◆MOX燃料・プルサーマル運転をゆるすな!

【2022年11月18日,京都キンカンで配付】

去る9月17日に、2隻の輸送船でフランス、シェルブール港を出港したMOX(ウラン・プルトニウム混合酸化物)燃料が、11月21日(月)~24日(木)の何れかに高浜原発に到着するという情報が入りました。

 日本向けのMOX燃料のフランスからの輸送は、1999年に始まり、今回が8回目です。前回は、昨年9月にシェルブールを出港し、同11月に高浜原発に到着しています。

 今回到着のMOX燃料は、フランスの原子力大手・オラノが製造したもので、高濱原発3、4号機で使用されます。原料のプルトニウムは、関電の原発の使用済み核燃料からラアーグ再処理工場で分離して取り出されたものです。関電は2017年、MOX燃料の集合体32本の製造を日本の会社を介してメロックス工場に委託していましたが、同工場では、ウランとプルトニウムが均等に混ざり合わない不良品が続出して、16体は昨年11月に高浜原発に到着したものの、残りの到着は約1年遅れていました。

 MOX燃料出港に際して、環境団体グリ-ンピースは「世界が極めて不安定な中、危険な物質を輸送するのは全く無責任だ」と批判し、抗議行動を展開しています。なお、今回のMOX燃料の出港は、シェルブール港のクレーンが故障して、燃料の一部を輸送船に積み込めなかったため、10日間遅れています。

MOXを燃料とするプルサーマル運転は、以下のように、ウラン燃料運転に比べて、格段に危険です。

【1】酸化物であるMOX中のプルトニウムが核分裂すれば、酸素と結合し難い白金族元素が多く生成し、酸素が余り、余った酸素が燃料被覆管を腐食します。また、プルトニウムからは、核分裂生成物ガスとヘリウムガスであるアルファ線の放出が多く、燃料棒内の圧力が高くなり、被覆管の破損を招きます。

【2】MOX燃料では、プルトニウムの高次化によって、中性子を吸収しやすいアメリシウムが生成し、原子炉の運転や停止を行う制御棒やホウ酸の効きが低下します。

【3】MOX中のプルトニウムが集まって核燃料が不均質化(いわゆるプルトニウムスポットの生成)します。

【4】MOX燃料では、中性子束(中性子密度)が大きく、高出力で、過渡時(すなわち出力の増減時)に原子炉の制御がより困難です。

【5】使用済みMOX燃料の発熱量は下がり難く、使用済みウラン燃料の4倍以上も長期にわたって燃料プール内で水冷保管しなければ、空冷保管が可能な状態になりません。

老朽原発うごかすな!実行委員会は、MOX燃料到着日には、早朝より抗議行動を展開する予定です。到着日が確定し次第、ご案内しますので、皆様のご参加をお願いします。

MOX燃料搬入日の行動予定

①午前6時に高浜町音海地区の「物揚げ広場」(国道27号より高浜原発に向かい、原発を通り過ぎて音海地区の最先端・行き止まりの駐車場)で抗議行動
②7時過ぎに高浜原発から音海地区より300mの展望所に来るまで移動し、デモ行進で、高浜原発北ゲート前に移動
③北ゲート前で抗議行動(9時30分頃解散)

行動の詳細および関西よりの配車については、お問い合わせください。
老朽原発うごかすな!実行委員会・木原壯林(090-1965‐7102)