◆報告とお礼~4/29、320人の参加で高浜全国集会および町内デモ

【2023年5月1日。京都キンカンほかで配付】
【PDF(チラシ)→tirasi2023-04-29[2 MB]
【PDF(関電への申入書)→tirasi2023-04-29-kanden[548 KB]

報告とお礼

320人の参加で
『関電よ 老朽原発うごかすな!』
『岸田政権の原発暴走NO!』
高浜全国集会および町内デモ

 岸田政権は、一昨年10月に決定した「エネルギー基本計画」で「原発の新増設や建て替えは想定しない」としていましたが、決定から1年も経ない昨年8月、この基本計画まで無視し、また、原発の運転期間は最大60年とした法律を蔑ろにして、「原発依存社会」への方向転換を表明しました。

 岸田政権は、①原発の停止期間を運転期間から除くことによって、原発の60年を超える運転を可能にしようとしています。しかし、世界にも、60年を超えて原発を運転した経験はありません、最古の原発でも、運転期間は53年です。

 また、②廃炉になった原発の代わりに革新型原子炉、新型小型原子炉を建設するとしていますが、これらの原子炉は、過酷事故の危険性や何万年もの保管を要する使用済み核燃料を残す点では、従来の大型原子炉と変わりません。「革新」や「小型」の言葉遊びで人々を騙そうとしているのです。

 さらに、③破綻した高速炉、60年以上も膨大な研究予算を投下し続けたにもかかわらず、いまだに実用の兆候も見えない高温ガス炉や核融合の開発を新しいテーマのごとく取り上げて、膨大な予算を投下しようとしています。

 岸田政権は、原子炉の安全対策、原子炉材料、放射性廃棄物の処理処分などの科学・技術にほとんど進歩がないにも拘わらず、原発関連大企業などの「原子力ムラ」の救済のために、原発推進を「決断と実行」(自民党ポスター)しようとしています。岸田首相がどう願望しようとも、経済的利益や政治的思惑で科学・技術が急に進歩することはありません。

 岸田政権は、「原発依存社会」に向かって、5法案(原子力基本法、電気事業法、原子炉等規制法、再処理等拠出金法、再生可能エネルギー特別措置法)を、エネルギーの安定供給、脱炭素に関わるとして、束ねて(「束ね法案」として)今開催中の通常国会に提出し、審議を尽くすこともなく、4月27日、衆議院で強行可決し、参議院に送りました。「束ね法案」は「GX脱炭素電源法」と名付けられ、原発関連法改悪をその中に紛れ込ませて(「原発」の文字を隠して)いるのです。人々を、だまし、あざむく行為です!

 この「束ね法案」では、原子力の憲法・原子力基本法(1955年に「自主・民主・公開」による原子力の平和利用と原発の安全確保をうたって制定)を改悪し、『原発活用で電力の安定供給や脱炭素社会の実現に貢献することを「国の責務」と位置付ける項目を新設するとしています。また、原発運転期間に関する規定を、環境省(規制側)所管の原子炉等規制法から削除し、経産省(利用側)所管の電気事業法に移そうとしています。福島原発事故の教訓の上に、原発の「利用と規制」を分離した経緯を無視し、運転期間の判断を利用側の経産省に委ねる改悪です。

 「原発依存社会」へ暴走する政府の先兵が関電です。関電は、運転開始後46年を超えた老朽原発・美浜3号機を運転し、48年、47年超えの老朽原発・高浜1、2号機を近々再稼働させようとし、38年、37年超えの高浜原発3、4号機の40年超え運転を原子力規制委員会に申請しています。

 しかし、関電の原発では、トラブルが頻発しています。中でも、高温・高圧水が流れる、蒸気発生器伝熱管などの一次冷却系配管の損傷の多発は深刻です。一次冷却系配管が完全破断すれば、一次冷却水が噴出し、原子炉が空焚きになり、メルトダウンに至る危険があるからです。また、去る1月30日に高浜4号機で発生した制御棒の異常挿入も、制御棒は原子炉のブレーキであるだけに、深刻です。さらに、美浜3号機でも、再稼働以来の運転期間は1年にも満たないにもかかわらず、4度ものトラブルが発生していることも見過ごせません。原発過酷事故の不安は、益々大きくなっています。

 今、電気は足りています。余っています。電力がひっ迫するのは、1年のうちの数日です。それも1日の内の数時間です。このような一時的な電力ひっ迫は、節電によって乗り切れます。電力逼迫をことさら喧伝し、負の遺産・使用済み核  燃料を増やし、過酷事故を起こしかねない原発を推進する政府や電力会社を許してはなりません。

 今こそ、目に見える行動に立たなければなりません。トラブル続きの老朽原発・美浜3号機の運転を止めさせ、老朽原発・高浜1、2号機の再稼動を阻止し、それを突破口に、原発全廃の大きなうねりを形成しましょう!

「4.29高浜全国集会」で「老朽原発うごかすな!」の決意を固め、
町内デモで高浜町民に「原発のない社会」をアピール
「前段行動」では、関電に抗議と申し入れ

 「老朽原発うごかすな!実行委員会」が、4月29日に開催した「関電よ 老朽原発うごかすな!高浜全国集会」および町内デモには約320 人が参加されました。また、この集会の前段として行われた、高浜原発周辺でのデモ行進、抗議・申し入れ集会には約200人が結集され、抗議行動の行われた北ゲート前広場は溢れかえりました。

 高浜町文化会館での全国集会では様々な地域、多様な団体からの発言がありました。
・中嶌哲演さんの「福島原発事故直後に短期間の集中審議で脱原発への道を切り開いたドイツの倫理委員会の日本版を作って、老朽原発再稼働が進む危機的な状況を打開しよう」と訴える主催者挨拶、
・若狭の原発の風下・名古屋、岐阜から大型バスで駆け付けた36人の代表の「弱い者にしわ寄せを強いる原発に抗う行動を!」との訴えに続き、
・井戸謙一弁護士の「人災は騙されたころにやってくる、今、原発に関して騙される人が増えているかもしれない。これを押し返さなければならない」とするメッセージが紹介されました。
・さらに、
「なくそう原発・核燃,あおもりネットワーク」
「とめよう!東海第二原発 首都圏連絡会」
「伊方から原発をなくす会」
「ストップ川内原発!3.11鹿児島実行委員会」
「原発賠償関西訴訟原告団」
からの挨拶(代読を含む)が続き、
・地元・若狭湾沿岸の
「原発設置反対小浜市民の会」
「福井の老朽原発訴訟の会」
「原発ゼロをめざす宮津・与謝ネットワーク」、
・労働組合関係から
「ユニオンネットワーク・京都」
「フォーラム平和関西ブロック」
「福井県労働組合総連合」
「京都地方労働組合総評議会」のご挨拶を頂きました。
・いずれにも大きな拍手がわきました。集会は、集会決議(後段参照)の採択とシュプレヒコールによって締めくくられました。

 集会では、全国ほぼ全ての原発、核施設立地で闘う皆さんから寄せられ、原発、核施設の現状、運動の様子をまとめたメッセージ集も配布されました。

 集会後は、旧街道を経由して、「老朽原発動かすな!」を訴える力強いコールを挙げながら、町内デモを敢行しました。

 デモは、狭い街道ながら、道一杯に拡がり、フランスデモの様相を呈するものとなりました。窓を開けて見ている人、玄関前で手を振ってくれる人、感謝を述べる人、声援くださる人など、今まで以上に多数の住民の、目に見える形での激励を得ることができました。反原発の願いの大きさを実感しました。

4.29「高浜全国集会」にご参加、ご支援
いただきました皆様、有難うございました

老朽原発うごかすな!実行委員会
連絡先090-1965-7102(木原)

▼音海展望台から高浜原発北門前へ

▼高浜原発北門前 抗議行動

▼4.29高浜全国集会

▼高浜町内デモ

▼2023年4月30日中日新聞

▼2023年4月30日県民福井

▼2023年4月30日しんぶん赤旗

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◆4.29「関電よ 老朽原発うごかすな!
~岸田政権の原発暴走NO!~」高浜全国集会  集会決議
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 原発は、現在科学技術で制御できる装置でないことを、発生後12年を経た福島原発事故が、大きな犠牲の上に教えています。そ原発が老朽化すれば、危険度が急増することは多くが指摘するところです。

 それでも、岸田政権は、原発運転期間は原則40年、最長でも60年とした法律を骨抜きにし、原発の60年超え運転を画策しています。しかし、世界にも、60年を超えて運転した原発はありません。最長でも、運転期間は53年です。地震、火山噴火、津波の多発する日本での60年超え運転は、無謀で、福島原発事故の犠牲と教訓を蹂躙するものです。

 さらに、岸田政権は、昨年8月、何の議論もなく唐突に、革新型原子炉、新型小型原子炉を建設する方針に転換しました。しかし、これらの原子炉は、過酷事故の危険性や何万年もの保管を要する使用済み核燃料を残す点では、従来の原子炉と変わるところがありません。

 岸田首相がいかに願望しようとも、経済的利益や政治的な思惑で、科学・技術が急に進歩することはありません。原発の老朽化を防ぐ技術や原発の安全性が急に向上することはありません。
ところで、4月15日に脱原発を完成させたドイツは、福島原発事故直後から脱原発を進め、再生可能エネルギーの割合を2割から5割に増加させています。一方、福島原発事故の当事国・日本は、原発維持に固執したため、再生可能エネルギーの割合は、1割から2割に増加させたに過ぎません。長期にわたる自公政権のエネルギー政策の失敗の結果、脱原発の流れに乗り遅れたのです。岸田政権は、その失政を取り繕うために、さらに大きな過ち「原発依存社会」に向かって暴走しています。奈落の底「原発過酷事故」に突き進んでいます。

 今、国会では、「原発依存社会」に関かわる5法案の改悪に向けて、審議が大詰めを迎えています。このいわゆる「束ね法案」では、原子力の憲法・原子力基本法を改悪し、原発活用で電力の安定供給や脱炭素社会の実現に貢献することを「国の責務」と位置づける項目を新設するとしています。また、原発運転期間に関する規定を、原発規制側の環境省所管の原子炉等規制法から削除し、原発利用側の経産省所管の電気事業法に移そうとしています。福島原発事故の教訓の上に、原発の「利用と規制」を分離した経緯を無視し、運転期間の判断を利用側に立つ経産省にゆだねる改悪です。許してはなりません。

 一方、原発トラブルを頻発させ、原発マネー不祥事や法令違反を繰り返している関電は、反省することもなく、岸田政権の尖兵として、運転開始後46年を超えた、老朽原発・美浜3号機を運転し、48年、47年超えの老朽原発・高浜1、2号機を、6月までにも再稼動させようとしています。「原発依存社会」への暴走を先導しよういているのです。

 今こそ、「原発全廃」「原発依存社会に暴走する政府はいらない」を掲げた目に見える行動に起たなければなりません。

 本日、高浜全国集会に結集した私たちは、危険極まりない老朽原発・美浜3号機の運転、高浜1、2号機の再稼慟を阻止し、それを突破口に、原発全廃の大世論を形成し、原発のない、人の命と尊厳が大切にされる社会を実現することを決議します。

2023年4月29日
「関電よ 老朽原発うごかすな! 高浜全国集会」参加者一同

老朽原発・美浜3号機、高浜1、2号機、東海第2原発の即時廃炉を勝ち取り、
それを突破口に、核燃料、化石燃料に依存しない社会を実現しよう!
川内原発1、2号機、高浜原発3、4号機の40年超え運転を許すな!
「原発依存社会」へ暴走する岸田政権を打倒しよう!

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◆関電への申し入れ(4/29 高浜原発で提出)
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関西電力株式会社:
  取締役会長 榊原 定征 様、
  取締役社長 森望様、
  原子力事業本部長 松村 孝夫 様、
  高浜発電所長 木島 和夫 様

申し入れ書

 福島原発事故から12年が経ちましたが、避難者の多くは今でも故郷を奪われたままです。事故収束の見通しは立たず、トリチウムだけでなく、除去されなかった放射性物質を含む大量の汚染水が太平洋にたれ流されようとしています。原発過酷事故は、被害の甚大さ、事故処理の困難さなどにおいて、他の事故とは比較にならないほど深刻です。
その原発が老朽化すれば、原子炉圧力容器の脆化や配管、配線の損傷などが進み、過酷事故の危険度が急増することは多くが指摘するところです。

 また、原発を動かせば、何万年もの保管を要する使用済み核燃料がたまりますが、その永久保管はおろか、中間貯蔵すら引き受ける所もないことは、貴関西電力(関電)がよくご存じのことです。関電は、何度も「使用済み核燃料の中間貯蔵地を福井県外に探す」と、期限を切って約束しましたが、その約束を全て反故にしています。一昨年2月にも、「2023年末までに候補地を提示できなければ、老朽原発を停止する」として、福井県知事の老朽原発再稼働への同意を取り付けましたが、いまだに候補地の目途はたっていません。

 したがって、原発、とくに老朽原発を運転することが説得力を持つはずがありません。原発は、元、前原子力規制委員長も指摘するように、新規制基準に適合したからといって、安全が保障されているものではありません。
ところで、貴関電は、「原発マネー不正還流」不祥事を反省して、体制を一新したはずなのに、不祥事はその後も次々に発覚しています。

・2019年に発覚した「原発マネー不正還流」は、最悪の幹部腐敗です。役員など20名余が、高浜町の森山栄治元助役やその関連会社から計約3億6千万円の金品を平然と受け取り、しかもそれを隠そうとしてきました。その上、減額された役員報酬や追徴課税分の闇補填など、きわめて悪質です。

・2021年には、公正取引委員会が、関電のほか、中部電力と販売子会社の中部電カミライズ、中国電力、九州電力の5社に対し、独占禁止法違反のカルテルの疑いで立ち入り検査を行いました。このカルテルを主導したのは、関電とのことですが、関電は課徴金を免れています。電力システム改革が目指す自由で公正な競争を否定するものです。課徴金を免れたからと言って、責任を取らなくて良いはずはありません。

・2022年には、関電の小売部門が、子会社の関西電力送配電の情報に不正アクセスしていたという報道がありました。その後、不正閲覧は、広範に行われていたことが判明しています。経産省サイトの新電力情報の不正閲覧も指摘されています。電力システム改革の根本を否定する違法行為によって得た情報を、自社営業活動に利用することについて、何の疑問も抱かなかったのでしょうか。

・2022年には施工管理技士の国家資格の不正取得、2023年には関西電力送配電が法律で義務付けられた電圧の測定を怠り記録を捏造していたことが、報道されています。

 このように、関電は、企業倫理、法令順守の精神に著しく欠けた企業であるとの誹りは免れません。

 このような企業が、ひとたび過酷事故が起これば、極めて広範囲、長期にわたって甚大な災害をもたらす原発を「事故なく運転する」と主張しても、信用できる筈がありません。事実、過酷事故には至っていないものの、関電の原発では、トラブルが頻発しています。
なぜ、このように不祥事、約束違反、トラブルが多発するのでしょうか?

 それは、本来、現在科学技術で制御できない原発を、無理矢理稼働させようとするから、人々を欺かなければならなくなり、そこに闇の部分が発生するためではないでしょうか?

 このことを福島原発事故直後にいち早く認識したドイツは、その後、脱原発を進め、再生可能エネルギーの割合を2割から5割に増加させ、去る4月15日に脱原発を達成しています。一方、福島原発事故の当事国・日本は、原発維持に固執したため、再生可能エネルギーの割合は、1割から2割に増加させたに過ぎません。福島事故後のエネルギー政策の失敗の結果、脱原発の流れに乗り遅れたのです。岸田政権や関電はその失敗を取り繕うために、さらに大きな過ち「原発依存社会」に向かって暴走しています。奈落の底「原発過酷事故」に突き進んでいるのかも知れません。
 ところで、今、電気は足りています。余っています。電力がひっ迫するのは、1年のうちの数日です。それも1日の中の数時間です。このような一時的な電力ひっ迫は、節電によって乗り切れます。このことは昨年3月の地震と寒波に起因する東北、東京エリアでの電力不足、6月末から7月にかけての猛暑による電力不足を、節電で乗り越えた実績が証明しています。したがって、放射線被ばくを強い、子々孫々にまで負の遺産・使用済み核燃料を残す原発を稼働させる必要は全くありません。

 私たちは、貴関電も、ドイツ、イタリア、台湾と同様に一刻も早く原発と決別し、自然エネルギーの活用で世界をリードする電力会社へと脱皮されることを期待し、以下を申し入れます。

【1】危険極まりない老朽原発・美浜3号機の運転を中止し、老朽原発・高浜1、2号機の再稼働、高浜原発3、4号機の40年超え運転を断念し、これらの原発の即時廃炉を決定してください。
【2】原発を動かせば、行き場がなく、子々孫々にまで負の遺産となる使用済み核燃料が増加します。貴関電の有する全ての原発を停止し、安全な廃炉を進めてください。
【3】一刻も早く原発と決別し、核燃料、化石燃料を使わない発電に転換してください。公益事業体として、環境の保全と人類の明るい未来のために、自然エネルギーによる発電法、大容量蓄電法、省エネ技術の開発と普及に努めてください。

 なお、貴職らが、圧倒的な「老朽原発うごかすな!」の民意を蹂躙して老朽原発を稼働させ、重大事故が起こった場合、それは貴職らの故意による犯罪であり、許されるものではないことを申し添えます。

2023年4月29日
「関電よ 老朽原発うごかすな! 高浜全国集会前段行動」参加者一同
(連絡先;木原:090-1965-7102)