◆原発立地・地元の声

【2017年7月21日,京都キンカンで配付。】

最近のアメーバデモなどで聞いた
原発立地・地元の声

取りまとめ:若狭の原発を考える会・木戸恵子

 アメーバデモとは、毎月2回4日間、大阪、兵庫、京都、滋賀から原発立地の若狭に集まり(イベント時には、関東など全国からの応援も得て、総勢50人になることもあります)、3~4人が一組になり、太鼓や鈴を鳴らしながら、また、「反原発」の赤旗を持ち、肩にかけたスピーカーで原発全廃を呼びかけながら、A3用紙に赤と黒で印刷した原発全廃を訴えるチラシを全ての集落の隅から隅まで配り歩く行動です。音を聞いた人が出てきて、チラシを受け取り、話をします。

 以下に、4月30日~7月9日に行われたアメーバデモおよびチラシ配りでお聞きした地元の声の典型例をまとめました。チラシを受け取らない人はほとんどなく、反原発は民意であることを、アメーバデモで実感しています。

◆原発で働く人が周りにいるから大きい声では言えないが、原発は反対や。福島原発事故をみたらわかる。(高浜町薗部 男性)

◆昔は原発で働いていた。線量計を付けていたが、作業をしているみんなのアラームが鳴るので誰が鳴っているかわからない。あんな怖いものとは知らされず、仲間の多くは70才で死んだ。(美浜町 男性)

◆遠いところからごくろうさまです。この辺りは避難区域なんです。(美浜町 女性)

◆原発に土地を売った。一緒に住んでいる嫁が原発を怖がる。(高浜町鎌倉 男性)

◆老婦人が3人で立ち話をしていたところにチラシを渡すと「原発は駄目やなあ」、「原発反対や」、「そおや」と3人の反原発談議が続いた。(滋賀高島町)

◆ご苦労様です。先日、井戸弁護士のお話を聞きました。原発はダメですね。(高島市 女性)

◆「チラシはいりません。ごめんね。家族が関電で勤務しているから。」(高浜町音海 女性)

◆高浜原発が正面に見える内浦湾、「昔はわかめが採れていたけど、原発が来てからは温排水が流されるから、わかめは取れず、藻も生えなくなった」(高浜町上瀬 女性)

◆ご苦労さんの上に、好意的に周辺の空き家情報を教えてくれた。(高浜町城山荘付近 女性)

◆原発反対と言った50代女性は、草取りを止めて、チラシを読んでいた。(美浜町役場の奥)

◆チラシを直接手渡したら、ご苦労さんと言われた。(美浜町美浜原発に近い集落)

◆「私の里も京都の八幡や」という人は、こんなきれいなところで原発事故が起きたら全部パーやねと言うと、「ほんまや!」

◆「安倍があほや。あんたらこんなチラシ配ってたら捕まるで。」(美浜町役場寄り耳川付近)

◆世界は福島事故をみて原発から撤退していると言ったら、「日本はあかん!」(美浜町役場寄り耳川付近)

◆原発のチラシですと言ったら、「反対か!」そうですと言ったら、「ほんならもらうわ」(美浜町役場寄り耳川付近:同様な声は、高浜町旧役場付近でも)

◆チラシを渡すと「原発はもういらんな!」(美浜町佐柿関所跡付近)

◆農作業を終えた4人が集まって話をしていた。ビラを渡すと、「原発がなくなるとどうなるんや」と聞かれ、「一時的には電気代は上がるでしょう」と答える。「福島原発事故みたいになったら大変ですからね」と言うと、「あれはずさんすぎる。関電はそんなことないで」と言い、「関電もたいがいずさんでっせ」と答えた。(美浜町織田神社付近)

◆「原発事故が起きたら、ここだけの問題だ。」琵琶湖の水を関西一円で使っているのでここだけの問題ではない、と答えた。(美浜町久々子)

◆「今、介護で大変だが、原発事故の危機感はある。福島原発事故で若狭の原発事故が一層身近な問題だ。」(美浜町久々子 女性)

◆日曜日のため、多くの人が外に出ていて話せた。原発賛成の人には会わなかった。

◆チラシの見出しを声を出して読み、「地震が多いから原発危ないわな。やっぱりない方がいいわ。ごくろうさん」(美浜町 男性)

◆玄関に座っている80代男性、「暑いのにご苦労さんやなあ」(美浜町)

◆「あんた、原発は反対か」。原発全廃を訴えてチラシを配ってますと答えると、「原発は反対や」(美浜町 男性)

◆玄関先に座っている80代女性にチラシを渡すと「あんた電気使っているやろ」、掃除機や電子レンジを使わず、コンセントをまめに抜いて、10年前より電気代が1/3に減りましたと言うと、「おお、頑張ってるんや。ご苦労さん」(美浜東小学校付近)

◆暑い昼下がり、草取りをしている女性に渡すと「遠方ご苦労様」といって、すぐチラシを読んでいた。(高浜町立正佼成会辺り)

◆「どこから来られたの?」京都、滋賀、大阪から来ています。意外と若狭の原発から近いのですよ。それに私たちは皆、琵琶湖の水を飲ましてもらっていますから切実ですというと、「それはそうやね! 飲み水がやられたら大変やな。そんな遠くから?ご苦労さんです。」

◆1回目「ありがとう。」と手を出して丁寧に受け取って下さった。2回目、覚えておられたようで「いつもご苦労さんです。」と笑顔で受け取って下さった。

◆通りの小さな体操(ヨガ?)教室にビラの説明をして1枚渡そうとしたら「私もほしい。」と言われ皆さん(数人)に渡した。

◆40歳ぐらいの女性に手渡したところ「この辺の方ですか?」、京都、滋賀、大阪から来ていますと答えると、「福井は原発地元なのに原発の情報がほんとに少なくてこういう詳しいのをもらうととてもうれしい。助かる。この辺の新聞は地方紙をとっている人が多いが、一つは政府寄り、もう一つもさらっと一通りのことしか書かない。」と言われ、若狭の各地に毎月来ているというと「頑張ってくださいね。」

◆校門近くで下校する高校生に渡した。半分ぐらいの生徒は受け取ってくれた。興味深そうにその場で読みながら行く生徒もいたし、全く関心なさそうな生徒もいた。

◆保育園、幼稚園近くではお迎えのお母さんたちはチラシをよく受け取ってくれた。

◆家庭菜園の畑に出かけようとしていた70歳前後の女性。「自分のうちで食べる分をお金の節約と楽しみで作っている。年金生活なので畑で賄えるのは大きいよ。今の生活が気にいってる。原発は怖いなぁ。何かあったらここに住んでこういう生活できなくなるんやから・・・。原発関係で働いている人がこの辺多いから言えないけど私は原発反対。」

5月8日~12日の高浜町-福井市リレーデモの途中で多く聞かれた声

◆5月7日の高浜原発前集会、高浜町内での現地集会、高浜町内デモの翌日、福井市までのリレーデモに出発して1時間、家の玄関が開けられていて、通りすがりに中を見ると、上りかまちの薄暗がりの中で3人の方がデモ隊に何度も会釈をされていた。私も帽子を取って会釈した。(高浜町)

◆アメーバデモの鳴り物、スピーカーから流れる原発全廃を訴える声と反原発の赤旗をみて、草刈りの途中だった男性、鎌を持ったまま玄関に表れて「原発反対や、がんばってや」(越前市 男性)と言われた。

◆チラシをポストにいれていたら、音を聞いて玄関前まで出てこられて、「わしは原発反対や、原発は危ない」(越前市男性)と訴えられて、後から来た街宣車に乗っているHさんにも訴えておられた。

◆高齢の男性は、リレーデモに手を合わせておられた。

◆女性が、リレーデモをわざわざ追ってこられ「一緒に歩けませんが・・・」とカンパをくださった。

◆福井市内に入った時、鳴り物やスピーカーから流れる音を聞きつけて、路地からリレーデモを見に来られ
た男性は、ちらしを他所のポストに入れているのを見て、「わしにもください」と走って来られた。


【最近のニュースから】

最大原発依存国・フランスでも
脱原発が進んでいる!

◆フランスエコロジー相は、会計検査院の勧告により最大17基の原発の廃炉を発表した。(NHK BSニュースがフランスドゥの報道として伝えた。(放送時刻 7月12日4時18分)

◆フランス会計検査院はすでに、2025年に向けて原発エネルギーを50%削減するように勧告していたが、これに沿うものである。

◆フランスには、現在、19箇所に原発があり、58基が稼働中である。全てフランス原子力公社が保有している。このうち6箇所の15基は35年以上経過した老朽原発であり、これが廃炉の対象となる。フランスに豊富に存在する、風力、水力、太陽光、地熱に置き換えようとするものである。17基廃炉されれば、原子力エネルギーを25%削減できる。

◆「この発表は、あと30年の運転を見込んでいたフランス原子力公社にとっては大打撃であるが、フランスの原子力産業にとっては革命になるかも知れない」とフランスドゥはコメントしている。

◆この報道はNHKBSニュースだが、全てのメディアは報道せず。地上波NHKも報道していない。国民には知らせたくないニュースらしい。

東電、汚染水の海洋放出を明言

田中原子力規制員長も海洋放出を求めている

◆福島第一原発では、凍土壁の効果もほとんどなく、汚染水は増え続けている。したがって、この汚染水を浄化した処理水も増え続けている。処理水は、除くことが出来ず、内部被曝による障害が深刻なトリチウムだけでなく、除ききれなかった他の放射性物質も含んでいる。

◆薄めれば、海に流しても良いとするのは大きな誤りである。風評被害のみでなく、生物濃縮の危険性も大である。

◆今後、海洋放出が既成事実化し、拡大する可能性も大きい。

海洋放出以外に処理法が無い放射性物質を生む原発を動かしてはならない。


▲2017年7月14日京都新聞朝刊

2017年6月8日

若狭の原発を考える会(連絡先・木原壯林 090-1965-7102)