◆2020年度冬の電力高騰の原因は、関電の原発依存にある

【グリーンピープルズパワー】

◆2020年の末から今年にかけて発生した市場価格の異常な高騰について、グリーンピープルズパワー(再生可能エネルギー100%電気の目指す電力会社)によるパブコメでは、原発問題を明確に捉えて関電の責任を指摘している(5/24)。
→ https://www.greenpeople.co.jp/information/4490/
以下、その原発関連部分をピックアップ。(とくに★の部分)

◆8、隠されている原発問題
・売入札を減らした原因は原発であることを認めるべき。
・「中間取りまとめ」はLNG在庫減少の原因を、天然ガス産地の減産やLNG輸送上のトラブル、そして厳しい寒気としている。しかし、「中間取りまとめ」が触れていないLNG在庫減少の原因があった。高浜原発3号機と大飯原発3号機の運転停止延長だ。12月には、この2機の原発は運転中のはずだった。
・大飯原発3号機は9月26日運転開始予定だったが、配管亀裂が見つかり延期、再開見通しは立たなくなった。高浜3号機は12月22日に運転開始予定だったが蒸気発生器細管トラブルで延期。代替の天然ガス燃料調達には2、3ヶ月を要するが、停止延長発表が10月後半で間に合わない。12月の発電計画から205万kWの電源が消えた。
・12月中旬から電力市場への売入札を絞りはじめた原因はここにある。普段なら「だから原発は必要」と騒ぐところ、今回「中間取りまとめ」もあえて無視している。
★1基100万kWの巨大発電所は、急に停止すると需給計画に与える影響が大きい。稼働40年を超える老朽設備は、それだけで多くのトラブルを抱えている。最近は裁判で運転停止を命じられることも増えてきた。おそらく最も信頼性の低い電源が原発だ。原発は需給調整のお荷物だということが明白になってきた。そのことを見事に証明したのが、今回の市場価格高騰と言えるだろう。需給計画を原子力に依存し続けることは危険である。

【はとぽっぽ通信】

◆僕が『はとぽっぽ通信』にまとめた記事(4/28)「大手電力の大儲けと 新電力の苦境~~ 電力価格の高騰と関西電力、原発ゼロ法についてのメモ」では
(http://be-off.way-nifty.com/beoff/2021/04/post-671dd4.html)
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山家公雄(やまか・きみお)京都大特任教授(エネルギー戦略研究所所長)は、大きな発電設備をもっている関電が、原発に頼りきり、備えをおこたり、供給を調整できなかったことを示唆しています(毎日新聞2021/2/23)。
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とか
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この冬の電力価格高騰の状況でも、原発に頼りきり、備えをおこたり、供給を調整できなかった関電の劣化した姿をみることができます。その上、12月後半~1月前半、自社発電分を全量、自社小売に回し、卸電力取引所(JEPX)への供給をゼロにし、スポット市場で大手電力に課された事実上のルールを無視!
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という指摘はしてきた。

【原子力資料情報室】

◆その後、原子力資料情報室の調査レポート「原発の定期点検長期化が卸電力市場価格高騰の原因か ―巨大電源の隠れたリスク―」(5/14)でも、関西電力の原発定期点検の長期化が、関西電力のLNG調達計画に影響を与えた可能性が見えてきた、と指摘している。
→ https://cnic.jp/39079

【まとめ】

◆2020年度冬の電力高騰の原因が、関電の原発依存にあることは明白になってきた。

最も信頼性の低い電源が原発!
原発は需給調整のお荷物!
需給計画を原子力に依存し続けることは危険!