◆関西電力 闇歴史◆002◆

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◆美浜原発2号機で緊急炉心冷却装置(ECCS)が作動(1991年)
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 1991年2月9日、美浜原発2号機(現在は廃炉)の蒸気発生器の伝熱管1本が破断し、原子炉が自動停止する事故が発生した。この事故は日本の原子力発電所において初めてECCSが実際に作動したものである。

 事故の原因は、伝熱管の振動を抑制する金具が設計通りに挿入されておらず、そのため伝熱管に異常な振動が発生し、高サイクル疲労(金属疲労)により破断に至ったものと判明した。この金具は点検対象とされていなかったことも一因とされる。

 この事故により微量の放射性物質が外部に漏れたが、周辺環境への影響はなかったと発表されている。また、美浜沖の海水から、通常なら数Bq/Lより少ないトリチウムが、2月10日に470 Bq/L、2月18日にも490 Bq/L検出された。国際原子力事象評価尺度(INES)はレベル2と判定された。レベルの低い「事故」は「事象」や「逸脱」にしてしまうような “ 厳密な ” 尺度。

(国際原子力事象評価尺度[INES]→こちら
(おもにWikipediaによる)

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【参考】「東電という会社は…」
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 東京電力福島第一原発2号機は1992年9月29日、全給水喪失事故を起こし、緊急炉心冷却装置が作動した。ところがこの事故報道の際、同じ福島第一原発2号機で1981年5月12日に同様の全給水喪失事故で緊急炉心冷却装置が作動していたことが明らかになった。これが日本の原発で最初の緊急炉心冷却装置作動事故と思われるが、現在までこの事故の詳細は明らかにされていない。

 とりわけ、事故記録類は、この原子炉の履歴や寿命を判断するため、また、原子炉の安全運転を行うための重要な資料であるが、東京電力株式会社では、生のチャート類を含め、1981年事故時の生データは保存していないと回答している。

 以上は、東京電力福島第一原発2号機の緊急炉心冷却装置作動事故に関する質問主意書、提出者 鈴木 久さん(日本社会党)、1993年6月16日
こちら

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【参考】わが国においてECCSが作動した事故・故障 (~2004年5月)
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 原研(日本原子力研究開発機構、JAEA)のWebサイトによれば、わが国の原子力発電所において緊急炉心冷却系(ECCS)が作動した事例は、1970年の軽水型原子力発電所運転開始から2003(平成15)年度までに、5件ある。ただし、1件を除いた他の4件はいずれも誤信号の発生又は誤操作に起因した事象によって作動したもので、運転が停止された以外の影響は生じていない。美浜2号機で1991年2月に発生したものは、蒸気発生器の伝熱管が1本破断するという事故に起因して作動した事例である。しかし、安全審査の段階で評価されていた通りに安全系統が作動し、事故の拡大に繋がることもなく周辺への影響も無視しうる程度に収めることが確認された、として、安全を強調している

(1)1979. 7.14、関西電力(株)大飯1号機。定格出力運転中、「冷却材ポンプ遮断機トリップ」の誤信号が発生して、原子炉が自動停止した。さらに、主蒸気逃がし弁が作動して主蒸気管相互の圧力に不均衡が生じた結果安全注入信号が発信しECCSの一つである「高圧注入系」が作動した。しかし、系統から冷却水の流出はなかった。
(2)1981. 5.12、東京電力(株)福島第一、2号機
(3)1981.11.19、東京電力(株)福島第二、1号機
(4)1991. 2. 9、関西電力(株)美浜2号機
(5)1992. 9.29、東京電力(株)福島第一、2号機
こちら

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【参考】ECCSを避けたい動機
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 「東日本地震が発生してから、津波が福島第一原発に到達するまでの約50分間に、最初に起動しておくべきだった原子炉の緊急冷却装置を起動しなかったのはなぜか」。
『福島第一原発 メルトダウンまでの50年』の著者・烏賀陽(うがや)弘道氏に聞く。
こちら

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