◆関電と原発 memo No.23–放射性廃棄物(2020/11/13)

原発を動かせば
処理困難な廃棄物がたまるばかり

◆原発が運転されれば、核のゴミのたまります。関電の場合、2020年中に福井県に報告するという廃棄物の中間貯蔵施設の場所も決まっていません。

◆電気事業連合会会長の荒木浩東電社長(社長在任1993~1999年)は高レベル処分問題懇談会の席上で、「原子力を始めた当初は、(高レベル廃棄物は)一生使っても豆粒一つぐらいと思っていた。」「電気事業者でありながら、こんなに大変な問題であることを初めて知った。」と本音を漏らしました。

地底に捨てて処分するというが
放射性廃棄物のガラス固化体の作成は
失敗つづき

◆北海道の町が核のゴミの最終処分場を誘致しようとしていますが、そもそも、地底に処分する予定の廃棄物すなわち高レベル放射性廃棄物のガラス固化体そのものの作成が、まだ、技術的に完成していません。

◆高レベル放射性廃棄物のガラス固化体は、六ヶ所村でつくる予定になっていますが、いつまで経っても、ちっとも出来ません…失敗ばかり繰り返しています。そのため、溶かしてみたものの、固化体に加工できず、液体のままの高レベル放射性廃液がたまっています。地震や電源喪失によって、これが環境に放出されたら、日本列島はお終いです。

六ケ所再処理工場は
完工時期を25回も延期

◆日本原燃は2020年8月21日、取締役会を開き、六ケ所再処理工場(青森県六ケ所村)の完工時期を「2021年度上期」から「22年度上期」に1年延期することを正式決定し、県と村に報告しました。延期は17年12月に続き25回目です(時期未定とした届け出を含む)。

◆建設費は当初七千億円といわれましたが、これまで三兆円をかけた「未完工場」となっています。 もっとも危険な核施設、使用済み核燃料の「再処理工場」は、稼働の見通しはありません。税金と電気料金が無限に注ぎ込まれています。使用済み核燃料の再処理は、危険をふやすだけです。

フランスやイギリスで
つくってもらってきたが

◆海外で再処理をしてもらったガラス固化体は日本に輸送(返還)されます。フランスからのガラス固化体の返還は終了しました。イギリスからの返還は、2017年3月以来途絶えていますが、近くまた再開されるのではと言われています。

◆海路で運ばれるので、万一事故でもあれば、海を極度に汚染する可能性があり、危険極まりありません。福島の汚染水を海に放流する計画など、日本は世界の海洋をどう思っているのか、世界から不信と疑惑を突きつけられています。

◆返還輸送には、これまで沿岸各国から反対の声があがってきました。パナマとエルサルバドル、グアテマラ、ホンジュラス、ニカラグア、ドミニカ共和国で構成する中米議会は、核物質輸送船のパナマ運河の航行とカリブ海域の航行の禁止を求めています。

▼高レベル放射性廃棄物(ガラス固化体)の返還・受入実績(→こちら