◆原告第28準備書面
第2 平成28年宮津市避難計画の問題点について

原告第28準備書面
―宮津市避難計画の問題点について― 目次

第2 平成28年宮津市避難計画の問題点について

 1 基本方針について

平成25年宮津市防災計画は、「1基本事項(1)本計画の位置づけ」において、「関西電力株式会社高浜原子力発電所(以下「高浜原発」という。)における原子力災害にかかる住民の等の避難について必要な事項を定める。」と定められている。

宮津市は、大飯原発から約40キロの位置にあるため、高浜原発だけでなく、大飯原発についても当然に、避難計画を定めなければならないところ、宮津市防災計画は、大飯原発について避難計画を定めていない。これは、大飯原発の危険性を無視するものであり、避難計画として不十分である。

この問題点は、平成28年宮津市防災計画においても全く改善されていない(甲300号証1頁)。

 2 迅速的確な情報伝達の非確実性

平成25年宮津市避難計画においては、高浜原発の緊急事態における避難などの指示については、原子力規制委員会、国及び府からの避難指示が迅速になされ、宮津市が正確に情報を受け取ることができることを前提として作成されている(甲78号証2頁)。

しかし、福島原発事故では停電により情報発信そのものが十分できなくなったり、処理能力を超えてメール等の送受信ができなくなったことにより、迅速的確な情報伝達は行われなかったりしたことを考慮すると、上記前提自体が覆される可能性が高い。

平成28年宮津市避難計画においては、全面緊急事態(甲300号証4頁参照)等に陥った場合の緊急連絡体制について、原子力規制委員会及び国からの情報をもとに、必要な体勢をとるものとされており、迅速的確な情報伝達について全く改善がなされていない(甲300号証6から9頁)。

 3 避難手段について

平成28年宮津市避難計画は、「避難手段」(甲300号証17貢)について次のとおり定めている。

「2 避難手段(1)基本的対応

  1. 避難のための移動手段は、自家用車又はバス等で避難する。
  2. 避難車両が増えると、交通渋滞、交通事故、駐車場不足等により、円滑な避難に支障を来たすおそれがあるため、自家用車で避難する場合は、避難者は京都府・本市の指示に従い、極力地域で乗り合わせるよう努める。
  3. 避難の経路及び時期が重複する場合の交通渋滞抑制策等について、関係府県相互に協議を行うとともに、内閣府、警察庁、道路管理者等の関係機関とも調整し、避難手段その他避難方法の整合を図るよう努める。」

しかし、これまで原告が主張してきたとおり、自家用車による避難は、交通渋滞などにより、迅速な避難が行えないことが容易に予想できる。さらに、北部地域は豪雪地帯であり、年に何度か大雪に襲われ、自家用車及びバスでの移動が不可能となる。

また、平成28年宮津市避難計画は、バスによる避難について小学校を避難場所とし、小学校までの移動手段について「集合場所への移動は、原則、徒歩とし、集合場所が遠距離となる住民等は、自治会避難対策本部等地域住民と協力し、自家用車の乗り合せに努める。」と定めている。

しかし、宮津市北部地区の高齢化率は高く、車の運転が出来ないだけでなく、足腰が弱っており、本当にゆっくりと杖や歩行車を使って移動することしかできない高齢者も多数存在する。平成28年宮津市避難計画は、このような高齢者の立場にたった内容となっていない。

このように平成28年宮津市避難計画は、宮津市の地域特性を全く無視した内容となっている。

 4 避難先

平成28年宮津市避難計画では、避難先の市及び避難対象地区、受入人数などを定め、西方面の避難先とされている福知山市、京丹後市、与謝野町は、受入確保人数として2万0300人とされている。

しかし、2万人もの人数の具体的避難先については、具体的には全く記載されておらず、平成25年見やすし避難計画の問題点が全く解決されていない。

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