3/27(火),京都地裁,大飯原発差止訴訟の第19回口頭弁論。開廷前の恒例裁判所周辺デモは,55名の参加。裁判所周辺のしだれ桜が咲き始めていて,春の雰囲気いっぱいでした。
法廷の原告席は30数名の原告と10数名の弁護団ですし詰め状態。傍聴席の応募もたくさんあって抽選になりました。傍聴席にあたらなかった方は,すみませんでしたm(_ _)m
弁護団は,関電が日本海では巨大地震による大津波を警戒する必要はないとしている点に対して,竹本修三原告団長(京大名誉教授)が1026年に島根県益田地方を襲った万寿(まんじゅ)津波のメカニズムを解明して,関電の津波対策の見直しを主張しました。伝承されている20mこえの津波の到来には信用性があり,関電の津波対策の不十分さを指摘しました。
また,大飯原発などの避難計画についても不十分さを指摘しました。舞鶴市の小学校の先生が意見陳述を行い,子供を放射能被害から守る困難さや避難先での子供のいじめ問題等も紹介しました。全校生徒200人足らずの小学校には,市の職員配置はたった3人。でも校区内の避難想定者は3000人とのこと。子どもたちに放射能の心配のない日本を残すため原発の廃炉をと訴えました。
閉廷後,弁護士会館で報告集会。多くのご参加,ありがとうございました。再稼働が進む関電の原発に対して,法廷闘争そして市民運動をいっそう大きくしていきたいと思います。
なお,今日,第六次原告53名の追加提訴を行い,これまでの原告総数は,3323名となりました。原告募集はこれで終了します。
【これまでの概略】
京都地裁の大飯原発差止訴訟は,関電の設定する基準地震動への疑問と,事故が起こった際の避難困難性について,着々と主張を積み重ねています。
被告関西電力は,基準地震動策定が「平均像」であることを認めた上で,地域特性を十分に把握できており,基準地震動を超える地震発生の可能性は否定できると主張しています。しかし,主張をするばかりで保有している根拠資料すら提出せず,それどころか原発の地域特性の調査として当然になすべき重要な調査がなされないままです。また実施された調査結果は「科学技術を冒涜する所作」(つまり改ざんです)以外の何物でもないと言えるほどに,基準地震動が小さくなるよう歪めて評価していることを明らかにしました。
また,昨年末,関西電力が経済的合理性から老朽大飯原発1・2号機の廃炉決定をしたことは,私たちの勝利といえます。安全対策費が膨大になり,ペイしなくなったのです。
私たちは,原発の科学的技術的な課題(安全性),倫理的問題(将来への核のゴミつけ回し,電力多消費型社会への批判)を追及しつつ,経済合理性からみても原発が産業として成立しないことなどを追及しています。