◆7月10日に行った関電との話し合いの記録

関電側;広報担当者ほか2名。
使い捨て時代を考える会;4名。

今回は以下の質問書を提出し、話し合いました。
質問書
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1.現在、貴社は高浜3号機、大飯原発3、4号機を稼動させていますが、安全性に関して以下の質問にお答えください。

① 大飯原発4号機において再稼動直後に蒸気発生器の水位低下を知らせる警報が鳴ったことについて、前回の話し合いでは「原因はわからない」というお答えでしたが、その後原因はわかりましたか。

② 6月29日に行われた規制庁との会合で、貴社は越畑の火山灰層について、26センチを否定する根拠を示すことはできませんでした。越畑の26センチを前提とした原発の火山灰の影響評価を至急行うべきと考えますがいかがでしょうか。

③ 原子力規制委員会が九州電力川内原発1号機について、テロ対策等の拠点となる「特定事故等対処施設」の工事を認可したと報じられました。高浜原発、大飯原発に関する特定施設の設置計画について、設置予定年度、予算を示してください。

④ 安全が完全に保証されない限り再稼動すべきではないと考えますが、再稼動を急ぐ理由はどこにあるのでしょうか。

2.使用済み核燃料の処理についての、技術的、経費的な目途は立っているのですか。また、中間貯蔵施設を福井県外に作るということで、候補地を2018年に示すとのことですが、具体案はあるのですか。

3.日本原電東海第2原発について、再稼動・運転延長には立地自治体以外の5市町村の事前了解を必要とするという安全協定がむすばれました。貴社の原発に関しても京都府・滋賀県の市町村と同様の協定を結ぶ必要があると考えますが、どのような見解をお持ちでしょうか。

4.電力自由化によって、貴社から他社へ切り替えた消費者は、4月末で155万件に上るとのことです。大飯原発再稼動、高浜原発再稼動で契約離れが加速していますが、そのことについてどうお考えですか。消費者は原発に依存しない電力会社を望んでいるのです。このことについてどのような見解をお持ちでしょうか。

以 上
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話し合いの内容(Q ;こちら側の発言 A ;関電の発言)

A (質問1-①について)  水位が変動したのだが、確定的なことはわかっていない。5月10日17:30に警報が鳴った。蒸気発生器の1か所で水位低下が確認された。最も水位が低くなり警報が鳴った。警報をまず止めて内容を確認した。手順通り確認をして、水位計設定の基準を満たしていたので、警報をリセットし、通常に戻した。これが事実関係だが、すぐ復旧したので確定的なこと(原因)は言えない。一時的な揺らぎが発生したのか、水位を測る配管に異物が混入したのか、水位を信号化する電気回路での不具合があったのか、と推定しているが、現在は通常通り動いている。

Q 原因もわからないのになぜ動かすのか。止めて原因を探るべきではないか。常識では考えられない。

Q 子供が熱を出したとき39度が36度に下がったから大丈夫と言っているのと同じで、怖い。病気を見逃している場合もある。関電に対する不信感につながり、株価も下がるのではないか。

A 復旧しているので(原因は)推測なのだが、国も大飯町も認めてくれた。

Q 1-②について聞きたい。

A どなたか会合に出ているのか?

Q 傍聴した人から聞いた。

A 火山灰が26㎝も堆積したのかどうか事実関係を詰めている。規制委員会と関電に食い違いがあり、今調査している。

Q 大山の火山灰は30㎝堆積しているというのは規制庁が依頼した研究での発表だ。規制委員会から昨年6月に関電に調査をするようにと指示があり、それ以来すでに1年やり取りが続いている。関電は層厚とは判断できないと主張しているが、規制委員会の疑問に明確な答えが出せていない。その間に再稼働の審査に合格し、今、大飯原発を稼働させている。私は関東から避難してきたが、千葉に所持している家は今でも庭土が582ベクレル/㎏ある。東電の刑事裁判を傍聴しているが、福島原発では推本の長期評価から15メートルを超える津波がくることを想定していたのに、トップが経営判断でさらに土木学会に研究をさせることにした。法廷では、トップの判断に防潮堤の担当をしていた人は予想外の結論に力が抜けて後の話は覚えていないと証言した。原発を止めないロジックが必要ともトップが言ったそうだ。関電の火山灰の問題も、これと似ている。学術論争を続けながら、原発を稼働させ続けることには、言いようのない気持ちになる。
Q 津波対策をしていたら原発事故は起きなかったかも知れないのだ。

Q この間地震や豪雨による天災が多発している。必ず天災は来る。どう思うか。

Q 福島事故以前と事故後は違う。東電の元経営陣は業務上過失致死傷罪で被告席に座っている。もっとも安全側で対策を取るべきではないか。今すぐ火山灰の影響評価を26センチで始めてもらいたい。

A ご意見として頂戴するが、事実関係は調査中だ。

Q いつまでかかるのか。学術論争をするなら原発を止めてしてほしい。

Q 昨日枚方では突然局地的に豪雨が降った。これが大飯で起きるかもしれない。引き延ばすほどリスクは高くなる。

Q 他の電源ならこのような問題は起きない。このように話し合いすることも裁判をすることも、ほとんど必要ない。他の電源に代えてもらいたい。社長さんに伝えてもらいたい。

Q 関西に来て、関東とは原発事故の恐ろしさの感覚に違いを感じた。健康被害が家族にあったら…と思い移住をしたが、私は避難者にも被害者にもカウントされていない。私のような原発事故の被害者は山のようにいる。原発事故が起これば、電力会社は責任の取りようがないし、取りきれない。他の発電方法をとってほしい。

Q 命より経営か。

A 東京電力は、なぜ責任を問われないのでしょうか(???)

Q 国が守っているからではないか。

A 推測だが国の認可産業なので、どうしても国に従わざるを得ない。

Q 規制基準は上り、輸出もできなくなっている。経営判断はないのか。

A 世界的には原発は増えているのではないか。

Q とんでもない日経も原発が無くなると書いている。

A 朝日ではないのか。日経は読んでいるが、見たことがない。日経でも社会部とか報道部とかいろいろあるので。

Q 山一證券は潰れたけど電力会社はなぜ潰れないのか。

A がんじがらめになっている。

Q 会社の中から声を上げるのは無理か。原発は世界的にも斜陽産業だ。

A もう時間なので。

Q 最後に質問2の放射性廃棄物について聞きたい。2018年中に中間貯蔵施設候補地は示せるのか。

A 候補地などは答えられない。

Q 複数検討しているのか。

A それについては答えられない。

Q 使用済み燃料の処分も決まっていないのになぜ動かすのか。ますます増えるだけだ。

A  7年~9年はもつ。

Q あまりにも短い期間だ。あっという間ではないか。目先の採算ばかり見ないでほしい。

【感想】関東から移住された方が参加されたので、リアルに安全性や責任問題をやり取りしましたが、ことの重大さを自覚していないという感じがしました。東電のこともどこまでも他人事らしいです。