◆質問状に対する関電の回答(2017-02-25)

◆2/15,3名で関電からの説明を聞きました。関電側…3名。

① 福島原発事故は収束していると貴社は判断しておられますか。また,事故の実態は十分に解明されていると思われますか。

→当社は回答する立場ではないが,いろいろな課題が残っていると認識している。

② 東京電力の被災者への対応は,誠実さが十分だと思っておられますか。

→評価すべき立場ではないが,当然,すべての被害者に迅速,適切に賠償するという政府方針に則って行われていると思う。

③ 原発は高度な科学技術で素晴らしい水準にあるとも聞きますが,最近の40年間の進歩はどの程度なのでしょうか。40年前の技術は現在も完全であり,心配ないのでしょうか。また,40年の老朽化はどの程度と思われますか。

→40年前の技術そのものではない。中身を取り替えている。最新の規制基準にしたがってバックフィットもしている。メンテナンスをしているので,性能を維持している。テストピースも,過酷な状況で計測している。

④ 電力供給の公益性から,その安定性は必須です。しかし,原発は事故や裁判などのリスクによって,不安定さがあるように思われますが,貴社ではどのように考えておられるのでしょうか。

→特定の電源に依存することなく,さまざまなオプションをもつというのが,当社の考え。原子力,一つのオプション。当社の原発は福島事故以後動いていないが,そもそも福島のような事故をおこさないようにするのが前提。事故は起こらないという立場ではない。起こることを考えて,ポートフォリオをもっていく。総合的に投資するが,見合わなければ止める。再生可能エネルギーへの投資は,グループ会社を通じて積極的に行っている。発電量において,目標を立てて見直している。投資に対する収益性を,事業として考えている。

⑤ 原発は,運転しても廃炉にしても毒性の強い放射性廃棄物を生み出します。こうした放射性廃棄物は,未来世代への負の遺産と言われます。この倫理性については,どうお考えでしょうか。

→将来に管理の負担を負わせないために,地層処分をしていく取り組みを進めたい。何万年も管理するのは現実的ではない。人間が管理する必要がないようにするのが,地層処分。いろいろなご意見があるのは承知している。いろいろな声を聞いている状況です。

⑥ 福島原発事故によって,廃炉,除染,賠償などの巨額の支出が予想されており,電気料金(託送料への上乗せ)で回収することが検討されているようですが,貴社の電気料金はどのようになるのでしょうか。原発によらない新電力会社の料金に託送料として転嫁するのは理不尽だと思いますが,どのように考えられているのでしょうか。

→国の委員会で議論中なので,今,どうこういうわけではない。福島の廃炉,除染,賠償などの費用を託送料に乗せるものではない。

(この回答は,録音不可という条件でしたので,席上でとったメモをもとにしたものです。文責:吉田明生)