【2021年7月9日,京都キンカンで配付】
報告とお礼
7.3「大飯原発3号機再稼働糾弾・抗議」
おおい町緊急行動に60人超
関電は、昨年7 月20 日から定期点検で運転を停止していた大飯原発3 号機を7 月3 日に再稼働させました。関電は当初、昨年10 月の運転再開を画策していましたが、8月の超音波試験で、原子炉圧力容器と蒸気発生器を繋ぐ配管(加圧器スプレイライン管)などに損傷が見つかったため、運転停止が長期化していました。加圧器スプレイライン管は、高温高圧(320℃、157 気圧)の1 次冷却水が流れる直径11 cm の配管です。破断すれば、一挙に1 次冷却水が噴出し、原子炉が空焚きになる深刻な事故に至ります。なお、関電の原発(加圧水型)では、加圧器スプレイライン管だけでなく、高温高圧水が流れる蒸気発生器伝熱管の損傷、減肉もたびたび発覚しています。
ところで、昨年12月4日、大阪地裁・森鍵一(もりかぎ・はじめ)裁判長は、大飯原発の設置許可取消の判決を出しました。「規制委員会の判断は地震規模の想定で必要な検討をせず、看過しがたい過誤、欠落がある」として、大飯原発3、4号機の原発設置許可を取り消したのです。この判決は、規制委員会審査のいい加減さを端的に指摘しています。また、大飯原発のみならず、全ての原発が、過小評価された地震動を基に耐震設計されていることを暗示しています。
- 配管損傷などのトラブル続きで、耐震性も全く不十分な大飯原発再稼働を、許してはなりません!
- 原発を動かせば、処分法も保管地もない使用済み核燃料が溜ります。
- 大飯原発から100 kmの圏内には、福井県、京都府、滋賀県の全域、大阪府、兵庫県、奈良県、岐阜県、愛知県の多くの部分が含まれます。大飯原発で重大事故が起これば、何100万人もの人々が長期にわたる避難を強いられます。重大事故では、琵琶湖が汚染され、関西1400万人以上の飲用水が奪われます。
7月3日、おおい町に結集した60人超が、
大飯3号機の再稼働を糾弾し、
抗議する緊急行動に起ちました。
同日13時、おおい町大島「おおい町はまかぜ交流センターしーまいる」付近の公園に集合した参加者は、大飯原発ゲート前までデモ行進し、原発ゲート前で15時まで抗議集会および申入れの後、「塩浜海水浴場駐車場」までデモ行進し、断固とした関電への抗議の声を上げ、おおい町の皆さんに原発全廃を訴えました。
ご参加、ご支援くださいました皆さん、
ありがとうございました。
なお、7月2日、6月23日に再稼動した美浜3号機では、事故時に蒸気発生器に給水するポンプ(タービン動補助給水ポンプ)に大きな圧力がかかるトラブルが発生しています。関電は、「ポンプ入り口にある金属製のフィルターに鉄さびが詰まったことが原因」としています。これが事実であれば、配管の中には多量の鉄さびが懸濁していることになり、この懸濁物が、配管の減肉やフィルターの目詰まりの原因になり、今後もトラブルを引き起こしかねないことになります。何よりも、老朽原発をは全国に先駆けて動かそうとして準備してきたにも拘らず、鉄さびによる目詰まりにも気づかなかった関電と規制委のいい加減さを糾弾しなければなりません。
点検も審査もいい加減な関電や規制委に
原発を安全に動かせるはずがありません。
老朽原発うごかすな!実行委員会 連絡先・木原(090-1965-7102)
▼2021 年7 月4 日福井新聞朝刊
【前のページに戻る】