老朽原発うごかすな!実行委員会」カテゴリーアーカイブ

◆報告とお礼~6/7、6/16に高浜町と舞鶴市に申し入れ

【2023年6月23日。京都キンカンほかで配付】
【PDF(チラシ)→tirasi2023-06-22[2 MB]

報告とお礼

高浜町長に「老朽原発再稼働同意」の撤回を、
舞鶴市長に「老朽原発再稼働容認」の撤回を求めました

 岸田政権は、先の通常国会で、原発運転期間に関する法律を改悪し、原発の60年超え運転を可能にしました(5月31日)。しかし、世界にも、60年を超えて運転した原発はありません。地震、火山噴火、津波の多発する日本での原発60年超え運転は、過酷事故を招きかねません。

 岸田首相がどう願望し、法律をどう変えようとも、経済的利益や政治的思惑で原発の老朽化を防ぐ技術、安全性を高める技術、使用済み核燃料の処理・処分技術が急に向上することはありません。岸田政権の「原発依存社会」への暴走を許してはなりません。

 一方、岸田政権の尖兵として、老朽原発の再稼働を目論む関電は、高浜原発1、2号機を6月から順次再稼働させるとして準備を進めていましたが、ケーブルの火災防護対策が不十分であることが判明し、5月2日、再稼働の延期を発表しています。6月1日には、高浜1号機で火災検知器4基を工事計画とは異なる位置に設置していた不備も発覚しています。再稼動を目指して、10年以上も準備してきたにも拘らず、再稼動直前になっての不備の発覚です。発表された不備は氷山の一角かもしれません。なお、ケーブルの火災防護対策の不備は、高浜1、2号機だけではありません。関電は、ケーブルの火災防護対策をしないまま高浜3、4号機、大飯3、4号機、美浜3号機を運転しています。

 その関電は、運転開始後38年になり、MOX 燃料を使用し、トラブルが続出している高浜3、4号機の60年運転まで目論み、4月25日、原子力規制委員会に20年の運転延長を申請しています。

 傲慢この上ない関電は約束違反と欺瞞も繰り返しています。例えば、関電は、何度も「使用済み核燃料の中間貯蔵候補地を福井県外に探す」と明言しながら、約束を全て反故にしています。関電は、福井県知事の原発再稼働への同意を取り付けるために、何の成算も無く「空約束」を繰り返してきたのです。1昨年2月にも、候補地提示期限を「2023年末まで」と先送りし、「この期限が守られなければ老朽原発を停止する」としていますが、未だに候補地を見出していません。関電は苦肉の策として、使用済みMOX燃料の一部を、電気事業連合会が行うMOX燃料再処理実証試験に供するために、フランスに持ち出すから「約束は果たした」としていますが(6月12日)、搬出量は、福井県内の原発で保管する使用済み核燃料のわずか6%で、搬出予定も今すぐでなく、2020年代の後半です。「小手先」の策を弄した詭弁としか言いようがありません。

 現在科学技術で制御できない原発を、無理矢理稼働させようとするから、トラブル、不祥事、約束違反が頻発し、人々を欺かなければならなくなり、そこに闇の部分が発生するのです。

6月7日、16日、高浜町長に「老朽原発再稼働同意」の撤回、
舞鶴市長に 「老朽原発再稼働容認」の撤回を求め、
町内、市内デモ、チラシの各戸配布を実施。
両日とも約50人参加

 関電が画策する老朽原発・高浜1、2号機の再稼働について、立地自治体・高浜町の野瀬豊町長は、2021年2月、再稼働同意を表明しました、また、高浜原発に隣接し、同原発から5 kmの圏内に一部が含まれ、全域が30 km圏内に含まれる舞鶴市の多々見良三前市長は、2021年4月に、老朽原発の再稼働容認を経産省に伝えています。

 しかし、これらの再稼働同意、再稼働容認の後にも、老朽原発再稼働を目論む関電は、原発トラブル、不祥事、約束違反を続発させています。高浜1、2号機では、火災防護施設などの不備が発覚しています。このような関電は、原発過酷事故を起こしかねません。老朽原発の稼働などもっての外です。

 地方自治の根幹は「住民の安心安全を守ること」であることを考えあわせたとき、高浜町長、舞鶴市長は、老朽原発・高浜1、2号機の再稼働への同意や再稼働容認を取り消し、原発との決別を宣言すべきです。

 原発は、絶対に過酷事故を起こさないと言い切ることは誰にもできません。もし、過酷事故が起これば、立地自治体だけでなく、広域の周辺自治体の多くの住民が長期の避難を強いられることは、福島原発事故が実証しています。一方、原発を動かせば、何万年もの保管を要する使用済み核燃料がたまりますが、使用済み核燃料の処分法はなく、中間貯蔵を引き受ける所すらありません。したがって、原発稼働に同意権を持つ原発立地自治体の首長や議会の動向は、立地自治体の現在の住民だけでなく、多くの周辺自治体や未来の人々の「命と尊厳」とも深く関わります。

 このような視点に立って、「老朽原発うごかすな!実行委員会」は、「現在および未来の人々の安心・安全を守ること」を責務とする高浜町長、舞鶴市長に、老朽原発・高浜1、2号機の再稼働への同意や再稼働容認を取り消し、原発との決別を宣言し、「原発に依存しない新しいまちづくり」を進めるよう申し入れました。また、高浜町内、舞鶴市内でデモ行進を行い「老朽原発うごかすな!」を訴えました。さらに、高浜町で約2500枚、舞鶴市東部(高浜原発に近い地域)で約4000枚の「運転開始後48年、47年を超えた老朽原発・高浜1、2号機の再稼働は超危険!」と題するチラシを各戸配布しました。なお、高浜町での行動は、6月7日に、舞鶴市での行動は6月16日に行いましたが、各々約50人のご参加を頂きました。

これらの行動にご参加、ご支援 いただきました皆様、
有難うございました

2023年6月22日

老朽原発うごかすな!実行委員会 連絡先090-1965-7102(木原)

▼福井 NEWS WEB NHK 福井放送局 トップ 福井の深掘り記事
 反原発団体が高浜原発1・2号機再稼働反対を高浜町に申し入れ

 6月7日
 関西電力が再稼働に向けた準備を進めている高浜原子力発電所の1号機と2号機について、反原発の活動を行っているグループは、7日、高浜町に対し、再稼働へ反対する申し入れをおこないました。
 申し入れをおこなったのは、主に京都府などの関西圏や、福井県の住民でつくる団体です。
 7日午後、高浜町役場前に約50人が集まり、「老朽原発動かすな」などと書かれたのぼりや横断幕を掲げ、シュプレヒコールをあげました。
 このあとメンバーの代表が役場に向かい、美浜原発3号機に次いで40年を超えた運転を目指す高浜原発1、2号機について、町が行った再稼働への同意の取り消しなどを求める申し入れ書を、町の職員に手渡しました。
 申し入れをおこなった団体の木原壯林さんは「高浜町長が再稼働に同意して以降も、関西電力では施設のトラブルや不祥事が多発している。高浜町を含め全国で、原発に頼らない再生可能エネルギーを活用していって欲しい」と話していました。

▼2023年6月8日 中日新聞

▼2023年6月8日 毎日新聞(京都丹後版)

▼2023年6月9日 毎日新聞(福井版)

▼2023年6月17日 京都新聞

▼2023年6月17日 しんぶん赤旗

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「老朽原発うごかすな!」運動を起死回生させる
12.3「とめよう! 原発依存社会への暴走1万人集会」を
成功させよう!

 老朽原発うごかすな!実行委員は、下記の [1][4] の理由により、1万人の結集を目指す大集会を12月3日に大阪で開催することを決定しました。

 皆様のご賛同、ご支援、ご参加をお願いします。

[1] 5月8日に、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが2類から5類に変更され、今まで、集会への参加を組織として呼びかけることを躊躇していた団体などが、その制約から解放された。したがって、「老朽原発うごかすな!実行委員会」の当初の目標「関西で、関電や政府を震え上がらせるほどの大結集を得る」行動を、時間をかけて準備する好機である。

[2] 関電は、1昨年2月に福井県知事に「使用済み核燃料の中間貯蔵地を本年末までに探す」と約束していた。しかし、未だに候補地のあてはないから、老朽原発の停止を実行させる。ただし、関電6月12日に、フランスにほんの一部の使用済み核燃料を移送するから約束を果たしたとしたが、全くの欺瞞である。何としても「全ての使用済み核燃料の貯蔵地を探せなければ、約束違反である」ことを認めさせ、老朽原発廃炉を実現しなければならない。

[3] 原発推進関連法案は、5月31日、第211回通常国会で成立したが、実行するには、関連の法体系の整備が必要である。また、法をどのように解釈・運用するかは反原発の行動との攻防によって決まる。「原発推進法案」が成立しても、実行させない、目に見え、耳に聞こえる闘いを前進させなければならない。

[4] 近いうちに衆院選の可能性がある。大きな運動を提起して、「原発全廃」を衆院選の争点にしなくてはならない。

 今秋から今冬にかけての「老朽原発うごかすな!」の闘いは、岸田政権の「原発依存社会」への暴走を許すか、「原発のない社会」を実現するかのカギを握ります。
 「原発推進法案」が成立しても、実行させない、目に見え、耳に聞こえる闘いを前進させましょう!

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◆6.16 舞鶴現地行動、市内配布チラシ

【2023年6月16日。舞鶴市内で配付】
【PDF→ tirasi2023-06-16[911 KB]

運転開始後48年、47年を超えた老朽原発・
高浜1、2号機の再稼働は超危険!
舞鶴市長に「再稼働容認」の撤回を求めましょう!

稼働中の高浜3、4号機では、運転開始後
40年未満にも拘わらず、トラブル多発!

 現在稼働中の高浜原発3、4号機は、運転開始後38年を超えた原発です。かつて(5月31日まで)の法律では「原発の運転期間は原則40年とし、例外中の例外として20年の運転延長を1回だけ認める」としていましたから、これに従えば、もうすぐ運転可能期間が終了します。そこで関西電力(関電)は、4月25日、これらの原発の20年運転延長を原子力規制委員会(規制委)に申請しました。

 しかし、高浜3、4号機では、トラブルが多発しています。下の表には、高浜原発3、4号機で過去3年半の間に報道されたトラブルの代表例がまとめてあります。規制委は、本年4月25日開催の定例会合で、「高浜原発3号機の重大事故に対処する設備でトラブルが相次いでいる」として、関電に対し、再発防止に向けた改善計画の提出を求めています。

 トラブルの中でとくに深刻なのは、約320℃、約160気圧の高温・高圧水が流れる蒸気発生器伝熱管などの1次冷却系配管の損傷が頻発していることです。1次冷却系配管が完全破断すれば、原子炉を冷やす機能が失われ、原子炉溶融(メルトダウン)に至る可能性があるからです。

 また、1月30日に高浜4号機で発生したトラブルも深刻です。原子炉内の中性子が急減する信号が出て自動停止したのです。原因は「過去に経験したことのない制御棒関係の異常」と発表されましたが、制御棒は原子炉のブレーキです。ブレーキの故障は、重大事故につながります。高浜4号機は稼働から38年になる原発ですが、関電は、同じく38年になる高浜3号機と共に、40年を超える運転の認可を規制委に申請するために、「特別点検」を実施しましたが、その直後に、このトラブルです。「特別点検」を実施したからと言って、トラブルは避けることはできません。

 なお、髙浜3、4号機の核燃料の一部は、事故を起こしやすいウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)です。MOX燃料は破損しやすく、使用済み核燃料になったとき、放射線量や発熱量が多く、通常の使用済みウラン燃料に比べて、4倍以上もの長期保管を要します。

不祥事、約束違反を頻発させ、企業倫理が欠落した関電が原発を運転

 若狭で原発を運転し、老朽原発の運転まで目論む関電では、不正が次から次へと発覚しています。「法令を守る意識や企業倫理を大切にする精神(コンプライアンス)」が崩壊しています。

 そんな企業が万が一にも重大事故を起こしてはならない原発を動かし、重大事故に至りかねないトラブルを多発させています。

関電の法令違反、不祥事

(1)関電役員が金品を不正受領、減額していた役員報酬や所得税追徴分の不正還流

…2019年発覚。関西電力の役員らが元高浜町助役から総額約3億7千万円相当の金品を受領していました。また、福島原発事故以降の電気料金値上げに伴い、経営悪化の責任をとって減額していた役員報酬について、退任した元役員18人に、嘱託報酬として計2億5900万円を不正還流していました。さらに、役員が税務調査を受けて払った追徴課税の不正補填も発覚しています。

(2)関電、原発推進の高浜町議に、不当に高額な土砂処分発注や土地、倉庫賃貸料支払い

…関電のコンプライアンス委員会が4月に3件の不正取引を公表。関電が元助役や町議の関連会社に対し、原発の安全対策工事で出た土砂の処分を高額で発注したり、土地や倉庫を借りる際に不当に高額な対価を支払ったりして、合わせて87億円以上の損害を関電に与えたとされています。

(3)不正資格取得

…2021年発覚。関電グループ全体で社員180人と退職者17人が、国家資格の施工管理技士を不正取得していました。不正取得者は、原発工事15件にも関係していました。

(4)電力販売でカルテル締結

…2021年発覚。2018年秋頃から、関電主導で大手電力(中部電力、中国電力、九州電力)が、事業者向けの電力の販売をめぐり、カルテル(独占禁止法違反)を結んでいたとして、公正取引委員会が中部電力、中国電力、九州電力に総額で1000億円余りの課徴金を命じました。ところが、主導者である関電は、調査が始まる前に違反行為を自主申告したため、課徴金を免れています。

(5)顧客名簿不正閲覧

…2022年発覚。関電の小売部門が送配電子会社の情報に不正アクセスし、競争相手の新電力の顧客情報を盗み見て、営業活動に使っていました。閲覧した社員の4割は「電気事業法上問題になり得る」と認識していました。送配電分離という電力システム改革を否定する違法行為です。

(6)関西電力送配電の社員が記録捏造し虚偽報告

…2023年発覚。関電の子会社「関西電力送配電」は、法律で義務づけられた電圧の測定について、社員が、5年間にわたり捏造した虚偽のデータを報告していたことを明らかにしました。

(7)使用済み核燃料の中間貯蔵地探しに関わる約束違反

…関電は2017年以来、何度も「使用済み核燃料の中間貯蔵候補地を福井県外に探す」と明言したにも拘らず、その約束を反故にしています。関電は、福井県知事の原発再稼働への同意を取り付けるために、何の成算も無く「空約束」を繰返してきたのです(後述参照)。

 このように、関電は、トラブル、不祥事、約束違反を多発させています。現在科学技術で制御できない原発を、無理矢理稼働させようとするから、人々を欺かなければならなくなり、このよう
な事態が発生するのです。

関電が再稼働を画策する高浜1、2号機はさらに危険

高浜1、2号機、火災防護対策不備で再稼働延期

 関電は、原発依存社会へ暴走を始めた岸田内閣の尖兵として、運転開始後48年超えの高浜原発1号機、47年超えの高浜原発2号機を6月から順次再稼働させるとして準備を進めていましたが、ケーブルの火災防護対策が不十分であることが明らかになり、5月2日、再稼働の延期を発表しています。火災防護対策が必要なケーブルの長さは、高浜1号機では約2200m、高浜2号機では約2300mです。再稼動を目指して、10年以上も準備してきたにも拘らず、再稼動直前になっての不備の発覚です。不備に関する自覚が足りないのか、検査・点検の仕方が杜撰(ずさん)なのか?今回の不備は氷山の一角かもしれません。

 なお、6月1日には、高浜1号機で、火災検知器4基を工事計画とは異なる位置に設置していたことも発覚しています。

関電の全原発で、ケーブルの火災防護対策が不備!

 ケーブルの火災防護対策の不備は、高浜1、2号機だけではありません。関電は、設計工事計画を無視して、ケーブルの火災防護対策をしないまま高浜3、4号機、大飯3、4号機、美浜3号機を運転しています。対策工事に数年かかるから、関電は対策をせず、規制委もこれを黙認しています。これが岸田政権の宣伝する「世界最高水準の厳しい原子力規制」の実態です。

原発圧力容器の脆化(ぜいか)が最も深刻な原発は高浜1号機

 原発の圧力容器は鋼鉄でできていますが、鋼鉄は常温ではある程度の柔らかさを持っています。しかし、温度を下げていくと、ある温度[脆化温度と呼ぶ:脆化とは「脆く(もろく)なること」]以下で、ガラスのように硬く脆くなります。新しい圧力容器の脆化温度はマイナス16℃程度ですから、水で冷やしても脆化しません。しかし、原子炉の運転によって、圧力容器が中性子にさらされ続けますと、脆化温度が上昇します。例えば、原発を40年以上運転し続けると、脆化温度がプラス100℃になることがあります。このような原発で運転中(約320℃)にトラブルが発生し、炉内温度が上昇した場合、原子炉を急冷しなければなりません。このとき、圧力容器が脆化温度(+100℃)以下に急冷されると、ょうど温めておいたグラスを氷水で急冷したときのように、圧力容器は破壊されます。そうなると、原発は過酷事故に至ります。

 今、日本で脆化温度が最も高くなっている原発は、高浜1号機(運転開始後48年超え)で、99℃と言われています。99℃以下に急冷されると圧力容器(原子炉本体)が割れてしまう可能性があります。この他の原発の脆化温度は、高浜2号機(運転開始後47年超え)で40℃、高浜4号機(運転開始後37年超え:稼働中)で59℃、美浜3号機(運転開始後46年超え:稼働中)で57℃です。

原発過酷事故が起こったとき、被曝なしの避難は不可能

 政府や自治体は、原発過酷事故を想定した避難訓練を行っています。それは、原発は重大事故を起こしかねないことを、政府や自治体が認めているからです。ただし、現行の「避難訓練」では、原発事故では住民全員が、何年も何十年もあるいは永遠に故郷を奪われることをあえて無視しています。

 「避難計画」は、住民の大量被ばくを前提にしています。例えば、原発で過酷事故が起こったとき、原発から5km圏内の住民は即時避難となっていますが、それ以外の住民は屋内退避となっていて、放射能汚染レベルが自然放射能の1万倍の500マイクロシーベルトになって、やっと避難を始めることになっています。

 一斉避難は不可能であるから、原発周辺住民の大半は「大量被ばくするまで待て」としているのです。

使用済み核燃料の処分法はなく、中間貯蔵を引き受ける所すらない

 関電は2017年以来、何度も「使用済み核燃料の中間貯蔵候補地を福井県外に探す」と明言したにも拘らず、その約束をたびたび反故にしています。関電は、福井県知事の原発再稼働への同意を取り付けるために、何の成算も無く「空約束」を繰り返してきたのです。

 2021年2月にも、候補地提示期限を「2023年末まで」と先送りし、「この期限が守られなければ老朽原発・高浜1、2号機、美浜3号機を停止する」としていますが、未だに候補地を見出すことはできていません。

 関電は、苦肉の策として、去る6月12日に、使用済みMOX燃料の一部を、電気事業連合会がフランスと行うMOX燃料再処理実証試験に供するために、フランスに持ち出すから「約束は果たした」としていますが、搬出量は、福井県内の原発で保管する使用済み核燃料のわずか6%以下に過ぎず、搬出予定も今すぐでなく、2020年代の後半です。「小手先」の策を弄して、人々をあざむいているとしか言いようがありません。

電気は足りています

 政府は電力需給のひっ迫を喧伝し、原発の推進に躍起です。しかし、日常的には、電気は足りています(余っています)。

 一時的に電力がひっ迫しても、節電によって乗り切れます。このことは昨年3月の地震と寒波に起因する東北、東京エリアでの電力不足、昨夏の猛暑による電力不足を、節電で乗り越えた実績が証明しています。

 昨年3月22日、東北、東京エリアで、地震による発電所の停止と寒波の到来が重なって、電力需給ひっ迫が発生しました。このひっ迫を乗り切れたのは、当日8〜23時の時間帯で約4000万kW時、また、需要の大きな17時台の1時間に約500万kWの節電が実行されたためです。原発5基分(1基100万kWとして)ものの節電が可能であることが実証されたのです。。

 電力需給ひっ迫を口実に、人々や環境に放射線被ばくを強い、負の遺産・使用済み核燃料を残す原発の推進にNOを!

失政のつけが、「原発依存社会」への暴走、老朽原発運転

 岸田政権は、今、老朽原発運転をはじめとする原発の推進に躍起です、この「原発依存社会」への暴走は、福島原発事故以降の政権が、事故の教訓を生かさず、原発維持にこだわり、自然エネルギーへの全面切り替えを怠った結末です。「失政のつけ」が回ってきたのです。もし、原発に費やされた税金や電気料金が、自然エネルギーを利用する電源、大容量の蓄電法、省エネ機器の開発と普及に回されていれば、原発不要の社会ができたはずです。

 このことを福島原発事故直後に認識したドイツは、脱原発を進め、再生可能エネルギーの割合を2割から5割に増加させ、去る4月15日に脱原発を達成しています。一方、福島原発事故の当事国・日本は、原発維持に固執したため、再生可能エネルギーの割合は1割から2割に増加させたに過ぎません。福島事故後のエネルギー政策の失敗の結果、脱原発の流れに乗り遅れたのです。岸田政権や関電はその失敗を取り繕うために、さらに大きな過ち「原発依存社会」に向かって暴走しています。「原発過酷事故」に突き進んでいるのかも知れません。

 日本は、太陽光にも、水にも、風にも、地熱にも恵まれています。先見の明がある政権であったなら、今頃、核燃料、化石燃料の必要のない社会を実現し、世界をリードできたでしょう。

 若狭でいち早く脱原発にかじを切っていたら、若狭や舞鶴市に新しい産業や雇用が生まれていたかもしれません。原発からの脱却を進めて新しい社会を目指しましょう!

舞鶴市長、舞鶴市議会に「老朽原発再稼働容認」の撤回を求めましょう!

 舞鶴市議会は2020年12月に、老朽原発・高浜1、2号機の再稼働容認を決議し、2021年4月には、当時の多々見良三市長がこれらの原発の再稼働容認を経産省に伝えています。

 しかし、これらの容認表明後にも、老朽原発の再稼働を目論(もくろ)む関電は、本チラシで述べたような原発トラブル、不祥事を続発させています。高浜1、2号機では、火災防護施設などの不備が発覚しています。このような関電は、原発過酷事故を起こしかねません。老朽原発の稼働などもっての外です。

 地方自治の根幹は「住民の安心安全を守ること」であることを鑑みるとき、舞鶴市長および舞鶴市議会は、老朽原発・高浜1、2号機の再稼働容認を撤回し、原発との決別を宣言すべきです。

 舞鶴市長、舞鶴市議会に、老朽原発・高浜1、2号機の再稼働容認を取り消し、政府および関電に原発との決別を要請し、「原発過酷事故の不安のない社会」を目指した市政を求めましょう!

2023年6月16日
老朽原発うごかすな!実行委員会(連絡先:090-1965-7102木原)

◆6.16 舞鶴現地行動で市長へ申し入れ

【2023年6月16日。舞鶴市への申し入れ】
【PDF→ mousiire2023-06-16[258 KB] 】

2023年6月16日

舞鶴市長 鴨田 秋津 様

老朽原発うごかすな!実行委員会*別紙注1

申し入れ書

 原発は、現在科学技術で制御できる装置でないことを、発生後12年を超えた福島原発事故が、大きな犠牲の上に教えています。一方、ウクライナ紛争では、戦争になれば、原発は攻撃目標となることが実証されました。このように、原発は人の命と尊厳を脅かします。

 その原発が、運転開始後40年を超え、老朽化すれば、過酷事故の危険度が急増することは、多くが指摘するところです。それは、高温、高圧の下で高放射線(とくに中性子)にさらされた原子炉本体・圧力容器の脆化や配管の腐食、減肉などが進むからです。また、老朽原発には、建設時には適当とされたが、現在の基準では不適当な部分が多数あるからです。例えば、地震の大きさを過小評価していた時代に作られた圧力容器などです。

 それでも、政府や電力会社は、ウクライナ紛争に因るエネルギーひっ迫や炭酸ガス削減を口実にして、老朽原発の運転に躍起です。

 岸田政権は、本年の第211回通常国会で、福島原発事故の教訓から「原発運転期間は原則40年、最長でも60年」とした法律を改悪し、原発の60年超え運転を可能にしました。しかし、世界にも、60年を超えて運転した原発はありません。最も老朽な原発でも、運転期間は53年です。地震、火山噴火、津波の多発する日本での原発60年超え運転は、過酷事故を招きかねません。
なお、岸田首相がどう願望し、法律をどう変えようとも、経済的利益や政治的思惑で原発の老朽化を防ぐ技術、安全性を高める技術、使用済み核燃料の処理・処分技術が急に向上することはありません。

 そもそも、岸田政権の「原発依存社会」への暴走は、福島原発事故以降の政権が、事故の教訓を生かさず、原発維持にこだわり、自然エネルギーへの全面切り替えを怠った結末です。日本は、太陽光にも、水にも、風にも、地熱にも恵まれています。もし、先見の明がある政権であったなら、原発に費やされた膨大な税金や電気料金を、自然エネルギーを利用する電源、大容量の蓄電法、省エネ機器の開発と普及に回し、今頃、核燃料、化石燃料など必要のない社会を実現し、世界をリードしていたでしょう。

 ところで、舞鶴市議会は2020年12月に、運転開始後48年、47年を超えた(2023年6月現在)老朽原発・高浜1、2号機の再稼働容認を決議し、2021年4月には、当時の多々見良三市長がこれらの原発の再稼働容認を経産省資源エネルギー庁に伝えています

 しかし、老朽原発の再稼働を目論む関電は、これらの再稼働容認表明後にも、稼働中の高浜原発3、4号機で、別紙(注2)の表に示したようなトラブルを続発させています。

 トラブルの中でとくに深刻なのは、約320℃、約160気圧の高温・高圧水が流れる蒸気発生器伝熱管などの1次冷却系配管の損傷の頻発です。1次冷却系配管が完全破断すれば、原子炉を冷やす機能が失われ、原子炉溶融(メルトダウン)に至る可能性があるからです。また、1月30日に高浜4号機で制御棒が急挿入され、自動停止したトラブルも深刻です。制御棒は原子炉のブレーキです。ブレーキの故障は、重大事故につながります。

 一方、関電は、高浜原発1、2号機を6月から順次再稼働させるとして準備を進めていましたが、ケーブルの火災防護対策が不十分であることが明らかになり、5月2日、再稼働の延期を発表しています。6月1日には、高浜1号機で火災検知器4基を工事計画とは異なる位置に設置していた不備も発覚しています。再稼動を目指して、10年以上も準備してきたにも拘らず、再稼動直前になっての不備の発覚です。不備に関する自覚が足りないのか、検査・点検の仕方が杜撰なのか? 不備はこれ以外にも、多数あると思われます。発表された不備は氷山の一角かもしれません。なお、ケーブルの火災防護対策の不備は、高浜1、2号機だけではありません。関電は、設計工事計画を無視して、ケーブルの火災防護対策をしないまま高浜3、4号機、大飯3、4号機、美浜3号機を運転しています。

 さらに、関電は、以下のように、不祥事を繰り返しています。

(1) 2019 年に、関電の役員らが元高浜町助役から総額約3億7千万円相当の金品を受領していたこと、福島原発事故以降の電気料金値上げに伴い、経営悪化の責任をとって減額していた元役員18人の報酬について、退任後に計2億5900万円を不正還流していたこと、役員が税務調査を受けて払った追徴課税の不正補填をしていたことが発覚しました。この不祥事を調査した関電のコンプライアンス委員会は、本年4月に3件の不正取引を公表しました。関電が元助役や町議の関連会社に対し、原発の安全対策工事で出た土砂の処分を高額で発注し、土地や倉庫を借りる際に不当に高額な対価を支払っていました。合わせて87億円以上の損害を関電に与えたとされています。

(2) 2021 年には、関電グループ全体で社員180 人と退職者17人が、国家資格の施工管理技士を不正取得していたことが発覚しています。不正取得者は、原発工事15件にも関係していました。

(3) 2021 年には、電力販売でカルテルを締結していたことも発覚しています。2018 年秋頃から、関電主導で大手電力(中部電力、中国電力、九州電力)が、事業者向けの電力の販売をめぐり、独占禁止法違反のカルテルを結んでいました。公正取引委員会は、中部電力、中国電力、九州電力に総額で1000億円余りの課徴金を命じましたが、主導者である関電は、調査前に違反行為を自主申告し、課徴金を免れています。

(4) 昨2022 年には、関電の小売部門が送配電子会社の情報に不正アクセスし、競争相手の新電力の顧客情報を盗み見て、営業活動に使っていたことが発覚しました。電力システム改革を否定する違法行為です。

(5) 今年になって、関電の子会社「関西電力送配電」は、法律で義務づけられた電圧の測定に関して、社員が、5年間にわたり捏造した虚偽のデータを報告していたことを明らかにしました。

(6) 関電は2017年以来、何度も「使用済み核燃料の中間貯蔵候補地を福井県外に探す」と明言したにも拘らず、その約束をたびたび反故にしています。関電は、福井県知事の原発再稼働への同意を取り付けるために、何の成算も無く「空約束」を繰り返してきたのです。2021年2月にも、候補地提示期限を「2023年末まで」と先送りし、「この期限が守られなければ老朽原発・高浜1、2号機、美浜3号機を停止する」としていますが、未だに候補地の見通しは示されていません。

 このように、関電は、トラブル、不祥事、約束違反を多発させています。現在科学技術で制御できない原発を、無理矢理稼働させようとするから、トラブルが頻発し、人々を欺かなければならなくなるのです。

 原発は、絶対に過酷事故を起こさないと言い切ることは誰にもできません。もし、過酷事故が起これば、立地自治体だけでなく、広域の周辺自治体の多くの住民が長期の避難を強いられることは、福島原発事故が実証しています。とくに、舞鶴市は高浜原発から 5 km 圏の予防防護措置地域(PAZ)を含み、約8万人が生活する市全域が 30 km 圏の緊急防護措置地域(UPZ)ですから、高浜町以上の深刻な被害を被る可能性があります。一方、原発を動かせば、何万年もの保管を要する使用済み核燃料がたまりますが、使用済み核燃料の処分法はなく、中間貯蔵を引き受ける所すらありません。したがって、原発立地自治体や原発に近接する自治体の首長や議会の動向は、当該自治体の現在の住民だけでなく、多くの周辺自治体や未来の人々の「命と尊厳」とも深く関わります。

 以上のような視点に立って、「老朽原発うごかすな!実行委員会」に結集する私たちは、「現在および未来の人々の安心・安全を守ること」を責務とされる舞鶴市長に、老朽原発・高浜1、2号機の再稼働容認を取り消し、政府および関電に原発との決別を要請し、「原発過酷事故の不安のない社会」に向かって市政を進められるよう申し入れます。

別紙

注1 「老朽原発うごかすな!実行委員会」について
(連絡先;事務担当・木原壯林 住所;〒607-8466 京都市山科区上花山桜谷40-5
電話 090-1965-7102 E-メール kiharas-chem@zeus.eonet.ne.jp)
「老朽原発うごかすな!実行委員会」は、全国の団体231と個人854名の賛同を得て、2020年1月18日に結成された「老朽原発うごかすな!大集会inおおさか実行委員会」を、2020年9月20日に改称して結成された団体です。以来、関西、若狭を中心に、各地で「老朽原発うごかすな!」を訴える活動を行っています。現在までに、下記のような集会(集会後にデモ行進)を実行しています。また、若狭の集落から集落をめぐって「原発うごかすな!」を訴えながらチラシを各戸配布する行動(通称アメーバデモ)、一人ひとりが数十メートルの間隔をとって、旗指物、拡声器で「原発反対」を訴えて歩く行動(通称ヒトリデモ:関西各地、若狭で実施)、自動車による街宣、「老朽原発うごかすな!ニュース」の発行などを行っています。

●「老朽原発うごかすな!大集会inおおさか実行委員会」が開催した集会・デモ
2020.9.6 「老朽原発うごかすな!大集会inおおさか」 うつぼ公園 1600人参加
●「老朽原発うごかすな!実行委員会」が開催した集会・デモ
2020.11.23~12.9 関電本店~美浜原発200 kmリレーデモ 延べ約1000人参加
2021.1.24 「関電よ 老朽原発うごかすな!大集会」関電本店前 350人参加
2021.3.20 「関電よ 老朽原発うごかすな!高浜全国集会」 高浜文化会館 400人参加
2021.6.6 「老朽原発うごかすな!大集会inおおさか」 うつぼ公園 1300人参加
2021.6.23 「美浜3号再稼働阻止現地集会」 美浜原発前、原子力事業本部前 350人参加
2022.5.29 「原発のない明日を-老朽原発このまま廃炉!大集会inおおさか」うつぼ公園 2100人参加
2022.7.24 「老朽原発・美浜3号うごかすな!現地全国集会」 美浜町弁天崎、
原子力事業本部前 300人参加
2022.12.4 「老朽原発うごかすな!関電包囲全国集会」 関電本店前 900人参加
2023.3.21~4.2 関電本店~高浜原発230 kmリレーデモ 延べ約900人参加
2023.4.29 「関電よ 老朽原発うごかすな!高浜全国集会」 高浜文化会館 320人参加

注2 高浜町長が、高浜原発1、2号機の再稼働に同意した後(2021年2月1日~)に
高浜原発3、4号機で発生したトラブル


◆6.7 高浜現地行動、町内配布チラシ

【2023年6月7日。舞鶴市内で配付】
【PDF→ tirasi2023-06-07[906 KB]

運転開始後48年、47年を超えた老朽原発・
高浜1、2号機の再稼働は超危険!
高浜町長に「再稼働同意」の取り消しを求めましょう!

稼働中の高浜3、4号機では、運転開始後
40年未満にも拘わらず、トラブル多発!

 現在稼働中の高浜原発3、4号機は、運転開始後38年を超えた原発です。かつて(5月31日まで)の法律では「原発の運転期間は原則40年とし、例外中の例外として20年の運転延長を1回だけ認める」としていましたから、これに従えば、もうすぐ運転可能期間が終了します。そこで関西電力(関電)は、4月25日、これらの原発の20年運転延長を原子力規制委員会(規制委)に申請しました。

 しかし、高浜3、4号機では、トラブルが多発しています。下の表には、高浜原発3、4号機で過去3年半の間に報道されたトラブルの代表例がまとめてあります。規制委は、本年4月25日開催の定例会合で、「高浜原発3号機の重大事故に対処する設備でトラブルが相次いでいる」として、関電に対し、再発防止に向けた改善計画の提出を求めています。

 トラブルの中でとくに深刻なのは、約320℃、約160気圧の高温・高圧水が流れる蒸気発生器伝熱管などの1次冷却系配管の損傷が頻発していることです。1次冷却系配管が完全破断すれば、原子炉を冷やす機能が失われ、原子炉溶融(メルトダウン)に至る可能性があるからです。

 また、1月30日に高浜4号機で発生したトラブルも深刻です。原子炉内の中性子が急減する信号が出て自動停止したのです。原因は「過去に経験したことのない制御棒関係の異常」と発表されましたが、制御棒は原子炉のブレーキです。ブレーキの故障は、重大事故につながります。高浜4号機は稼働から38年になる原発ですが、関電は、同じく38年になる高浜3号機と共に、40年を超える運転の認可を規制委に申請するために、「特別点検」を実施しましたが、その直後に、このトラブルです。「特別点検」を実施したからと言って、トラブルは避けることはできません。

 なお、髙浜3、4号機の核燃料の一部は、事故を起こしやすいウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)です。MOX燃料は破損しやすく、使用済み核燃料になったとき、放射線量や発熱量が多く、通常の使用済みウラン燃料に比べて、4倍以上もの長期保管を要します。

不祥事、約束違反を頻発させ、企業倫理が欠落した関電が原発を運転

 若狭で原発を運転し、老朽原発の運転まで目論む関電では、不正が次から次へと発覚しています。「法令を守る意識や企業倫理を大切にする精神(コンプライアンス)」が崩壊しています。

 そんな企業が万が一にも重大事故を起こしてはならない原発を動かし、重大事故に至りかねないトラブルを多発させています。

関電の法令違反、不祥事

(1)関電役員が金品を不正受領、減額していた役員報酬や所得税追徴分の不正還流

…2019年発覚。関西電力の役員らが元高浜町助役から総額約3億7千万円相当の金品を受領していました。また、福島原発事故以降の電気料金値上げに伴い、経営悪化の責任をとって減額していた役員報酬について、退任した元役員18人に、嘱託報酬として計2億5900万円を不正還流していました。さらに、役員が税務調査を受けて払った追徴課税の不正補填も発覚しています。

(2)関電、原発推進の高浜町議に、不当に高額な土砂処分発注や土地、倉庫賃貸料支払い

…関電のコンプライアンス委員会が4月に3件の不正取引を公表。関電が元助役や町議の関連会社に対し、原発の安全対策工事で出た土砂の処分を高額で発注したり、土地や倉庫を借りる際に不当に高額な対価を支払ったりして、合わせて87億円以上の損害を関電に与えたとされています。

(3)不正資格取得

…2021年発覚。関電グループ全体で社員180人と退職者17人が、国家資格の施工管理技士を不正取得していました。不正取得者は、原発工事15件にも関係していました。

(4)電力販売でカルテル締結

…2021年発覚。2018年秋頃から、関電主導で大手電力(中部電力、中国電力、九州電力)が、事業者向けの電力の販売をめぐり、カルテル(独占禁止法違反)を結んでいたとして、公正取引委員会が中部電力、中国電力、九州電力に総額で1000億円余りの課徴金を命じました。ところが、主導者である関電は、調査が始まる前に違反行為を自主申告したため、課徴金を免れています。

(5)顧客名簿不正閲覧

…2022年発覚。関電の小売部門が送配電子会社の情報に不正アクセスし、競争相手の新電力の顧客情報を盗み見て、営業活動に使っていました。閲覧した社員の4割は「電気事業法上問題になり得る」と認識していました。送配電分離という電力システム改革を否定する違法行為です。

(6)関西電力送配電の社員が記録捏造し虚偽報告

…2023年発覚。関電の子会社「関西電力送配電」は、法律で義務づけられた電圧の測定について、社員が、5年間にわたり捏造した虚偽のデータを報告していたことを明らかにしました。

(7)使用済み核燃料の中間貯蔵地探しに関わる約束違反

…関電は2017年以来、何度も「使用済み核燃料の中間貯蔵候補地を福井県外に探す」と明言したにも拘らず、その約束を反故にしています。関電は、福井県知事の原発再稼働への同意を取り付けるために、何の成算も無く「空約束」を繰返してきたのです(後述参照)。

 このように、関電は、トラブル、不祥事、約束違反を多発させています。現在科学技術で制御できない原発を、無理矢理稼働させようとするから、人々を欺かなければならなくなり、このよう
な事態が発生するのです。

関電が再稼働を画策する高浜1、2号機はさらに危険

高浜1、2号機、火災防護対策不備で再稼働延期

 関電は、原発依存社会へ暴走を始めた岸田内閣の尖兵として、運転開始後48年超えの高浜原発1号機、47年超えの高浜原発2号機を6月から順次再稼働させるとして準備を進めていましたが、ケーブルの火災防護対策が不十分であることが明らかになり、5月2日、再稼働の延期を発表しています。火災防護対策が必要なケーブルの長さは、高浜1号機では約2200m、高浜2号機では約2300mです。再稼動を目指して、10年以上も準備してきたにも拘らず、再稼動直前になっての不備の発覚です。不備に関する自覚が足りないのか、検査・点検の仕方が杜撰(ずさん)なのか?今回の不備は氷山の一角かもしれません。

 なお、6月1日には、高浜1号機で、火災検知器4基を工事計画とは異なる位置に設置していたことも発覚しています。

関電の全原発で、ケーブルの火災防護対策が不備!

 ケーブルの火災防護対策の不備は、高浜1、2号機だけではありません。関電は、設計工事計画を無視して、ケーブルの火災防護対策をしないまま高浜3、4号機、大飯3、4号機、美浜3号機を運転しています。対策工事に数年かかるから、関電は対策をせず、規制委もこれを黙認しています。これが岸田政権の宣伝する「世界最高水準の厳しい原子力規制」の実態です。

原発圧力容器の脆化(ぜいか)が最も深刻な原発は高浜1号機

 原発の圧力容器は鋼鉄でできていますが、鋼鉄は常温ではある程度の柔らかさを持っています。しかし、温度を下げていくと、ある温度[脆化温度と呼ぶ:脆化とは「脆く(もろく)なること」]以下で、ガラスのように硬く脆くなります。新しい圧力容器の脆化温度はマイナス16℃程度ですから、水で冷やしても脆化しません。しかし、原子炉の運転によって、圧力容器が中性子にさらされ続けますと、脆化温度が上昇します。例えば、原発を40年以上運転し続けると、脆化温度がプラス100℃になることがあります。このような原発で運転中(約320℃)にトラブルが発生し、炉内温度が上昇した場合、原子炉を急冷しなければなりません。このとき、圧力容器が脆化温度(+100℃)以下に急冷されると、ょうど温めておいたグラスを氷水で急冷したときのように、圧力容器は破壊されます。そうなると、原発は過酷事故に至ります。

 今、日本で脆化温度が最も高くなっている原発は、高浜1号機(運転開始後48年超え)で、99℃と言われています。99℃以下に急冷されると圧力容器(原子炉本体)が割れてしまう可能性があります。この他の原発の脆化温度は、高浜2号機(運転開始後47年超え)で40℃、高浜4号機(運転開始後37年超え:稼働中)で59℃、美浜3号機(運転開始後46年超え:稼働中)で57℃です。

原発過酷事故が起こったとき、被曝なしの避難は不可能

 政府や自治体は、原発過酷事故を想定した避難訓練を行っています。それは、原発は重大事故を起こしかねないことを、政府や自治体が認めているからです。ただし、現行の「避難訓練」では、原発事故では住民全員が、何年も何十年もあるいは永遠に故郷を奪われることをあえて無視しています。

 「避難計画」は、住民の大量被ばくを前提にしています。例えば、原発で過酷事故が起こったとき、原発から5km圏内の住民は即時避難となっていますが、それ以外の住民は屋内退避となっていて、放射能汚染レベルが自然放射能の1万倍の500マイクロシーベルトになって、やっと避難を始めることになっています。

 一斉避難は不可能であるから、原発周辺住民の大半は「大量被ばくするまで待て」としているのです。

使用済み核燃料の処分法はなく、中間貯蔵を引き受ける所すらない

 原発を動かせば、何万年もの保管を要する使用済み核燃料がたまります。

 関電は2017年、「若狭の原発でできた使用済み核燃料の中間貯蔵候補地を、2018年末までに福井県外に探す」と明言しました。西川前福井県知事が、大飯原発の再稼働に同意したのは、この約束を前提としていました。しかし、関電は、この約束をホゴにし、「候補地提示期限を2020年末まで」と再約束して原発の運転を継続し、使用済み核燃料を増やし続けました。さらに関電は、再約束の期限もホゴにし、一昨年2月12日には、候補地提示期限を「2023年末まで」と先送りし、「この期限が守られなければ老朽原発を停止する」として、福井県に老朽原発再稼働への同意を求めました。これを受けて、杉本知事は、それまでの「中間貯蔵地を示すことが再稼働議論の前提」とした発言を一転させ、再稼働同意を表明しました。なお、関電が「2023年末を期限」とした拠
り所は、青森県むつ市の中間貯蔵施設の利用の可能性ですが、宮下むつ市長(当時)はこれを否定し、猛反発しています。

電気は足りています

 政府は電力需給のひっ迫を喧伝し、原発の推進に躍起です。しかし、日常的には、電気は足りています(余っています)。

 一時的に電力がひっ迫しても、節電によって乗り切れます。このことは昨年3月の地震と寒波に起因する東北、東京エリアでの電力不足、昨夏の猛暑による電力不足を、節電で乗り越えた実績が証明しています。

 昨年3月22日、東北、東京エリアで、地震による発電所の停止と寒波の到来が重なって、電力需給ひっ迫が発生しました。このひっ迫を乗り切れたのは、当日8〜23時の時間帯で約4000万kW時、また、需要の大きな17時台の1時間に約500万kWの節電が実行されたためです。原発5基分(1基100万kWとして)ものの節電が可能であることが実証されたのです。。

 電力需給ひっ迫を口実に、人々や環境に放射線被ばくを強い、負の遺産・使用済み核燃料を残す原発の推進にNOを!

失政のつけが、「原発依存社会」への暴走、老朽原発運転

 岸田政権は、今、老朽原発運転をはじめとする原発の推進に躍起です、この「原発依存社会」への暴走は、福島原発事故以降の政権が、事故の教訓を生かさず、原発維持にこだわり、自然エネルギーへの全面切り替えを怠った結末です。「失政のつけ」が回ってきたのです。もし、原発に費やされた税金や電気料金が、自然エネルギーを利用する電源、大容量の蓄電法、省エネ機器の開発と普及に回されていれば、原発不要の社会ができたはずです。

 このことを福島原発事故直後に認識したドイツは、脱原発を進め、再生可能エネルギーの割合を2割から5割に増加させ、去る4月15日に脱原発を達成しています。一方、福島原発事故の当事国・日本は、原発維持に固執したため、再生可能エネルギーの割合は1割から2割に増加させたに過ぎません。福島事故後のエネルギー政策の失敗の結果、脱原発の流れに乗り遅れたのです。岸田政権や関電はその失敗を取り繕うために、さらに大きな過ち「原発依存社会」に向かって暴走しています。「原発過酷事故」に突き進んでいるのかも知れません。

 日本は、太陽光にも、水にも、風にも、地熱にも恵まれています。先見の明がある政権であったなら、今頃、核燃料、化石燃料の必要のない社会を実現し、世界をリードできたでしょう。

 高浜町でもいち早く脱原発にかじを切っていたら、原発以外の産業や雇用が生まれていたかもしれません。原発からの脱却を進めて新しい若狭を目指しましょう!

高浜町長に「老朽原発再稼働」同意の撤回を求めましょう!

 高浜町の野瀬豊町長は、2021年2月1日、老朽原発・高浜1、2号機の再稼働に同意しました。

 しかし、この同意後にも、これらの老朽原発の再稼働を目論(もくろ)む関電は、本チラシで述べたような原発トラブル、不祥事を続発させています。高浜1、2号機では、火災防護施設などの不備が発覚しています。このような関電は、原発過酷事故を起こしかねません。老朽原発の稼働などもっての外です。

 地方自治の根幹は「住民の安心安全を守ること」であることを鑑みるとき、高浜町長は、老朽原発・高浜1、2号機の再稼働への同意を取り消し、原発との決別を宣言すべきです。

 高浜町長に、老朽原発・高浜1、2号機の再稼働への同意の撤回と、「原発のない安心・安全なまちづくり」を求めましょう!

2023年6月7日
老朽原発うごかすな!実行委員会(連絡先:090-1965-7102木原)

◆6.7 高浜現地行動で町長へ申し入れ

【2023年6月7日。高浜町への申し入れ】
【PDF→ mousiire2023-06-07[248 KB]

2023年6月7日

高浜町長 野瀬 豊 様

老朽原発うごかすな!実行委員会*別紙注1

申し入れ書

 原発は、現在科学技術で制御できる装置でないことを、発生後12年を超えた福島原発事故が、大きな犠牲の上に教えています。一方、ウクライナ紛争では、戦争になれば、原発は攻撃目標となることが実証されました。このように、原発は人の命と尊厳を脅かします。

 その原発が、運転開始後40年を超え、老朽化すれば、過酷事故の危険度が急増することは、多くが指摘するところです。それは、高温、高圧の下で高放射線(とくに中性子)にさらされた原子炉本体・圧力容器の脆化や配管の腐食、減肉などが進むからです。また、老朽原発には、建設時には適当とされたが、現在の基準では不適当な部分が多数あるからです。例えば、地震の大きさを過小評価していた時代に作られた圧力容器などです。

 それでも、政府や電力会社などの原発推進勢力は、ウクライナ紛争に因るエネルギーひっ迫や炭酸ガス削減を口実にして、老朽原発の運転に躍起です。

 岸田政権は、第211回通常国会で、福島原発事故の教訓から「原発運転期間は原則40年、最長でも60年」とした法律を改悪し、原発の60年超え運転を可能にしました。しかし、世界にも、60年を超えて運転した原発はありません、最も老朽な原発でも、運転期間は53年です。地震、火山噴火、津波の多発する日本での原発60年超え運転は、過酷事故を招きかねません。

 なお、岸田首相がどう願望し、法律をどう変えようとも、経済的利益や政治的思惑で原発の老朽化を防ぐ技術、安全性を高める技術、使用済み核燃料の処理・処分技術が急に向上することはありません。

 そもそも、岸田政権の「原発依存社会」への暴走は、福島原発事故以降の政権が、事故の教訓を生かさず、原発維持にこだわり、自然エネルギーへの全面切り替えを怠った結末です。日本は、太陽光にも、水にも、風にも、地熱にも恵まれています。もし、先見の明がある政権であったなら、原発に費やされた膨大な税金や電気料金を、自然エネルギーを利用する電源、大容量の蓄電法、省エネ機器の開発と普及に回し、今頃、核燃料、化石燃料など必要のない社会を実現し、世界をリードしていたでしょう。

 高浜町でも、いち早く脱原発に舵を切っていたら、原発以外の産業や雇用が生まれていたかも知れません。

 ところで、貴殿は2021年2月1日、高浜町長として、運転開始後48年、47年を超えた(2023年6月現在)老朽原発・高浜1、2号機の再稼働に同意しました。

 しかし、これらの原発の再稼働を目論む関電は、この同意後にも、稼働中の高浜原発3、4号機で、別紙(注2)の表に示したようなトラブルを続発させています。

 トラブルの中でとくに深刻なのは、約320℃、約160気圧の高温・高圧水が流れる蒸気発生器伝熱管などの1次冷却系配管の損傷が頻発していることです。1次冷却系配管が完全破断すれば、原子炉を冷やす機能が失われ、原子炉溶融(メルトダウン)に至る可能性があるからです。また、1月30日に高浜4号機で制御棒が急挿入され、自動停止したトラブルも深刻です。制御棒は原子炉のブレーキです。ブレーキの故障は、重大事故につながります。

 一方、関電は、高浜原発1、2号機を6月から順次再稼働させるとして準備を進めていましたが、ケーブルの火災防護対策が不十分であることが明らかになり、5月2日、再稼働の延期を発表しています。6月1日には、高浜1号機で火災検知器4基を工事計画とは異なる位置に設置していた不備も発覚しています。再稼動を目指して、10年以上も準備してきたにも拘らず、再稼動直前になっての不備の発覚です。不備に関する自覚が足りないのか、検査・点検の仕方が杜撰なのか? 不備はこれ以外にも、多数あると思われます。発表された不備は氷山の一角かもしれません。なお、ケーブルの火災防護対策の不備は、高浜1、2号機だけではありません。関電は、設計工事計画を無視して、ケーブルの火災防護対策をしないまま高浜3、4号機、大飯3、4号機、美浜3号機を運転しています。対策工事に数年かかるから、関電は対策をせず、規制委もこれを黙認しています。これが岸田政権の宣伝する「世界最高水準に厳しい原子力規制」の実態です。

 さらに、関電は、以下のように、不祥事を繰り返しています。

(1) 2019年に、関電の役員らが元高浜町助役から総額約3億7千万円相当の金品を受領していたこと、福島原発事故以降の電気料金値上げに伴い、経営悪化の責任をとって減額していた役員報酬について、退任した元役員18人に、嘱託報酬として計2億5900万円を不正還流していたこと、役員が税務調査を受けて払った追徴課税の不正補填をしていたことが発覚しました。この不祥事を調査した関電のコンプライアンス委員会は、本年4月に3件の不正取引を公表しました。関電が元助役や町議の関連会社に対し、原発の安全対策工事で出た土砂の処分を高額で発注し、土地や倉庫を借りる際に不当に高額な対価を支払っていました。合わせて87億円以上の損害を関電に与えたとされています。

(2) 2021 年には、関電グループ全体で社員180 人と退職者17人が、国家資格の施工管理技士を不正取得していたことが発覚しています。不正取得者は、原発工事15件にも関係していました。

(3) 2021 年には、電力販売でカルテルを締結していたことも発覚しています。2018 年秋頃から、関電主導で大手電力(中部電力、中国電力、九州電力)が、事業者向けの電力の販売をめぐり、独占禁止法違反のカルテルを結んでいました。公正取引委員会は、中部電力、中国電力、九州電力に総額で1000億円余りの課徴金を命じましたが、主導者である関電は、調査が始まる前に違反行為を自主申告し、課徴金を免れています。

(4) 昨2022 年には、関電の小売部門が送配電子会社の情報に不正アクセスし、競争相手の新電力の顧客情報を盗み見て、営業活動に使っていたことが発覚しました。閲覧した社員の 4 割は「電気事業法上問題になり得る」と認識していました。電力システム改革を否定する違法行為です。

(5) 今年になって、関電の子会社「関西電力送配電」は、法律で義務づけられた電圧の測定に関して、社員が、5年間にわたり捏造した虚偽のデータを報告していたことを明らかにしました。

(6) 関電は2017年以来、何度も「使用済み核燃料の中間貯蔵候補地を福井県外に探す」と明言したにも拘らず、その約束をたびたび反故にしています。関電は、福井県知事の原発再稼働への同意を取り付けるために、何の成算も無く「空約束」を繰返してきたのです。2021年2月にも、候補地提示期限を「2023年末まで」と先送りし、「この期限が守られなければ老朽原発・高浜1、2号機、美浜3号機を停止する」としていますが、いまだに候補地の見通しは示されていません。

 このように、関電は、トラブル、不祥事、約束違反を多発させています。現在科学技術で制御できない原発を、無理矢理稼働させようとするから、トラブルが頻発し、人々を欺かなければならなくなるのです。

 原発は、絶対に過酷事故を起こさないと言い切ることは誰にもできません。もし、過酷事故が起これば、立地自治体だけでなく、広域の周辺自治体の多くの住民が長期の避難を強いられることは、福島原発事故が実証しています。一方、原発を動かせば、何万年もの保管を要する使用済み核燃料がたまりますが、使用済み核燃料の処分法はなく、中間貯蔵を引き受ける所すらありません。したがって、原発稼働に同意権を持つ原発立地自治体の首長や議会の動向は、立地自治体の現在の住民だけでなく、多くの周辺自治体や未来の人々の「命と尊厳」とも深く関わります。

 以上のような視点に立って、「老朽原発うごかすな!実行委員会」に結集する私たちは、「現在および未来の人々の安心・安全を守ること」を責務とされる高浜町長に、老朽原発・高浜1、2号機の再稼働への同意を取り消し、原発との決別を宣言し、「原発に依存しない新しいまちづくり」を進められるよう申し入れます。

別紙

注1 「老朽原発うごかすな!実行委員会」について
(連絡先;事務担当・木原壯林 住所;〒607-8466 京都市山科区上花山桜谷40-5
電話 090-1965-7102 E-メール kiharas-chem@zeus.eonet.ne.jp)
「老朽原発うごかすな!実行委員会」は、全国の団体231と個人854名の賛同を得て、2020年1月18日に結成された「老朽原発うごかすな!大集会inおおさか実行委員会」を、2020年9月20日に改称して結成された団体です。以来、関西、若狭を中心に、各地で「老朽原発うごかすな!」を訴える活動を行っています。現在までに、下記のような集会(集会後にデモ行進)を実行しています。また、若狭の集落から集落をめぐって「原発うごかすな!」を訴えながらチラシを各戸配布する行動(通称アメーバデモ)、一人ひとりが数十メートルの間隔をとって、旗指物、拡声器で「原発反対」を訴えて歩く行動(通称ヒトリデモ:関西各地、若狭で実施)、自動車による街宣、「老朽原発うごかすな!ニュース」の発行などを行っています。

●「老朽原発うごかすな!大集会inおおさか実行委員会」が開催した集会・デモ
2020.9.6 「老朽原発うごかすな!大集会inおおさか」 うつぼ公園 1600人参加
●「老朽原発うごかすな!実行委員会」が開催した集会・デモ
2020.11.23~12.9 関電本店~美浜原発200 kmリレーデモ 延べ約1000人参加
2021.1.24 「関電よ 老朽原発うごかすな!大集会」関電本店前 350人参加
2021.3.20 「関電よ 老朽原発うごかすな!高浜全国集会」 高浜文化会館 400人参加
2021.6.6 「老朽原発うごかすな!大集会inおおさか」 うつぼ公園 1300人参加
2021.6.23 「美浜3号再稼働阻止現地集会」 美浜原発前、原子力事業本部前 350人参加
2022.5.29 「原発のない明日を-老朽原発このまま廃炉!大集会inおおさか」うつぼ公園 2100人参加
2022.7.24 「老朽原発・美浜3号うごかすな!現地全国集会」 美浜町弁天崎、
原子力事業本部前 300人参加
2022.12.4 「老朽原発うごかすな!関電包囲全国集会」 関電本店前 900人参加
2023.3.21~4.2 関電本店~高浜原発230 kmリレーデモ 延べ約900人参加
2023.4.29 「関電よ 老朽原発うごかすな!高浜全国集会」 高浜文化会館 320人参加

注2 高浜町長が、高浜原発1、2号機の再稼働に同意した後(2021年2月1日~)に
高浜原発3、4号機で発生したトラブル

◆老朽原発高浜1、2号機の再稼働を許さない!6.16舞鶴現地行動に参加しよう!

舞鶴市への申入れ・町内デモ・アメーバデモ
京都発/大阪発/滋賀発車両のご案内

2023年6月7日(水》、京都/大阪/滋賀⇔舞鶴現地の日帰りの行程です。
主催:「老朽原発うごかすな!実行委員会」

6月16日の行動予定

舞鶴市役所駐車場に、昼食を済ませて12:45集合 →舞鶴市への申入れ(高浜1.2号機の再稼働容認の取り消しなどを求める)→ 町内をデモ行進→チラシ各戸配布(街宣しながら)→16:00ごろ解散。奮ってご参加ください。

***************乗車申し込み **************

■○印を記入  往路(  )復路(  )
■お名前
■乗車場所〇印を記入   京都(  )、大阪(  )、滋賀(  )
■ ご住所
■ ご所属(あれば)
■ 連絡先(電話;できれば携帯電話)

◆老朽原発高浜1、2号機の再稼働を許さない!6.7高浜現地行動に参加しよう!

高浜町への申入れ・町内デモ・アメーバデモ
京都発/大阪発/滋賀発車両のご案内

2023年6月7日(水》、京都/大阪/滋賀⇔高浜現地の日帰りの行程です。
主催:「老朽原発うごかすな!実行委員会」

6月7日の行動予定

JR若狭高浜駅駐車場に、昼食を済ませて12:00集合
→高浜町内をデモ行進
→高浜町への申入れ(高浜1、2号機の再稼働同意の撤回、及び高浜3、4号機の再稼働に同意するな、などを求める)
→チラシ各戸配布(街宣しながら)
→15:30ごろ解散
奮ってご参加ください。

乗車案内

乗車ご希望の方は下記『乗車申し込み」の内容を「申し込み先」までお知らせください。
■京都発車両
 ▼往路8:15集合(京都駅八条ロアバンテイ西南)→8:30出発→昼食を済ませ
12:00までにJR若狭高浜駅到着
 申し込み先 090-5676-7068(橋田)
■大阪発車両
 ▼往路81:15集合(新大阪駅正面口)→8:30出発→昼食を済ませ12:00までに
JR若狭高浜駅到着
 申し込み先 090-9540‐1959(松原)
■滋賀発車両
 ▼往路18:45集合(大津裁判所前)→9:00出発→昼食を済ませ12:00までに
JR若狭高浜駅到着(ご希望があれば「妹子の里」乗車も可能)
 申し込み先 090-9213-7395(木戸)

復路はいずれも15:30にJR若狭高浜駅出発

☆乗車費用等詳細は、橋田(099-5676-7068)にお尋ねください。
☆諸注意
①当日の昼食は、各自ご持参ください。高浜で買い求めも可能。
②マスクを装着願います。
③集合時間厳守でお願いします。
***************乗車申し込み**************
■○印を記入 往路(  ) 復路(  )
■お名前
■乗車場所○印を記入 京都(  )、大阪(  )、滋賀(  )
■ご住所
■ご所属(あれば)
■連絡先(電話;できれば携帯電話)

◆報告とお礼~4/29、320人の参加で高浜全国集会および町内デモ

【2023年5月1日。京都キンカンほかで配付】
【PDF(チラシ)→tirasi2023-04-29[2 MB]
【PDF(関電への申入書)→tirasi2023-04-29-kanden[548 KB]

報告とお礼

320人の参加で
『関電よ 老朽原発うごかすな!』
『岸田政権の原発暴走NO!』
高浜全国集会および町内デモ

 岸田政権は、一昨年10月に決定した「エネルギー基本計画」で「原発の新増設や建て替えは想定しない」としていましたが、決定から1年も経ない昨年8月、この基本計画まで無視し、また、原発の運転期間は最大60年とした法律を蔑ろにして、「原発依存社会」への方向転換を表明しました。

 岸田政権は、①原発の停止期間を運転期間から除くことによって、原発の60年を超える運転を可能にしようとしています。しかし、世界にも、60年を超えて原発を運転した経験はありません、最古の原発でも、運転期間は53年です。

 また、②廃炉になった原発の代わりに革新型原子炉、新型小型原子炉を建設するとしていますが、これらの原子炉は、過酷事故の危険性や何万年もの保管を要する使用済み核燃料を残す点では、従来の大型原子炉と変わりません。「革新」や「小型」の言葉遊びで人々を騙そうとしているのです。

 さらに、③破綻した高速炉、60年以上も膨大な研究予算を投下し続けたにもかかわらず、いまだに実用の兆候も見えない高温ガス炉や核融合の開発を新しいテーマのごとく取り上げて、膨大な予算を投下しようとしています。

 岸田政権は、原子炉の安全対策、原子炉材料、放射性廃棄物の処理処分などの科学・技術にほとんど進歩がないにも拘わらず、原発関連大企業などの「原子力ムラ」の救済のために、原発推進を「決断と実行」(自民党ポスター)しようとしています。岸田首相がどう願望しようとも、経済的利益や政治的思惑で科学・技術が急に進歩することはありません。

 岸田政権は、「原発依存社会」に向かって、5法案(原子力基本法、電気事業法、原子炉等規制法、再処理等拠出金法、再生可能エネルギー特別措置法)を、エネルギーの安定供給、脱炭素に関わるとして、束ねて(「束ね法案」として)今開催中の通常国会に提出し、審議を尽くすこともなく、4月27日、衆議院で強行可決し、参議院に送りました。「束ね法案」は「GX脱炭素電源法」と名付けられ、原発関連法改悪をその中に紛れ込ませて(「原発」の文字を隠して)いるのです。人々を、だまし、あざむく行為です!

 この「束ね法案」では、原子力の憲法・原子力基本法(1955年に「自主・民主・公開」による原子力の平和利用と原発の安全確保をうたって制定)を改悪し、『原発活用で電力の安定供給や脱炭素社会の実現に貢献することを「国の責務」と位置付ける項目を新設するとしています。また、原発運転期間に関する規定を、環境省(規制側)所管の原子炉等規制法から削除し、経産省(利用側)所管の電気事業法に移そうとしています。福島原発事故の教訓の上に、原発の「利用と規制」を分離した経緯を無視し、運転期間の判断を利用側の経産省に委ねる改悪です。

 「原発依存社会」へ暴走する政府の先兵が関電です。関電は、運転開始後46年を超えた老朽原発・美浜3号機を運転し、48年、47年超えの老朽原発・高浜1、2号機を近々再稼働させようとし、38年、37年超えの高浜原発3、4号機の40年超え運転を原子力規制委員会に申請しています。

 しかし、関電の原発では、トラブルが頻発しています。中でも、高温・高圧水が流れる、蒸気発生器伝熱管などの一次冷却系配管の損傷の多発は深刻です。一次冷却系配管が完全破断すれば、一次冷却水が噴出し、原子炉が空焚きになり、メルトダウンに至る危険があるからです。また、去る1月30日に高浜4号機で発生した制御棒の異常挿入も、制御棒は原子炉のブレーキであるだけに、深刻です。さらに、美浜3号機でも、再稼働以来の運転期間は1年にも満たないにもかかわらず、4度ものトラブルが発生していることも見過ごせません。原発過酷事故の不安は、益々大きくなっています。

 今、電気は足りています。余っています。電力がひっ迫するのは、1年のうちの数日です。それも1日の内の数時間です。このような一時的な電力ひっ迫は、節電によって乗り切れます。電力逼迫をことさら喧伝し、負の遺産・使用済み核  燃料を増やし、過酷事故を起こしかねない原発を推進する政府や電力会社を許してはなりません。

 今こそ、目に見える行動に立たなければなりません。トラブル続きの老朽原発・美浜3号機の運転を止めさせ、老朽原発・高浜1、2号機の再稼動を阻止し、それを突破口に、原発全廃の大きなうねりを形成しましょう!

「4.29高浜全国集会」で「老朽原発うごかすな!」の決意を固め、
町内デモで高浜町民に「原発のない社会」をアピール
「前段行動」では、関電に抗議と申し入れ

 「老朽原発うごかすな!実行委員会」が、4月29日に開催した「関電よ 老朽原発うごかすな!高浜全国集会」および町内デモには約320 人が参加されました。また、この集会の前段として行われた、高浜原発周辺でのデモ行進、抗議・申し入れ集会には約200人が結集され、抗議行動の行われた北ゲート前広場は溢れかえりました。

 高浜町文化会館での全国集会では様々な地域、多様な団体からの発言がありました。
・中嶌哲演さんの「福島原発事故直後に短期間の集中審議で脱原発への道を切り開いたドイツの倫理委員会の日本版を作って、老朽原発再稼働が進む危機的な状況を打開しよう」と訴える主催者挨拶、
・若狭の原発の風下・名古屋、岐阜から大型バスで駆け付けた36人の代表の「弱い者にしわ寄せを強いる原発に抗う行動を!」との訴えに続き、
・井戸謙一弁護士の「人災は騙されたころにやってくる、今、原発に関して騙される人が増えているかもしれない。これを押し返さなければならない」とするメッセージが紹介されました。
・さらに、
「なくそう原発・核燃,あおもりネットワーク」
「とめよう!東海第二原発 首都圏連絡会」
「伊方から原発をなくす会」
「ストップ川内原発!3.11鹿児島実行委員会」
「原発賠償関西訴訟原告団」
からの挨拶(代読を含む)が続き、
・地元・若狭湾沿岸の
「原発設置反対小浜市民の会」
「福井の老朽原発訴訟の会」
「原発ゼロをめざす宮津・与謝ネットワーク」、
・労働組合関係から
「ユニオンネットワーク・京都」
「フォーラム平和関西ブロック」
「福井県労働組合総連合」
「京都地方労働組合総評議会」のご挨拶を頂きました。
・いずれにも大きな拍手がわきました。集会は、集会決議(後段参照)の採択とシュプレヒコールによって締めくくられました。

 集会では、全国ほぼ全ての原発、核施設立地で闘う皆さんから寄せられ、原発、核施設の現状、運動の様子をまとめたメッセージ集も配布されました。

 集会後は、旧街道を経由して、「老朽原発動かすな!」を訴える力強いコールを挙げながら、町内デモを敢行しました。

 デモは、狭い街道ながら、道一杯に拡がり、フランスデモの様相を呈するものとなりました。窓を開けて見ている人、玄関前で手を振ってくれる人、感謝を述べる人、声援くださる人など、今まで以上に多数の住民の、目に見える形での激励を得ることができました。反原発の願いの大きさを実感しました。

4.29「高浜全国集会」にご参加、ご支援
いただきました皆様、有難うございました

老朽原発うごかすな!実行委員会
連絡先090-1965-7102(木原)

▼音海展望台から高浜原発北門前へ

▼高浜原発北門前 抗議行動

▼4.29高浜全国集会

▼高浜町内デモ

▼2023年4月30日中日新聞

▼2023年4月30日県民福井

▼2023年4月30日しんぶん赤旗

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◆4.29「関電よ 老朽原発うごかすな!
~岸田政権の原発暴走NO!~」高浜全国集会  集会決議
└─────────────

 原発は、現在科学技術で制御できる装置でないことを、発生後12年を経た福島原発事故が、大きな犠牲の上に教えています。そ原発が老朽化すれば、危険度が急増することは多くが指摘するところです。

 それでも、岸田政権は、原発運転期間は原則40年、最長でも60年とした法律を骨抜きにし、原発の60年超え運転を画策しています。しかし、世界にも、60年を超えて運転した原発はありません。最長でも、運転期間は53年です。地震、火山噴火、津波の多発する日本での60年超え運転は、無謀で、福島原発事故の犠牲と教訓を蹂躙するものです。

 さらに、岸田政権は、昨年8月、何の議論もなく唐突に、革新型原子炉、新型小型原子炉を建設する方針に転換しました。しかし、これらの原子炉は、過酷事故の危険性や何万年もの保管を要する使用済み核燃料を残す点では、従来の原子炉と変わるところがありません。

 岸田首相がいかに願望しようとも、経済的利益や政治的な思惑で、科学・技術が急に進歩することはありません。原発の老朽化を防ぐ技術や原発の安全性が急に向上することはありません。
ところで、4月15日に脱原発を完成させたドイツは、福島原発事故直後から脱原発を進め、再生可能エネルギーの割合を2割から5割に増加させています。一方、福島原発事故の当事国・日本は、原発維持に固執したため、再生可能エネルギーの割合は、1割から2割に増加させたに過ぎません。長期にわたる自公政権のエネルギー政策の失敗の結果、脱原発の流れに乗り遅れたのです。岸田政権は、その失政を取り繕うために、さらに大きな過ち「原発依存社会」に向かって暴走しています。奈落の底「原発過酷事故」に突き進んでいます。

 今、国会では、「原発依存社会」に関かわる5法案の改悪に向けて、審議が大詰めを迎えています。このいわゆる「束ね法案」では、原子力の憲法・原子力基本法を改悪し、原発活用で電力の安定供給や脱炭素社会の実現に貢献することを「国の責務」と位置づける項目を新設するとしています。また、原発運転期間に関する規定を、原発規制側の環境省所管の原子炉等規制法から削除し、原発利用側の経産省所管の電気事業法に移そうとしています。福島原発事故の教訓の上に、原発の「利用と規制」を分離した経緯を無視し、運転期間の判断を利用側に立つ経産省にゆだねる改悪です。許してはなりません。

 一方、原発トラブルを頻発させ、原発マネー不祥事や法令違反を繰り返している関電は、反省することもなく、岸田政権の尖兵として、運転開始後46年を超えた、老朽原発・美浜3号機を運転し、48年、47年超えの老朽原発・高浜1、2号機を、6月までにも再稼動させようとしています。「原発依存社会」への暴走を先導しよういているのです。

 今こそ、「原発全廃」「原発依存社会に暴走する政府はいらない」を掲げた目に見える行動に起たなければなりません。

 本日、高浜全国集会に結集した私たちは、危険極まりない老朽原発・美浜3号機の運転、高浜1、2号機の再稼慟を阻止し、それを突破口に、原発全廃の大世論を形成し、原発のない、人の命と尊厳が大切にされる社会を実現することを決議します。

2023年4月29日
「関電よ 老朽原発うごかすな! 高浜全国集会」参加者一同

老朽原発・美浜3号機、高浜1、2号機、東海第2原発の即時廃炉を勝ち取り、
それを突破口に、核燃料、化石燃料に依存しない社会を実現しよう!
川内原発1、2号機、高浜原発3、4号機の40年超え運転を許すな!
「原発依存社会」へ暴走する岸田政権を打倒しよう!

┌─────────────
◆関電への申し入れ(4/29 高浜原発で提出)
└─────────────

関西電力株式会社:
  取締役会長 榊原 定征 様、
  取締役社長 森望様、
  原子力事業本部長 松村 孝夫 様、
  高浜発電所長 木島 和夫 様

申し入れ書

 福島原発事故から12年が経ちましたが、避難者の多くは今でも故郷を奪われたままです。事故収束の見通しは立たず、トリチウムだけでなく、除去されなかった放射性物質を含む大量の汚染水が太平洋にたれ流されようとしています。原発過酷事故は、被害の甚大さ、事故処理の困難さなどにおいて、他の事故とは比較にならないほど深刻です。
その原発が老朽化すれば、原子炉圧力容器の脆化や配管、配線の損傷などが進み、過酷事故の危険度が急増することは多くが指摘するところです。

 また、原発を動かせば、何万年もの保管を要する使用済み核燃料がたまりますが、その永久保管はおろか、中間貯蔵すら引き受ける所もないことは、貴関西電力(関電)がよくご存じのことです。関電は、何度も「使用済み核燃料の中間貯蔵地を福井県外に探す」と、期限を切って約束しましたが、その約束を全て反故にしています。一昨年2月にも、「2023年末までに候補地を提示できなければ、老朽原発を停止する」として、福井県知事の老朽原発再稼働への同意を取り付けましたが、いまだに候補地の目途はたっていません。

 したがって、原発、とくに老朽原発を運転することが説得力を持つはずがありません。原発は、元、前原子力規制委員長も指摘するように、新規制基準に適合したからといって、安全が保障されているものではありません。
ところで、貴関電は、「原発マネー不正還流」不祥事を反省して、体制を一新したはずなのに、不祥事はその後も次々に発覚しています。

・2019年に発覚した「原発マネー不正還流」は、最悪の幹部腐敗です。役員など20名余が、高浜町の森山栄治元助役やその関連会社から計約3億6千万円の金品を平然と受け取り、しかもそれを隠そうとしてきました。その上、減額された役員報酬や追徴課税分の闇補填など、きわめて悪質です。

・2021年には、公正取引委員会が、関電のほか、中部電力と販売子会社の中部電カミライズ、中国電力、九州電力の5社に対し、独占禁止法違反のカルテルの疑いで立ち入り検査を行いました。このカルテルを主導したのは、関電とのことですが、関電は課徴金を免れています。電力システム改革が目指す自由で公正な競争を否定するものです。課徴金を免れたからと言って、責任を取らなくて良いはずはありません。

・2022年には、関電の小売部門が、子会社の関西電力送配電の情報に不正アクセスしていたという報道がありました。その後、不正閲覧は、広範に行われていたことが判明しています。経産省サイトの新電力情報の不正閲覧も指摘されています。電力システム改革の根本を否定する違法行為によって得た情報を、自社営業活動に利用することについて、何の疑問も抱かなかったのでしょうか。

・2022年には施工管理技士の国家資格の不正取得、2023年には関西電力送配電が法律で義務付けられた電圧の測定を怠り記録を捏造していたことが、報道されています。

 このように、関電は、企業倫理、法令順守の精神に著しく欠けた企業であるとの誹りは免れません。

 このような企業が、ひとたび過酷事故が起これば、極めて広範囲、長期にわたって甚大な災害をもたらす原発を「事故なく運転する」と主張しても、信用できる筈がありません。事実、過酷事故には至っていないものの、関電の原発では、トラブルが頻発しています。
なぜ、このように不祥事、約束違反、トラブルが多発するのでしょうか?

 それは、本来、現在科学技術で制御できない原発を、無理矢理稼働させようとするから、人々を欺かなければならなくなり、そこに闇の部分が発生するためではないでしょうか?

 このことを福島原発事故直後にいち早く認識したドイツは、その後、脱原発を進め、再生可能エネルギーの割合を2割から5割に増加させ、去る4月15日に脱原発を達成しています。一方、福島原発事故の当事国・日本は、原発維持に固執したため、再生可能エネルギーの割合は、1割から2割に増加させたに過ぎません。福島事故後のエネルギー政策の失敗の結果、脱原発の流れに乗り遅れたのです。岸田政権や関電はその失敗を取り繕うために、さらに大きな過ち「原発依存社会」に向かって暴走しています。奈落の底「原発過酷事故」に突き進んでいるのかも知れません。
 ところで、今、電気は足りています。余っています。電力がひっ迫するのは、1年のうちの数日です。それも1日の中の数時間です。このような一時的な電力ひっ迫は、節電によって乗り切れます。このことは昨年3月の地震と寒波に起因する東北、東京エリアでの電力不足、6月末から7月にかけての猛暑による電力不足を、節電で乗り越えた実績が証明しています。したがって、放射線被ばくを強い、子々孫々にまで負の遺産・使用済み核燃料を残す原発を稼働させる必要は全くありません。

 私たちは、貴関電も、ドイツ、イタリア、台湾と同様に一刻も早く原発と決別し、自然エネルギーの活用で世界をリードする電力会社へと脱皮されることを期待し、以下を申し入れます。

【1】危険極まりない老朽原発・美浜3号機の運転を中止し、老朽原発・高浜1、2号機の再稼働、高浜原発3、4号機の40年超え運転を断念し、これらの原発の即時廃炉を決定してください。
【2】原発を動かせば、行き場がなく、子々孫々にまで負の遺産となる使用済み核燃料が増加します。貴関電の有する全ての原発を停止し、安全な廃炉を進めてください。
【3】一刻も早く原発と決別し、核燃料、化石燃料を使わない発電に転換してください。公益事業体として、環境の保全と人類の明るい未来のために、自然エネルギーによる発電法、大容量蓄電法、省エネ技術の開発と普及に努めてください。

 なお、貴職らが、圧倒的な「老朽原発うごかすな!」の民意を蹂躙して老朽原発を稼働させ、重大事故が起こった場合、それは貴職らの故意による犯罪であり、許されるものではないことを申し添えます。

2023年4月29日
「関電よ 老朽原発うごかすな! 高浜全国集会前段行動」参加者一同
(連絡先;木原:090-1965-7102)