◆3月15日に行った関電との話し合いの記録

関電側;広報担当者ほか1名。
使い捨て時代を考える会;4名。

今回は以下の質問書を提出し、話し合いました。

質問書
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1.今年3月11日で福島原発事故から8年経ちました。福島原発事故の処理は現在どこまで進んでいると認識されていますか。炉心がどうなっているのか。使用済み核燃料はどうなっているのか。汚染水の管理はできているのか。健康被害は起きていないのか。被害を受けた住民への賠償は進んでいるのか。この事故で事後処理にかかった経費はどのぐらいか。これからどれだけの経費を必要とするか。ご存知の範囲でお答えください。

2.電力自由化によって、貴社から他社へ切り替えた消費者は2018年12月末で200万件を超えました。大飯原発再稼動、高浜原発再稼動で契約離れが加速していますが、そのことについてどうお考えですか。消費者は原発に依存しない電力会社を望んでいるのです。このことについてどのような見解をお持ちでしょうか。

3.3月6日に高浜原発1号機で再稼働に向けた工事中に火災が発生しましたが、単純なミスからの火災でした。一昨年起きたクレーン倒壊事故も単純なミスでした。このようなことが大きな事故につながる可能性は否定できません。いうまでもなく、大きな原発事故は取り返しのつかない事態になります。高浜原子力発電所1号機は40年を超えていますが、老朽原発の再稼働は特に心配です。電力が足りている中で老朽化した原発まで動かす理由はどこにあるのでしょうか。再稼働を直ちに断念し、そのための工事も中止してください。

4.使用済み核燃料の処理についての、技術的、経費的な目途は立っているのですか。また、2020年以内に決めると言っている福井県外の中間貯蔵施設の候補地は決まりましたか。使用済み核燃料の後始末はいったいどうするのですか。

5.前回のお答えの中で、「原発賠償訴訟起こした人に詐欺があった」「舞鶴のほうでは詐欺的業者の営業の電話がかかっている」という「詐欺」という言葉が出てきましたが、それを知ったのはどういう情報ですか? 特に原発賠償訴訟では被害を受けた人がいろいろな誹謗中傷を受けて苦しんでいます。事故を起こした電力会社が責任を取らないので、被害を受けた側が、やむなく裁判を起こしているという事実を、同じ電力会社としてどのように受け止めておられますか。

以 上
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話し合いの内容
(Q;こちら側の発言  A;関電の発言)

A〈質問1について〉HPに載っている以上のことを知っているかという問いか?

Q 関電としてどう認識しているか聞きたい。

A 福島の事故以来、規制基準も福島のことを踏まえて審査してきている。教訓としてきている。事故が起きないように安全運転に取り組む。

Q そのために多額のお金を使っているのでは。無理に動かしているのではないか。努力しているのはわかるが、そこまでして原発をやる意味が解らない。

Q 福島原発では崩れ落ちた燃料の始末はどうするのか。

A 賠償金は8兆円ぐらいと東電のHPに載っていた。

Q 東電の言ってきたことはオオカミ少年だ。関電は他人事と思っているのではないか。賠償金などは国民が負担している。東電の危機的状況が続いているのを見ながら、なぜ関電は学ばないのか。

Q 質問2に関連するが、電力自由化で客離れが続いており、1~2月で7万件減った。きわどい判断をなぜするのかわからない。原子力部門の経営負担はすごい。社内で疑問があるはずだ。これで大丈夫なのか。会社の存続にかかわるのではないか。社員から意見を聞いているのか。

Q 常識で考えて原発は危険なものとなぜ考えないのか。それに費用がかかりすぎる。決算書をみても作り出す電気の総量の現状を見ても、やっていけない。原発に手を付けると将来が暗いと世間ではなっているのに、経営判断として不安はないのか。

A 経費が掛かるという事か。

Q 東電は苦しんでいるではないか。

Q 東電の不誠実さはひどい。

A 質問1はもっと答えやすい質問にしてほしい。

A (質問2について)契約離れは加速している。2割弱だ。2月末で220万件だが、1200万件の客がいるので…。料金値下げしているのだが厳しい状況だ。高浜、大飯原発再稼働で客離れしたというが、国の資料を見ると、21年5月以降加速している。再稼働で加速というが、平成30年3月、4月、5月を見るとそんなに加速していない。

Q 認識として影響ないと思っているのか。

A 厳しいと思っているが、再稼働で客離れは事実ではない。国の資料を見るとスイッチングした理由は原発ではなく価格とか引っ越しのせいだ。

Q 価格が高いのは原発のせいだ。そのことを認識していないのか。

A 認識ではなく事実関係で言っている。できるだけ関電を選んでもらうように頑張っていく。

A (質問3について)格納容器内で溶接機を使った工事をしていて、溶けた金属が飛び散って、ホースに引火した。格納容器内で起きたのでプレス発表した。

Q そのようなときに警察は入らないのか。

A 治外法権ではないので、警察も消防も入る。

Q 地震対策で一般のビルは耐震工事をしている。高浜原発は40年越え老朽ビルと同じだが、耐震工事もしないで大丈夫か。

A 高浜原発は700ガルに耐える工事をした。

Q 耐震の基準は一般住宅のほうが高い。

A そうなんですか?地震のガルはどこのガルかが問題。

Q 活断層がなくても地震は起きる。耐震工事をしないで動かすのはおかしい。

A 直下で起きたら危ないということか。

Q 事故が起きたら京都は住めなくなる。

A 地震はどこでも起きるが、耐震対策は弊社が思いついてできることではない。

Q 国が決めたからというのは会社として無責任ではないか。

Q 想定外はいつでも起きる。全配管をすべてチェックするのは不可能。古くなった配管はどこにひびがあるかわからないし、強度がガタ落ちになる。どこの配管を変えたか教えてほしい。

A それは出せない。全配管の長さは出せるが。

Q 配管交換は基礎的データだ。ひびが入っていたら大変だ。部品の安定性は慎重であらねばならない。高い技術を必要とする。

A もう時間なので…。

Q 質問4について聞きたい。中間貯蔵施設の見通しはあるのか。

A 来年内に候補地を発表するが、今は言えない。

Q 質問5について情報源を聞きたい。賠償訴訟に関して詐欺があったという発言だったが、被害者の気持ちを逆なでする情報だ。

A(東電のHPの記事を出して)これです。(この記事は賠償金を詐欺で取られることに注意という記事)

Q 被害者が詐欺にあったという話ではないか。正確な表現をしてもらいたい。舞鶴の件は?

A 弊社の訪問活動の中で聞いた話だ。

Q いずれにしても正確な情報で話をするように。

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福島原発事故に関しては東電のHPを見ることしかやっていなくて、関電としてどう考えるかという問には答えられない。客離れは深刻らしいが、原発再稼働のせいとは認めたくない。何かというと国が決めたと逃げる。毎回ですが腹立たしいことです。