◆12月9日に行った関電との話し合いの記録

関電側;広報担当者ほか2名。
使い捨て時代を考える会;4名。

今回は以下の質問書を提出し、話し合いました。

質問書
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  1. 日本鋳鍛鋼が製造した鍛造鋼がカプセルの蓋の部分に使われているとお聞きしましたが、その強度についての調査結果を教えてください。またどのような調査をしたのか具体的にお答えください。
  2. 高浜原発、大飯原発の免震事務棟の工事の進捗状況、工事費用についてお答えください。またフィルター付きベント装置についても進捗状況、工事費用をお答えください。
  3. 使用済み核燃料について詳しい情報をお知らせください。(ホームページということであれば、そのアドレスもしくはそのページをプリントアウトしたものをお示しください)
    • ①これまで貴社の原発の生み出した使用済核燃料の発生量と貯蔵量と移動量(青森などへの)を、燃料集合体数と重量で。
    • ②貯蔵中の使用済燃料の現状について、各原発の貯蔵プールの容量と残存余力。
    • ③青森の再処理工場に移送ということについて、過去の実績および今後の見通し。
    • ④高レベルの廃放射性物質について、その最終処分の技術概要とその実績、今後の見通し。
    • ⑤最終処分場の場所(候補地)の確保に関する情報。
  4. 電力自由化によってこれまで他社に切り替えた消費者はどのぐらいの割合ですか。原発に依存しない電力会社を選んだ消費者が少なくないと聞きますが、そのことについてどのように考えられますか。
  5. 原発は本当に安いのですか。コスト計算の根拠を具体的に教えてください。原発は重大事故が起きれば甚大な被害が生じます。福島原発事故では被害総額は11兆円を超えたと言われています。たとえ重大事故が起らないとしても、発生する核廃棄物の後処理に莫大な費用が要します。何を指して「原発は安価」とされているのですか。

以上
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話し合いの内容(Q ;こちら側の発言  A ;関電の発言)
A(質問1について)製造記録をチェックした。フランス製のものより日本の方が切り落とし範囲が大きい。どろどろに溶けたものを固めるのだが、最後に中心の上部が固まる。そこに炭素が集まりやすい。日本のものはフランス製よりそこを大きく切り落としてあることを確認した。

Q 最初の段階がそうだったという確認か。現物自体の調査はしていないのか。
A 製鋼はJIS企画で決まっているので。

Q 40年前の話ですよ。40年前に炭素の濃い部分をきちんと除外できていたかなど不明だ。日本はできているというのは、実際に強度問題が見つかったフランスの技術に対する侮辱ではないのか。専門家が大変なことだと言っている。フランスは現物を確認して分かったと聞いている。関電はどうして現物を確認しないのか。
Q(質問2について)新規制基準で、再稼働にあたって、免震事務棟やフィルタ付ベント装置の設置は、加圧水型炉に関しては設置に5年間の猶予が与えられたと思うのだが、どうなっているのか。また、免震棟ではなく耐震棟になったということだが。
A 名称が混乱している。免震重要棟というのは福島原発で使っていた言葉で、新規制基準では緊急時対策所と言っている。これは規制委員会との話し合いの中で途中で免震から耐震で良いと変わったわけではなく、もともと耐震性があればいいということだ。高浜3・4号に関しては、高浜1・2号の間に緊急時対策所が設置してあり、別途耐震棟をつくるというのは、関電が独自に新規制基準以前から計画していたことだ。緊急時にサポートする人が寝泊まりする施設だ。

Q どういう機能のものか書いたものが欲しい。性能が分かるなら教えてほしい。
A 確認していないので分からない。

Q 職員の安全は確保できるのか。
A 情報を持っていないので勉強しておく。免震か耐震かはどちらでも良くて選んでよいことになっている。関電は耐震棟を作ることにしている。

Q なぜ免震ではなく耐震か。免震だと費用が掛かるからやめたのではないのか?
A 関電では耐震は技術が蓄積されており、実績があるから耐震にした。

Q 緊急時対策所は高浜1,2号炉間に作っているようだが、そもそも高浜3・4号に非常に近いところで、事故の際に指揮をとろうとしても、職員は被ばくしてしまうのではないか。これとは別に敷地を確保して200㎡、800人入れる耐震棟を作ろうとしていると聞いているが、まだ更地でまったく工事が行われていないと地元の人から聞いている。一体いつまでに作るつもりなのか?
A 新規制基準で決まっているものだ。工事計画の本体部分の認可から5年以内で、平成30年度(2018年度)内に作ることになっている。

Q 着工していないのではないか。
A 準備工事をしていると聞いている。

Q もともとは2017年度内でつくると言っていたようだが、その前はもっと早い時期だったか、何回も完成時期がずれているようだが、それはなぜか。
A 震災の対策で、この間でも要求される仕様が変わっていくので、設計を再確認している。

Q 工事費はいくらか。
A 個別の工事費は出していない。安全対策トータルで出ている。高浜の現在審査中のものに関しての対策費の見積もりは全部で7300億円だ。

Q 何にお金をかけるかは重要だ。どうして個別に金額を出せないのか?関電としてどう考えるかだ。
A 正確な数字は出せない。広報としては最大限皆さんに示している。

Q ベント付フィルター装置はどうなっているのか。
A もともと自主的取り組みでやろうと準備していたが、規制庁の基準で変更になった。今年9月に特定重大事故拡大防止の関連で仕様がある程度固まったので準備に入った。

Q いつまでに作るのか。
A 5年以内だ。スタート地点からカウントして平成32年(2020年)度以内か。個別の工事認可から5年以内で、それぞれ別になる。

Q これは高浜原発についてか。大飯はどうか。
A 高浜だ。大飯もつける予定だ。審査中なので、タイミングが良く分からないが、まったくゼロからの議論ではない。

Q お金がかかるが、いくらなのか。
A 個別には出していない。7300億円のなかだ。

Q 600億円と聞いている。
A ビジネス上の問題で数字は出せない。

Q 電気代に上乗せするので、消費者としては知りたい。それだけ安全対策にお金をかけるなら原発をやめてもらいたい。
A(質問3について)①についてはHPで見てもらいたい。日本原然の再処理のところだ。

Q HPでわかるなら、ここで数字を出しても良いのではないか。HPではどこに出ているのかよくわからないので聞いている。関電の移送に関してなのに、日本原電でしか公表していないのか?
A 日本原燃再処理でヒットすると教えるのが最大限なのだ。このように会って話をしているのはあなた方だけだ。(その誠意をくみ取ってほしいということらしい)

Q HPに掲載されているものがなぜ口頭で出せないのか。口頭で出せないのは最大限を越えているということか。信じられない。
A(②について)今の状況で考えて満杯になるまでに7年かかる。

Q 福島4号炉は動いていなかったが大変だった。使用済み燃料のプールは原子炉のような多重防護構造になっていないので、我々の生活空間とつながっている。福島4号炉についてはアメリカから危険性を言われた。再稼動を計画しているなら、管理はどうなっているのか。
A いつまでもプールではなく、乾湿にして、無駄なことをやめようとしている。

Q 青森を含め再処理は滞っている。それなのに再稼働させるのか。
A 日本原燃が進めている。

Q どこまで進めているのか。状況も知らないで再稼動とは無責任ではないか。福島原発では注水できなくなったら危険だった。
A 福島は高いところにプールがあった。関電の場合路面とツライチだから水を流し込めばいい。

Q 高いところにプールがあったことは、崩落の問題でたいへん危険だったが、冷却できなくなる問題は、高さに関係ないでしょう。水が流し込めなかったら?ポンプが動かなかったら?いったいどうなるの?福島第1原発の4号炉では、冷却できなかったら、首都圏を含む、半径250キロ以内の住民が避難しなければならない場合が官邸によって想定された。高浜でもそうなるのではないか。どのくらいの燃料がどのように保管されているのか、数字や状態を示してもらいたい。
A 安全対策の多重化などを考えている。

Q 安全対策といわれても、数字さえ出してもらえないなど不信感だらけ。福島の冷却プールが高いところにあったので…とは!
(時間が来たと同席の社員が促す)

話し合いは以上

HPに掲載している数字を口頭で言うのはご法度らしいです。福島の事故を教訓にと言いながら事故の現状はほとんど知らないみたいだし、使用済み燃料の再処理があたかも進んでいるかのように言ってみたり。広報っていったい何をするところ??