◆京都地裁所長あてに,二度目の申入書を提出

◆点字ブロックの上にある所持品検査の設備(京都地裁)
点字ブロックの上にある所持品検査の設備(京都地裁)


申 入 書

2019年5月31日

京都地裁においては,4月より庁舎に入るときに所持品検査が実施されています。私ども原告団の申し入れ(1月31日付→こちら),弁護団の申し入れ(3月28日付→こちら)は,無視された形になっています。そして5月9日の私どもの裁判期日では,いろいろな問題がありましたので,以下,厳重に申し入れます。

京都脱原発原告団は,累計で3,323名の原告がいます。口頭弁論期日には,原告席に30数名,傍聴席も合わせると100名以上が庁舎に入っています。この人数に対して,所持品検査の体制があまりに貧弱ではないでしょうか。庁舎外に長い行列ができて,待たされました。その日は天気も良くて気温もほどほどでしたから良かったものの,これが,風雨,雷雨,炎暑,吹雪などの悪天候でしたら,庁舎外で長い列をつくったりはできません。

現状では,庁舎内に待機することも可能です。しかし,庁舎内で待機していたとしても,傍聴券の抽選にはずれたら,庁舎を出ることになるので,その場合は,受ける必要のなかった(すなわち,最小限に留めたかった)金属探知機による電磁波検査を受けさせられただけに終わります。検査を受けずに待機できる場所を,庁舎内に用意してください。

傍聴者の中には,高齢で杖を離せない方,車いすの方,松葉杖の方,などもおみえです。裁判所の出入口を一つだけにしてしまっては,そういう傍聴者の移動の負担を増すものです。せめて,閉じられてしまった他の三つの出入口(東側,南側,西側の出入口)も,出ることだけは可能なように改善すべきではないでしょうか。こんなことはすぐにできるはずです。

所持品検査の設備が視覚障害者誘導用ブロックの上に載っている点は,私ども原告の指摘などでご存じかと思いますが,司法記者クラブには通報しました。法の番人が法を犯してどうするのですか。

今回のような所持品検査の必要はまったくなく,裁判を受ける権利の侵害です。長い時間をかけて,無駄な作業をしただけです。私どもからみると,裁判所がさらに遠のいた感じです。当日の法廷内,傍聴席は不機嫌な空気が充満していました。裁判所が始めた所持品検査には,あくまで反対ですが,上記のように改善することができる点は,いくつもあるはずです。

以上,ご検討いただき,遅くとも6月末までには文書にて回答してください。


◆司法記者クラブでは,点字ブロックの上にものが載っている状態は直ちに違法ではない,係員もいることだし,と聞きました。しかし,どこでも点字ブロックの上はあけておきましょうというのが常識であり,そうした感覚からすれば,おかしいと思います。係員がいるといっても,混雑しているときに機能するとは思えません。
◆以下は,町で見かける黄色い視覚障害者誘導用ブロック(点字ブロック)の状態です。車イス用の通路確保とともに,保護されています。自転車などの駐輪を防ぐための赤いコーンが置いてあります。


◆朝日新聞にも投稿,6/5に掲載されました。

京都地裁は4月から来庁者を対象に所持品検査を実施しています。複数あった出入り口も1カ所に限定。私が事務局長を務める京都脱原発原告団と弁護団は、裁判を受ける権利の侵害であるとして検査中止を申し入れました。
先日は100人超の関係者が来庁、検査待ちの長い行列が庁舎外にできました。車いすや杖を使う方々に庁舎外での待機や移動で負担をかけないよう、検査を受けずに傍聴席抽選の結果待ちができる場所が庁舎内に欲しいと思います。出入り口も複数必要です。
東京家裁では3月、女性がゲート式金属探知機より手前の建物内で夫に刺殺される事件が起きました。現状の所持品検査が有効か、議論があります。とりあえず、検査のあり方については改善すべき余地があると思います。
所持品検査の設備が視覚障害者誘導用ブロック(点字ブロック)の上に載っていることも気になりました。法の番人である裁判所なのですから、障がいのある方々へ配慮をお願いします。