◆関西電力 闇歴史◆009◆

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◆再稼働を急ぐ老朽原発で、労災人身事故が多発(2019~21年)
 CO 中毒労災事故は責任をめぐって裁判(2022年~)

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 高浜1、2号機、美浜3号機では、老朽原発再稼働準備作業中に労災人身事故が多発している。老朽原発を急いで無理矢理動かそうとして、安全な労働環境づくりを怠ったために起こったもの。
 
(1) 2019年9月、老朽原発・高浜1、2号機の特定重大事故対処施設(いわゆるテロ対策施設)建設用のトンネル内で溶接作業にあたっていた9人が一酸化炭素中毒で救急搬送され、4人が集中治療室に。事故の起こったトンネルには外気を取り込むダクトが設置されていなかった。

 2022年3月15日、敦賀労働基準監督署は、十分な換気をしていなかったとして労働安全衛生法違反の疑いで、法人としての土木工事業「若狭プラントサービス」(福井県美浜町)と、当時の同社作業責任者の男性(66)を書類送検した。4月6日に敦賀区検が略式起訴し、同22日に敦賀簡裁が罰金20万円の略式命令を出した。しかし、同社と男性は、二次下請け(関電→元請→一次下請→二次下請)の立場なので、換気に責任はないと主張。略式命令を不服として罰金を納付せず、5月に正式裁判を請求し、受理された。初公判は9月に開かれ、被告として無罪を主張した。しかし、2023年に原告敗訴の判決→控訴。

(2) 2019年9月、美浜3号機では、安全対策工事用の足場が崩れ、2人が重軽傷を負った。

(3) 2020年3月には、高浜原発1、2号機の敷地内にある掘削中の作業用トンネルで、発破準備作業の安全監視中であった協力会社社員が、発破用の火薬を運ぶために後退してきたトラックにはねられ、亡くなった。同社員は耳栓をし、トラックに背を向けていたとのこと。

(4) 2020年4月には、高浜原発1号機のディーゼル発電建屋内で安全対策工事を行っていた協力会社の会社員が、高さ1.4メートルの脚立から転落し、骨盤を折る重傷を負った。

(5) 2020年8月には、社長が労災防止を誓った慰霊行事(8月9日)の3日後に、美浜原発3号機で安全対策工事中の協力会社社員が、足場から転落して重傷を負った。9月2日に公表。(◆008◆

(6) さらに、2021年8月18日にも、高浜原発2号機の安全対策工事で協力会社の作業員が転落して負傷(約1か月の入院加療)。この事故も、慰霊行事の9日後の事故であった。9月3日に公表。→こちら(広報「原子力発電所の運営状況について」末尾の方に記載)。

(7) 2021年10月19日には高浜1、2号機の特重施設工事で作業員が重傷を負う労災事故が発生。午後11時半ごろ、特定重大事故等対処施設の建設現場で協力会社員がタワークレーンの解体作業中に重傷。時刻が「午後11時半ごろ」? 夜中にタワークレーンの解体作業? それにWebでの発表もありません(10月23日現在)。

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