◆関電と原発 memo No.24–核燃料サイクルと再処理工場(2020/11/20)

再処理工場は
プルトニウムを生産するための工場!

◆青森県六ヶ所村に建設中の使用済み核燃料再処理工場は、原発で一度燃やした核燃料の中から、プルトニウムを取り出すための工場です。日本では、プルトニウムを再び核燃料として利用する「核燃料サイクル」政策が進められてきました。

◆しかしプルトニウムを燃料とする高速増殖炉「もんじゅ」は1995年に大事故を起こし停止し、急きょ、普通の原発での利用(プルサーマル)が計画され、関電の高浜原発3、4号機などでプルサーマル運転(ウランにプルトニウムをまぜたMOX燃料を使用)が始まりました。

◆しかし、プルトニウムの消費は進んでいません。それどころか、プルサーマル運転の危険性がクローズアップされています(石油ストーブにガソリンを入れるな!)。そして、2016年「もんじゅ」は廃炉となり、「核燃料サイクル」の破綻は明白になりました。

◆プルトニウムの消費は進まず、海外の再処理工場で取り出されたプルトニウムもほとんど余剰となっている現状では、六ヶ所再処理工場建設の必要性はまったくありません。プルトニウムの必要性は、核兵器をつくる目的だけが指摘されています。

再処理工場からは
原発の数百倍もの放射能が放出される!

◆再処理工場は、危険な使用済み燃料をブツ切りにし、大量の化学薬品を使ってプルトニウム、燃え残りのウラン、死の灰(核分裂生成物)に分離する巨大な化学工場です。そのため、たとえ事故が起こらなくても、日常的に大量の放射能を放出しながら運転されます。

◆再処理工場では、事故による放射能放出の危険は言うには及ばず、平常運転から放出される放射能の量が原発の数百倍も多くなります。原発からも放出されているトリチウムに加え、再処理工場からは、セシウムやストロンチウム、あるいはプルトニウムなど、さまざまな放射能が海へ放出されます。これらは環境に蓄積され、人びとの被ばくの原因となります。

【参考】原子力資料情報室