◆関西電力 闇歴史◆047◆

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◆関電の老朽原発、高浜原発1、2号機運転延長担当の課長が自殺
 過密な規制委審査に、負担が集中(2016年4月)

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 2016年4月20日、出張先の東京都内のホテルで、高浜原発1,2号機運転延長に関わっていた関電課長(40代男性)の自殺が見つかりました。同日、1、2号機運転延長審査の合格にあたる「審査書」が了承されました。1、2号機について関電が原子力規制委員会に提出した資料は約8万7000ページに上っており、審査期限に間に合わせるよう、課長を含む担当職員は厳しい勤務状況にあったとみられています。高浜1、2号機の場合、1昨年3月の安全審査申請から昨年6月の運転延長認可まで、事務レベルでの会合は233回、亡くなられた課長の残業が急増した1~4月の4か月間では、100回を数え、平日はほぼ毎日、複数回の打ち合わせがある過密日程で、最大月200時間、亡くなった4月は19日までに150時間の残業をしていたといわれています。3月からは東京に長期出張していました。7月7日までに審査に合格しなければ廃炉になる可能性がありました。電力関係者は「(審査会合では)一つ資料を出すと、10個宿題が返ってくるような感じで、大変だとの話をよく聞いた」と証言しています。

 労働基準監督署は、労災を認定しました。関電の岩根茂樹社長は10月28日の会見で、「忙しいという状況があったのは事実」と認めつつも、「社員であるかも含めて回答は差し控える」と従来の見解をくり返しました。福井労働局敦賀労働基準監督署が関電の岩根茂樹社長を出頭させ、管理職を含む全社員の労働時間管理の徹底を求める指導票を交付していたことが分かりました(2017/01/16)。

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『しんぶん赤旗』~職場で広がる怒り 関電過労自殺を追う~
(2016年11月20日)→こちら
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病む職場“氷山の一角だ”
再稼働優先で長時間労働に

 大阪・中之島の関西電力本店や近畿各支社の職場では、高浜原発再稼働に対応した課長が過労自殺した事件がテレビや新聞で報じられると、「擦り切れるまでこき使うて、えげつないわなあ」「過労死するほど仕事を与えたらあかん。けど、それを考えることができる役員こそ必要や」との声があがりました。
 他方、「心を病んだり、自殺者が出ているのに、あまり驚かなくなっている」との声も少なくありません。
 関電OBと労働者らでつくる「電力労働運動近畿センター」の調べでは、精神障害の欠勤者は1995年度に36人、従業員数の0・13%だったものが、2012年度には165人、0・81%と増えています。
 「これは“氷山の一角”。職場は数字以上に病んでいる」と労働者たちはいいます。
6月の関西電力労働組合の大会では、若狭・高浜支部の代議員が「震災以降、原子力部門では時間外労働が高止まりしている」と発言しました。同労組機関紙が報じています。

 長時間労働がまん延している事態に対し、関電はこれまで、「全社員が閲覧できる社内ウェブサイトに在職死亡者を掲載していた」(労働者)といわれます。現在、これらは役職者や一部管理職のサイトでしか見られなくなったといいます。

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原発の審査業務は労働時間規制の適用外
NPO法人働き方ASU-NET→こちら
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 原子力発電所の再稼働の前提となる規制基準の審査をめぐる業務については、厚生労働省の通達で労働基準法の残業時間に関する規制の適用を除外し、定められた労働時間を超えて残業をさせることができるようになっています。

 労働基準法の残業時間の上限を超えて残業できるようにしていたのは、原発の再稼働の前提となる原子力規制委員会の審査に平成25年11月までに申請を済ませた北海道電力、東京電力、関西電力、四国電力、それに九州電力です。それぞれ労使で協定書を結び、適用除外ができるようにしていましたが、対象となる人数や残業時間については「公表できない」などとしています。

原発の審査をめぐる業務を適用除外にする理由について、厚生労働省は「公益事業であり、集中的な作業が必要とされる」などとしています。