◆ 「原発なくそう宇治の会」の勉強会へ

「原発なくそう宇治の会」は,原発について連続学習会を開いています。3月3日の第5回学習会には,大飯原発差止訴訟について,竹本修三原告団長の講演と,吉田明生事務局長の訴えを行ってきました。

  • 竹本修三原告団長…「原発事故に伴う低線量被曝の影響」–福島から見えてくるもの。
  • 吉田明生事務局長…大飯原発差止訴訟について。

【大飯原発差止訴訟について<メモ>】

  • 裁判とは…分立した三権の一つである司法の判断。
    ・刑事訴訟…犯罪など刑法に触れる事案の責任。検察官が裁判を起こす(起訴する)。
    ・民事訴訟…私人どうしの権利と義務の関係の争い。だれでも裁判に訴えることができる。
     訴えた人が原告。訴えられた人が被告。
    ・行政訴訟…民事訴訟の一つ。国や地方自治体など,行政機関の行政処分について。
    ・裁判の三審制…地裁→(控訴)→高裁→(上告)→最高裁。
     裁判官は「憲法と裁判官の良心に従う」ことが原則。最高裁の統制?
  • これまでの原発訴訟
    ・ほとんどが敗訴。
     岩波新書「原発訴訟」海渡雄一…司法は「原発」をどう裁いてきたか。
     岩波新書「原発を終わらせる」石橋克彦…事故を検証し,原発の問題性をあらためて指摘。
    ・志賀原子力発電所2号原子炉運転差止請求事件(金沢地方裁判所)…井戸謙一裁判長。
     2006年,耐震性の疑問に対し金沢地方裁判所より2号機に対し運転差し止め命令が命じられる。
     北陸電力側はただちに控訴,運転を止める予定はないと表明。
     しかし後に,タービン関連のトラブルで停止している間に耐震強度を高める工事を行っていた。
  • 現在の原発関係裁判…脱原発弁護団全国連絡会
    (1)原子力発電所の停止を求める裁判
    ・全国の原発でたくさんの訴訟がある…その一つが,大飯原発差止訴訟
    (2)福島第一原発事故の被害の補償を求める裁判
    ・福島原発避難者訴訟…福島原発事故によって避難を余儀なくされた住民が,財物の補償や慰謝料の支払い等を求め福島地裁いわき支部に提訴(2012年)。
    京都でも,福島から避難されてきた33世帯91名が,昨年9月に国と東電を相手取って損害賠償の裁判→2/7に第一回口頭弁論
    次回の法廷は、4月25日(金)午後2時~、次々回の法廷は、7月4日(金)同。
    ・「生業を返せ,地域を返せ!」福島原発訴訟…「『ふるさと』喪失慰謝料」及び居住用不動産(住んでいた土地建物)についての新たな居住地で同等の不動産を取得するに足りる損害賠償を求めて提訴(2013年)。
    (3)福島第一原発事故の責任を問う裁判
    ・刑事告訴…国会事故調は,人災。「人」とは誰か。その責任者に責任をとってもらう。
     東電の勝俣恒久会長,清水正孝社長,原子力安全委員会の班目春樹委員長,
     山下俊一・福島県立医科大副学長や,
     原子力安全・保安院,文部科学省幹部,菅首相,枝野官房長官,海江田経産相ら計42人。
     ……9/9不起訴。検察審査会に審査を申し立て
    ・東電株主代表訴訟…被告は事故当時の勝俣会長ら現・元の取締役27人。
    (4)原発メーカーの責任を問う裁判
    (5)汚染された瓦礫の搬入差し止めなどに関する裁判
  • 今回の裁判の請求…訴状では
    (1)裁判所から,大飯原発1~4号機の運転停止の判決を得る
    (2)訴状送達の日から運転停止までの間,損害賠償の請求(月に1万円)
  • 裁判所への提訴する意味
    (1)裁判所から運転停止の判決を得て,大飯原発を止めるだけでなく,
     他の原発差止のステップとする。最終的には,日本のすべての原発をなくす
    (2)これまで,多くの裁判で,裁判所(裁判官)は行政や電力会社の方針に盲従し,
     それが,今回の福島第一原発の事故をまねいた。その責任を問う。
    (3)脱原発の社会的な世論を大きくし,原発に固執する政府や電力会社を社会的に包囲する。
     社会運動としての訴訟。
    (4)原告になる意味
     市民の小さな声を集めて大きくし,裁判所につきつける
     多くの市民の声を,国,関西電力,電力会社の前に明らかにする
     5000円を払って参加する原告にはなれないが,脱原発を願う,という市民を激励する。
  • 勝利への展望
    (1)裁判の勝利は,法廷内の証言,文書のやりとりだけでは,実現しない。
    (2)裁判を通じて,社会的な運動を高めること,国や電力会社を社会的に包囲していくこと,
     社会全体の力関係 [原子力ムラ×脱原発] を変えていくこと,とつながる。
    (3)原子力に固執する勢力とは…電気をつくるだけなら,原子力に固執する必要はない。
  • 大飯原発差止訴訟について
    (1)弁護団と原告団
     裁判の内容と進行は,弁護団が検討し決定する。
     原告団は原告をまとめて,弁護団とともに社会的な運動を担当する。
    (2)原告団には,世話人会をおく。世話人会は,月に1回。
    (3)経過と予定
    ・2012/11/29…1107名で提訴
    ・2013/6/1…原告団の結成。原告団長,原告団事務局長。財政の確認。
    ・2013/7/2…第1回口頭弁論
    ・2013/12/3…第2回口頭弁論。第二次原告856名。原告合計1963名
    ・2014/2/19…第3回口頭弁論
    ・2014/5/21…第4回口頭弁論
    (4)お金の話…原告参加費用5000円は,ほとんどが提訴時の印紙税で納める。
    ・被告である国や関電の弁護団…
    ・原告の弁護団…
    ・原告団…
     ①会場カンパ…原告団総会,口頭弁論の開催時,など機会のあるごとに。
     ②「大飯原発差止訴訟運営のための年度カンパ」…それぞれ可能な範囲で。
     ③カンパ…原告にはなれないが,カンパなら協力できるという方から。
     ④訴状の販売…原告以外の方には訴状を1部1000円で販売。
     ⑤その他…冊子販売。グッズ販売は未。
  • お願い
    ・私たちの故郷と自然を子どもたちに残していくために,力を合わせましょう。
    ・原告団では,第三次原告の募集を行っています。ご協力ください。