◆6月21日に行った関電との話し合い記録

関電側;広報担当者ほか1名。
使い捨て時代を考える会;4名。

今回は以下の質問書を提出し、話し合いました。
質問書
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  1. 6月16日に大津地裁は、貴社の高浜原発3・4号機運転差止仮処分の執行停止申し立てを却下しました。決定に従って、再稼動を断念し、廃炉にする考えはありませんか。
  2. 大飯原発について基準地震動が過小評価されていると指摘され、規制委員会が再評価するとのことですが、このことについての貴社の見解をお聞かせください。常に「安全側に立って考えている」と発言されていますが、過小評価して「安全側」というのは矛盾していませんか。
  3. 前回、使用済み核燃料について「規制庁で審査を受けた後に青森に行く」とのお答えでしたが、青森にある日本原燃の六ヶ所再処理工場は稼働していません。廃棄物を処理できる見通しはあるのですか。
  4. 貴社のエネルギー計画についてお聞きします。
    • 1)貴社は今後のエネルギー計画(何年までにどのような割合にするかという計画)を立てていないということですが、不安定・危険な原発を使わずにどこまでやれるかを検討していないのですか。
    • 2)再生可能エネルギーの開発・導入にかける費用の方が原発にかける費用よりはるかに安いと経済学者が発言していますが、その事についての貴社の見解をお聞かせください。
  5. 高浜原発が動かせないから値下げはしないと表明されていますが、原発は本当に安いのですか。原発は重大事故が起きれば甚大な被害が生じます。福島原発事故では被害総額は11兆円を超えたと言われています。たとえ重大事故が起らないとしても、発生する核廃棄物の後処理に莫大な費用が要します。もう一度お聞きしたいのですが、何を指して「原発は安価」とされているのですか。
  6. 前回、原発について「安定とは言っていない。ベースロード電源」だと答えられました。「ベースロード電源」とはどういう意味で使い、原発をなぜ「ベースロード電源」と位置付けているのですか。

以上
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話し合いの内容(Q;こちら側の発言  A;関電の発言)
A(質問1.について)裁判制度にのっとり、当社の主張を説明していく。廃炉にするという決定は特段ない。
A(質問2.について)島崎委員の主張に鑑みて式どうこうは置いておいて、再計算する。

Q(質問2と運転延長について追及)高浜原発仮処分裁判でも関電は基準地震動が余裕を持っていると言っていたが、そこでも専門家が基準地震動の設定が低すぎると指摘している。
A 規制員会の方で確認していく。

Q 基準地震動に問題があるのは大飯だけではないのではないか。
A 規制委員会に言われれば確認していく。

Q 規制委員会の信頼が落ちていることを知っているのか。
A 私どもがどうこう言うことではない。純粋に技術を見る機関となっている。

Q そうなっていないではないか。疑問を持っている科学者との話し合いをも拒絶している。科学技術的な面で疑問を持っている人は多い。規制委員会を楯に説明すればするほど信頼できなくなる。
Q 高浜1・2号炉についても規制委員会は株を下げた。何が何でも1,2号炉の運転延長を通すために規制委員会が働いたと思える。
A 40年の延長についての原則・例外は法律のたてつけがそうなっている。

Q 法律を楯に議論するのは不信感が募る。規制委員会は委員会自身が作ったルールも破った。何が何でも7月7日までにやるということで必要な実験もしないままに認可を進めた。
Q 京都府知事も滋賀県知事も疑問だと言っている。
A 京都府などには少なくとも説明をするように言われている。必ず説明する場がある。

Q 私たちにも関電の姿勢を説明をしてもらいたい。「原則」というコトバは何なのか。
A 京都府との会議では説明している。

Q 市民への説明の場を作ってもらいたい。
A 自治体がそういう場を作れば出ていく。

Q PWRは高温高圧で動かすから、どこにひび割れや破断が起きるかわからない。考えるだけでも恐ろしい。(運転延長について)市民にチキンと説明してもらいたい。
Q 安全側に立ってというが、それでなぜ老朽化した原発を動かさなければならないのか納得できない。安全を重視するなら他の発電をするべきではないか。40年経った原発をあえて動かすのか理解できない。
A その気持ちは良く分かる。バランスを考えている。

Q バランスが何で良いのか。老朽化した高浜1,2号炉、美浜3号炉を動かさないで、比較的新しい原発を部分的に残すと言うなら、まだバランスともいえる。
Q 関電にとっても原発は大変なものなのではないのか。なにがベストミックスなのか。
Q 事故が絶対に起きないと思っているのか。
A 起きるとは考えていないが、福島の事故があったので、事故のことを考えるようになった。

Q 事故が起きたら責任を取れるのか。
A 賠償は法律で決まっている。支援機構もある。

Q 福島での賠償は二桁低い。電力会社で負担することになっているが、出費を覚悟しているのか。
A 支援機構というものがある。

Q 避難者が損害賠償を求めたら60分の1しか認められなかったという例があるが、そういう実態を知っているのか。
A ADRに立って賠償している。

Q 賠償は嘘ばっかりだ。賠償を打ち切ろうとしているではないか。日本はチェルノブイリより避難を強制する被ばく限度が4倍高いと言われている。電力会社が分担してと言っているが、1兆円ぐらいといわれている。1兆円出費しても原発を続けるという経済感覚が理解できない。
A 相互扶助は外国から導入した制度で、事故が起きないように相互に監視の目も行き届くという制度だ。

Q 1,2号炉を動かすことは理解できない。経営がひっ迫しているのか。
A 廃炉にするものはしている。

Q 美浜1,2号だけではないか。老朽原発を規制委員会が立ち入って、一つ一つ点検したのか。
A(質問3について)青森は検査中で、本格稼働はこれからだ。竣工を見据えながらやっている。

Q 関電は原発40年の歴史で、使用済燃料の集合体がどれだけあるのか。
A 今はデータを持っていないからあらためて質問書にまとめてもらいたい。

Q どれだけをいつ青森に移したか、どのように処理されているか、六ケ所の再処理工場はどういう状態にあるか、この質問は改めて作る(終了後使用済核燃料に関する質問書を作り送付した)
(同席の男性社員がここでもう時間だからと話し合い終了を催促)
A 一年間皆さんと会ってきたので、皆さんの気持ちは理解している。

Q(このような話し合いを)担当される方は大変だと思う。本来は社長さんと話がしたい。
Q 熊本地震で川内原発が事故を起こしたら、避難者は被曝し続けることになる。避難計画があっても避難できない。万が一の事故は心配だ。伊方原発でも熊本地震で住民はショックを受けている。逃げようがない。とにかく再稼動はやめてもらいたい。

回答する担当者が「みなさんの気持ちは良く分かる」と謎の発言。