として、「安全機能を有する施設のうち、機能喪失した場合の影響がSクラスと比べ小さい施設」、Cクラスの施設として「Sクラス施設及びBクラス施設以外の一般産業施設、公共施設と同等の安全性が要求される施設」と分類する。

 2 大飯原子力発電所の耐震設計

  (1) 外部電源

被告関西電力は、大飯原子力発電所3,4号機の「設置変更許可申請書」の「添付書類八」8-1-120頁以下において施設ごとに耐震クラスを明記しているものの、ここに「外部電源」の項目はない(甲256:平成25年7月8日付「設置変更許可申請書」「添付書類八」)。
しかし、平成25年11月12日被告関電が原子力規制委員会第45回原子力発電所の新規制基準適合性に係る審査会合に提出した資料(甲262-11:「大飯3号炉及び4号炉共用に関する設計上の考慮について」)によれば、外部電源の安全機能の重要度は「PS-3」[4]とされ、耐震Cクラスと同義である。

また、平成24年2月13日付原子力安全・保安院の資料において、関西電力は、「各起因事象の発生に直接関係する設備等の耐震裕度を評価した結果、起因事象発生までの耐震裕度が最も小さいのは「主給水喪失」及び「外部電源喪失」であり、それぞれSs未満の地震動においても耐震Cクラスの設備等(それぞれ主給水ポンプ、碍子等:発電所構内の母線などの電線を支持し、絶縁する磁器製の支持構造物等)の破損により当該事象が発生する」と報告している(甲258-33,34:「関西電力(株)大飯発電所3号機及び4号機の安全性に関する総合的評価 (一次評価)に関する審査書」)。
したがって、大飯原子力発電所の外部電源(及び主給水器)は耐震Cクラスであり、かつ、地震に対してもっとも脆弱な設備である。

甲262-11:大飯3号炉及び4号炉 共用に関する設計上の考慮について]《表省略》

[4] 原告第5準備書面参照

  (2) 非常用取水設備

被告関西電力は、大飯原子力発電所3,4号機の「設置変更許可申請書」の「添付書類八」8-1-120頁以下において施設ごとに耐震クラスを明記しているものの、「非常用取水設備」の項目はない。しかし、被告関電が、平成25年12月20日原子力規制委員会の第61回原子力発電所の新規制基準適合性に係る審査会合に提出した資料(甲257-113,115:「大飯3号炉及び4号炉 耐震設計の基本方針」)によれば、非常用取水設備は耐震Cクラスである。

甲257-113,115:「大飯3号炉及び4号炉 耐震設計の基本方針」]《表省略》

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