◆賛同のお礼…岸田政権の原発政策に反対する申入書

 京都の「使い捨て時代を考える会」では「原発の運転期間延長や新増設などの原子力政策に強く反対し、全原発廃炉を求める申入書」を経産省と原子力規制委に提出することにしました。12月中旬から賛同を募集していましたが、54団体になり、ありがとうございました。年末で締め切り、1月1日、経産省と規制委、マスコミ8社に発送しました。

 賛同団体は、申入書の後に掲載しています。

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2023年1月1日

原発の運転期間延長や新増設などの原子力政策に強く反対し、全原発廃炉を求める申入書

経済産業大臣 西村 康稔 様
原子力規制委員会 委員長 山中 伸介 様

NPO法人 使い捨て時代を考える会
ほか別記 賛同団体(裏面)

(1) 原発から再生可能エネルギーへの転換を

 今、岸田文雄内閣は、防衛費増額、敵基地攻撃能力の保有など、軍拡路線を推進しています。しかし、日本海沿いに原発を並べているという現状では、わが国は、既に完全に防衛能力を失っています。国土の防衛を本当に考えるならば、すべての原発を廃炉にし、使用済み核燃料を安全な形で処理してから、検討することを、まず強く求めます。

 戦争という事態を想定しなくても、原発は、地震や火山などの災害にともなう過酷事故では、国土を喪失させるほどの巨大なリスクがあります。2011年の福島第一原発の事故でも、いくつかの奇跡的な幸運に恵まれて、「東日本壊滅」といった最悪の事態は、避けることができました。それでも、一時は15万人を超え、今でも数万人の人々が避難を余儀なくされています。故郷を失い、生業を失った人々は、苦難の生活を強いられています。放出された放射性物質によって甲状腺がんにかかった若い人たちが、東電に補償を求めて立ち上がったのは、事故後11年も経った2022年です。

 国土と人々に塗炭の苦しみを与えるような原発に、電気を頼る必要は、まったくありません。電気は原発でなくてもつくることができます。2013年9月15日定期点検のため大飯原発4号機が運転を停止してから、2015年8月11日に川内原発1号機が再稼働(新規制基準による最初の稼働)されるまで、日本は、1年11か月の間、原発ゼロでした。停電もなく、電気は供給されました。

 岸田内閣は、原発依存を可能な限り低減させるという「エネルギー基本計画」をいつの間にか反故にして、原発の新増設、老朽原発の再稼働など、原発依存政策に回帰しています。しかし、これから10年、20年をかけて、新しい原発をつくっている間に、太陽光、風力、蓄電池などの再生可能エネルギー関連の技術は、長足の進歩を遂げているであろうことは、容易に想像の付くところです。現時点でも、すでに原発のコストは、再生可能エネルギーに太刀打ちできないことが、明らかです。エネルギー問題の解決方向は、明白です。将来世代に過酷な負担を強いる使用済み核燃料は、今以上は増やさないで、最小限にとどめるよう求めます。

(2) 原発の運転期間延長、老朽原発の再稼働はとりわけ危険

 岸田内閣は、原発の運転期間を原則40年から延長させようとしています。いわゆる40年ルールは、福島第一原発事故をうけて安全規制の一つとして、導入されたものです。この40年ルールをなきものにしようという政策に対しては、強く抗議し、その撤回を求めます。

 老朽原発を動かすことは、事故のリスクを各段に高めます。何よりも、設計思想の古さが、構造的な欠陥といえます。取り替えのきかない原子炉の劣化のほか、配管やケーブルの劣化も指摘されています。福島第一原発のような事故を二度と起こさせないためには、40年ルールの厳格化、審査の厳格化こそ必要です。

(3) エネルギー利用のあり方

 有り余る電力を湯水のように使ってきたこれまでの産業、生活のあり方を問い直す政策を求めます。

 原発の電気に替わって、これからは再生可能エネルギーの生産だというのでしょうか、山地を大規模にけずったり、巨大な構造物で歴史的な景観を無視するような開発もみられます。しかし、開発優先、利益確保優先の考え方は、持続可能性という点で完全に失格です。政策の方向を転換すべきときです。
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【別記 賛同団体】(2022/12/31で締切、54団体)

・アイ女性会議・京都
・愛知視覚障害者協議会
・アジェンダ・プロジェクト
・安全食品連絡会〔兵庫県〕
・伊藤・中村・加藤九条の会
・ウチら困ってんねん@京都
・オルター
・核のごみキャンペーン関西
・基地のない平和で豊かな沖縄をめざす会
・京都・市民放射能測定所

・京都循環経済研究所
・京都脱原発原告団
・京都反原発めだかの学校
・京都フォトニュース
・京都・水と緑をまもる連絡会
・グループチャンプルー(京都)
・原発事故による甲状腺被ばくの真相を明らかにする会
・原発ゼロ・被災者支援奈良のつどい実行委員会
・原発ゼロへ・生駒の会
・原発ゼロをめざす左京の会

・原発止めよう!九電本店前ひろば
・原発なしで暮らしたい宮津の会
・原発賠償訴訟・京都原告団を支援する会
・憲法をくらしと政治にいかす、改憲No!!あいち総掛かり行動
・神戸学生青年センター
・小牧脱原発パレード
・さよならウラン連絡会〔兵庫県〕
・さよなら原発・ぎふ
・市民環境研究所
・新空港反対東灘区住民の会

・新日本婦人の会小浜支部
・STOP原子力★関電包囲行動
・戦略ODAと原発輸出に反対する市民アクション(COA-NET)
・脱原発・滋賀☆アクション
・丹波自由学校
・電力労働運動近畿センター
・日本出版労働組合連合会(出版労連)京都地域協議会
・日本消費者連盟関西グループ
・ノーニュークス・アジアフォーラム・ジャパン
・はんげんぱつ新聞京都支局

・反原発 中部電力本店前 市民グループ
・反戦老人クラブ・京都
・ふぇみん婦人民主クラブ
・福知山再生可能エネルギー市民研究会(FSK)
・ふしみ『原発0』パレードの会
・不戦へのネットワーク
・平和・人権・環境を守る岐阜県市民の声
・平和のテーブル・京都
・放射線被ばくを学習する会
・放射能から豊中の市民・子どもを守る会

・ヨウ素剤を配ってよ@京都
・老朽原発40年廃炉訴訟市民の会
・若狭の原発を考える会
・若狭連帯行動ネットワーク