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◆12月9日に行った関電との話し合いの記録

関電側;広報担当者ほか2名。
使い捨て時代を考える会;4名。

今回は以下の質問書を提出し、話し合いました。

質問書
……………………………………………………………………………

  1. 日本鋳鍛鋼が製造した鍛造鋼がカプセルの蓋の部分に使われているとお聞きしましたが、その強度についての調査結果を教えてください。またどのような調査をしたのか具体的にお答えください。
  2. 高浜原発、大飯原発の免震事務棟の工事の進捗状況、工事費用についてお答えください。またフィルター付きベント装置についても進捗状況、工事費用をお答えください。
  3. 使用済み核燃料について詳しい情報をお知らせください。(ホームページということであれば、そのアドレスもしくはそのページをプリントアウトしたものをお示しください)
    • ①これまで貴社の原発の生み出した使用済核燃料の発生量と貯蔵量と移動量(青森などへの)を、燃料集合体数と重量で。
    • ②貯蔵中の使用済燃料の現状について、各原発の貯蔵プールの容量と残存余力。
    • ③青森の再処理工場に移送ということについて、過去の実績および今後の見通し。
    • ④高レベルの廃放射性物質について、その最終処分の技術概要とその実績、今後の見通し。
    • ⑤最終処分場の場所(候補地)の確保に関する情報。
  4. 電力自由化によってこれまで他社に切り替えた消費者はどのぐらいの割合ですか。原発に依存しない電力会社を選んだ消費者が少なくないと聞きますが、そのことについてどのように考えられますか。
  5. 原発は本当に安いのですか。コスト計算の根拠を具体的に教えてください。原発は重大事故が起きれば甚大な被害が生じます。福島原発事故では被害総額は11兆円を超えたと言われています。たとえ重大事故が起らないとしても、発生する核廃棄物の後処理に莫大な費用が要します。何を指して「原発は安価」とされているのですか。

以上
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話し合いの内容(Q ;こちら側の発言  A ;関電の発言)
A(質問1について)製造記録をチェックした。フランス製のものより日本の方が切り落とし範囲が大きい。どろどろに溶けたものを固めるのだが、最後に中心の上部が固まる。そこに炭素が集まりやすい。日本のものはフランス製よりそこを大きく切り落としてあることを確認した。

Q 最初の段階がそうだったという確認か。現物自体の調査はしていないのか。
A 製鋼はJIS企画で決まっているので。

Q 40年前の話ですよ。40年前に炭素の濃い部分をきちんと除外できていたかなど不明だ。日本はできているというのは、実際に強度問題が見つかったフランスの技術に対する侮辱ではないのか。専門家が大変なことだと言っている。フランスは現物を確認して分かったと聞いている。関電はどうして現物を確認しないのか。
Q(質問2について)新規制基準で、再稼働にあたって、免震事務棟やフィルタ付ベント装置の設置は、加圧水型炉に関しては設置に5年間の猶予が与えられたと思うのだが、どうなっているのか。また、免震棟ではなく耐震棟になったということだが。
A 名称が混乱している。免震重要棟というのは福島原発で使っていた言葉で、新規制基準では緊急時対策所と言っている。これは規制委員会との話し合いの中で途中で免震から耐震で良いと変わったわけではなく、もともと耐震性があればいいということだ。高浜3・4号に関しては、高浜1・2号の間に緊急時対策所が設置してあり、別途耐震棟をつくるというのは、関電が独自に新規制基準以前から計画していたことだ。緊急時にサポートする人が寝泊まりする施設だ。

Q どういう機能のものか書いたものが欲しい。性能が分かるなら教えてほしい。
A 確認していないので分からない。

Q 職員の安全は確保できるのか。
A 情報を持っていないので勉強しておく。免震か耐震かはどちらでも良くて選んでよいことになっている。関電は耐震棟を作ることにしている。

Q なぜ免震ではなく耐震か。免震だと費用が掛かるからやめたのではないのか?
A 関電では耐震は技術が蓄積されており、実績があるから耐震にした。

Q 緊急時対策所は高浜1,2号炉間に作っているようだが、そもそも高浜3・4号に非常に近いところで、事故の際に指揮をとろうとしても、職員は被ばくしてしまうのではないか。これとは別に敷地を確保して200㎡、800人入れる耐震棟を作ろうとしていると聞いているが、まだ更地でまったく工事が行われていないと地元の人から聞いている。一体いつまでに作るつもりなのか?
A 新規制基準で決まっているものだ。工事計画の本体部分の認可から5年以内で、平成30年度(2018年度)内に作ることになっている。

Q 着工していないのではないか。
A 準備工事をしていると聞いている。

Q もともとは2017年度内でつくると言っていたようだが、その前はもっと早い時期だったか、何回も完成時期がずれているようだが、それはなぜか。
A 震災の対策で、この間でも要求される仕様が変わっていくので、設計を再確認している。

Q 工事費はいくらか。
A 個別の工事費は出していない。安全対策トータルで出ている。高浜の現在審査中のものに関しての対策費の見積もりは全部で7300億円だ。

Q 何にお金をかけるかは重要だ。どうして個別に金額を出せないのか?関電としてどう考えるかだ。
A 正確な数字は出せない。広報としては最大限皆さんに示している。

Q ベント付フィルター装置はどうなっているのか。
A もともと自主的取り組みでやろうと準備していたが、規制庁の基準で変更になった。今年9月に特定重大事故拡大防止の関連で仕様がある程度固まったので準備に入った。

Q いつまでに作るのか。
A 5年以内だ。スタート地点からカウントして平成32年(2020年)度以内か。個別の工事認可から5年以内で、それぞれ別になる。

Q これは高浜原発についてか。大飯はどうか。
A 高浜だ。大飯もつける予定だ。審査中なので、タイミングが良く分からないが、まったくゼロからの議論ではない。

Q お金がかかるが、いくらなのか。
A 個別には出していない。7300億円のなかだ。

Q 600億円と聞いている。
A ビジネス上の問題で数字は出せない。

Q 電気代に上乗せするので、消費者としては知りたい。それだけ安全対策にお金をかけるなら原発をやめてもらいたい。
A(質問3について)①についてはHPで見てもらいたい。日本原然の再処理のところだ。

Q HPでわかるなら、ここで数字を出しても良いのではないか。HPではどこに出ているのかよくわからないので聞いている。関電の移送に関してなのに、日本原電でしか公表していないのか?
A 日本原燃再処理でヒットすると教えるのが最大限なのだ。このように会って話をしているのはあなた方だけだ。(その誠意をくみ取ってほしいということらしい)

Q HPに掲載されているものがなぜ口頭で出せないのか。口頭で出せないのは最大限を越えているということか。信じられない。
A(②について)今の状況で考えて満杯になるまでに7年かかる。

Q 福島4号炉は動いていなかったが大変だった。使用済み燃料のプールは原子炉のような多重防護構造になっていないので、我々の生活空間とつながっている。福島4号炉についてはアメリカから危険性を言われた。再稼動を計画しているなら、管理はどうなっているのか。
A いつまでもプールではなく、乾湿にして、無駄なことをやめようとしている。

Q 青森を含め再処理は滞っている。それなのに再稼働させるのか。
A 日本原燃が進めている。

Q どこまで進めているのか。状況も知らないで再稼動とは無責任ではないか。福島原発では注水できなくなったら危険だった。
A 福島は高いところにプールがあった。関電の場合路面とツライチだから水を流し込めばいい。

Q 高いところにプールがあったことは、崩落の問題でたいへん危険だったが、冷却できなくなる問題は、高さに関係ないでしょう。水が流し込めなかったら?ポンプが動かなかったら?いったいどうなるの?福島第1原発の4号炉では、冷却できなかったら、首都圏を含む、半径250キロ以内の住民が避難しなければならない場合が官邸によって想定された。高浜でもそうなるのではないか。どのくらいの燃料がどのように保管されているのか、数字や状態を示してもらいたい。
A 安全対策の多重化などを考えている。

Q 安全対策といわれても、数字さえ出してもらえないなど不信感だらけ。福島の冷却プールが高いところにあったので…とは!
(時間が来たと同席の社員が促す)

話し合いは以上

HPに掲載している数字を口頭で言うのはご法度らしいです。福島の事故を教訓にと言いながら事故の現状はほとんど知らないみたいだし、使用済み燃料の再処理があたかも進んでいるかのように言ってみたり。広報っていったい何をするところ??

◆10月4日に行った関電との話し合い記録

関電側;広報担当者ほか1名。
使い捨て時代を考える会;4名。

今回は以下の質問書を提出し、話し合いました。
質問書
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<ol>
<li>フランスのクルゾ・フォルジュ社と日本鋳鍛鋼が製造した鍛造鋼に強度不足の疑いがあるとの発表がありました。貴社の高浜2号、大飯1、2号機にも使われている可能性があるとのことですが、その事実はありますか。強度不足か否かはどのようにして調査していますか? 老朽原発の運転延長に不安はないのですか。</li>
<li>使用済み核燃料について詳しい情報をお知らせください。(ホームページということであれば、そのアドレスもしくはそのページをプリントアウトしたものをお示しください)
<ul>
<li>①これまで貴社の原発の生み出した使用済核燃料の発生量と貯蔵量と移動量(青森などへの)を、燃料集合体数と重量で。</li>
<li>②貯蔵中の使用済燃料の現状について、各原発の貯蔵プールの容量と残存余力。</li>
<li>③青森の再処理工場に移送ということについて、過去の実績および今後の見通し。</li>
<li>④高レベルの廃放射性物質について、その最終処分の技術概要とその実績、今後の見通し。</li>
<li>⑤最終処分場の場所(候補地)の確保に関する情報。</li>
</ul>
</li>
<li>原発は本当に安いのですか。コスト計算の根拠を具体的に教えてください。原発は重大事故が起きれば甚大な被害が生じます。福島原発事故では被害総額は11兆円を超えたと言われています。たとえ重大事故が起らないとしても、発生する核廃棄物の後処理に莫大な費用が要します。もう一度お聞きしたいのですが、何を指して「原発は安価」とされているのですか。</li>
<li>前々回、原発について「安定とは言っていない。ベースロード電源」だと答えられました。「ベースロード電源」とはどういう意味で使い、原発をなぜ「ベースロード電源」と位置付けているのですか。</li>
</ol>
以上
……………………………………………………………………………
話し合いの内容(Q ;こちら側の発言  A ;関電の発言)
Q まず質問1についてお答えいただきたい。
A 規制委員会から「使っているか」「使っていて問題がないか」という2段階の質問を受け、9月2日にカプセルの蓋の部分に日本鋳鍛鋼のものが使われていると発表した。問題がないかどうかについての報告期限は10月末になっている。

Q 大丈夫という根拠はどうやって示すのか。
A 報告の内容をきちんと見てみないと分からないが、製造記録、具材、サンプルなどで個別にきちんと調べて報告する。

Q どんな形のサンプルか。当初の強度に問題がないのか調べているのか。
A 製造サンプルだと思う。当初の強度の問題なので、製造時のサンプルで確認するので良いと考えている。正式な報告はまだ出ていないので、ここでの断言はできないが、強度に問題がなかったと現時点では聞いている。炭素濃度が濃かったと言われている。

Q 濃度分布が問題ではないか。
A 正式には10月末までに報告する。規制委員会のホームページに上がると思う。

Q いつも規制庁のホームページに報告を上げているなどと説明されるが、規制庁に上がっている報告は非常にわかりにくい。関電が消費者にわかりやすい形で、関電のホームページできちんと報告すべきだ。

Q 技術畑の人に説明を聞き、討論したいが。
A それは…。

Q もんじゅが廃炉になるということについての見解は?
A 質問にないので(回答を)準備していない。電事連ではMOXともんじゅは別の話となっているので、そちら(MOX)はそちらで淡々と進めていく。もんじゅは研究炉なのでいろいろと判断されているのではないか。

Q もんじゅは廃炉を延々と延ばしてきて、ここで廃炉にするというのは、原発の問題が露出したということではないか。関電も他社の問題とは言わず原発のことを考え直すべきではないか。
A もんじゅは研究炉だから…。

Q 原発は間違いなく斜陽産業だ。会社がつぶれるという不安はないのか。
A (斜陽産業で潰れることは)他の会社でもありうることだ。バランスよくやっていく。Q いつもバランスよくというが、どういうバランスか。
A いろんなものをバランスよく持って行きたい。使用に耐えないものはどんどん廃炉にしていっている。

Q 廃炉が決まったのは美浜1・2号だけではないか。そもそも高浜1.2号、美浜3号など40年越えの原発を維持してバランスとは納得しがたい。安全性、コストなど総合的に考えるのがバランスということではないか。
A 福島事故のことを考えて、やっている。

Q 賠償を税金で賄うと言っているが、とんでもない話だ。廃炉費用を新電力に乗せるというのも信じられない話だ。
Q 事故の後始末まで税金なんて!私企業としてやれるという論理が分からない。
A 今そのことを議論している。一般企業なら倒産だ。それをさせないために…。

Q 民間企業が国の税金を使って生き延びるというのは疑問だ。そういうこともあるのに再稼動なんて信じられない。
Q 私企業だから倒産はある。倒産するから国に助けを求めるとは!
A (事故炉ではなく)通常の廃炉費用は、これまでの受益者負担としてみている。

Q 原発に反対してきたのに廃炉費用をなぜ負担しなくてはならないのかと言う気持ちはある。しかし100歩譲って、福島事故までの廃炉費用を市民が負担していくとしても、あのような事故が起きたにもかかわらず、再稼動して、その後事故が起きたら、その後の廃炉費用も私たち市民が負担するなど認められない。
Q 企業倫理の問題だ。
A (廃炉費用については)まだ議論しているところだ。

Q 福井県の西川知事は嶺南地方の原発を守るために自衛隊に守ってほしいと発言した。それは税金を使うということだ。原発がなくなれば不要なものだ。廃炉にすれば合理的なのに、美浜なども運転を延長するとなると安全性を高めるための出費などお金がかかる。すべて市民にお金の負担がかかってくる。お金をかけてなぜそこまでやるのか。動かさなくても維持費がかかっている。
A 原子力は固定資産だから(維持費もかかる)。

Q なぜ動かすのか。
A 福島のような事故を起こさないために安全対策をしている。

Q 避難計画にもお金がかかっている。30キロ圏の自治体や京都府などの広域自治体はそのためにものすごい時間と労力をかけているが、それでも避難計画はまともに作れない。避難者の受け入れ側の自治体も受け入れ計画に頭を悩ませている。これらはすべて私たちの税金が使われている。再稼働のためにものすごい税金がすでに使われている。なぜ原発にこんなにお金を払わされなければならないのか?また30キロ圏内だけ避難すればいいというものではない。飯館村は何キロか知っているか?
A 正確には知らないが30キロは超えている。

Q 福島事故では想定外と言ったが、もはや想定外ではない。複数の冷却材が破裂したらどうするのか。1か所を想定しているが、2か所は想定されていない。すべてを想定できないのが科学だ。対処できない。蒸気細管が破断したらどうなるのか。福島と同じ事故が起きないようにというのは疑問だらけだ。賠償金も後始末も大変ではないか。
A 欧州に廃炉にしたところがあるので、参考にしている。

Q 美浜の延長のためにかかる費用の概算は出ているのか。あと、高浜、大飯、美浜のフィルタ付ベントと免震事務棟の設置状況はどうなっているか、教えてほしい。関電のホームページを見てもわからない。
A 40年の延長の許可はまだ出ていない。
A (もう一人の女性社員)もう時間ですから。

このあと「原発を推進する関電をやめ他社に替えた」「もし再稼動するなら他社に替える」という2種の署名を提出。この署名提出に関して関電の見解を求める文書も同時に提出した。

賠償費用や避難計画費用などを税金でまかなったり、廃炉費用を電力料金に上乗せするなど、あきれた話だということを繰り返し伝えたが、全く国民・消費者の不信感を理解しないような対応だった。

◆7月19日に行った関電との話し合い記録

関電側;広報担当者ほか2名。
使い捨て時代を考える会;4名。

今回は以下の質問書を提出し、話し合いました。
質問書
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  1. 7月12日に大津地裁は、貴社の高浜原発3・4号機運転差止仮処分の異議申し立てを却下しました。「新規制基準が、福島原発事故の原因究明が道半ばの状態で検討されたものであること」「周辺の活断層との連動について余裕のあるものとは言えないこと」などが却下決定の理由として示されました。これらの理由についての貴社の見解をお聞かせください。法の裁きに従って、再稼動を断念し、廃炉にする考えはありませんか。
  2. 規制委員会は運転開始から40年を超えた高浜原発1・2号機の運転延長を例外として認可しました。また貴社は、美浜3号機についても運転延長の審査を受けようとしています。老朽でなくても危険なのに、危険性がより高い老朽原発を動かす必要はどこにあるのでしょうか。安全性を優先していない姿勢ではないのでしょうか。
  3. 前回、使用済み核燃料について「規制庁で審査を受けた後に青森に行く」とのお答えでしたが、青森にある日本原燃の六ヶ所再処理工場は稼働していません。廃棄物を処理できる見通しはあるのですか。
  4. 質問2及び3について6月21日に再質問させていただきました(別紙)。これについてお答えをいただいておりません。この場でのお答えをお願いします。
  5. 高浜原発が動かせないから値下げはしないと表明されていますが、原発は本当に安いのですか。原発は重大事故が起きれば甚大な被害が生じます。福島原発事故では被害総額は11兆円を超えたと言われています。たとえ重大事故が起らないとしても、発生する核廃棄物の後処理に莫大な費用が要します。もう一度お聞きしたいのですが、何を指して「原発は安価」とされているのですか。
  6. 前回、原発について「安定とは言っていない。ベースロード電源」だと答えられました。「ベースロード電源」とはど ういう意味で使い、原発をなぜ「ベースロード電源」と位置付けているのですか。

以上

【別紙】

  • A)前回の話し合いでの「使用済核燃料は青森へ」とのことに関連して、いくつかの具体的質問をさせていただきます。
    • 1)貴社の原発の生み出した使用済核燃料の発生量と貯蔵量と移動量(青森などへの)の実状を、燃料集合体数と重量でお教えください。
    • 2)貯蔵中の使用済燃料の現状について、各原発ごとに貯蔵プールの容量と残存余力についてお教えください。
    • 3)青森の再処理工場に移送ということですが、過去にどれだけの実績があるのか、また今後の見通しについてお教えください。
    • 4)高レベルの廃放射性物質について、その最終処分の技術概要とその実績、そして今後の見通しについてお教えください。また、最終処分場はどこに決まったのでしょうか。
  • B)高浜原発1、2号炉の再稼動に進まれるようですが、40年後の老朽原発は技術的に危険であることは広く心配されるところです。普通の機械類でも材料の劣化ゆえに継続利用はされていません。原発はそれ以上の過酷な条件(高放射能、高温、高圧)で運転されるだけに、いっそう金属材料的に厳しいものです。
    技術担当の社員の説明をお聞きできる機会を開いていただければうれしく思います。ご配慮いただけるでしょうか。

以上文書によるご回答をよろしくお願いいたします。
2016年6月21日
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話し合いの内容(Q;こちら側の発言  A;関電の発言)
A(1.大津地裁判決について)大津地裁の判決は承服できない個所があり、大阪高裁に控訴した。特段廃炉は決めていない。

Q 理由は何か。
A 裁判所は当社が説明しているのに説明していないような書きぶりだ。事実誤認だ。
Q 具体的にはどういうことか。
A 一例だが、使用済み燃料プールの耐震性を基準より高くしているのにそれを認めないなど、分かりやすいところで誤認がある。技術的なことで当社が説明しているのに説明していないとしているところもある。

Q 関電の主張を認めていないということですね。
A そうです。
A(2.老朽原発について)老朽だから動かすなというが、メンテナンスをしていなければそう言えるが、かなりのものを順次取り替えている。取りかえられないものもあるので、安全性を説明しないとダメと言われている。

Q 取りかえられないもので重要なものがある。蒸気発生器はどうか。
A 蒸気発生器は替えている。美浜は取りかえた。

Q 高浜は?
A 取り替えたと思う。

Q 脆性破壊温度は?
A 金属に中性子が当たると柔軟性が失われる。起動・停止を繰り返すことによって急激な温度変化が起きるが、そういったことも何回繰り返すかを想定して試験している。

Q どの程度もろくなるのか。
A テストピースで調べている。

Q 本当に安全なのか、規制庁はでたらめだ。
A それは規制庁に言ってもらいたい。

Q 事故が起きると想定外と言われる。
A 200回の温度変化を想定している。

Q 脆性破壊温度は低く設定しなければならない。
A 温度は調べておく。中性子の照射量とも関係している。実際より過酷な状況を作りテストしている。

Q 抽象的説明で理解しがたい。
A 規制庁の資料を見てもらいたい。公表されている。

Q 圧力、温度、放射線、同時に起こったらどうなるか。テストピースは圧力容器とは異なる。放射線テストの結果を知りたい。圧力、温度加えた複合的原因でのテストピースの結果を示してほしい。
A 今後自治体などに説明させていただくので、その中で説明していく。公の場で説明する。

Q テストピースで実験していると言うが、複合的なことなどはテストしようがない。すべてを交換することは無理だ。
Q 湯沸かし器は10年でよく持つたと言うが、原発ははるかに温度が高い。
A 比べるべきものではない。

Q 配管はどれだけ取り替えたのか。どの部分を、どの位交換しているのか。労働者の放射線被ばくがあるので、社員が直接交換しているはずだが。
A 40年でNGという頭があるみたいだが、50年の物もある。

Q 40年前に作ったものの技術がどうして安全なのか。
A もともと寿命は決められていなかった。アメリカなど、先に長い運転をしているところから学んでいる。

Q 美浜原発を作った人の話を聞いたが、その人が運転をやめてほしいと言っていた。
A そういったご意見は、データで発表すればいいのではないか。

Q 福島原発のマークⅠ、BWRがアメリカでもいい加減と言われて事故になった。どういうことを学んだのか。
A 報告書でさまざま学んでいる。

Q 学んでいなかったから福島事故が起きたと言われている。
A 東電より悪く見られているのは、不徳の致すところだ。

Q(3使用済み燃料について)青森に行くからというのでは納得できない。青森が動いている実績があるか。
A あります!いま18年竣工の予定だ。

Q 再稼動は危険を増やすことではないか。福井のプールにためておくということか。
A プールには容量制限があるのでいっぱいになったら運転しない。

Q 原発を怖いと思わないのか。
A 怖がらない部分とそうでない部分がある。

Q 京都府防災課のトップに、関電の人が福島のような過酷事故は起きないと言ったそうだ。
A そもそもそういう基準になっている。対策をしている。

Q 安全対策はできているという根拠は。住民は逃げられない。
A 訓練を重ねている。

関電側;時間が来たので。

説明にならない説明を繰り返している。聞き飽きた感もあるがまだまだ続けていくつもり。

◆6月21日に行った関電との話し合い記録

関電側;広報担当者ほか1名。
使い捨て時代を考える会;4名。

今回は以下の質問書を提出し、話し合いました。
質問書
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  1. 6月16日に大津地裁は、貴社の高浜原発3・4号機運転差止仮処分の執行停止申し立てを却下しました。決定に従って、再稼動を断念し、廃炉にする考えはありませんか。
  2. 大飯原発について基準地震動が過小評価されていると指摘され、規制委員会が再評価するとのことですが、このことについての貴社の見解をお聞かせください。常に「安全側に立って考えている」と発言されていますが、過小評価して「安全側」というのは矛盾していませんか。
  3. 前回、使用済み核燃料について「規制庁で審査を受けた後に青森に行く」とのお答えでしたが、青森にある日本原燃の六ヶ所再処理工場は稼働していません。廃棄物を処理できる見通しはあるのですか。
  4. 貴社のエネルギー計画についてお聞きします。
    • 1)貴社は今後のエネルギー計画(何年までにどのような割合にするかという計画)を立てていないということですが、不安定・危険な原発を使わずにどこまでやれるかを検討していないのですか。
    • 2)再生可能エネルギーの開発・導入にかける費用の方が原発にかける費用よりはるかに安いと経済学者が発言していますが、その事についての貴社の見解をお聞かせください。
  5. 高浜原発が動かせないから値下げはしないと表明されていますが、原発は本当に安いのですか。原発は重大事故が起きれば甚大な被害が生じます。福島原発事故では被害総額は11兆円を超えたと言われています。たとえ重大事故が起らないとしても、発生する核廃棄物の後処理に莫大な費用が要します。もう一度お聞きしたいのですが、何を指して「原発は安価」とされているのですか。
  6. 前回、原発について「安定とは言っていない。ベースロード電源」だと答えられました。「ベースロード電源」とはどういう意味で使い、原発をなぜ「ベースロード電源」と位置付けているのですか。

以上
……………………………………………………………………………
話し合いの内容(Q;こちら側の発言  A;関電の発言)
A(質問1.について)裁判制度にのっとり、当社の主張を説明していく。廃炉にするという決定は特段ない。
A(質問2.について)島崎委員の主張に鑑みて式どうこうは置いておいて、再計算する。

Q(質問2と運転延長について追及)高浜原発仮処分裁判でも関電は基準地震動が余裕を持っていると言っていたが、そこでも専門家が基準地震動の設定が低すぎると指摘している。
A 規制員会の方で確認していく。

Q 基準地震動に問題があるのは大飯だけではないのではないか。
A 規制委員会に言われれば確認していく。

Q 規制委員会の信頼が落ちていることを知っているのか。
A 私どもがどうこう言うことではない。純粋に技術を見る機関となっている。

Q そうなっていないではないか。疑問を持っている科学者との話し合いをも拒絶している。科学技術的な面で疑問を持っている人は多い。規制委員会を楯に説明すればするほど信頼できなくなる。
Q 高浜1・2号炉についても規制委員会は株を下げた。何が何でも1,2号炉の運転延長を通すために規制委員会が働いたと思える。
A 40年の延長についての原則・例外は法律のたてつけがそうなっている。

Q 法律を楯に議論するのは不信感が募る。規制委員会は委員会自身が作ったルールも破った。何が何でも7月7日までにやるということで必要な実験もしないままに認可を進めた。
Q 京都府知事も滋賀県知事も疑問だと言っている。
A 京都府などには少なくとも説明をするように言われている。必ず説明する場がある。

Q 私たちにも関電の姿勢を説明をしてもらいたい。「原則」というコトバは何なのか。
A 京都府との会議では説明している。

Q 市民への説明の場を作ってもらいたい。
A 自治体がそういう場を作れば出ていく。

Q PWRは高温高圧で動かすから、どこにひび割れや破断が起きるかわからない。考えるだけでも恐ろしい。(運転延長について)市民にチキンと説明してもらいたい。
Q 安全側に立ってというが、それでなぜ老朽化した原発を動かさなければならないのか納得できない。安全を重視するなら他の発電をするべきではないか。40年経った原発をあえて動かすのか理解できない。
A その気持ちは良く分かる。バランスを考えている。

Q バランスが何で良いのか。老朽化した高浜1,2号炉、美浜3号炉を動かさないで、比較的新しい原発を部分的に残すと言うなら、まだバランスともいえる。
Q 関電にとっても原発は大変なものなのではないのか。なにがベストミックスなのか。
Q 事故が絶対に起きないと思っているのか。
A 起きるとは考えていないが、福島の事故があったので、事故のことを考えるようになった。

Q 事故が起きたら責任を取れるのか。
A 賠償は法律で決まっている。支援機構もある。

Q 福島での賠償は二桁低い。電力会社で負担することになっているが、出費を覚悟しているのか。
A 支援機構というものがある。

Q 避難者が損害賠償を求めたら60分の1しか認められなかったという例があるが、そういう実態を知っているのか。
A ADRに立って賠償している。

Q 賠償は嘘ばっかりだ。賠償を打ち切ろうとしているではないか。日本はチェルノブイリより避難を強制する被ばく限度が4倍高いと言われている。電力会社が分担してと言っているが、1兆円ぐらいといわれている。1兆円出費しても原発を続けるという経済感覚が理解できない。
A 相互扶助は外国から導入した制度で、事故が起きないように相互に監視の目も行き届くという制度だ。

Q 1,2号炉を動かすことは理解できない。経営がひっ迫しているのか。
A 廃炉にするものはしている。

Q 美浜1,2号だけではないか。老朽原発を規制委員会が立ち入って、一つ一つ点検したのか。
A(質問3について)青森は検査中で、本格稼働はこれからだ。竣工を見据えながらやっている。

Q 関電は原発40年の歴史で、使用済燃料の集合体がどれだけあるのか。
A 今はデータを持っていないからあらためて質問書にまとめてもらいたい。

Q どれだけをいつ青森に移したか、どのように処理されているか、六ケ所の再処理工場はどういう状態にあるか、この質問は改めて作る(終了後使用済核燃料に関する質問書を作り送付した)
(同席の男性社員がここでもう時間だからと話し合い終了を催促)
A 一年間皆さんと会ってきたので、皆さんの気持ちは理解している。

Q(このような話し合いを)担当される方は大変だと思う。本来は社長さんと話がしたい。
Q 熊本地震で川内原発が事故を起こしたら、避難者は被曝し続けることになる。避難計画があっても避難できない。万が一の事故は心配だ。伊方原発でも熊本地震で住民はショックを受けている。逃げようがない。とにかく再稼動はやめてもらいたい。

回答する担当者が「みなさんの気持ちは良く分かる」と謎の発言。