◆7/24 第4回原告団総会…総会の訴え

大飯原発差止訴訟 第4回原告団総会の訴え
(以下,原告団世話人会からの提案です。)

大飯原発差止訴訟 第4回原告団総会参加者の総意として,次の通り主張・提言し,また決意を表明します。

☆本年3月9日,大津地方裁判所(山本善彦裁判長)で,初めて〝現に稼働中の高浜原発3・4号機の運転差止仮処分決定〟という画期的決定が出ました。2014年5月の,憲法上の人格権を最優位においた,歴史的な「福井地裁判決」(樋口英明裁判長)を一歩すすめた内容です。
この仮処分の決定直後,関電は,その取り消しを求める保全異議を申し立てましたが,7月12日大津地裁(山本善彦裁判長)は異議を退けました。関電はこの判断を不服として大阪高裁に保全抗告を申し立てました。
とことん市民・国民の命と暮らしの安全をないがしろにする許しがたい傲慢さです。認める訳にはいきません!

☆福井地裁,大津地裁による度重なる「原発再稼働ストップ」だけでなく,7月10日投・開票の参議院選挙でも国民の意思は明確に示されました。「県内原発10基廃炉」を訴え,原発再稼働と輸出を進める与党総がかり攻撃に競り勝ち,現職閣僚を破った増(まし)子(こ)輝(てる)彦(ひこ)さん(福島県),同じく現職閣僚を大差で退けた伊(い)波(は)洋(よう)一(いち)さん(沖縄県)は,新基地反対は勿論のこと「原発の新設と再稼働許さず」を公約に掲げました。また,柏(かしわ)崎(ざき)刈(かり)羽(わ)原発のある新潟県では,「原発事故でふるさとを失ってはならない。二度と子どもたちを放射能にさらしたくない」という強い決意で活動している森(もり)裕(ゆう)子(こ)さんが当選を果たしました。いずれも一人区で,野党と市民連合の統一候補です。

☆わたしたちを励ましているのは,参議院選挙の結果だけではありません。〝「脱原発」保守王国崩す〟(毎日新聞),鹿児島県知事選挙での三(み)反(た)園(ぞの)訓(さとし)さんの勝利です。三反園さんは,立候補を表明していた「とめよう原発!かごしまの会」の平(たい)良(ら)行(ゆき)雄(お)さんとの間で政策合意して候補者を一本化,〝川(せん)内(だい)原発の停止〟を掲げて競り勝ちました。唯一稼働している川内原発ですが,熊本大地震でも稼働を強行している,九電・規制委員会・県・国に対して,市民・県民からノーの審判が下されたのです。
今後,九電・規制委員会・国などからの激しい巻き返しが予想されますが,民意にもとづく鹿児島県政がすすむよう,しっかりと連携した運動をすすめましょう。

☆いま戦われている東京都知事選挙でも原発問題は一大争点です。「脱原発」の立場をとっている主要候補は,鳥(とり)越(ごえ)俊(しゅん)太(た)郎(ろう)さん唯一人です。増(ます)田(だ)寛(ひろ)也(や),小(こ)池(いけ)百(ゆ)合(り)子(こ)両候補とも,原発推進派です。とりわけ自公の推す増田候補は,れっきとした“原発ムラ”住人で,東電の社外取締役を務めていました(7/14告示の直前7/8に退任)。日本国民の一割以上が暮らす東京都知事の第一の責務は,住民の命と暮らしをまもることです。福島原発事故の最大の教訓は,〝人類と原発は共存できない〟ことです。わたしたちの未来のために,「脱原発東京都知事」を実現しましょう。

☆「地震が人間の計画,意図とは全く無関係に起こるものである以上」 “新規制基準”は合理性を欠き,原発を再稼働させれば,「使用済み核燃料は我が国の存続に関わるほどの被害を及ぼす可能性がある」事態が変わらない以上,ひきつづき次の通り求めます。

(1)現在の間違った“エネルギー基本計画”の撤回を求めます! すべての原発の再稼働に反対します。原発は,日本と地球の未来に有害です。40年超えの原発再稼働は,とりわけ危険です。また,原発再稼働が,日本の核兵器開発の潜在能力に直結することを深く懸念します。
(2)被曝の危険の拡散と国際的孤立,核軍拡競争激化に直結する原発輸出は,即時,中止するよう求めます!
(3)福島第一原発の過酷事故の原因究明及び日々の状況を公開するとともに,どこに,いつ避難したかなどの区別なく,すべての原発被災者の補償と救済を,東電と国が責任をもってすすめるよう求めます! また,原発メーカーの責任も問われなければなりません。
(4)事故の責任を明確化し,収束作業の迅速化を図るために,一刻も早く東電の破たん処理を行うよう求めます!
(5)住民参加で,実効性のある避難計画を国の責任で早急に策定することを求めます! 原発が再稼働されなくても,各原発のプールに保存されている使用済み核燃料の危険性は,甚大です。

わたしたち大飯原発差止訴訟原告団は,再び,次の通り見解と主な主張を明らかにします。

☆大飯原発で過酷事故が起これば,若狭湾,琵琶湖の水源地である福井県嶺(れい)南(なん)地域,京都府の北山山地や,「近畿の水がめ」である琵琶湖に,回復不能の放射能汚染を拡げ,近畿全域にほぼ住み続けられなくなることは明白です。国土と「国富」を守る,最高で最大の防災対策は,直ちに全原発廃炉の作業に入ること以外にありません!

☆政府と電力会社は,廃炉作業をすすめると同時進行で,自然・再生可能エネルギーの開発・発展を,国民主権の立場で推進し,疲弊した地方及び国民経済の早期再生を実現するよう求めます!

☆わたしたちは,原発設置を許した責任を自覚し,一人ひとりの主権者に原発の危険のない日本と地球を残すために,奮闘します。新たに有権者となった18,19歳の若者と共に,いつでも,どこでも,どこまでも闘いつづけます。

☆大飯原発差止訴訟原告団は,全国の脱原発運動と固く連帯・連携して,すべての原発廃炉を広く全国民に訴えていきます。そのためにも,一万人原告団を展望しつつ,2016年中に700人以上の原告団拡大を実現する決意です。
2016年7月24日
大飯原発差止訴訟 第4回 原告団総会 参加者一同

【原告団・世話人会より】
 原告団総会において,上記の提案は拍手で採択されました。なお,参加者より「小児甲状腺がんなど被曝問題の記述がないので,追加が必要では」とのご指摘があり,具体的な文案はありませんでしたが,その点を含めて採択されています。後日,具体的な文案として,「ひきつづき次の通り求めます。」の項目中に,新たに下記を(4)として挿入するよう,提案をうけています。

(4)東電と国は,福島における小児甲状腺がん発症の原因が原発事故であることを認め,患者に対して慰謝料と医療費を支払うよう求めます! 成人の甲状腺がんをはじめさまざまな疾患が被曝により生じた可能性があります。国は責任をもって実態を明らかにし,対策をとるよう求めます。

以上,原告団世話人会の確認です。

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