◆関電と原発 memo No.26–原発の事故隠しデータ改ざん[若狭の原発分](2020年12月18日)

◆事故隠し
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美浜原発1号機の事故隠し

関電美浜原発1号機で1973年3月に燃料棒折損事故が発生していたことが、1976年12月に発覚した。発覚のきっかけは、田原総一朗著『原子力戦争』に付された報告「美浜一号炉燃料棒折損事故の疑惑」だった。関電は、この事故を4年近くも隠していた。これに対し原子力委員会は、同年12月7日、関電を厳重注意とした。

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敦賀原発の事故隠し

1981年4月1日以降、日本原電の敦賀原発(当時は1号機のみ)で、同年1月10日と1月24日に、冷却水漏れ事故があり、秘密裏に発電を続けながらの修理が行われていたことが発覚した。また同年4月18日以降、3月8日に放射性廃液の大量流出事故があり一部が一般排水路から海へ排出されたことが発覚した。
これに対し福井県原子力安全課は、修理は運転を停止して行うのが当然で、聞いたことがないやり方だとコメントした。また、当時の通産省(現在の経済産業省)は、日本原電に対し、敦賀原発を6か月運転停止とする処分を行った。通産省は電気事業法違反での告発を検討したが、結局、告発は見送られた。

◆データ改ざん
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MOX燃料の製造データ改ざん

1999年9月14日、関電高浜原発3号機に使用予定だった、イギリス原子燃料公社(BFNL)製造のMOX燃料ペレットの寸法データが改ざんされていることが、明らかになった。データの偽造は、22ロット分。関電は独自の抜き取り調査を行っていたが、偽造を見抜けなかった。発覚当時、高浜4号機用のMOX燃料が日本へ向けて輸送中であった。
国と関電は同年9月24日、現地調査に基づく中間報告を発表した。この報告書は、高浜3号機用のデータ改ざんを認めたが、高浜4号機用のMOX燃料については不正はないとした。その後、4号機用の燃料でもデータのねつ造が判明した。そして関電は翌2000年1月に、1999年10月の段階で4号機用燃料でのデータ改ざんの疑惑について情報を得ていたが、BFNLからの不正はないとの連絡を受けて、12月まで通産省や福井県に報告していなかったことを発表した。

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断層生データの改ざん

2020年2月7日、敦賀原発2号機の新規制基準に基づく審査で、日本原電が、原子炉建屋直下に活断層があるかどうかの判断に必要な調査資料の記述を少なくとも十数か所、改ざんしていることが発覚。規制委は「削って書き直すのは非常に問題がある。この資料をもとに審査はできない」と厳しく指摘した。この件は、まだ決着がついていない。

(資料:https://ja.wikipedia.org/ ほか)