2021年12月16日、京都地裁で大飯原発運転差止訴訟の審理が行われました。
谷文彰弁護士の弁論
原告は、これまで、大飯原発敷地の地下構造が脆弱で、原発設置は危険だ、と証拠をもって示してきました。それに対して関電は、専門家の意見書を添えて反論しました。
今回、谷弁護士は再度反論し、大飯原発敷地の地下構造を調べた弾性波トモグラフィー解析の結果は、敷地の地盤が柔らかい構造であることを示している、と述べました。(図の濃い青色部分が固い構造。黄色や薄い青色部分は柔らかい構造)
弾性波とは、弾性体(力を加えると変形し、力を取り除くと元の形に戻る物質)内を伝わる波のこと。弾性波トモグラフィーとは、CTスキャナーの原理を応用して地質の構造を調べる手法。固い地盤では弾性波の縦波・横波とも起こるが、柔らかい地盤ではずれに対して弾性を示さないので横波は起こらない。
迫田薫さん(エコネットまいづる事務局長)の口頭弁論
迫田さんは、舞鶴市の避難計画には、三つの重大な問題点がある、と述べました。
1)市民への説明会は自治会長などに限られていて、ほとんどの市民には避難計画の内容が知らされていない。
2)避難計画は実効性がない。例えば、多くの高齢者には、HP・スマホ・Line・FMまいづるなどでは伝わらない。避難バスは来るのか。避難場所に行くのに徒歩・自家用車・乗せてもらう、など自己責任が強いられている。地震などで道路は大混雑が予想される。避難した3〜4千人を誰が仕切るのか。避難中のトイレはどうする。ガソリンはどうなる、などなど。
3)今の計画では、被ばくしないでヨウ素剤を配布したり服用することは不可能。
避難計画でなく、原発を止めろ。しかし、使用済み核燃料があるかぎり安全でない。安全な保管方法に切り替えろ、と訴えました。
2021年12月
原発ゼロを目指す左京の会
(共同代表 宗川吉汪[そうかわ・よしひろ] sokawaあっとsnr.kit.ac.jp)