◆関電の電気は買わない

 岸田内閣は昨年からエネルギー政策を転換し、本年には原発回帰政策としてGX(グリーン・トランスフォーメーション)推進法と、GX脱炭素電源法を制定しました。GX推進法は、時代遅れの原子力産業を国が支援する法律。GX脱炭素電源法は、原子力基本法、原子炉等規制法、電気事業法、再処理法、再エネ特措法の5つの束ね法で、原子力の活用を国の責務とし、原発の運転期間を延長し、そのルールを規制側の規制委から利用側の経産省の管轄に移しています。

 関西電力は、こうした政府の原発回帰政策のお先棒を担ぎ、昨年、危険な老朽原発の美浜3号機を再稼働し、今年7月以降に同じく老朽原発の高浜1、2号機まで再稼働させようとしています。関電の電気の電源構成は、原子力が28%とトップとなっています(2021年度実績)が、現在は、もっと高い状況です。

 2016年4月以来の電力自由化(低圧)で、関電の契約数は一貫して減少してきましたが、2022年11月から増加に転じています。輸入燃料価格の値上が、卸電力市場の価格高騰などで、新電力が次々と電気代の値上げに走る中、値上げをしなかった関電の規制料金の方が安くなったようです。しかし、関電はカルテルを主導し、消費者や新電力情報を不正に閲覧するなど、コンプライアンスの欠片もない企業です。

 今、私たち電気の消費者は、自由に電力会社を選ぶことができます。こうした中で、関電の電気を選択するということは、放射性廃棄物の処理を未来世代に押しつけ、原発事故のリスクを大きくすることに加担することです。電力選択は消費者の責任であり、どのような未来を展望するのかの選択でもあります。再エネ中心の新電力を応援し、少なくとも原発の電気、関電の電気は選ばないことが、消費者の責任ではないでしょうか。

(使い捨て時代を考える会『あんてな』2023年8月。脱原発委員会、吉田めいせい)

【追加】
◆電力の購入先を変えるには◆

まず、手元に現在の「電気使用量のお知らせ」を用意します。
その中で、以下を確認しておきます。
(1)契約者氏名
(2)今の電力会社のお客様番号
(3)電力供給地点特定番号……22桁の数字
そして、新しい電力購入先に電話かネットで申し込みます。
前の電力会社に変更の連絡、お断りを言う必要はありません。
なお、とくに再エネの電気を使いたい場合は、
「パワーシフトキャンペーン」のWebサイトで紹介されている新電力をさがすと良いでしょう。
こちら……未来をつくるでんきの選び方
こちら……自然エネルギー供給をめざすパワーシフトな電力会社