◆11月18日に行った関電との話し合いの記録


◆11月18日に行った関電との話し合いの記録

関電側;広報担当者2名ほか1名。
使い捨て時代を考える会;4名。

話し合いの前に以下の要請書を関電側担当者の前で読み上げ,提出しました。

要請書
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経営トップが辞任する事態での危険な原発運転は許せません
直ちに停止することを求めます

貴社の役員等20名が,福井県高浜町の元助役森山栄治氏から約3億2千万円の金品を受領していたことが明らかになり,八木会長,岩根社長をはじめとする役員の辞任が報じられています。経営陣のトップが辞任するという混乱のさなかでの原発稼働は通常にもまして大変危険です。重大な事故が起きたら責任ある対応ができるのでしょうか。住民の安全はだれが守るのでしょうか。直ちに原発を停止することを求めます。

不正な金品の原資は,貴社の発注した原発関係の工事費からの還流であるといわれています。不正還流は明らかになっている期間だけでも8年間で,それ以前の30年にわたる期間であるとも考えられています。長期間にわたって動いた汚れた金は最終的には消費者の支払う電気代であります。高い電気代が汚れた使途に流れ,50万円の洋服となって着服されたのだと知ると,庶民の感覚と違いすぎて声もありません。

このような不正の中で進められた原発の建設・稼働は許されるものではありません。直ちに原子力からの撤退を表明してください。この要請に責任ある経営者からの返答をお待ちいたします。よろしくお願いします。
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今回は以下の質問書を提出し,話し合いました。

質問書
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1.このたび貴社の役員等20名が高浜町元助役森山栄治氏から約3億2千万円の金品の受領したことが明らかになり,八木会長をはじめ貴社幹部数人が辞任するとのことです。経営トップが辞任するという事態の中で原発を動かし続けていますが,もし重大事故が起きたらだれが責任をもって対処するのでしょうか。黒い金に関係した岩根社長の指揮で住民の安全を守ることはできるのでしょうか。

2.高浜原発再稼働は,いわゆる「原発マネー」の不正なやり取りで進められたということが明らかになりましたが,安全性を第一にという貴社の主張との間に齟齬(そご)はないのでしょうか。

3.今回は高浜原発についての不正な金品の受領が報じられましたが,大飯原発,美浜原発に関して立地自治体のおおい町,美浜町,また福井県との間に同様な金品のやり取りはなかったのでしょうか。

4.この問題に関して第三者委員会を設置し究明を任せるとのことですが,第三者委員会に公正な第三者性のある学識経験者と利害関係のある消費者は入っているのでしょうか。消費者に納得がいく究明を期待しています。

5.このような事態の中で,定期検査中で,12月半ばに再稼働する準備が進められている,高浜原発4号機の蒸気発生器の損傷が発見されましたが,大変危険だと感じています。修理や原因究明はどうなっていますか。

6.このような事態の中で,テロ対策施設(特定重大事故等対処施設)の設置計画をどのように進めていますか。使用済み核燃料の処理計画は進んでいますか。

7.このような事態の中で,大山噴火に伴う火山灰等の影響評価見直しに関して,どうなっているのかご説明をお願いします。

8.稼働40年を超えた高浜原子力発電所1,2号機の運転延長を進めていますが,原発マネーで進められた老朽原発の再稼働は見直す必要があるのではないでしょうか。

9.電力自由化によって貴社から他社へ切り替えた消費者を取り戻す動きが活発化していますが,まずは社内の浄化を先に行うべきではないでしょうか。

10.厳しい経営環境下で経費削減の努力をしておられると思いますが,原発の安全性や送配電の健全性は十分に配慮,維持されているのでしょうか。

以 上
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話し合いの内容 Q(こちら側の発言),A(関電の発言)

A 今回のことは大変申し訳ありませんでした。第三者委員会を設置して再発防止に努めます。

Q 第三者委員会は本当に第三者という条件を満たしているのか。

A もう辞任されたが,菅原前経産大臣からも言われた。代表は但木弁護士で,但木弁護士とは当社はこれまで接点はない。日弁連のガイドラインに則って選んだ。

Q 日弁連の推薦があるなら納得するが,ガイドラインで選んだとは理解できない。客観性,合理性があるのか。ないなら事態は一層深刻になる。選び方に疑念がある。第三者委員会に納得できる委員を加えてもらいたい。

Q 市民の間では関電が選んだ第三者委員会という認識だ。良識ある学識経験者,消費者を入れてもらうよう対処してほしい。このことをどう思うか。

A 指摘されたことは承知している。中立公平に誠実に対応している。(委員を決めた)具体的プロセスは承知していないが,ガイドラインに則って選び,当社は関与していない。市民の疑念の声があるのは知っている。

Q 第三者委員に見えないというのが市民の普通の感覚だ。

Q 八木さん,岩根さんは汚れている。岩根さんから始まった委員会は信頼できない。結果が出ても関電が作った第三者委員会としか見えない。

Q 市民として経産省にも第三者委員会を作るように要請した。国会の事故調のような委員会も必要だ。関電が調査するのでは信用できない。

Q いま高浜原発4号機を12月半ばに動かそうとしているが,第三者委員会の報告は12月末以降と聞いている。報告も出ないうちから動かそうという予定はおかしい。もっとも4号機は細管の減肉問題で動かないのだろうが。

Q 誠実に,真摯にやってもらいたい。

Q これは犯罪だと思う。「容疑者」が第三者委員会を作ったというのはどういうことか。

Q 来年4月から電力会社の任意で定検までの連続稼働期間延長が24か月までできるようになり,規制委員会も定検結果をチェックしないと言われている。規制委員会は再稼働のOKを出すまでで,そののちは電力会社に丸投げということらしい。国は原発事故を電力会社の責任にするつもりかもしれない。気を付けてみてほしい。

(ここから質問書に沿って進めることになる)

Q 要請文に対する返答は文書で返してもらいたい。

A 検討する。

★A(質問1について)お詫び申し上げる。二度と起こさないよう第三者委員会で調査して真摯に対応する。福島原発事故以降原発の信頼回復に努めてきたのに,このような事態を引き起こして申し訳ない。安全第一に,運転も保守も行っている。

Q 事故が起きた時の対応は岩根社長がするのか。

A そうだ。原子力部門関係のトップは10月9日に辞任し,松村などと交替した。金品受領に関与していないものがなっている。

Q 原子力専門家がいないのではないか。

A 経歴はそれぞれで,専門家もいる。

Q 責任体制がゆらいでいる。京都も地元だ。止めてもらいたい。

Q 関電の自浄作用をどこまで信用したらよいのか。

Q 滋賀県の危機管理課と話をしたが,公務員が同じことをしたら懲戒解雇だと言っていた。関電の処分はどうなるのか。

A 第三者委員会の結果次第だ。

Q 市民は注視している。辞任ではなく解任すべきだ。

Q 子会社や社員も含めて,不始末をしたのは原子力部門の幹部だけ。たった数十人の不始末で外部からいろいろ言われる。すごい不信感だ。

A 一部経営陣がやったこととはいえ,確かに社員にも影響する。

Q 3.11以降信用確保に努めてきたというが,森山さんを使って,無理をして再稼働を進めたのではないかと言われている。原発をやめることが責任を取ることだ。

★A(質問2について)会社全体の信用が失われているが,現場の人間は安全第一を使命にしてやっている。

Q 高浜原発4号機の蒸気発生器を損傷した破片は見つかったのか。

A 調査中だ。

Q 大事故につながる可能性がある。

Q 工事のお金がキックバックされたと聞いたが,どの部分が削除されたのか。どこから還流したのか。余分に払われてそこからキックバックしたのか,もともとぎりぎりの中からどこかを削ってキックバックしたのか。ちゃんと工事ができていたのか。そういったことがわかるまでは動かすべきではない。

★A(質問3について)これらについては第三者委員会で調査している。原発以外の他部門についても時期をさかのぼって調査中だ。

Q 報告はいつ出るのか。

A 12月末というのが当社の希望だが,遅れるかもしれないし,12月末は中間報告かもしれない。

Q 誠実に対応するなら,報告が出るまで原発は止めるべきだ。老朽原発の再稼働に向けた工事も止めるべきだ。なぜ稼働を進めるのか。

A みなさんの不安は聞いている。管理体制や日々の業務運営に支障が出ないように進めている。

Q 何も解決できていない中で進めているのか。安全性が確保されているのかわからない状態だ。

A 昨年9月に第三者で調査したが,知らせていなかった。

Q 株式会社としていち早く株主に報告すべきではないか。内々でやって,内々で始末するのか。新聞報道が出るまで内々でごまかしてきた。マスコミもそれに応じた表現しかしてこなかった。この問題の根は深い。

Q 大飯原発や美浜原発で同様なことがないか社内で調査しているのか。

A 30年9月に第三者委員会が他の原発で同様の事例がないことを確認している。送配電では事例があったと報告があった。

Q 関電京都支店で今回のことに関わった人は今でもいるのか。

A 今でもいる。

Q 京都支店の社長に会いたい。

Q 懲戒解雇対象のような人が今もいると聞くとドキッとする。自浄作用ができていないのではないか。

Q 京都支店が関与していないわけはない。この事件では亡くなった方を取り上げているが主役は関電だ。他原発にはまったく無いということを確認してもらいたい。

Q 森山さんの言うことを聞かざるを得なかった,というのは大きな問題だ。圧力を受けたら法律を破ってもやるということだ。他でも法律を破るかもしれないと思う。関電は圧力に屈するということだ。信頼は完全に揺らいだ。

★A(質問4について)第三者委員会は但木弁護士のほか3人の弁護士で構成されている。4人全員弁護士だ。

Q 専門家はいないのか。

A 調査にあたってどなたに意見を仰ぐかは把握していない。但木さんは原発に関連してというより,相撲部屋の暴力問題をやった方だ。

Q 第三者委員会には電力料金を払っている消費者を入れるべきだ。ぜひ検討してもらいたい。

★A(質問5について)定検中に摩耗減肉の信号が小型カメラで確認された。(蒸気発生器の)Aに6ミリ,Bに5ミリ,Cでは伝熱管支持盤の下1ミリのところに8ミリ×4ミリの周方向の傷が発生していた。Aで金属片が確認されたが,ステンレスと思われるもので,伝熱管とは別のもの。この金属片には摩耗の痕跡もなく損傷の原因ではないだろう。金属片の混入経路も調査中だ。傷が起きた伝熱管に閉止栓をして使わないような処置をしている。

Q 破断寸前だったのではないか。

Q 専門家が書いた報告書があるならもらいたい。正確な情報で精査したい。安全第一でやってきたのにこのようなことが起きている。

A ご意見を共有していく。

Q 高浜4号機の再稼働はどうなるのか。

A 原因がわかるまでしない。定検期間を伸ばす。

★A(質問6について)従来の考え方に変更はない。

Q 中間処理場はどうなっているのか。

A 2020年中というスケジュールに変更はない。

★A(質問7について)2019年に再評価の措置命令があり,9月26日に原子力許可申請を行っている。降下物についてテフラでシュミレーションを行って確認した。その結果,堆積物の重量に関しては,大飯22cm,美浜15cm高浜25cmで耐えられるということで申請した。灰についてはフィルターを取り換えられるシステムを構築した。吸気,換気ができる。灰による影響はない。

Q 灰が3ミリ積もったら車はスリップする。建物に近寄れなくなるのではないか。

Q 重量を測りなおしたら大丈夫だったということなのか。

A そうだ。

Q 数字をいじって書き換えただけなんて信じられない。再評価してもらいたい。フィルターのことも甘いのではないか。

★A(質問8について)考え方に変更はない。

Q 老朽原発の再稼働は絶対にやめてほしい。どのぐらいの脆性温度でやるのか。特に高浜1号機の脆性破壊が起きる温度は99度と高くなっていると聞く。圧力容器が弱くてかなり破損すると思う。20年持たないのに再稼働するのか。同年代に作られた原発の間でも,脆性温度もばらつきがあると聞いている。なぜそんなばらつきがあるかもわかっていない。つまりテストピースも正確ではないということだ。高浜1号機は40年も放射能を受けているから心配だ。再稼働がどんどん遅れると耐用年数も短くなるのではないか。

Q 高浜1,2号機の再稼働は無理だ。テストピースでやっているというが反映できているのか。危険性が高い。不祥事が起きた以上動かすことは大変だ。利権がらみで再稼働なのではないか。

A 厳しい意見をもらうことが多い。

Q 関電に戻るようにという消費者への電話や手紙が多い。真摯に対応しているようには思えない。消費者取り戻しにかかる費用の原資は何か。公益事業なのできっちりした資料をもらいたい。

Q 決算書から見ると,値下げできる原資がない。経費削減してやっているが事故の危険がある。電気量は2割減だ。無理な経費削減は危険だ。固定資産も原発部門以外減らしている。それなのに値下げは疑問だ。

Q このような事態が起きたので,経営の責任者に出てきてもらって話し合いたい。

A 送配電カンパニーは来年4月から分社化し,関西電力の小売りからではなく託送料金で運営することになる。

Q リストラで送配電部門の経費,設備投資が減っている。今後のことが不安だ。説明してもらいたい。経営が厳しいのに料金の値下げはなぜか。安全第一,誠実にと言っているが理解できない。

Q お金をけちると末端労働者に余波が来る。自殺者も出ている。クレーンの事故のことなど見ても基本ができていないと思える。今後改めるときっちり言ってもらいたい。千葉や北海道の停電は原発に比重を置きすぎている中で起きた。

………………………Q&Aはここまで

原発マネー不正還流問題でたくさんの質問があり,1時間30分に及ぶ面談となりました。関電が独自に設置した第三者委員会がすべてを明らかにするとは思えません。原発の黒い金はこれにとどまらないと思います。これからも厳しい市民の目が必要ということを痛感しました。